水戸市の中心部にオフィスを構えるとき、家賃は補助されるのか。毎月の賃料そのものは対象経費に入りません。ただ市外から進出して中心市街地に構える法人には、12か月分の家賃相当額(上限100万円)が加算されます。基本の上限500万円とは別の上乗せで、最大は700万円です。
改装や備品、移転、求人にかかる費用の補助率は、市外法人が1/2、市内法人が1/3です。工事や発注に着手するのは交付決定のあとで、先に始めた分は対象になりません。
オフィス企業立地促進補助制度の要点まとめ
正式名:オフィス企業立地促進補助制度
だれが
- 申請者
- 法人(個人事業主は対象外)
- 対象業種
- 業種の指定なし(風俗営業は対象外)
- 利用目的
- 設備投資(オフィスの改装・備品)、新規雇用、事務所の新設
- 対象地域
- 茨城県水戸市
- 従業員数
- 規模の指定なし(水戸市民を1名以上雇用)
いくら
- 補助上限額
- 最大700万円(基本の上限500万円+加算金)
- 補助率
- 市外法人1/2、市内法人1/3
いつ・どこへ
- 申請受付
- 期間の記載なし(事前相談のうえ受付、予算がなくなり次第終了)
うちの会社は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 個人事業主・フリーランス
- ✕ 住居や店舗と兼ねる場所
- ✕ 市内法人で中心市街地の外
- ✕ 風俗営業にあたる事業
対象の法人は、法人税法第2条第9号の普通法人です。株式会社や合同会社などの営利法人が典型で、社団・財団・NPOなどが当たるかどうかは、商工課に確認してください。
オフィスとは、自らの事業のための事務所・営業所・研究所として使う施設で、他の用途を兼ねないものです。自宅兼用や店舗併設の場所は、この定義から外れるおそれがあります。
雇う相手は水戸市民で、法人で被保険者資格を取得することが条件です。期間は交付申請日からオフィス開設後6か月が経過する日までです。
市外法人と市内法人の違い
水戸市の窓口は、申請日の時点で市内に事業拠点があるかどうかで2つに分けています。
| 区分 | 市外法人 | 市内法人 |
|---|---|---|
| 拠点 | 市内に事業拠点がない | 市内に事業拠点がある |
| 開設する場所 | 水戸市内 | 中心市街地内 |
| 床面積の条件 | なし | 中心市街地内のオフィスの床面積の合計が、申請日より増えること |
| 補助率 | 対象経費の1/2 | 対象経費の1/3 |
| 家賃相当額の加算 | 中心市街地内なら対象 | 対象外 |
| 市税の納付状況調査確認同意書 | 不要 | 必要 |
市内法人は、中心市街地の中で床面積が増えるときだけ対象です。同じ面積のオフィスへの引っ越しや、郊外の支店は条件を満たしません。中心市街地エリアの範囲は、チラシの地図(水戸駅、千波湖、那珂川を含む赤枠の内側)に出ています。町名の一覧は公式ページにないため、物件を決める前に商工課へ確かめてください。
いくらもらえる?
補助率は市外法人が対象経費の1/2、市内法人が1/3で、基本の上限額は500万円です。ここに加算金が付く場合があり、加算金は500万円の外側に上乗せされます。
- 100万円:新たに被保険従業者(社会保険に入る従業員)を3人以上雇ったとき。水戸市に移住した人が含まれるなら2人以上
- 家賃相当額:市外法人が中心市街地エリア内に開設するとき。12か月分で上限100万円。共益費、敷金、礼金、保証金は除く
人数の加算(100万円)を足した額が対象経費を超えるときは、対象経費が上限になります。
-
市外法人が郊外に開設し、対象経費が300万円:300万円 × 1/2 = 150万円(雇用が1名なら加算なし)
-
市外法人が3人を雇う:300万円 × 1/2 + 100万円 = 250万円
-
市内法人が中心市街地に拠点を増やし、対象経費が450万円:450万円 × 1/3 = 150万円(3人雇えば+100万円で250万円)
-
市外法人が中心市街地に開設し、家賃が月9万円:12か月分は108万円で、加算は上限の100万円
-
市外法人が中心市街地に開設し、対象経費が1,200万円、3人を雇い、家賃が月9万円:1/2で600万円ですが基本は上限の500万円。そこに人数の100万円と家賃相当額の100万円が乗り、合計700万円
500万円の外側とわかるのは、市の交付申請書(様式第1号)の計算式と、チラシの「補助最大額 700万円」からです。計算式は、対象経費に補助率を掛けた額と500万円の低い方に、加算金を足す形になっています。最大の700万円は、市外法人で中心市街地・3人以上の雇用がそろったときです。市内法人は人数の加算だけなので、最大600万円です。
何に使える?
対象にならないもの
- 毎月の賃料そのもの(市外法人の家賃相当額の加算を除く)
- 土地や家屋の取得(償却資産は、工具・器具・備品に限る)
- 要件になっている従業員以外の求人にかかる費用
- 補助金の申請より前に行った求人活動の費用
対象になるもの
- オフィスの改装費:天井・壁・床などの内装、電気工事、塗装、看板の設置
- 償却資産の取得費:事業用の工具・器具・備品(減価償却の対象になるもの)
- オフィスの移転費
- 求人活動費:申請後からオフィス開設後6か月までに行う、要件の従業員の募集にかかるもの
移転費の範囲は、公式ページに細かい定めがありません。見積に入れたい項目があるときは、商工課に確かめてください。
申請の流れ
- 事前相談をする(法人→商工課 企業誘致・創業支援室。計画が固まった段階、着手の前に)
- 交付申請書を出す(法人→商工課。書類をダウンロードして記入し、添付書類と一緒に。着手の前に)
- 交付決定を受ける(市→法人。改装工事や備品の発注は、この通知のあと)
- オフィスを開設して、事業を実施する(法人。雇用は開設後6か月が経過する日までに)
- 実績報告書と請求書を出す(法人→商工課。事業の完了後)
交付決定とは、申請を審査した市が出す通知のことです。採択とは別の通知で、この前に着手した工事や発注は対象外になります。
実績報告の期限と、開設後の運用状況報告書を出す時期は、公式ページに書かれていません。事前相談のときに確かめておくと安心です。
必要な書類
準備できた 0 / 8
上の表は、交付申請書(様式第1号)に書かれた添付書類です。同意書は市内法人だけが出し、納税証明書で代えることもできます。物件の所有者が法人のときは、その法人の履歴事項全部証明書も要ります。このほか、市長が必要と認める書類を求められることがあります。
交付決定のあとは、次の様式を使います。計画を変えるときは内容変更等申請書、事業が終わったら実績報告書(支払証拠書類の写し、改装後の写真、取得した資産の写真を添付)と請求書です。実績報告書には被保険従業者名簿を付け、健康保険の被保険者であることがわかる書類と住民票の写しを添えます。開設後の運用状況報告書には、直近の決算書の写しを付けます。
勘違いされやすいのは、どこ?
同じ水戸市の「企業立地促進補助金」とは別の制度
水戸市には、名前がよく似た企業立地促進補助金があります。工場や物流拠点向けの大きな制度で、条件が重いため、小さなオフィスは対象になりにくいです。
| 区分 | オフィス企業立地促進補助制度 | 企業立地促進補助金 |
|---|---|---|
| 雇用の条件 | 水戸市民を1名以上 | 水戸市民を5人以上 |
| 床面積の条件 | なし | 事業用の建物が500平方メートル以上 |
| 対象経費 | 改装費、備品、移転費、求人活動費 | 用地・建物・償却資産の取得費、賃借時の改装費など |
| 補助の大きさ | 対象経費の1/2か1/3、基本の上限500万円(加算金込みで最大700万円) | 投資額の7〜10%、上限は最大2億5,000万円 |
オフィス開設のように規模が小さい計画なら、まずオフィス企業立地促進補助制度の条件を見ます。同じ一覧に「中心市街地店舗,事務所等開設促進補助金」もありますが、詳細ページを開けなかったため、この記事では扱っていません。
家賃は補助されるのか
毎月の賃料は対象経費ではありません。補助されるのは市外法人の家賃相当額の加算だけです。市内法人には、この加算がありません。
引っ越しなら使えるのか
市内法人が引っ越すだけでは、中心市街地内のオフィスの床面積が増えず、対象外になります。移転費は対象経費ですが、床面積が増えることが先の条件です。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に着手した:改装や備品の購入は、交付決定のあとに始めたものだけが対象です。
- 市内法人で床面積が増えない:中心市街地内のオフィスの床面積の合計が、申請日より増えることが要件です。
- 開設後6か月までに雇えなかった:水戸市民を1名以上雇う期限は、交付申請日からオフィス開設後6か月が経過する日までです。
- 予算がなくなった:年度の途中でも、予算がなくなると交付を受けられない場合があります。
- 風俗営業や暴力団との関係があった:対象要件に、風俗営業に関する事業ではないことと、暴力団との関係がないことが入っています。
よくある質問
個人事業主やフリーランスでも対象になりますか?
対象外です。対象は法人税法第2条第9号の普通法人に限られています。個人事業主やフリーランスが水戸市でオフィスを開いても、この制度は使えません。法人を設立してから申請する場合は、申請日の時点で水戸市内に事業拠点があるかどうかで、市外法人か市内法人かが決まります。設立の時期と申請の順番は、事前相談で確認してください。
サテライトオフィスや営業所でも対象になりますか?
オフィスの定義は、自らの事業のための事務所・営業所・研究所として使う施設で、他の用途を兼ねないものです。サテライトオフィスや営業所は、この定義に当たるなら対象になり得ます。業種の指定は公式ページにありません。一方、店舗や住居と兼ねる場所は定義から外れるおそれがあるため、物件を決める前に商工課へ確かめてください。
毎月の賃料は補助されますか?
毎月の賃料そのものは、対象経費に入っていません。対象経費は、改装費、償却資産の取得費、移転費、求人活動費の4つです。ただし市外法人が中心市街地エリア内にオフィスを開設する場合は、12か月分の家賃相当額が加算されます。上限は100万円で、共益費、敷金、礼金、保証金は含まれません。市内法人には、この加算はありません。
すでに水戸市に本社があります。郊外に支店を出す場合は対象ですか?
対象外です。市内に事業拠点がある市内法人は、中心市街地内でオフィスを開設し、中心市街地内に持つオフィスの床面積の合計が申請日より増えるときだけ対象になります。郊外の支店は、この条件に当てはまりません。市内法人の補助率は対象経費の1/3です。中心市街地エリアの範囲は、チラシの地図で確かめられます。物件を決める前に、商工課で確かめてください。
雇用は誰を、いつまでに雇えばいいですか?
雇うのは水戸市民で、法人で被保険者資格を取得させることが条件です。期間は、交付申請日からオフィス開設後6か月が経過する日までです。この期間内に1名以上を雇います。3人以上を新たに雇うと、100万円の加算が付きます。その中に水戸市へ移住した人がいれば、2人以上で加算の対象です。
加算金はいくら付きますか?
加算は2種類あります。ひとつは、新たに被保険従業者を3人以上雇ったときの100万円で、市外法人にも市内法人にも付きます。水戸市に移住した人が含まれるなら2人以上で足ります。もうひとつは、市外法人が中心市街地エリア内に開設するときの、12か月分の家賃相当額(上限100万円)です。加算金は、基本の上限500万円の外側に上乗せされます。人数の加算で額が対象経費を超えるときは、対象経費が上限です。基本額と2種類の加算がすべて付くと最大700万円で、市内法人は最大600万円です。
工事を先に始めてしまったら、対象になりますか?
対象になりません。オフィスの改装や償却資産の取得は、交付決定のあとに着手したものだけが対象です。着手の前に交付申請書を出す必要があります。契約や発注、工事の開始は決定の通知を待ってください。申請の前に、事前相談で着手の時期を商工課と確かめておくと、順番を間違えにくくなります。
備品はなんでも対象になりますか?
対象の償却資産は、土地や家屋以外の事業用資産で、減価償却の対象になるもののうち、工具、器具、備品に限られます。机、椅子、パソコンなどが当たるかどうかの個別の判断は、公式ページにありません。購入の前に、品目を挙げて商工課に確かめてください。求人活動費は、補助金の申請後から開設後6か月までに行う、要件の従業員の募集にかかるものに限られます。
受付期間はいつまでですか?
公式ページに、受付の期間は書かれていません。事前相談をしたうえで受け付ける仕組みで、予算の範囲内の補助です。予算がなくなると、年度の途中でも交付を受けられない場合があります。期限がないからといって後回しにせず、オフィスの計画が固まった段階で早めに商工課へ連絡し、残りの予算を確かめてください。
水戸市の「企業立地促進補助金」と併用できますか?
併用できるかどうかは、公式ページに書かれていません。企業立地促進補助金は、水戸市民を5人以上新たに雇うことと、事業用の建物の床面積が500平方メートル以上であることが条件です。規模が小さいオフィスは、オフィス企業立地促進補助制度の条件に合うことが多いです。両方を検討する場合は、先に商工課へ相談してください。
3年間は事業を続けないといけませんか?
対象要件に、開設するオフィスでの業務を3年間継続する意思があることが入っています。補助金の交付を受けたあとの運用状況を報告する様式(運用状況報告書)も用意されています。3年のあいだに撤退したときの扱いは、公式ページに書かれていません。事業の見通しが固まっていない場合は、申請の前に商工課へ確かめてください。
問い合わせ先はどこですか?
水戸市の商工課 企業誘致・創業支援室(電話 029-232-9185)です。事前相談のうえで申請を受け付ける制度なので、まず電話で相談します。物件の情報や、IT系専門学校等と連携した求人活動のサポートについても、同じ窓口で案内しています。
