工場を新設したい、県外に拠点を移したい——数億円規模の投資を検討する企業にとって、立地する都道府県がどれだけ支援してくれるかは意思決定の大きな材料になります。三重県企業投資促進制度は、県内への新規立地や再投資を検討する企業向けに、投下償却資産額に応じた補助金を用意している大型投資向けの制度です。
制度の柱は「成長産業立地補助金」で、投資額5億円以上・雇用10人以上(中堅・中小企業は5人以上)を満たすグリーン・デジタル・食・ライフイノベーション等の成長産業に対して、投下償却資産の10%(上限5億円)を補助します。このほかマザー工場型・スマート工場・情報通信産業・地域資源活用型など複数のメニューがあり、公募制ではなく事前相談制で運用されています。
三重県企業投資促進制度の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人) |
| 制度名 | 三重県企業投資促進制度(成長産業立地補助金) |
| 対象業種 | グリーン・デジタル・食・ライフイノベーション等の成長産業及び高度部材産業 |
| 利用目的 | 設備投資(工場新設・再投資) |
| 対象地域 | 三重県内 |
| 従業員数 | 投資要件5億円以上・雇用要件10人以上(中堅・中小企業は5人以上) |
| 補助上限額 | 5億円 |
| 補助率 | 投下償却資産の10% |
| 申請受付 | 通年(公募制ではなく事前相談制。予算の範囲内) |
| 公式サイト | 三重県「三重県企業投資促進制度」 |

投資額5億円が最低ライン。小規模事業者向けではない
この制度でまず押さえておくべきは、どのメニューも投資要件が最低で5億円からという規模です(研究開発施設等立地補助金は地域によって2億円〜3,000万円まで緩和される場合があります)。数十万円〜数百万円規模の設備投資を考えている一般的な小規模事業者・個人事業主にとっては対象外の制度です。工場の新設や大規模な設備更新を検討している中堅・大企業クラスの投資案件が主な対象になります。
公募制ではない。「事前にお問い合わせ」が必須
一般的な補助金と違い、この制度は公募期間が決まっているわけではなく、投資を検討している企業が事前に県へ相談することから始まります。留意事項として「投資検討中の企業は必ず事前にお問い合わせ下さい」と明記されており、事後的に申請しても対象にならない可能性があります。工場立地や再投資の計画がある段階で、早めに三重県企業誘致推進課へ連絡することが実質的な「申請」の第一歩です。
メニューは投資の性質で選ぶ
主なメニューは次の通りです。
- 成長産業立地補助金: 投資5億円以上・雇用10人以上。投下償却資産の10%(上限5億円)
- マザー工場型拠点立地補助金: マザー工場化につながる投資。投下償却資産の15%(上限5億円)
- スマート工場立地補助金: スマート工場化につながる投資。投下償却資産の15%(上限5億円)
- 情報通信産業立地補助金: オフィス型・データセンター型で条件が異なる
- 地域資源活用型産業等立地補助金: 県南部地域の製造業・地域資源活用型産業向け
どのメニューが自社の投資計画に合うかは、投資の目的(規模拡大か、DX化か、地域資源の活用か)によって変わるため、複数のメニューにまたがる可能性がある場合は、県への相談時にすべての候補を提示して確認するのが効率的です。
操業・雇用の維持義務と返還リスク
最初の操業開始後、一定期間は操業と雇用要件の維持が必要で、維持がなされない場合は補助金を返還することになります。事業計画によって維持期間が異なるため、投資後に事業規模を縮小したり撤退したりする可能性がある場合は、返還リスクを踏まえて計画を立てる必要があります。
よくある質問
中堅・中小企業だと投資要件は緩和されますか?
雇用要件は中堅・中小企業向けに緩和されています(例: 成長産業立地補助金は雇用10人以上のところ、中堅・中小企業は5人以上)。ただし投資要件(5億円以上)自体は業種にかかわらず共通です。
再投資支援・マイレージ制度とは何ですか?
既に県内で操業している企業が追加投資を行う場合の制度で、新規立地支援とは別の交付要件・補助額(設備投資分と雇用増加分の合計で上限5億5,000万円)が設定されています。
オフィス開設だけでも対象になりますか?
外資系企業アジア拠点立地補助金や情報通信産業立地補助金(オフィス型)では、オフィス開設のみでも投資・雇用要件が緩和される仕組みがあります。詳細は個別に確認してください。
