この助成金は、税を減らす制度ではありません。工場を建てた事業者が納める固定資産税に見合う額を、市が助成金として交付します。投資が大きいほど税額が増えるため、助成も大きくなります。
入り口になるのは、投下固定資産額が原則5,000万円以上という条件です。業種によっては2,000万円以上で足ります。
工場等設置事業助成金の要点まとめ
正式名:工場等設置事業助成金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 工場、および指定された運輸・卸売・情報サービス業等の事業所
- 利用目的
- 工場・事業所の新設・増設(固定資産税相当額の助成)
- 対象地域
- 長野県長野市(工場は工業系地域・産業団地。指定業種は市内全域)
- 従業員数
- 規定なし(投下固定資産額が基準)
いくら
- 補助上限額
- 固定資産税相当額(上限額の記載なし)
- 補助率
- 第1・2年度100%、第3年度80%
いつ・どこへ
- 申請受付
- 公式ページに受付期間の記載なし(企業立地課へお問い合わせください)
- 公式サイト
- 長野市「工場等設置事業助成金」
うちの会社は対象になる?
次の条件に当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
次のどちらかに当たると対象外です。
- ✕ 投下固定資産額が基準に届かない
- ✕ 対象の業種・場所に当たらない
- ✕ 風俗営業等の事業所
投下固定資産額とは、新設・増設のために新しく用意する土地・建物・機械などの額のことです。算定の細かい範囲は、公式ページにも条例にも書かれていません。
条例の「新設」と「増設」には定義があります。新設は、市内に事業所がない事業者が新しく設けるときか、市内に事業所がある事業者が既存と違う業種の事業所を設けるときです。増設は、同じ業種の事業所を市内にもう1つ設けるときか、既存の事業所の敷地内や隣地で拡充するときです。条例の表が挙げているのは新設と増設です。認定申請書の様式には「移設」の欄もありますが、移転だけで対象になるかは条例から読み取れません。
工場を建てられる「特定地域」は、工場立地法の工場適地、準工業地域、工業地域、工業専用地域、そのほか市長が認める地域です。市などが分譲する産業団地も、公式ページが対象に挙げています。
2,000万円の基準が使えるのは、国の法令(新事業創出促進法施行令)が挙げる業種です。公式ページが挙げているのは次の業種です。
- 機械修理、総合リース、産業用・事務用機械器具賃貸
- ソフトウェア、情報処理サービス、情報提供サービス
- 広告代理、デザイン、機械設計、経営コンサルタント、エンジニアリング
- ディスプレイ、産業用設備洗浄、非破壊検査、自然科学研究所
運輸業の道路貨物運送と倉庫業、各種の卸売業も対象です。ただし2,000万円の扱いになるのは上の業種だけなので、運輸・卸売は5,000万円が基準だと読めます。
いくら助成される?
助成額は、新設・増設した固定資産にかかる固定資産税相当額に、年度ごとの割合をかけた額です。固定資産税相当額とは、その固定資産に対して市が課税する税額に当たる額のことです。
- 第1年度:100%
- 第2年度:100%
- 第3年度:80%
税額が3年とも年200万円だと仮定して計算します。
- 第1年度:200万円 × 100% = 200万円
- 第2年度:200万円 × 100% = 200万円
- 第3年度:200万円 × 80% = 160万円
3年間で560万円です。上限額は公式ページに書かれていません。助成額は投資の規模と税額で決まるので、自社の数字での試算は企業立地課に頼むのが確実です。
実際の税額は年ごとに変わります。償却資産(機械などの固定資産)の評価額は、使うほど下がるのが一般的です。第1年度が何を指すかは公式ページにないため、窓口で確かめてください。
基準額の見え方も、業種で変わります。
- 機械設備に4,000万円かける製造工場:5,000万円に届かず対象外
- 設計用ソフトと機器に2,500万円かけるデザイン事務所:2,000万円以上なので対象の見込み
- 倉庫業の事業所に3,000万円かける:運輸・倉庫は5,000万円が基準なので対象外の見込み
申請の流れ
申請は、認定申請と交付申請の2段階です。
- 計画を企業立地課に相談する(事業者→企業立地課。着工の前に)
- 認定申請の書類を出す(事業者→企業立地課。着手前に出す決まり)
- 認定の通知を受ける(企業立地課→事業者。市税の滞納がないかも確かめられる)
- 工場・事業所を新設・増設する(事業者。内容を変える・中止するなら届出を出して承認を得る)
- 交付申請書と完了報告書を出す(事業者→企業立地課。完了後すみやかに)
- 交付決定を受け、交付請求書を出す(企業立地課→事業者)
施行規則は、認定申請書を助成事業の着手前に提出するよう定めています。着工してから出すことはできません。設計図と資金計画が要るので、計画が固まった時点で先に企業立地課へ相談してください。
必要な書類
準備できた 0 / 11
登記事項証明書と定款の写しは、法人だけが出します。用地の取得を含む計画では、設計図に代えて公図の写しも要ります。納付確認の同意書は、交付申請の年度が認定を受けた年度と違うときも出します。このほか、市長が必要と認める書類を求められることがあります。案内ページに載っている様式は、認定申請書(Word)と資金計画(Excel)の2つだけです。残りは企業立地課に聞いてください。
認定申請書には、着手と完了の予定日を書きます。資金計画書には、自己資金・制度資金・金融機関の借入の内訳と、用地取得費・建物工事費・機械設備工事費ごとの金額を書き、それぞれ「うち投下固定資産額」も分けて書く形です。基準額に届くかは、この欄で見られます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 基準額に届かない:投下固定資産額が5,000万円(指定業種は2,000万円)を下回ると、助成事業として認められません。
- 対象の業種や場所に当たらない:工場は工業系地域か産業団地、工場以外は指定の業種に限ります。
- 認定の前に着手した:認定申請は着手前に出す決まりです。着工後の申請は認められません。
- 計画を変えた・中止した:変更や中止は届出と市の承認が要ります。事業を中止すると、交付の決定が取り消されたり、交付済みの助成金の返還を求められたりします。
- 市税を滞納している:認定のときに、市税の滞納がないか確かめられます。
同じ窓口の助成金との関係
長野市の企業立地課には、ほかにも立地向けの助成があります。
工場用地を取得して工場を建てるなら、用地の助成と設置の助成は別の制度です。それぞれ申請が要ります。併用を禁じる定めは、条例に見当たりません。実際の扱いは窓口で確認してください。
よくある質問
助成の上限額はいくらですか?
公式ページに上限額の記載はありません。助成されるのは、新設・増設した土地・家屋・償却資産にかかる固定資産税相当額に、年度ごとの割合をかけた額です。投資が大きく税額が増えれば、助成も増える仕組みです。自社の投資額でいくらになるかは、企業立地課(026-224-6751)に試算を頼むのが確実です。
助成は何年間続きますか?
公式ページに書かれている割合は、第1年度と第2年度が100%、第3年度が80%です。つまり3年度分が示されています。第4年度以降の記載はありません。第1年度がいつから数えるのか、税額が年ごとにどう変わるのかは、公式ページにないため、窓口で確かめてください。
投下固定資産額の基準は、業種で違いますか?
違います。原則は5,000万円以上です。新事業創出促進法施行令が挙げる業種(ソフトウェア、情報処理サービス、デザイン、経営コンサルタントなど)だけが2,000万円以上になります。運輸業の道路貨物運送と倉庫業、各種の卸売業は、対象にはなりますが2,000万円の扱いにならないと読めます。
市内ならどこに建てても対象ですか?
工場の場合は、特定地域か、市などが分譲する産業団地に建てるものが対象です。特定地域は、工場立地法の工場適地と、準工業地域・工業地域・工業専用地域、そのほか市長が認める地域です。工場以外の指定業種の事業所は、市内全域が対象とされています。自社の候補地がどの用途地域に当たるかは、企業立地課に確認してください。
新設だけでなく増設も対象ですか?
対象です。公式ページには、新設または増設に伴う投下固定資産額が基準になると書かれています。条例では、既存の事業所の敷地内や隣地での拡充も増設です。足した分の投下額が5,000万円以上(指定業種は2,000万円以上)なら対象の見込みです。既存分と合算できるかは書かれていないため、事前に確かめてください。市内での移転だけの計画は、対象になるか窓口で確かめてください。
中古の建物を買って事業所にする場合も対象ですか?
公式ページの対象は「新設または増設」で、中古の建物の取得が含まれるかは書かれていません。取得した建物を改修して使うケースも同じです。判断は企業立地課になります。計画が中古の取得を含むなら、契約の前に、対象になるかを窓口に確認してください。投下固定資産額の基準に届くかどうかにも関わるため、売買契約を結ぶ前に聞いておくのが安全です。
設計費用は投下固定資産額に含まれますか?
公式ページには、投下固定資産額に何を含めるかの説明がありません。設計費用や付帯工事の費用が入るかは、企業立地課の判断になります。基準額ぎりぎりの計画では、含まれるかどうかで対象かどうかが変わります。資金計画書を作る前に、算入できる費用の範囲を確認しておくと安心です。
いつまでに申請すればよいですか?
公式ページには、受付期間や締切日の記載がありません。年度で区切った公募ではなく、計画ごとに認定を受ける形だと読めます。認定申請は、着手前に出す決まりです。着工してからでは間に合わないので、早い段階で企業立地課に相談してください。認定を受けたあと、工事が終わってから交付申請書と完了報告書を出します。設計図と資金計画書がそろう前に相談すれば、書類の作り直しを減らせます。
個人事業主でも申請できますか?
公式ページは対象を「事業者」とし、登記事項証明書と定款の写しは「法人にあっては」と書いています。条例は事業者を、営利目的で事業を営む者としています。個人事業主を除く記載はありません。個人の場合、この2つは不要と読めます。投下固定資産額の基準は、法人と同じ5,000万円以上(指定業種は2,000万円以上)で考えてください。
緑化や雇用の助成金と一緒に使えますか?
長野市には、工場の緑化や新規雇用に使える助成金もあります。いずれも企業立地課が窓口ですが、別の制度なので、それぞれ申請が要ります。条例が重複を認めず選択を求めるのは高度化事業と商店街環境整備事業の組み合わせで、この助成金は含まれません。工場の新設と同時に緑地の整備や採用を予定しているなら、計画の段階で窓口に伝えておくと話が早く進みます。
問い合わせ先はどこですか?
長野市 経済産業振興部 企業立地課です。所在地は長野市大字鶴賀緑町1613番地の第二庁舎5階、電話は026-224-6751です。上限額、投下固定資産額に含める費用の範囲、着工と認定の順序など、公式ページに書かれていない点は多くあります。計画が固まる前の段階で、ここに相談しておくと、設計図や資金計画書の作り直しを減らせます。
