この補助金は、賃上げをした事業者ほど手厚くなります。募集要項が掲げる目的は、物価高騰のなかで雇用を維持するために、持続的な賃上げにつなげることです。
そのため補助率は、賃上げをするかどうかで3分の2と3分の1に分かれます。正社員の2割以上に時給30円以上の賃上げをすると、補助率は3分の2です。
長崎市チャレンジ企業応援事業費補助金の要点まとめ
正式名:長崎市チャレンジ企業応援事業費補助金(令和8年物価高騰対策関連)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし(成長分野枠は造船・航空機・洋上風力等)
- 利用目的
- 新事業展開、新製品・新サービス開発、生産性向上・業務効率化
- 対象地域
- 長崎県長崎市(市内で3年以上同一事業を営む事業者)
- 従業員数
- 規定なし(中小事業者であること)
いくら
- 補助上限額
- 最大5,000万円(最小100万円。枠と賃上げ幅で変わる)
- 補助率
- 3分の2(賃上げ実施)/3分の1(環境整備のみ)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年12月28日まで(予算がなくなり次第終了)
- 事業の完了
- 2027年2月末まで
申請期限は、当初の2026年9月30日から12月28日に延長されました。旧い期限のまま書かれた資料を見かけたら、公式ページの日付が正です。
うちの会社は対象になる?
次の条件にすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 同じ経費で、ほかの補助金を受けている
- ✕ 政治・宗教活動が主な目的の団体
- ✕ 暴力団関係者、または風俗営業等の事業者
中小事業者とは、中小企業基本法の中小企業者(業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっている会社)と、産業競争力強化法の中堅企業者(中小企業より大きい区分の会社)を指します。募集要項の定義です。
枠は3つあり、自社がどれに当たるかで上限額が変わります。
- 中小企業枠:市内に本社または主たる事業所がある
- 成長分野枠:中小企業枠の対象で、造船・航空機・洋上風力等の事業を行う
- 地域経済牽引枠:市内に本社か工場があり、地域未来牽引企業などに当たる
地域経済牽引枠は、経済産業省が選んだ地域未来牽引企業か、県の地域経済牽引事業計画の承認を受けた事業者が対象です。それ以外でも、売上、従業員数、域外販売率、地元調達率の点数が合計12点以上で、地元調達の拡大が見込め、市が成長性の高い事業者と認めれば対象です。点数の細かい基準は募集要項にあります。
いくら補助される?
補助額は、対象経費に補助率をかけた額です。1,000円未満は切り捨てます。上限は枠と賃上げ幅で決まります。
| 賃金の引上げ幅(1人1時間あたり) | 中小企業枠 | 成長分野枠 | 地域経済牽引枠 |
|---|---|---|---|
| 30円以上50円未満 | 200万円 | 600万円 | 3,000万円 |
| 50円以上 | 300万円 | 1,000万円 | 5,000万円 |
賃上げをせず、環境の整備だけにとどめる場合は、補助率が3分の1で上限は100万円です。
賃上げの数え方には決まりがあります。基本給と諸手当の合計を、時間あたりの単価に直して比べます。時間外手当、臨時の手当、割増賃金、皆勤手当、通勤手当、家族手当は除きます。比べる基準は、2026年1月に支給した賃金です。
計算例を3つ挙げます。いずれも対象経費は税抜きです。
- 中小企業枠で賃上げ30円、設備に450万円:450万円 × 2/3 = 300万円 → 上限の200万円
- 中小企業枠で賃上げ50円、同じ設備に450万円:450万円 × 2/3 = 300万円 → 上限300万円に収まり300万円
- 賃上げなし(環境整備のみ)、設備に240万円:240万円 × 1/3 = 80万円
賃上げの幅を30円から50円に上げるだけで、同じ設備投資でも補助額が100万円増えます。上限に届くかどうかは、賃上げ幅で変わります。
正社員が10人なら、2人以上の時給を30円上げれば、2割以上の条件を満たします。ただし何をもって「賃上げ環境の整備」とするかは、公式ページにも募集要項にも具体的な定義がありません。環境整備だけで申請するなら、事前に窓口で内容を確かめてください。
何に使える?
対象にならないものを先に示します。
- 1件30万円未満の機械設備(付属品を含み税抜き)
- 長崎市外に置く機械設備、太陽光発電関連の設備
- 老朽化した設備の更新、中古品、リース契約のもの
- 建物・構築物・車両・家具・備品・空調・厨房設備、パソコン、プリンター
- ホームページや自社ECサイトの制作費
- 通信費、家賃、光熱水費、事務用品などの消耗品
- 過去にこの補助金を受けた設備と同じか同程度の機能の設備
- 交付決定の前に発注・納品・支払いをした経費
対象になる経費は次のとおりです。
- 機械設備等の導入費(ソフトウェアを含む)
- 委託費、使用料、役務費
- 旅費、外部専門家への謝金
- 研修の受講料、会場や機材の借上料
- 事業に直接必要な消耗品費、研究費
以前この補助金を受けた事業者が続けて申請するなら、前回と違う設備や取組かを確かめてください。
対象の事業は、次の3区分です。どれも長崎市内で行い、併用できます。
- 新事業展開:新分野に進出し、経営を多角化する事業
- 新製品・新サービス開発:付加価値の高い製品やサービスで売上を伸ばす事業
- 生産性向上・業務効率化:収益の拡大につながる事業
申請の流れ
- 枠と賃上げの有無を決める(事業者。賃上げ計画書の要否が決まる)
- 納税証明書などを集める(事業者→市の収納課・県の振興局・税務署)
- 見積書を付けて書類を出す(事業者→新産業推進課。12月28日まで、郵送か持参)
- 交付決定を待つ(長崎市→事業者。決定の前に発注しない)
- 事業を終えて経費を払い切る(事業者。2027年2月末まで)
- 実績報告を出す(事業者→新産業推進課。完了後1か月以内か3月10日の早い日)
- 額の確定通知を受け、請求書を出す(長崎市→事業者。支払いは精算払い)
募集要項は、実績報告の確認に時間がかかるため、できれば2027年1月末までに事業を終え、2月15日までに報告を出すようお願いしています。報告には請求書・領収書の写しや事業の写真を付け、帳簿と証拠書類は5年間保存します。受付は到着順で、予算がなくなれば12月28日より前に終わります。
必要な書類
準備できた 0 / 12
賃金引上げ計画書と賃金台帳は、賃上げをする事業者だけが出します。決算書の写しと履歴事項全部証明書は法人だけです。個人事業者は、直近2期分の収支内訳書か青色申告決算書と貸借対照表の写しを出します。牽引企業の選定書類は、地域経済牽引枠だけです。
収支計画書には、前年度決算と3年後までの労働生産性(付加価値額を労働者数で割った値)の目標を書く欄があります。宣誓書兼同意書には、役員の名簿を付けます。地域経済牽引枠は、地元企業からの調達拡大計画も書きます。
納税証明書は、個人事業主が「その3の2」、法人が「その3の3」です。証明書は原本を出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に着手した:発注、納品、支払いのどれかが決定前にあると、その経費は対象外です。
- 変更の承認の前に着手した:事業内容を大きく変えるときは承認が要ります。承認前の着手分は対象外になります。
- 期限までに払い切れていない:事業期間は2027年2月末までで、厳守とされています。全額の支払いも期間内に済ませます。
- 財産を勝手に処分した:取得した設備は、法定耐用年数の期間は転用や譲渡に制限があります。違反すると補助金の返納になることがあります。
- 予算がなくなった:12月28日より前でも、受付は終わります。
支払いは、10万円以上なら原則として振込です。回し手形で払った分は対象経費になりません。
よくある質問
賃上げをしなくても申請できますか?
申請できます。賃上げ環境を整える事業者向けの区分があり、補助率は3分の1、上限は100万円です。賃上げを実施する場合の補助率は3分の2で、上限も大きくなります。ただし環境整備の具体的な中身は、公式ページと募集要項に定義がありません。この区分で申請するなら、窓口で事前に確かめてください。
賃上げの条件は、具体的に何ですか?
事業が終わるまでに、正社員の2割以上について、2026年1月支給時より時給単価を30円以上引き上げることです。正社員が10人なら2人以上です。基本給と諸手当の合計を時間単価にして比べ、時間外手当や通勤手当などは除きます。申請には、2026年1月の賃金台帳が要ります。
市外に本社がある会社は申請できますか?
募集要項の対象は、市内で3年以上同じ事業を営む事業者です。中小企業枠は、市内に本社か主たる事業所があることが条件です。本社が市外で市内に支店だけがある場合は、主たる事業所に当たるかどうかで判断が分かれます。当てはまるか迷うときは、新産業推進課へ問い合わせてください。
開業から3年未満でも申請できますか?
申請できません。市内で3年以上、同一事業を営んでいることが対象者の要件です。上の3つの枠のどれにも共通します。創業して間もない場合は、ほかの創業支援の制度を探すことになります。3年に満たないかどうかは、事業を始めた時期で数えるので、迷うなら窓口で確かめてください。
パソコンやホームページ制作費は対象になりますか?
対象になりません。パソコン、デジタルカメラ、プリンター、コピー機などの汎用性の高い機器は、購入もレンタルも対象外です。ホームページや自社ECサイトの制作費も同じです。専用のソフトウェアや、生産に使う機械装置は対象になります。ただし1件30万円未満のものは外れるので、見積書の単位を確認してください。
1件30万円未満の機械設備はなぜ外れるのですか?
募集要項に、1件あたり税抜き30万円未満の機械設備等は対象外と書かれています。付属品を含めた金額で見ます。安い機器を複数買っても、1件ごとに30万円に届かなければ対象になりません。補助額は小さく見えても、見積書の分け方で対象かどうかが変わるため、業者に見積もりを出す段階で確かめておくと安心です。
前の年にも補助を受けた場合、また申請できますか?
申請自体は排除されていません。ただし、過去にこの補助金の交付を受けた設備と同じか、同程度の機能を持つ設備の導入費は対象外です。前回と違う設備や取組なら対象になり得ます。前回と今回の内容を比べて、重なりがないかを事前に整理しておくと、書類の出し直しを防げます。
補助金はいつ受け取れますか?
後払いです。交付決定のあとに事業を行い、実績報告を出します。市が内容を確かめて額が確定すると通知が届きます。そのあとに請求書を出して、支払いを受けます。事業の期間中は、自社で全額を立て替える必要があります。資金繰りは、補助額ではなく経費の総額で考えてください。
申請書類は、どうやって出しますか?
郵送か持参です。提出先は、長崎市経済産業部 新産業推進課 誘致ものづくり支援係で、長崎市魚の町4-1の14階にあります。受付は書類の到着順に審査されるので、早めに出すほうが有利です。請求書だけは、押印が不要になり、電子メールのPDFでも出せます。
問い合わせ先はどこですか?
長崎市 経済産業部 新産業推進課(誘致ものづくり支援係)です。電話は095-829-1273、メールは shin_sangyo@city.nagasaki.lg.jp です。枠の選び方や、賃上げ環境の整備の内容、対象経費の可否など、迷う点は申請の前に確かめてください。
