事業所の屋根に太陽光発電を載せるとき、いちばん重いのは初期費用です。奈良市は、自家消費型の設備に1kWあたり最大10万円を出しています。交付決定の前に契約や着工をすると対象外になるため、見積もりの段階から順番を意識しておくと安心です。
対象は、市内で事業を営む法人です。受付は2026年4月16日から12月25日の午後3時までで、先着順に予算がなくなり次第終わります。個人住宅向けの枠も同じ制度の中にあり、額の考え方は後半に載せています。
地域脱炭素移行・再エネ推進事業補助金の要点まとめ
正式名:奈良市地域脱炭素移行・再エネ推進事業補助金(令和8年度)
だれが
- 申請者
- 市内の法人(事業所向け)、PPA・リース事業者
- 対象業種
- 指定なし(市内で事業を営む法人)
- 利用目的
- 自家消費型の太陽光発電設備の設置
- 対象地域
- 奈良県奈良市
- 従業員数
- 公式ページに記載なし
いくら
- 補助上限額
- 事業所は1kWあたり最大10万円(住宅は7万円/kW)
- 補助率
- 定額(1kWあたりの単価)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月16日〜2026年12月25日午後3時
- 事業の完了
- 交付決定から2027年2月末日まで(事業所向け)
うちの会社は対象になる?
次の5つに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
事業所とは、工場・事業場・店舗・事務所に使う市内の建築物などを指します。FITとFIPは、発電した電気を決まった価格で売る国の制度です。この補助金では、どちらの認定も取らないことが条件です。離れた場所へ送電する自己託送も行えません。設備が法定耐用年数を終えるまでは、J-クレジット(温室効果ガスの削減量を売買できる制度)への登録もできません。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 個人事業主として申請する
- ✕ 交付決定の前に契約や着工をした
- ✕ 同じ建物で、すでにこの補助金を受けた
- ✕ 国・県・市の別の補助を受ける事業
個人事業主は申請できません。ただしPPA事業者やリース事業者が設置・申請する形なら、利用できる可能性があります。PPAとは、事業者が屋根などに設備を置き、使った電気の料金を支払う契約です。初期費用がかからない形が一般的です。
いくら戻ってくる?
補助額は、設備容量(kW)に1kWあたりの単価をかけて決まります。容量は、太陽電池パネルの合計出力とパワーコンディショナー(直流を交流に変える機器)の合計出力の低いほうを、小数点以下を切り捨てたkWで数えます。
1kWあたりの対象経費が23万円以上なら、1kWあたり10万円です。23万円を下回ると、補助額は経費に応じて減ります。計算式は「10万円 × 経費÷23万円 × kW」で、千円未満は切り捨てです。
- パネル12.4kW・パワコン10kWで、1kWあたり経費が25万円:10万円 × 10kW = 100万円
- パネル6.2kW・パワコン6.0kWで、1kWあたり経費が23万円:10万円 × 6kW = 60万円
- パネル10kW・パワコン10kWで、1kWあたり経費が20万円:10万円 × 20万円÷23万円 × 10kW = 86.9万円(千円未満は切り捨て)
経費には消費税等仕入控除税額を含めて数えます。一方、交付申請書の経費欄には税抜きの金額を書きます。
個人住宅向けは別の枠です。太陽光は7万円 × 容量(kW)で、5kWなら35万円です。ただし対象経費の合計が上限になります。蓄電池は対象経費の1/2で、上限は14万1千円 × 容量(kWh)× 1/2です。容量8kWhの蓄電池に80万円かかった場合は、80万円の1/2で40万円です(上限は14万1千円 × 8kWh × 1/2 = 56.4万円)。太陽光と蓄電池は同時に設置し、両方を申請する決まりです。
何に使える?
対象にならないもの
- 既存設備を撤去・処分する費用
- 設備の稼働に直接関係しないモニター
- 国・県・市の別の補助を受ける事業の経費
対象になるもの
- 設備費(太陽光パネルなどの購入・運搬・据付)
- 工事費(材料費・労務費・共通仮設費・現場管理費)
- 付帯工事費(20kW以上で必要な柵塀の工事を含む)
- 測量・設計・試験の費用
自家消費率の把握に使うモニターは、必要最小限の範囲で対象になる場合があります。
設備の規模でも、守ることが変わります。10kW以上は、将来の撤去・廃棄の費用を積み立てる計画が要ります。20kW以上は、発電設備を囲む柵塀と標識の設置が必要です。
申請から入金までの流れ
先着順のため、書類が全部そろった申請から受け付けられます。メールは送信日時、郵送は消印の日付の正午で順番を判定します。
- 施工業者に見積書と設置図を頼む(事業者→施工業者。契約はまだ結ばない)
- 景観法の届出などが要るか確かめる(事業者→都市計画課 0742-34-5209。申請の前)
- 交付申請をする(事業者→環境都市推進課。メール・郵送・持参。12月25日午後3時必着)
- 交付決定の通知を待つ(市→事業者。契約・発注・着工はこの通知のあと)
- 工事を終えて支払いまで済ませる(事業者・施工業者。2027年2月末日までに)
- 実績報告書を出す(事業者→市。完了日から1か月後か2027年2月末日の早いほうまで)
- 確定通知を受けて請求書を出す(事業者→市。補助金が振り込まれる)
交付決定とは、市が補助を出すと正式に決める通知です。採択の連絡とは別のもので、この前の契約・着工は対象外になります。着手日は、契約日と工事の着工日のうち早いほうです。
必要な書類
準備できた 0 / 11
法人登記の証明書は、発行日から3か月以内のものです。申請者・設備の使用者・設置場所の所有者が別なら、共同申請同意書(別紙2)も要ります。景観法や風致地区条例の許可が要る場所では、その受理書や許可書も添えます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約・着工した:着手日が交付決定より前だと、補助の対象になりません。申請の時点で工事と支払いが終わっている場合も同じです。
- 予算が先になくなった:申請額の合計が予算額に達すると、事前の通知なしに受付が終わります。12月25日より前でも終了することがあります。
- 自家消費の条件を外れた:発電量の50%以上を自社で使うことが条件です。FIT・FIPの認定を取った場合も、条件を満たせなくなります。
- 補助を受けた設備を勝手に処分した:決められた期間内に使い方を変えたり譲渡したりするには、承認が要ります。承認なしだと、返還を求められることがあります。
営利法人は、売電などで収益が出ると、事業完了後5年間は補助金の一部を返す場合があります。
よくある質問
個人事業主は事業所向けの枠に申請できますか?
申請できません。事業所向けの補助対象者は、市内で事業を営む民間事業者のうち法人に限られ、個人事業主は含まれません。ただしPPA事業者やリース事業者が設備を設置して申請する形なら、個人事業主の事業所でも、補助の恩恵を受けられる可能性があります。この場合、補助金額に相当する分がサービス料金やリース料金から差し引かれることが条件です。契約の形は施工業者と事前に確かめてください。
すでに工事の契約を結んだ設備でも申請できますか?
申請できません。交付決定より前に着手した事業は、補助対象になりません。着手日は、設備の調達や設置に関する契約日か、工事の着工日のうち最も早い日付です。見積もりを集める段階は、契約を結ぶ前であれば問題ありません。契約書に署名する前に交付申請を済ませ、交付決定の通知を受けてから契約へ進む順番を守ってください。
蓄電池だけを事業所に入れる場合は対象ですか?
事業所向けの公募要領に載っている補助対象設備は、自家消費型の太陽光発電設備だけです。蓄電池は表に載っていないため、事業所向けでは対象外と考えるのが安全です。蓄電池が対象になるのは個人住宅向けの枠で、太陽光発電設備と同時に設置し、両方を申請する必要があります。扱いを確実にしたい場合は、環境都市推進課に問い合わせてください。
容量(kW)はどう数えますか?
太陽電池モジュールの公称最大出力の合計値と、パワーコンディショナーの定格出力の合計値を比べ、低いほうを使います。小数点以下は切り捨てです。たとえばパネルが12.4kWでパワコンが10kWなら、10kWで計算します。パネルを多く載せても、パワコンの出力が小さければ補助額は増えません。機器を選ぶ段階で、両方の出力を見比べておくと安心です。
1kWあたりの経費が23万円に届かないとどうなりますか?
補助額が減ります。1kWあたりの対象経費が23万円未満の場合の式は、10万円 × 経費÷23万円 × 容量です。1kWあたり20万円なら、1kWあたり約8.7万円になります。経費は消費税等仕入控除税額を含めて数え、千円未満は切り捨てです。見積書の内訳が、補助対象の設備と対象外の費用に分かれているかも確かめてください。
予算がなくなったらどうなりますか?
申請額の合計が予算額に達した時点で、受付は終わります。事前の通知はありません。申請は先着順で、要件を満たす書類が全部そろった申請から順番が付きます。メールなら送信日時、郵送なら消印日付の正午が提出時刻です。予算の消化状況は市の公式ページに載るので、書類を準備する前に一度確かめておくと、無駄な準備を防げます。
申請はどう出しますか?
電子メール、郵送、持参のいずれかです。市はできるだけ電子メールを求めています。宛先は申請専用アドレスで、件名は「(申請者名)事業所向け太陽光申請」とします。添付は15MB以内で、超える場合は「その1」「その2」と分けて送ります。持参は平日の午前9時から午後5時までで、前営業日までに日時を電話で伝えます。
工事はいつまでに終えればいいですか?
補助事業の期間は、交付決定の日から2027年2月末日までです。実績報告書は、工事の完了日か代金の支払完了日の遅いほうから1か月後と、2027年2月末日のうち、早い日までに出します。支払いまで終えて初めて完了です。交付申請の時点で工事や支払いが終わっている場合は、対象外になります。工程表は余裕を持って組んでください。
20kW以上や10kW以上の設備で、追加の決まりはありますか?
あります。10kW以上は、解体・撤去の費用を見込んで積み立てる計画を立て、それに沿って積み立てる必要があります。災害に備えた火災保険や賠償保険にも、加入するよう努めます。20kW以上は、発電設備を囲む柵塀と、事業者名や連絡先を書いた標識の設置が必要です。柵塀の工事費は付帯工事費として対象になります。
発電した電気を売ることはできますか?
FITとFIPの認定を取らないことが条件なので、制度に乗せて売電する使い方はできません。発電量の50%以上を、設置した敷地内の需要家が自分で消費する必要があります。売電などで収益が出た場合、営利法人は事業完了後5年間、補助金の一部を納付する場合があります。設計の前に、自家消費の見込みを施工業者と数字で確かめてください。
PPAやリースでも使えますか?
使えます。PPA事業者やリース事業者も補助対象者で、設置と申請ができます。条件は、補助金が事業者に交付されたうえで、補助金額に相当する分がサービス料金やリース料金から差し引かれることです。設備を法定耐用年数が終わるまで使い続けるための措置を示す書類も要ります。実績報告のときに、料金から差し引かれたことが分かる書類を出します。
他の補助金と併用できますか?
同じ事業で、国・県・市の別の補助金を受ける場合は対象になりません。公募要領は、他の法令などで国・県・市から補助を受けて実施する事業を対象外としています。同じ建物に、すでにこの補助金の交付を受けている場合も申請できません。別の補助の利用を考えているなら、申請の前に環境都市推進課へ、対象の経費がかぶらないか確かめてください。
問い合わせ先はどこですか?
奈良市の環境都市推進課 ゼロカーボンシティ推進係(電話 0742-34-5652)です。申請書の提出先も同じ課で、申請専用アドレスは zerohojo@city.nara.lg.jp です。景観法の届出や風致地区の許可が要るかどうかは、都市計画課の景観係(電話 0742-34-5209)に聞きます。平日の午前9時から午後5時まで受け付けています。
