制度名に「令和8年物価高騰対策関連」と付いています。ここに、この補助金の性格が表れています。

長崎市の省エネ設備等更新支援補助金は、電気代・燃料費の高騰に苦しむ事業者への対策として組まれた制度です。単年度の対策予算である可能性が高く、来年度も同じ内容で続くとは限りません。補助率は2/3、上限は500万円と、他都市の同種制度と比べて手厚い水準です。

なぜ「下限100万円」があるのか

この補助金には、上限500万円だけでなく、下限100万円という条件もあります。小さな設備更新は対象になりません。

物価高騰への即効性を求めるなら、小口の更新を数多く採択するという設計もあり得ます。しかし長崎市は逆に、一定規模以上の投資に絞って手厚く補助する設計を選びました。省エネ効果10%以上という要件とあわせて考えると、光熱費への影響が見えやすい規模の投資を優先している、と読み取れます。

対象になる事業者

対象は、市内に本社または工場を持ち、3年以上事業を継続している中小事業者です。市税を滞納していないこと、暴力団関係者でないこと、他の同趣旨の補助金を受けていないことも条件です。

事業年数が3年未満の事業者は、この時点で対象から外れます。開業間もない事業者は、別の創業系・設備投資系の補助金を探す必要があります。

対象になる設備。省エネ効果10%以上が条件

対象経費は次のとおりです。

  1. 生産活動等に必要な機械設備
  2. 小型ボイラー設備
  3. 自家消費型太陽光発電設備(新設のみ
  4. 蓄電池等(3の太陽光発電設備と連携したものに限る

太陽光と蓄電池には限定がかかっています。既存の太陽光への蓄電池の後付けや、蓄電池だけの導入は対象外です。

いずれも、既存設備と比較して省エネ効果が10%以上見込まれることが条件です。購入費・工事費・運搬費・処分費も対象経費に含まれます。古い設備の処分費用まで見てもらえる点は、更新をためらう理由を一つ減らします。

補助率2/3。太陽光発電だけ計算方法が違う

補助率は対象経費の3分の2(千円未満切り捨て)です。上限は500万円、下限は100万円です。

太陽光発電だけ、計算方法が別立てになっています。1kWあたり7万5,000円を乗じた額が補助額になります。10kWの自家消費型太陽光発電設備を導入すれば、補助額は75万円です。

機械設備の更新なら、対象経費450万円の投資で、補助は3分の2の300万円です。対象経費750万円に達すると、補助は上限の500万円で頭打ちになります。

下限の100万円は補助金額の下限です。補助率2/3なので、対象経費が150万円に届かないと補助額が100万円を下回り、対象外になります。150万円ちょうどで補助額100万円、これが申請できる最小ラインです。

他都市の省エネ補助金と、補助率の設計が違う

自治体の省エネ設備更新系の補助金は、補助率1/2・上限50万円程度の水準が一般的です。長崎市のこの補助金は、補助率2/3・上限500万円と、かなり手厚い設計です。

その分、対象事業者の条件(3年以上の事業継続、下限100万円の投資)は他都市より絞り込まれています。小口の設備更新を広く薄く支援するのではなく、まとまった投資に厚く支援するという設計思想の違いが表れています。

申請期間は令和8年10月30日まで。予算終了で早期終了も

申請期間は令和8年10月30日までです。ただし予算がなくなり次第、期限前でも受付を終了します。補助対象期間は交付決定日から令和9年2月末までです。

物価高騰対策を目的とした補助金は、財源が単年度限定の交付金であることが多く、翌年度に同じ制度が続くとは限りません。今年度の光熱費対策を検討している事業者は、来年度の再開を待たず、今年度中に動くかどうかを判断する必要があります。設備更新の際に見落としやすい「省エネ効果10%以上」の証明方法や、太陽光発電の出力算定の考え方は、GRANTOS公式LINEの登録者限定ページで、自治体の設備・省エネ補助金に共通する実務のポイントとあわせて紹介しています。

よくある質問

令和9年度も同じ補助金は続きますか?

公式には未定です。制度名に「令和8年物価高騰対策関連」と付いていることから、単年度の対策事業である可能性があります。翌年度の実施有無は、長崎市新産業推進課への確認をおすすめします。

対象経費が120万円の設備更新は対象になりますか?

対象になりません。120万円×2/3=80万円で、補助金額の下限100万円を下回るためです。下限は対象経費ではなく補助金額にかかるので、対象経費が150万円に届かない案件は申請できません。他の設備更新とまとめて150万円以上にできないか、検討してみてください。

太陽光発電と機械設備を同時に更新する場合、補助率は同じですか?

異なります。機械設備は対象経費の2/3、太陽光発電は1kWあたり7万5,000円という別の計算式です。両方を組み合わせる場合は、それぞれの補助額を分けて試算する必要があります。


免責事項: 本記事の内容は2026年7月時点で確認できた情報にもとづきます。補助率・上限額・対象要件・受付状況は変更される場合があるため、申請前に必ず長崎市の公式ページで最新情報をご確認ください。

この補助金の概要(早見表)

検索項目内容
申請者事業者(法人・個人事業主)
制度名省エネ設備等更新支援補助金(令和8年物価高騰対策関連)
対象業種業種指定なし
利用目的省エネ設備更新(機械設備・小型ボイラー・太陽光発電・蓄電池)
対象地域長崎県長崎市(市内に本社または工場を有し3年以上事業継続の中小事業者)
従業員数規模要件の明記なし(中小事業者が対象)
補助上限額500万円(下限100万円)
補助率2/3(太陽光発電は1kWあたり7万5,000円)
申請受付〜令和8年10月30日(予算終了時点で終了)
公式サイトhttps://www.city.nagasaki.lg.jp/page/76423.html
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※この表の項目(対象業種・利用目的・対象地域・従業員数)は、GRANTOSの補助金診断の検索軸に対応しています。

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