DXを進めたい会社でも、何から手をつけるかが決まらず、ツールの見積を取る前に止まることは少なくありません。長崎市のこの補助金が出すのは、ツールの代金ではなくDXに詳しい外部の専門家に相談し、計画づくりを手伝ってもらう費用です。
対象は長崎市内に本社がある中小企業者で、補助率は対象経費の1/2、上限は50万円です。申請の受付は令和8年11月30日まで(当初の9月30日から市が延長)で、予算がなくなれば期限の前に終わります。システムや機器の購入費は対象外なので、ソフトを買う前の段階の費用が使い道です。
長崎市 伴走型DX化支援費補助金の要点まとめ
正式名:長崎市伴走型DX化支援費補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- DX推進(外部専門家による相談・計画づくり)
- 対象地域
- 長崎県長崎市(市内に本社があること)
- 従業員数
- 中小企業基本法の中小企業者(業種ごとに基準あり)
いくら
- 補助上限額
- 50万円(1事業者・1回限り)
- 補助率
- 補助対象経費の1/2
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年6月1日〜2026年11月30日(先着順・予算がなくなり次第終了)
- 事業の完了
- 令和9年1月29日(金)まで
うちの会社は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
「中小企業基本法の中小企業者」とは、業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっていて、どちらか一方を満たせば当てはまる会社のことです。基準は業種で変わるので、迷うときは新産業推進課(095-829-1273)に聞くのが早い方法です。個人事業主も、この基準に当てはまれば申請できます。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 本社が市外にある
- ✕ 機器やシステムの購入が目的
- ✕ 研修の受講だけで終わる計画
宗教活動や政治活動が主な目的の団体、暴力団の統制下にある団体、性風俗関連特殊営業などを営む者を構成員に含む場合も対象外です。
いくら戻ってくる?
対象経費(税抜)の合計に1/2を掛けた額で、1,000円未満は切り捨てです。上限は1事業者あたり50万円で、交付は1回までです。上限の50万円に届くのは、対象経費が100万円以上のときです。
- 水産加工業が専門家に計画づくりを頼む:謝礼金と旅費で60万円 × 1/2 = 30万円
- 宿泊業が予約データの活用を相談する:謝礼金、旅費、会場費などで110万円 × 1/2 = 55万円 → 上限の50万円
- 土産物店が専門家に数回相談する:40万円 × 1/2 = 20万円
- 端数が出る場合:87万6,500円 × 1/2 = 43万8,250円 → 1,000円未満を切り捨てて43万8,000円
上の金額は計算の見本で、実際の相場ではありません。専門家の費用は、見積をもとに自社で確かめます。
何に使える?
対象にならないもの
- DXに使うシステムや機器の導入費
- 消費税と地方消費税にあたる額
- 研修だけで完結する取り組みの費用
対象になるもの(取り組みの種類)
- DX基本計画の策定支援(課題の把握・分析、ロードマップづくり)
- データやデジタル技術を使った組織革新の支援
- そのほかDXに必要と認められるもの(研修を含むが、研修だけでは対象外)
対象になる経費は、旅費、謝礼金、受講料、会場借上料、消耗品費、委託料、使用料、役務費、その他経費の9つです。どの経費に当たるか不明な場合は、事前に問い合わせるよう市の案内に書かれています。ソフトの利用料が「使用料」に入るかは、案内に書かれていません。システム導入費が対象外なので、購入や契約の前に新産業推進課へ確かめておくと安全です。
申請から報告までの流れ
- 無料相談窓口に連絡する(事業者→新産業推進課の「ビズデジコンシェル」、095-829-1273。何から始めるか決まっていない段階でも相談できます)
- 電子申請か郵送・持参で交付申請を出す(事業者→長崎市。令和8年11月30日まで。書類は下の表)
- 交付決定を待つ(長崎市→事業者。受付は先着順で、審査のあと随時決まります)
- 交付決定通知の日付以降に事業を始め、令和9年1月29日までに終える(事業者・外部専門家)
- 実績報告を出す(事業者→長崎市。事業が終わってから1か月後か令和9年2月26日の、早いほうまで)
- 確定通知を受け取り、請求書を出す(事業者→長崎市。入金は請求書を出してからおおむね3週間)
市の募集要項は、交付決定通知の日付以降に事業を開始するよう求めています。補助金は後払いなので、専門家への支払いは、いったん自社で立て替えます。
必要な書類
交付申請のときの書類です。
準備できた 0 / 7
提出は電子申請のほか、郵送か持参でもできます。宛先は、長崎市魚の町4-1の14階にある新産業推進課の創業支援係です。収支計画書には、前々年度・前年度の決算と、3年後までの労働生産性(付加価値額÷労働者数)の計画を書く欄もあります。
前年度決算書と登記事項証明書の写しは法人だけ、収支内訳書か青色申告決算書と貸借対照表の写し(直近2期分)は個人だけです。税の滞納がない証明書は、市税、事業税、消費税と地方消費税(個人は市税)が対象です。
実績報告では、実績報告書(第4号様式)、事業明細書(第5号様式)、領収証の写しなどを出します。研修を受けた場合は受講証明書か資格取得の証明書、専門家を招いて指導や研修を開いた場合は実施状況が分かる書類も要ります。
審査で見られる点
市の募集要項は、審査のポイントを5つ挙げています。
- どの業務で、どんな困りごと(手書きのミス、二重入力、属人化など)が起きているかが具体的に書かれている
- 人手不足への対応や残業削減など、なぜ今DXが必要かが示されている
- 「月20時間の残業削減」「事務作業時間の30%削減」など、終了後の姿が数字で書かれている(目安でも可)
- この事業で終わらせず、システム導入や社内ルールの変更に進む意思がある
- ソフトの選定だけでなく、外部専門家と業務の流れを整理する姿勢がある
数値目標の立て方や課題の整理に迷う人は、申請前に相談すれば、担当職員や専門家が一緒に整理すると市は案内しています。
もらえなくなるのはどんなとき?
- システムや機器を買った:導入費は対象外です。専門家への相談や計画づくりの費用と、はっきり分けて経費を計上します。
- 研修を受けただけで終わった:研修を含めてよいのは、計画づくりなど別の取り組みと組み合わせるときです。
- 1月末までに終わらなかった:事業は令和9年1月29日までに完了させる必要があります。災害などやむを得ない事情なら2月末まで延ばせますが、事前に市の承諾が要ります。
- 交付決定の前に始めた:募集要項は、交付決定通知の日付以降の開始を求めています。先に契約や支払いを進めた分が対象になるかは、事前に市へ確かめます。
- 似た補助をすでに受けている:同じ事業について国・県・市の補助を受けていると、対象から外れます。
- 2回目の申請をした:交付は1事業者につき1回までです。
- 予算がなくなった:受付は先着順です。11月30日より前でも、予算がなくなり次第終わります。
申請期限の延長と、来年度のこと
令和8年度の申請は、当初の9月30日から令和8年11月30日まで延びました。交付要綱には、交付申請の期日は「実施年度の9月末日」とあり、市長が特に必要と認めるときは例外とされています。延長の理由は、市の案内に書かれていません。
要綱は令和9年3月31日で効力を失うと定めています。令和9年度に同じ形で募集があるかは、市の案内に書かれていません。使いたい場合は、令和8年度の申請期限に間に合うかどうかを先に確かめておくと整理しやすくなります。
よくある質問
パソコンやシステムの購入費にも使えますか?
使えません。DXに使うシステムや機器の導入にかかる経費は、市の案内で対象外とされています。対象になるのは、旅費、謝礼金、受講料、会場借上料、消耗品費、委託料、使用料、役務費、その他経費の9つで、外部の専門家による相談や計画づくりの費用が中心です。購入の見積を経費に入れる前に、新産業推進課へ確かめると安心です。
上限50万円に届くのは、いくら使ったときですか?
対象経費(税抜)が100万円以上のときです。補助額は対象経費の合計に1/2を掛けて、1,000円未満を切り捨てた額で、1事業者あたり50万円が上限です。たとえば110万円なら計算上は55万円ですが、受け取れるのは50万円になります。100万円を超えた分は自己負担です。
個人事業主でも申請できますか?
申請できます。対象は、中小企業基本法の中小企業者で、市内に本社を置き、同じ事業を1年以上続けている事業者です。個人の場合は、法人の書類の代わりに、税務署へ出した直近2期分の収支内訳書または青色申告決算書と、貸借対照表の写しを出します。市税の滞納がない証明書も必要です。
申請はいつまでにすればよいですか?
令和8年11月30日(月)までです。当初は9月30日まででしたが、市が延長しました。ただし予算がなくなり次第、期限の前でも受付は終わります。事業は令和9年1月29日までに終える必要があるので、専門家との作業期間を逆算して、早めに申請すると余裕が出ます。
本社が市外で、長崎市内に支店だけある場合は対象ですか?
要件は「市内に本社を有し、1年以上継続して同一事業を営んでいること」です。支店や営業所だけが市内にある場合の扱いは、市の案内に書かれていません。本社が市外にあるときは、対象外になる可能性が高いので、申請を考える前に新産業推進課(095-829-1273)へ確かめておくのが確実です。
研修を受けるだけでも補助されますか?
研修だけで完結する事業は対象外です。「その他DXに向けて必要と認められるもの」には、DXへの理解を深める研修が含まれますが、研修だけで終わる計画は認められません。DX基本計画の策定支援や、組織革新の支援と組み合わせた計画にしておくと、対象として扱われる可能性が高まります。
ソフトの月額利用料は「使用料」として出ますか?
市の案内には書かれていません。対象経費に「使用料」はありますが、説明は「事業の実施に直接必要な経費」だけです。一方でシステムや機器の導入にかかる経費は対象外とされているので、境目は文面から決められません。ソフトの利用料を経費に入れたい場合は、契約の前に新産業推進課へ確かめてください。
交付決定の前に専門家と契約してもよいですか?
避けるのが安全です。市の募集要項は、交付決定通知の日付以降に事業を開始するよう求めています。交付決定の前に始めた経費が対象になるかは、書かれていません。専門家への依頼や支払いを先に進めてしまうと、あとから対象外と言われても取り返せないので、契約の前に新産業推進課(095-829-1273)へ確かめておくと安心です。
何から相談すればよいですか?
新産業推進課の無料相談窓口「ビズデジコンシェル」(095-829-1273)です。「何から始めればいいかわからない」という初期段階の悩みを、まとめて受け止める窓口と市の案内にあります。補助金の申請前に、自社の課題を話しておくと、どの取り組みの種類に当たるかを整理しやすくなります。
実績報告はいつまでに出しますか?
事業が完了した日から1か月を過ぎた日か、令和9年2月26日(金)のどちらか早い日までです。完了日は、全経費の支払いが終わった日と、事業の実施が終わった日の遅いほうです。報告には、実績報告書、事業明細書、領収証の写しなどを出します。研修を受けた場合は受講証明書、専門家を招いた場合は実施状況が分かる書類も必要です。帳簿や書類は、補助をした年度の翌年度から5年間、保存します。
他の補助金と一緒に使えますか?
同じ補助対象事業について、国・県・市などの類似の補助を受けていないことが要件です。同じ事業の同じ費用に、別の補助を重ねることはできません。ほかの補助を受ける予定がある場合は、対象の事業と経費が重ならないかを、申請の前に新産業推進課へ確かめてください。
来年度も同じ補助金はありますか?
市の案内には書かれていません。交付要綱は令和9年3月31日で効力を失うと定められていて、その日までに交付決定を受けた人には、以後も要綱が効力を持ちます。令和9年度の募集の有無は、市の案内で確かめられるまで分かりません。使いたい場合は、令和8年度の期限に間に合うかを先に考えておくと整理しやすくなります。
申請はどこで出しますか?
長崎市の電子申請サービスか、郵送・持参(新産業推進課 創業支援係)で出します。交付申請、実績報告、変更の承認申請のそれぞれに、電子申請の入口が市の案内ページにあります。様式(第1号、第2号など)は、同じページからダウンロードできます。窓口は経済産業部の新産業推進課(095-829-1273)です。
