事業所を長野市に建てると、必ず助成金が出るわけではありません。対象は、床面積が1,000平方メートルを超える事業所を、自分の事業に使う目的で新設・増設する人です。
額は、自己の事業に使う床面積に1平方メートルあたり600円を掛けた額が1年あたりの限度で、3年間交付されます。交付の目的は、事業所を設置したときにかかる事業所税の相当額を助成することです。
事業所設置事業助成金の要点まとめ
正式名:事業所設置事業助成金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし(風俗営業等は除く)
- 利用目的
- 事業所の新設・増設にかかる事業所税相当額の助成
- 対象地域
- 長野県長野市
- 従業員数
- 公式ページに記載なし(床面積1,000㎡超が条件)
いくら
- 補助上限額
- 年額で1㎡あたり600円×自己の事業用の床面積が限度(3年間交付)
- 補助率
- 定額(1㎡あたり600円)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 受付期間の記載なし。認定申請は着手前に提出
- 公式サイト
- 長野市「事業所設置事業助成金」
自分の計画は対象になるか
次の3つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
- 床面積が1,000㎡を超える
- 事業所を新設または増設する
- 自分の事業に使う目的である
- ✕ 風俗営業などを営む
- ✕ 床面積が1,000㎡以下
- ✕ 市税を滞納している
「超える」なので、ちょうど1,000㎡は対象外です。業種に指定はありません。事業所とは、工場、店舗、事務所と、それに付属する建物のことです。倉庫、物流拠点なども当てはまる可能性があります。
市長は認定の審査で、市税を滞納していないかを確認します。そのため認定申請には、納付状況の確認に同意する書面が要ります。
対象から外れる営業は、風営法の風俗営業、性風俗関連特殊営業、特定遊興飲食店営業、接客業務受託営業です。これらの営業を営む人に係る事業所は、条例で事業所から除かれています。
新設と増設は、条例の別表で次のように決められています。
- 新設:市内に事業所がない人が、市内に新たに事業所を置くこと。市内に事業所がある人が、既設と異なる業種の事業所を市内に置くことも含みます。
- 増設:市内に事業所がある人が、同じ業種の事業所を市内に置くこと。既設の事業所の敷地内や隣接地で拡充することも含みます。
「自己の事業に供する」とは、自社の事業に使うことです。他人に貸すための建物が当てはまるかは、公式ページにも条例にも書かれていません。貸し出す部分がある計画は、企業立地課に先に聞いてください。
既設の事業所を拡充する場合に、増やした部分だけで1,000㎡を超える必要があるのか、建物全体で数えるのかは、説明がありません。ここは申請前の確認が必要です。
同じ長野市の「別の助成金」と取り違えない
長野市の事業者向け補助金のページには、似た名前の助成金が並んでいます。
- 事業所設置事業助成金(この記事)
- 工場等設置事業助成金
- 事業所等改修事業助成金
- 工場用地等取得事業助成金
- 事業所等常用雇用者創出事業助成金
この記事の助成金は、事業所の新設・増設にかかる事業所税相当額を助成するものです。工場の設置、改修、用地の取得、雇用の創出は、別の助成金として別のページに載っています。同じ計画でも、どれに当たるかで対象と額が変わります。
別の助成金との併用や、同じ計画での重複申請が認められるかは、公式ページにも条例にも書かれていません。複数にまたがる計画は、企業立地課にまとめて相談するのが確実です。
いくら助成されるか
額は「自己の事業活動に係る床面積 × 600円」が限度です。条例の別表では、これを限度として市長が別に定める額を「年額として3年間交付」すると書かれています。つまり600円×面積は、1年あたりの限度です。
- 床面積1,500㎡の倉庫を新設する:1,500㎡ × 600円 = 90万円が1年の限度(3年で最大270万円)
- 床面積3,000㎡の物流拠点を新設する:3,000㎡ × 600円 = 180万円が1年の限度(3年で最大540万円)
実際の年額は、限度額と同じとは限りません。「市長が別に定める額」の算定方法は、公式ページにも条例にも載っていません。3年分の総額を資金計画に入れる前に、企業立地課(026-224-6751)で確かめてください。
申請の流れ
申請は、事業の認定を受けてから事業所をつくり、完了後に交付を申請する流れです。
- 認定申請を出す(事業者→長野市 企業立地課。助成事業の着手前に出す)
- 認定の通知を受ける(市が内容を審査し、市税の滞納がないかを確認する。必要に応じて実地調査もある)
- 事業所を新設・増設する(事業者。内容を変えるときや中止するときは、速やかに届書を出して承認を得る)
- 完了後すみやかに交付申請を出す(事業者→企業立地課。完了報告書を添える)
- 交付決定を受けて、交付請求書を出す(事業者→企業立地課)
認定申請は、助成事業の着手前に出す決まりです。施行規則の第2条に定められており、着手してから申請する順序にはなっていません。何をもって着手とするかは、公式ページに書かれていません。設計が固まった段階で、企業立地課に相談してください。
必要な書類
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登記事項証明書と定款は、法人の場合だけ要ります。位置図は、1万分の1以上の縮尺のものです。このほか、市長が必要と認める書類を求められることがあります。
認定申請書は、市税の納付状況を確認することへの同意書と1つのファイルになっています。交付申請の年度が認定を受けた年度と異なる場合は、同意書をもう一度出します。
資金計画書は、収入(自己資金、借入金、市の助成金の見込み)と支出(用地取得費、建物工事費、機械設備工事費など)を書く様式です。支出のうち、投下固定資産額を書く欄もあります。助成事業実施計画書、交付申請書、完了報告書、交付請求書の様式は、市の案内ページに載っていません。
助成が受けられなくなるとき
- 対象外の営業:風俗営業、性風俗関連特殊営業、特定遊興飲食店営業、接客業務受託営業に係る事業所は、対象になりません。
- 床面積が基準に届かない:1,000㎡以下の事業所は対象になりません。
- 自己の事業用でない:他人に貸す目的の建物は、条件から外れるおそれがあります。
- 認定の前に着手した:認定申請は着手前に出す決まりのため、順序を誤ると手続きに乗らないおそれがあります。
- 市税を滞納している:認定の審査で納付状況が確認されます。
- 事業を中止した:条例では、助成の対象になった事業の全部または一部を中止したとき、交付の決定を取り消すか、交付済みの助成金を返させることがあると定めています。
よくある質問
床面積1,000㎡に駐車場や共用部分は含まれますか?
公式ページと条例には、床面積の数え方の説明がありません。駐車場、倉庫、共用部分、屋外の施設を数に入れるかどうかは、載っていませんでした。条例で事業所とされているのは、工場、店舗、事務所とそれに付属する建物です。1,000㎡ぎりぎりの計画では、数え方で対象かどうかが変わる可能性があります。設計図ができた時点で、企業立地課(026-224-6751)に図面を見せて確かめるのが確実です。
1,000㎡ちょうどでも対象になりますか?
対象になりません。公式ページの対象者と対象事業は、いずれも「床面積が1,000平方メートルを超える事業所」と書かれています。「超える」なので、1,000㎡ちょうどや、それ未満は条件に当たりません。計画の床面積が1,000㎡に近い場合は、設計の段階で基準を満たすかどうかを確かめてください。
既存の事業所を増築しても対象になりますか?
対象になる場合があります。条例では、増設に「既設の事業所の敷地内や隣接地で拡充すること」が含まれます。同じ業種の事業所を市内の別の場所に置くことも増設です。ただし、拡充の場合に増やした部分だけで1,000㎡を超える必要があるのか、建物全体で数えるのかは、説明がありません。既存部分と増設部分の床面積を整理したうえで、企業立地課に相談してください。
賃貸の建物に入る場合も対象ですか?
公式ページと条例には、賃借した建物が対象になるかどうかの説明がありません。対象者は「事業所を、自己の事業に供する目的で新設または増設する方」です。新設は「市内に新たに事業所を置くこと」とされていますが、建物を借りて入居する場合を含むのか、建築する人に限られるのかは、確認できませんでした。賃借で検討している場合は、契約前に企業立地課に確かめてください。
助成金はいくらまでもらえますか?
限度は、自己の事業活動に係る床面積に1㎡あたり600円を掛けた額です。条例の別表には、市長が別に定める額を年額として3年間交付するとあり、この限度は1年あたりと読めます。たとえば1,500㎡なら1年に90万円まで、3年で最大270万円です。実際の年額は「市長が別に定める額」で、算定方法は公開されていません。総額の上限額の記載もないため、資金計画に入れる前に確認してください。
申請はいつまでにすればよいですか?
公式ページに、受付期間や締切日の記載はありません。そのため、特定の期限は示せません。決まっているのは順序で、認定申請は助成事業の着手前に出します。期限が分からない制度では、計画が決まった時点で早めに企業立地課(026-224-6751)に連絡し、いつ着手してよいかを確かめておくのが安全です。
工事を始めたあとでも申請できますか?
規則上、認定申請は助成事業の着手前に出す決まりです。長野市商工業振興条例施行規則の第2条に「当該助成事業の着手前に市長に提出しなければならない」とあります。着手したあとの申請が例外として認められるかは、どこにも書かれていません。何をもって着手とするか(用地の取得や契約を含むか)も不明です。設計が固まった段階で、企業立地課に確かめてください。
申請に必要な書類は何ですか?
認定申請では、認定申請書、市税の納付確認に関する同意書、助成事業実施計画書、施設の設計図と位置図、資金計画書が必要です。法人は登記事項証明書の謄本と定款の写しも出します。完了後の交付申請では、交付申請書と完了報告書を出し、交付が決まったら交付請求書を出します。このほか市長が必要と認める書類を求められることがあります。様式のうち認定申請書(同意書つき)と資金計画書は、市の案内ページから入手できます。
市税を滞納していても申請できますか?
認定の審査で、市税を滞納していないかが確認されます。施行規則の第3条に、市長は申請書を受けたとき、内容を審査し、市税を滞納していないことを確認すると定められています。滞納がある場合の扱いは書かれていませんが、確認の対象になる以上、申請の前に納付状況を整えておくのが安全です。確認に同意する書面は、認定申請書と一緒に出します。
根拠となる条例や規則はありますか?
あります。公式ページに、商工業振興条例と商工業振興条例施行規則が根拠法令として載っています。どちらもPDFで公開されています。条例の別表に事業所設置事業の助成率が、施行規則に認定申請から交付請求までの手続きが書かれています。条文の読み方に迷う場合は、企業立地課に聞くほうが確実です。
風俗営業の事業者は申請できますか?
できません。公式ページは、風営法第2条に規定する風俗営業に該当する営業を営む人を、対象から外しています。条例の備考では、性風俗関連特殊営業、特定遊興飲食店営業、接客業務受託営業に係る事業所も、事業所から除かれています。風営法とは、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律のことです。それ以外の業種に指定はないため、倉庫業、物流業、小売業、製造業などの事業者は、床面積などの条件を満たせば対象になりえます。
工場を建てる場合もこの助成金ですか?
工場の設置には、別に「工場等設置事業助成金」があります。条例の別表では、特定地域(工場適地、準工業地域、工業地域、工業専用地域など)に工場を新設・増設し、投下固定資産額が5,000万円以上(別に定める事業所は2,000万円以上)のものが対象で、固定資産税相当額を助成する仕組みです。この記事の助成金は、床面積1,000㎡超の事業所が対象です。どちらに当たるか迷う計画は、企業立地課にまとめて相談してください。
問い合わせ先はどこですか?
長野市 経済産業振興部 企業立地課です。住所は長野市大字鶴賀緑町1613番地の第二庁舎5階で、電話は026-224-6751です。床面積の数え方、何をもって着手とするか、実際の年額の考え方など、公式ページと条例で確認できなかった点は、申請書を作る前にここで確かめてください。
