店を木造で建てるとき、県の補助は出るのか。出ます。ただし令和8年度分の受付は、2026年10月30日で終わっています。
見出しの「最大3,000万円」に届くのは、木造部分が1,765㎡ほどある大きな施設に限られます。木造部分の床面積1㎡あたり17,000円が上限だからです。小さな店舗が目安にするのは、木造化(一般)の500万円か、内装の木質化の200万円です。
木造・木質化支援事業の要点まとめ
正式名:木造・木質化支援事業
だれが
- 申請者
- 県内の施設を所有・運営する事業者(個人は個人事業主のみ)、市町村
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 県産材を使う施設の木造化・木質化、木造化の設計
- 対象地域
- 長野県内
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 3,000万円
- 補助率
- 1/2以内(市町村は1/3以内)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月24日〜2026年10月30日(受付終了)
- 事業の完了
- 2027年3月31日(令和8年度末)まで
自分の施設は対象か
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
対象になる施設は、飲食店、小売店、美容室、診療所、保育園、観光施設などです。木材の8割以上は、信州木材認証製品、県産材のJAS製品、県産材の森林認証製品のどれかにします。使う量にも下限があり、新築・改築は5㎥以上、増築・改装は1㎥以上、木質化のみは0.3㎥以上です。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 事務所だけを木造化する
- ✕ 事業を営んでいない個人
- ✕ 自社の職員だけが使う施設
- ✕ 宗教活動のための施設
- ✕ 県税の滞納がある者
自社の職員向けでも、保育園や幼稚園などの子どもの居場所は例外です。店舗の倉庫や事務室は、店舗の一部として木造化の対象に入ります。線が引かれているのは「展示による波及効果」、つまり多くの人の目に触れて県産材の使い方を知ってもらえるかどうかです。
いくら補助されるか
| 区分 | 上限額 | 補助率 |
|---|---|---|
| 木造化(中大規模施設) | 3,000万円 | 1/2以内(市町村は1/3以内) |
| 木造化(一般) | 500万円 | 1/2以内(市町村は1/3以内) |
| 木質化 | 200万円 | 1/2以内(市町村は1/3以内) |
| 設計支援 | 200万円 | 1/2以内(市町村は対象外) |
市町村が申請する場合、中大規模施設の枠は子どもの居場所に係るものに限られます。
木造化は新築、増築、改築で、柱や梁などの構造に県産材を使うことです。木質化は、床、壁、天井など利用者から見える内外装に県産材を使うことです。以下は、対象経費がこの額だった場合の計算例です。
- 美容室が床と壁を県産材にする(木質化):300万円 × 1/2 = 150万円
- カフェが内装を木質化する(木質化):500万円 × 1/2 = 250万円 → 上限の200万円
- 飲食店が増築で木造化する(一般):1,200万円 × 1/2 = 600万円 → 上限の500万円
- 観光施設を木造化する(中大規模、木造部分400㎡、木工事費2,000万円):2,000万円 × 1/2 = 1,000万円 → 17,000円 × 400㎡ = 680万円が上限なので680万円
3,000万円に届くには、木工事費が6,000万円以上で、木造部分が1,765㎡以上要ります。あわせて設置する木の調度品は、木造化か木質化の補助額の15%か30万円の、低いほうが上限です。設計支援は設計費の1/2以内で、300万円なら150万円、500万円なら上限の200万円です。対象経費は消費税を除いた額で、仕入れにかかる消費税相当額が分かるときは、その分を差し引いて申請します。
何に使えるか
対象にならないもの
- 団体の運営費、人件費、食糧費
- 他の用途にも使える汎用性のある物品
- 国や県の補助金を受けた部分(切り分けできる場合を除く)
- 設計支援での設備設計、解体撤去設計、外構設計
- 設計支援での確認申請、工事監理、積算の費用
対象になるもの
- 木造化の木材費、加工費、施工費、防腐処理や保護塗装
- 内装木質化の木材費、加工費、施工費
- 県産材を主に使い、県内で製造・販売される机、椅子、ベンチ、棚、おもちゃ
- 木造の非住宅建築物の基本計画・基本設計・実施設計の費用
加工費には、下地材、塗料、接合金物や釘など、設置に必要な部品も入ります。混構造(木造と他の構造の組み合わせ)は、原則として木造の部分だけが対象です。
大きな枠で付く条件
木造化(中大規模施設)の3,000万円には、一般の枠にない条件が付きます。
- 木造部分の延べ床面積が300㎡以上
- 利用者が制限されず、年間の延べ利用者数が1万人以上見込める
- JAS製品か、CLT・耐火集成材などの先駆的な木材を使う(主要構造部の木材使用量の5割以上)
- 利用者の目に見える内装にも県産材を使う
- 補助額が1,000万円を超えるときは、建築物木材利用促進協定を結ぶ
保育園や幼稚園などの子どもの居場所は、利用者数の見込みと協定の条件が外れます。年間の利用者数は、事業計画書の利用者数から1日の利用者数、収容人数、回転率などを見て県が判断します。協定は、補助金の額の確定までに結べばよいとされています。
よく誤解されるポイント
事務所を木造にできる? 事務所だけの木造化は対象外です。利用者が限られるためです。ただしロビーなど、不特定多数が使う部分の内装木質化は対象になります。
最大3,000万円は誰でも受け取れる? 受け取れません。木造部分の床面積の上限と、利用者数などの条件があります。多くの店舗は500万円か200万円の枠の話になります。
他の補助金と併用できる? 同じ対象への重複は原則できません。補助の対象と工事の契約を明確に切り分けられれば、対象になる場合があります。
木造化と木質化を同じ建物で両方申請できる? 一つの建物につき、一つの事業者の申請は1区分です。例外は設計支援で、木造化(一般)か木造化(中大規模)との併用は認められています。木質化との併用は、要領に書かれていません。
個人の住宅は? 対象は広く県民が利用する施設です。事業を営んでいない個人は対象から外れます。
申請の流れ
次の流れは令和8年度の実施要領にもとづくものです。
- 施設がある地域の地域振興局林務課に相談する(事業者→林務課)
- 事業計画書と添付書類を出す(事業者→地域振興局長。郵送、持参、メールのいずれか。受付期間内に、計画書の受付順で扱われる)
- 県の協議を経て、事業計画の承認と補助額の内示を受ける(県→事業者)
- 交付申請を出し、交付決定を受ける(事業者→地域振興局長)
- 工事をして、令和8年度末までに終える(事業者。着手は交付決定のあと。契約は原則、競争入札)
- 実績報告を出し、額の確定を受けて請求する(事業者→県。事業完了から20日たった日か3月31日の早いほうまで。出来高に応じた概算払いも請求できる)
交付決定の前の着手は、原則として認められません。やむを得ない事情があるときだけ、早期着手協議書を出して局長の同意を得ます。
必要な書類
準備できた 0 / 9
木造化(一般・中大規模)と木質化の場合の書類です。設計支援では、配置図、見積書と補助対象経費内訳(予定)書、建築士事務所の登録通知書か登録証明書(写し)などに変わります。確認済証は、建築基準法にもとづく確認済証か工事内容確認証明書です。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に着工した:交付決定の前は、補助対象の事業に着手できません。
- 木材の条件を満たせなかった:木材使用量の8割以上を認証製品などにする条件があります。
- 表示や協力の義務を果たさない:整備した場所と製品に、長野県森林づくり県民税を活用していること、県産材を使っていることを表示します。
- 目的に反する使い方をした:処分制限期間内に、承認なく使い方を変えたり譲渡したりすると、返還を求められることがあります。
- 他の補助と重複した:同じ対象への補助が重なると、対象から外れます。
- 競争入札を行わなかった:事業の契約は競争入札が原則です。代わりがきかない設計や工事など、入札が適さない理由があるときだけ、理由を書いて入札を省けます。
- 県税の滞納や暴力団との関わりがある:該当すると補助の対象になりません。
受付が終わったあとにできること
令和8年度の受付は終わりました。実施要領には令和5年度から令和8年度まで、毎年度の適用が書かれています。ただ、令和9年度以降の募集は公式ページに載っていません。再開の時期も、区分と上限が同じかどうかも、確かめられませんでした。
次の募集に備えるなら、設計の段階で木材の調達先を当たることを勧めます。使う木材の8割以上を、信州木材認証製品やJAS製品などにする条件があるからです。令和8年度は計画書の受付順に補助対象者を決める仕組みだったため、書類を前もってそろえておく意味があります。相談は、施設がある地域の地域振興局林務課か、県産材利用推進室(026-235-7266)で受け付けています。
よくある質問
令和8年度の受付はいつまででしたか?
2026年4月24日から10月30日までです。計画書の受付順で補助の対象者を決め、予算額に達した時点で受付を終える仕組みでした。受付期間は過ぎているため、令和8年度分として新たに申請することはできません。令和9年度以降の募集は公式ページに載っていないので、県産材利用推進室へ確かめてください。
個人でも申請できますか?
事業を営んでいる個人(個人事業主)なら申請できます。事業を営んでいない個人は対象から外れます。対象事業者は、県内の施設を所有または管理・運営する者です。個人の自宅の新築や増築は、広く県民が利用する施設ではないため対象になりません。店舗併用など判断に迷うときは、地域振興局林務課に相談してください。
最大3,000万円はどんな施設で受け取れますか?
木造化(中大規模施設)の枠です。木造部分の延べ床面積が300㎡以上で、年間の延べ利用者数が1万人以上見込める施設が対象です。上限は木造部分の床面積1㎡あたり17,000円で、3,000万円に届くには1,765㎡ほどの木造部分が要ります。JAS製品などの使用や、1,000万円を超える場合の協定の締結も条件です。
小さな店舗ならいくらまで補助されますか?
木造化(一般)なら上限500万円、内装の木質化なら上限200万円です。補助率はどちらも1/2以内なので、対象経費が1,000万円なら500万円、400万円なら200万円までが目安になります。設計費は別枠の設計支援で、1/2以内、上限200万円です。実際の額は、県が事業計画を審査して内示します。
設計費も補助されますか?
令和8年度に新しくできた設計支援で補助されます。補助率は設計費の1/2以内、上限は200万円です。対象は木造の非住宅建築物の基本計画、基本設計、実施設計の費用で、設備設計、解体撤去設計、外構設計、確認申請や工事監理の費用は含まれません。市町村は対象外で、設計のあとに実際の工事を行うことも条件です。
木造化と木質化を両方申請できますか?
一つの建物につき、一つの事業者の申請は1区分です。木造化と木質化を一つの建物で両方申請する形は、認められていません。例外は設計支援で、木造化(一般)か木造化(中大規模)と併用できます。事業者が別なら、同じ建物でも事業者ごとに申請できます。判断が分かれる計画は、事前に林務課へ相談してください。
事務所の木造化は対象ですか?
事務所だけの木造化は対象外です。利用者が限られる施設だからです。ただし、ロビーなど不特定多数が使う部分の内装木質化は対象になります。店舗の倉庫や事務室は、店舗の一部として木造化の対象です。施設全体の利用の仕方で判断が変わるため、図面を持って地域振興局林務課に確かめると確実です。
他の補助金と併用できますか?
同じ対象への重複は、原則として認められません。国や県の補助を受けた事業は対象外ですが、補助の対象部分と請負工事の契約を明確に切り分けられる場合は、対象になることがあります。併用を考えるときは、どの部分にどの補助を使うかを、計画書の段階で分けておいてください。判断は林務課に確かめます。
交付決定の前に工事を始めてもよいですか?
原則として認められません。補助金の交付決定の前に、補助対象の事業へ着手することはできないからです。やむを得ない事情があると局長が認めた場合に限り、早期着手協議書を出して同意を得れば、決定前に着手できます。ただし、その場合は事業費と補助額が決定時に変わる条件が付きます。契約の時期は、先に林務課へ相談してください。
補助金はいつ受け取れますか?
実績報告を出し、県が内容を調べて補助額を確定してから、請求して受け取るのが基本です。工事の途中で、出来高に応じた概算払いを請求することもできます。出来高が60%未満なら交付決定額の50%以内、60%以上なら90%以内で出来高率を超えない額が上限です。着手のあとの資金繰りは、この概算払いも見て組みます。
完成したあとに守る条件はありますか?
あります。整備した場所と取得した製品に、長野県森林づくり県民税を活用していること、県産材を使っていることを表示します。県産材のPRに協力し、事業者のホームページなどでも情報を発信します。工事の完了後は、県産材CO2固定量認証制度による認証を申請します。帳簿と証拠書類は、事業終了の翌年度から5年間保管します。
補助を受けた施設を処分できますか?
処分制限期間内は、承認なしに補助の目的に反して使ったり、譲渡や貸付、担保にしたりできません。期間は、減価償却の耐用年数などに合わせて決まり、木質化だけは10年です。取得価格や効用の増加分が50万円未満の財産は除かれます。処分したいときは、財産処分承認申請書を地域振興局長に出し、事前の承認を受けます。
問い合わせ先はどこですか?
申請の相談は、施設がある地域の地域振興局林務課で受け付けています。事業全体については、長野県林務部信州の木活用課 県産材利用推進室(電話 026-235-7266)です。対象になる施設か、区分は何になるか、木材の条件を満たせるかなど、公式ページで判断しにくい点は、計画を固める前に確かめておくと安心です。
