茨城県水戸市の「オフィス企業立地促進補助制度」は、市内でオフィスを新設・拡張する企業に、改装費や求人活動費など幅広い経費を補助率最大1/2・上限500万円まで補助する制度です。市外から進出する法人と、すでに市内に拠点がある法人の両方が対象になります。

対象になる事業者を具体例で見る

補助の対象は大きく2パターンに分かれます。

  • 市外法人: 申請時点で水戸市内に事業拠点がなく、新たにオフィスを開設する法人。オフィス開設後6か月以内に水戸市民を1名以上雇用し、3年以上事業を継続する意思があることが要件
  • 市内法人: すでに水戸市内に事業拠点がある法人。中心市街地内で新たにオフィスを開設し、その法人が中心市街地内に持つオフィスの床面積合計を、申請日時点より増加させることが要件。あわせて従業者1名以上の雇用も必要

具体的なケースで見ると、次のようなイメージです。

  • 東京のIT企業が水戸市中心部にサテライト拠点を新設(市外法人): 水戸市内に拠点がない状態から、中心市街地内にオフィスを開設し、開設後6か月以内に地元スタッフを1名採用
  • 市内で製造業を営む会社が中心市街地に営業拠点を追加(市内法人): すでに市内に工場・事業所を持つ法人が、中心市街地内に新たな営業拠点を開設し、市内オフィスの床面積合計を増やす
  • 市外のデザイン会社が郊外にオフィスを開設(市外法人・中心市街地外): 中心市街地の外にオフィスを構えるケース。市外法人としての基本要件は満たすが、後述の中心市街地加算は対象外になる

なお、風営法上の風俗営業に該当する事業は対象外です。

補助対象経費・補助率・上限額

補助対象になる経費は次の4項目です。

  • オフィスの改装費(内装工事・電気工事など)
  • 償却資産の取得費(工具・器具・備品など)
  • オフィスの移転費
  • 求人活動費

補助率・上限額は、市外法人か市内法人かで異なります。

区分補助率補助上限額主な加算
市外法人対象経費の1/2500万円(加算金込み)従業者3人以上雇用で+100万円/中心市街地内開設なら家賃相当額(12か月分・上限100万円)を加算
市内法人対象経費の1/3500万円(加算金込み)従業者3人以上雇用で+100万円
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重要なのは、市外法人が中心市街地内にオフィスを構えると、家賃相当額(12か月分・上限100万円)という実質的な賃料補助にあたる加算が上乗せされる点です。中心市街地の外に出すか内に構えるかで、受け取れる総額が変わってきます。

具体的な金額感を3パターンで試算すると、次のようになります。

  • パターン1:市外の情報サービス企業が中心市街地にオフィス新設(市外法人): 改装費250万円+PC等の償却資産200万円+求人活動費50万円=対象経費500万円。補助率1/2で250万円、従業員3人以上雇用で+100万円、中心市街地内開設で家賃相当額+100万円を加算し、合計450万円(上限500万円の枠内)
  • パターン2:市内に本社を持つ企業が中心市街地に営業拠点を追加(市内法人): 改装費・備品購入費など対象経費500万円に対し、補助率1/3で約167万円。従業員3人以上雇用の加算+100万円を合わせて合計約267万円
  • パターン3:市外の広告制作会社が中心市街地の外にオフィスを開設(市外法人・中心市街地加算なし): 対象経費300万円(改装150万円+備品100万円+求人費50万円)に対し、補助率1/2で150万円。雇用が1名にとどまる場合は加算なし

同じ「市外法人・補助率1/2」でも、立地(中心市街地内か外か)と雇用人数によって受け取れる金額に大きな差が出ることが分かります。

申請の流れ:着手前の事前相談・交付決定が最重要ポイント

この補助制度で最も注意すべきなのは、改装工事や備品の発注、求人活動などの「着手」は、必ず交付決定を受けた後に行う必要があることです。事前相談をせずに工事を発注してしまったり、交付決定前に費用を支払ってしまったりすると、その経費は補助対象外になります。

水戸市公式ページに沿って手続きの流れを整理すると、次のとおりです。

  1. 事前相談: オフィス開設・拡張の計画が固まった段階で、着手前に商工課(企業誘致・創業支援室)へ相談する
  2. 交付申請: 事前相談を踏まえて申請書・添付書類を商工課へ提出する
  3. 交付決定: 市の審査を経て交付決定通知を受け取る。改装工事の着手や償却資産の発注は、この交付決定を受けてから行う
  4. 事業の実施: 交付決定にもとづき、改装・資産取得・移転・求人活動を実施する
  5. 実績報告・請求: 事業完了後、実績報告書と経費の支払いを証する書類を提出し、補助金を請求する

また、この制度は予算の範囲内での運用のため、年度途中でも予算に達し次第、交付を受けられなくなる場合がある点にも注意が必要です。オフィス開設の計画が固まったら、契約や工事発注のスケジュールを組む前に、できるだけ早く商工課へ相談することが実務上のポイントになります。

他の自治体にも同じようにオフィス開設を支援する制度があります。あわせてこちらの記事で解説しています。

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補助金の概要早見表

項目内容
制度名オフィス企業立地促進補助制度
実施主体茨城県水戸市(商工課)
対象地域茨城県水戸市
対象事業者市外から新規進出する法人/市内に拠点がある法人で中心市街地内にオフィスを開設・拡張する法人
対象経費改装費・償却資産取得費・移転費・求人活動費
補助率市外法人1/2、市内法人1/3
補助上限額500万円(加算金込み)
公式サイトhttps://www.city.mito.lg.jp/page/1812.html
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事前相談のタイミングや加算要件の満たし方など、実務の進め方に迷う場合は専門家に相談するのも一つの手です。

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よくある質問

個人事業主でも対象になりますか?

制度の対象は「法人税法第2条第9号に規定する普通法人」とされており、対象は法人に限られます。個人事業主・フリーランスでのオフィス開設は、この制度の対象外です。

サテライトオフィスとして開設する場合も対象になりますか?

業種を問わずオフィス開設全般が対象のため、サテライトオフィスとしての利用も市外法人・市内法人の要件を満たせば対象になり得ます。

補助対象経費に賃料そのものは含まれますか?

補助対象経費は改装費・償却資産取得費・移転費・求人活動費で、毎月の賃料そのものは対象経費に含まれません。ただし市外法人が中心市街地内にオフィスを開設する場合は、家賃相当額(12か月分・上限100万円)が加算として上乗せされます。


免責事項: 本記事の内容は2026年7月時点で確認できた情報にもとづきます。補助額・補助率・対象経費・申請要件・予算の状況は変更される場合があるため、申請前に必ず水戸市の公式ページおよび商工課への事前相談で最新情報をご確認ください。

出典: