男性の社員が1か月の育児休業を終えて、職場に戻った。この実績に、三重県が30万円を支給する制度があります。
三重県働き方改革推進奨励金は、短時間正社員の導入、離職者の再雇用、男性の育休や介護休業の取得などの取組に、定額で支給されます。1取組あたり10万〜50万円で、1社の上限は400万円です。申請は2026年10月1日から2027年3月31日17時(必着)まで。予算額に達した時点で受付は終わります。
申請できるのは、令和7年度か令和8年度に「みえワク」(県の「みえの働き方改革推進企業」の登録)をすませた中小企業・小規模企業だけです。登録の募集は年に1回で、令和8年度分は7月31日に締め切られました。
三重県働き方改革推進奨励金の要点まとめ
正式名:三重県働き方改革推進奨励金(令和6年度新設)
だれが
- 申請者
- 事業者(みえワク登録済みの中小企業・小規模企業等)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 短時間正社員・再雇用・男性育休・介護休業などの取組
- 対象地域
- 三重県内(県外本社でも県内事業所があれば可)
- 従業員数
- 中小企業・小規模企業(業種ごとに基準あり)
いくら
- 補助上限額
- 1社あたり最大400万円(1取組10万〜50万円)
- 補助率
- 定額支給(取組区分ごとに金額を設定)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年10月1日〜2027年3月31日17時(必着)
うちの会社は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
次の場合は対象外です。
- ✕ 登録が令和6年度だけの企業
- ✕ 本社配属の社員の三重での勤務
- ✕ 経営者の親族の育児休業
- ✕ 政治団体・宗教団体
みえワクは、県が登録した企業を「みえの働き方改革推進企業」として紹介する制度の愛称です。登録の有効期間は登録日から翌々年度末までで、星1〜3のランクがあります。ランクに関係なく、奨励金は同じ条件で申請できます。
中小企業・小規模企業は、三重県中小企業・小規模企業振興条例の基準で判定します。中小企業は資本金か従業員数のどちらか一方が基準以内なら該当します。
| 業種 | 中小企業(資本金または従業員数) | 小規模企業(従業員数) |
|---|---|---|
| 製造業その他 | 3億円以下または300人以下 | 20人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下または100人以下 | 5人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下または50人以下 | 5人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下または100人以下 | 5人以下 |
県外に本社がある会社でも、三重県内に事業所があって登録を受けていれば対象です。支給の単位は事業主なので、事業所ごとの申請はできません。
交付要領には、雇用保険適用事業所であること、県の普及啓発活動(関連資料やセミナーでの事例紹介など)に協力できることも、申請者の条件として載っています。過去5年以内に法令違反の重大な事実があった企業や、みえワクの登録停止中の企業は対象外です。
いくらもらえる?
取組ごとに金額が決まっています。男性の育休と介護休業は「1人あたり」、それ以外は「1取組あたり」の額です。
| コース | 取組 | 支給額 |
|---|---|---|
| 短時間正社員制度等の活用 | 短時間正社員制度の導入・活用 | 30万円 |
| 同上 | 子が就学後も使える育児短時間勤務制度 | 20万円 |
| 同上 | 上のどちらかに加えて時差出勤・フレックス・テレワーク | +10万円(1事業者1回限り) |
| 誰もが安心できる就労環境 | 離職者の再雇用/治療と仕事の両立/正規雇用への転換/女性の積極採用 | 各20万円 |
| 同上 | 女性専用施設等の新設 | 上限20万円 |
| 男性の育児休業 | 7日以上/28日以上/3か月以上 | 10万円/30万円/50万円(1人) |
| 介護休業等 | 5日以上/1か月以上 | 10万円/30万円(1人) |
同じ取組で受け取れるのは、各年度に1事業者1回までです(短時間正社員コースのア・イと、就労環境コースのア〜オ)。時差出勤などの+10万円は、1事業者につき通算1回だけです。
いくつか計算してみます。
- 男性社員が28日の育休を取って復帰:30万円 × 1人 = 30万円
- 離職者の再雇用とパートからの正規転換:20万円 × 2取組 = 40万円
- 短時間正社員制度を作り、時差出勤も整える:30万円 + 10万円 = 40万円
- 3か月以上の育休を3人が取得:50万円 × 3人 = 150万円
1社の上限400万円に届くのは、全部の取組がそろった場合だけです。内訳は、短時間正社員コース60万円、就労環境整備コース100万円、男性育休(3か月以上)3人で150万円、介護休業(1か月以上)3人で90万円。男性育休と介護休業は連続した3か年度で3人までなので、前の2年度に支給を受けた会社は上限が下がります。
支給額を知るには、自社が取り組める項目を1つずつ数えていくのが近道です。まず1つ、10万〜30万円の取組から始めるという手もあります。
どの取組が当てはまる?
条件を読み違えやすい取組を挙げます。
- 短時間正社員:期間の定めのない契約で、時間あたりの基本給・賞与・退職金の算定方法が正社員と同等の直接雇用の社員。令和8年4月〜令和9年3月に1か月以上在籍し、申請日にも在籍している必要があります。正社員が月給制なら、時給の雇用区分は正社員と認められません
- 育児短時間勤務:小学校就学後も使える制度が対象。「就学してから1か月後まで」のような短い終期は対象外です。利用実績は就学前の子でも数えられ、同じ社員が令和8年4月〜令和9年3月に合計20日以上使う必要があります
- 女性の積極採用:令和8年1月〜12月の正規採用のうち女性の割合が、前年より20%以上増えること。前年が30%なら36%以上です
- 男性育休:経営者の親族を除く男性労働者が、子が1歳2か月になるまでに取得し、令和8年4月〜令和9年3月に復帰した場合が対象です
申請の流れと、つまずきやすい順番
この奨励金は、先に取組の実績をつくり、そのあとで申請します。つまずきやすいのは次の順番です。
- みえワクの登録を確かめる(事業者→三重県雇用対策課。令和7年度か令和8年度に登録済みか。申請時点で有効なこと)
- 取組を進める(事業者。育休・介護休業は令和8年4月〜令和9年3月に職場へ復帰した人が対象)
- 取組ごとの書類をそろえる(事業者。就業規則や出勤簿など。コースで書類が違う)
- 電子申請か郵送で出す(事業者→雇用対策課。2027年3月31日17時必着。郵送は追跡できる方法で)
- 交付か不採択かの通知を受ける(県→事業者。書面)
- 請求書と通帳の写しを出す(事業者→雇用対策課。振込はこのあと)
一度に全部まとめる必要はありません。たとえば10月に離職者の再雇用と正規転換、11月に男性育休と介護休業、1月に短時間正社員制度、と分けた申請例が県のQ&Aにあります。
男性育休と介護休業は3か年度で3人までなので、どの人の取得をどの年度の申請に回すかを、先に考えておく方法もあります。
必要な書類
準備できた 0 / 7
役員名簿は役職名・氏名(フリガナ付き)・生年月日・性別を書きます。育児・介護休業規定は、短時間コースのイ、男性育休、介護休業のときに要ります。雇用保険設置届は事業主控の写しで、県外に本社がある場合の扱いは様式に注記があります(県内の支店・営業所の設置届と書かれています)。
県のページには、就労環境コースの申請書が2種類並んでいます。令和7年4月〜令和8年3月の日付が入った版は前年度分なので、令和8年4月〜令和9年3月の日付の版を使います。
取組ごとの添付書類は申請要項の別紙2に一覧があります。男性育休なら育児休業取扱通知書や育児休業給付金支給決定通知書、出勤簿(復帰日がわかるもの)などです。
支給が決まったあとは、請求書(第2号様式)と、口座がわかる通帳の写しを出します。振込先は申請者本人名義の口座に限り、法人は法人名義です。代表者個人の口座は使えません。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 令和6年度だけの登録:登録の有効期間が令和9年3月31日まで残っていても、令和7年度か令和8年度に登録していなければ対象外です。
- 復帰の時期がずれた:男性育休と介護休業は、令和8年4月〜令和9年3月に復帰した人が対象です。この期間の外の復帰は数えられません。
- 年休や特別休暇を日数に入れた:数えられるのは育児・介護休業法の育休・介護休業だけです。年次有給休暇は日数に入りません。
- 予算額に達した:受付期間の途中でも、予算額に達すると受付が終わります。
- 虚偽や要件外が分かった:交付決定のあとでも取り消され、振込済みなら全額の返還です。交付要領では、受領日からの加算金(年10.95%)も求められます。
国の助成金と一緒に使える?
県は、他の助成金の受給を妨げないと説明しています。国の両立支援等助成金などと同じ取組で受け取れるかは、国の助成金の側の併給のルールで決まります。
よくある質問
令和8年度のみえワク登録をしていなくても、申請できますか?
令和7年度に登録していれば申請できます。対象は、令和7年度か令和8年度に登録した企業だからです。どちらにも登録していない場合は、令和8年度の登録募集が2026年7月31日で終わっているため、今回は申請できません。登録の募集は1年度に1回です。次の募集時期は県のページに載っていませんでしたので、雇用対策課(059-224-2454)に問い合わせると確かめられます。
令和6年度に登録した企業は対象ですか?
令和6年度に登録しただけで、令和7年度と令和8年度には登録していない企業は対象外です。登録の有効期間が令和9年3月31日まで残っていても同じです。県のQ&Aは、今後も働き方改革に取り組む企業を対象にする制度なので、登録期間が令和9年度を含む令和7年度・令和8年度の登録企業に限る、と説明しています。令和6年度登録だけの場合は、次の登録募集を待つことになります。
複数のコースをまとめて申請できますか?
できます。コースをまたいで複数の取組を選べますし、取組ごとに何回かに分けて申請することもできます。県のQ&Aには、令和8年10月に離職者の再雇用と正規転換、11月に男性育休と介護休業、令和9年1月に短時間正社員制度という3回の例があります。ただし支給は予算の範囲内です。非正規から短時間正社員への転換を、短時間正社員コースと正規雇用への転換の両方で申請することはできません。
男性育休の日数に、年次有給休暇や特別休暇を入れてもよいですか?
入れられません。対象は、育児・介護休業法にもとづく育児休業(産後パパ育休を含む)だけです。年次有給休暇や、会社が独自に設けた育児目的の休暇は、日数に換算できません。たとえば育休が20日間で、そのあとに年休を続けて取っても、28日以上の区分(30万円)にはなりません。この場合は7日以上の区分(10万円)に当たります。
男性育休は分割して取ってもよいですか?
区分によって扱いが違います。28日以上と3か月以上は、分けて取っても合計が28日以上、または90日以上なら対象で、最後の育休が終わった時点でまとめて申請できます。7日以上の区分は分割取得が対象外で、連続して取った場合に限ります。複数の年度にまたがって分けて取ったときは、職場に復帰した日の翌日が属する年度で申請します。
男性育休や介護休業は、何人まで申請できますか?
男性育休コースも介護休業等コースも、連続した3か年度で3人までです。過去に申請した分も含めて数えます。前々年度と前年度に支給を受けている場合は、令和8年度に申請できる人数が減ります。同じ男性社員の第二子での育休も、要件を満たせば申請できます。人数の数え方は資料に書かれていませんでしたので、雇用対策課に確かめてください。
国の助成金と併用できますか?
県は、他の助成金の受給を妨げないと説明しています。Q&Aでは国の両立支援等助成金が例に挙がっています。ただし、国の助成金の側に「他の助成金とは併給できない」という決まりがある場合があるため、事前に確かめるよう案内されています。国の助成金の要領を先に読み、同じ取組を両方に出してよいかを確かめてから、申請の順番を決めると安心です。
事業所が複数あるとき、事業所ごとに申請できますか?
できません。支給の対象は事業主で、事業所ごとの申請は受け付けていません。県外に本社があっても、三重県内に事業所があって中小企業・小規模企業に当たれば対象です。対象になる労働者は、三重県内の事業所に配属されて管理下にある人です。本社配属の社員が三重営業所でサテライト勤務をしている場合、その社員は対象外です。
女性専用施設等の新設では、何が対象になりますか?
女性従業員だけが使う休憩室・更衣室・シャワー室・授乳室などを新しく設ける費用です。支給額は対象経費の1/2以内で、上限は20万円。工事は40万円以上、備品は設置費・付属品を含めて1件10万円以上(税込)が条件で、複数の備品を同時に買うときは1件5万円以上のものが対象です。既存設備の更新や機能向上、仮設、リース、中古品、自社施工の工事は対象外です。
申請はいつまでにすればよいですか?
2027年3月31日17時までに、電子申請か郵送で出します。郵送も必着で、消印有効ではありません。期間内でも、申請が予算額に達すると受付が終わるため、県は早めの申請を求めています。取組の実績ができたものから、何回かに分けて出す方法もあります。送料が不足する郵便は受け付けられないので、発送前に料金を確かめてください。
申請してから振り込まれるまで、どのくらいかかりますか?
申請要項にもQ&Aにも、審査の日数や振込の時期は書かれていませんでした。流れは、申請書類を審査して交付か不採択かを書面で通知し、交付が決まった企業が請求書(第2号様式)と通帳の写しを出し、そのあとに振り込まれる、というものです。資金繰りの予定を立てるときは、雇用対策課に目安を確かめておくと安心です。
パートを時給のまま短時間正社員にした場合も、対象になりますか?
正社員の給与が月給制の会社では、時給で支払う雇用区分は正社員と認められません。県のQ&Aは、認められない例として、給与の算出・支給形態が違うこと、基本給・賞与・退職金の算定方法が違うこと、休日・昇給・昇格などの待遇に不合理な差があることを挙げています。短時間正社員にするなら、正社員と同じ算定方法で制度を作る必要があります。
問い合わせ先はどこですか?
三重県雇用経済部雇用対策課(働き方改革・人材育成班)です。電話は059-224-2454で、受付時間は8時30分から17時15分。土日祝と12月29日〜1月3日は休みです。メールの場合は、件名に【働き方改革奨励金 問い合わせ】と書きます。市役所などの窓口では、申請の相談を受けていません。問い合わせる前に、申請要項とQ&Aを読むよう県が案内しています。
