奈良県の育児休業取得促進事業補助金は、令和8年度で廃止される予定です。育休の取得が定着し、実施の目的はおおむね達成したと県が判断したためです。
県の案内では、申請の期日は令和8年12月28日(月)必着です。予算額に達した時点で、期日の前でも受付は終わります。
育児休業給付金は、育休を始めて181日目から支給率が67%から50%に下がります。事業者がこの差を埋めるように賃金を上乗せして払うと、県がその費用を全額補助する仕組みです。
奈良県 育児休業取得促進事業補助金の要点まとめ
正式名:奈良県育児休業取得促進事業補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 指定なし(全業種)
- 利用目的
- 育休中の従業員への賃金上乗せ(雇用・職場環境の改善)
- 対象地域
- 奈良県内(県内に事務所・事業所がある事業者)
- 従業員数
- 規定なし(対象は県内事業所に勤務する従業員)
いくら
- 補助上限額
- 賃金日額×支給日数×17%(1円未満切り捨て)
- 補助率
- 補助対象経費の10/10(上限は賃金日額から計算)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年12月28日(月)必着(予算額に達し次第終了)
うちの会社は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
従業員は、県内の事業所に勤めている人に限ります。住まいが県外でも構いません。上乗せ支給の定めは、労働協約(労使の取り決め)、就業規則、給与規程、労働契約のいずれかに書かれていれば足ります。県のページに、労使協定と給与規程のひな形があります。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 育休開始から180日目までの上乗せ
- ✕ 県外の支店・営業所の従業員
- ✕ 出産祝い金などの臨時の支払い
県外の支店は、県内の本社が給付金の手続きを一括で行っていても対象外です。県のQ&Aに明記があります。
いくら戻ってくる?
補助額の上限は、賃金日額に給付金の支給日数を掛け、さらに17%を掛けた額です。17%は、支給率が67%から50%に下がる差にあたります。
賃金日額は、県のQ&Aの例では賃金月額を30で割った額です。計算の単位は、給付金の支給決定通知書にある支給単位期間に合わせます。1か月分は実際の暦に関係なく30日で数え、1か月に満たない期間は実際の日数で数えます。
- 賃金日額6,327円で1か月分:6,327円 × 30日 × 17% = 32,267円が上限
- 同じ人の3日分:6,327円 × 3日 × 17% = 3,226円が上限
- 賃金日額1万円で3か月分:1万円 × 90日 × 17% = 15万3,000円が上限
上乗せした額が上限より少なければ、払った額がそのまま全額戻ります。 上限を超えたぶんは自己負担です。
社内の規定で17%より低い割合を定めたときは、補助もその割合までです。県の給与規程ひな形の注記にあります。
- 1か月に2万円を上乗せした場合(賃金日額6,327円):上限の32,267円に届かないので、2万円が補助されます
- 1か月に5万円を上乗せした場合(同じ人):上限の32,267円で止まり、17,733円は自己負担です
何に使える?
対象にならないもの
- 育休開始から180日目までの上乗せ
- 労働の対価として払う金銭
- 出産祝い金など、個人的・臨時的な金銭
- 共済などが支給する手当
対象になるもの
- 賃金、給料、手当、賞与など、従業員の経済的な支援を目的に事業者が払った金銭
- 181日目以降で、育児休業給付金が支給される期間に払った分
名称は問われません。たとえば「育休手当」という名目で払っても、上乗せ支給の定めがあり、期間の条件を満たせば対象です。
申請の流れ
- 上乗せ支給の定めを置く(事業者→自社の就業規則・給与規程など。県のページにひな形があります)
- 181日目以降の期間に、上乗せ賃金を払う(事業者→従業員。源泉徴収をして払います)
- 交付申請書と添付書類を出す(事業者→奈良県。払った日から4か月以内かつ通知を受けた日から1年以内、12月28日必着)
- 交付決定と額の確定の通知を受ける(奈良県→事業者)
- 請求書を出して受け取る(事業者→奈良県。請求書は第5号様式)
3の期限は2つあり、どちらも満たす必要があります。1つ目は上乗せ賃金を払った日から4か月です。2つ目は、ハローワークが出す育児休業給付金の支給決定通知を従業員が受けた日から1年です。
必要な書類
準備できた 0 / 7
誓約書は、令和8年度の申請から必要になった書類です。給付金支給決定通知書などの添付書類は、写しで出せます。
県内勤務が分かる書類には、従業員の氏名、勤務する事業所と部署、その所在地が載っている必要があります。労働条件通知書や労働者名簿で足りない場合は、県のひな形の証明書を使います。
出勤簿やタイムカードがないときは、給付金の申請でハローワークに出した事業所の証明書の写しでも代わりになります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 期限を過ぎた:4か月、1年、12月28日の期限を過ぎたものは受理されません。要綱に沿わないものも同じです。
- 予算がなくなった:期日の前でも、予算額に達すると受付が終わります。県は、事業の終了に伴い申請が多いと案内しています。
- 書類に誤りや不足がある:書類は全部そろえてから出します。誤りや不足があると受理できないことがあります。
- 不正な申請だった:偽りで交付を受けた場合は、決定が取り消され、補助金の返還を命じられます。
変更点・税金
令和8年度の申請から、暴力団等に関与しない誓約書が必要になりました。
上乗せした賃金は、名称にかかわらず課税の対象です。県のQ&Aは、源泉徴収をして払い、年末調整をするよう求めています。雇用保険料は上乗せ分から控除します。社会保険料は、育休中は免除されると県のQ&Aにあります。
同じ子について2回目以降に申請するときは、内容に変更がなければ、県内勤務の書類と上乗せ支給の定めは添付を省けます。その場合、申請書に「変更がないため添付なし」と書きます。
よくある質問
育休が始まってすぐの上乗せも対象ですか?
対象になりません。補助されるのは、育休を始めて180日に達した日の翌日以降で、給付金が支給される期間の上乗せ分だけです。180日目までは支給率が67%あり、県が補助するのは50%に下がったあとの差額だからです。出産直後から手厚く上乗せしている会社でも、補助の対象は181日目以降に払った分に限られます。その前の分は自己負担になる点を、制度を設計するときに見込んでおきます。
181日目はどう数えますか?
給付金の支給単位に合わせて、1か月を30日として数えます。県のQ&Aの例では、2月4日に育休を始めた人の181日目は8月4日です。2月が28日しかなくても、1か月は30日と数えます。自社の計算がずれやすい箇所なので、給付金の支給決定通知書に書かれた支給単位期間を見ながら数えてください。給与の締め日で区切って計算すると、金額が正しいか県が判断しにくくなります。
補助額はいくらになりますか?
一律の額はありません。育休開始時の賃金日額に支給日数を掛け、その17%を上限として、実際に上乗せした額が補助されます。賃金日額が6,327円なら、1か月分の上限は32,267円です。上乗せが2万円なら2万円が、5万円なら上限の32,267円が補助されます。賃金日額が分からないときは、賃金月額を30で割って見当をつけます。見込み額に迷うときは、人材・雇用政策課に聞いてください。
申請はいつまでにすればよいですか?
期限は3つあります。上乗せ賃金を払った日から4か月以内、給付金の支給決定通知を従業員が受けた日から1年以内、そして令和8年12月28日(月)必着です。どれか1つでも過ぎると受理されません。さらに、期日の前でも予算額に達すれば受付は終わります。上乗せ賃金を払ったら、書類がそろい次第、早めにまとめて出すのが安全です。
県外に住んでいる従業員も対象ですか?
対象です。住まいが県内か県外かは問われず、県内の事業所に勤務していれば対象になります。県のQ&Aに明記があります。県内の勤務が分かる書類には、従業員の氏名、勤務する事業所と部署、その所在地を載せます。労働者名簿にこれらの記載がない場合は、書類の差し替えを求められます。差し替えを避けるには、県のひな形の証明書を最初から使う方法があります。
県外の支店の従業員も対象ですか?
対象外です。補助されるのは県内の事務所または事業所の従業員で、県内の本社が給付金の手続きを一括で行っていても同じです。県のQ&Aに明記があります。県外の支店に勤める従業員の分は含めず、県内の事業所の分だけを申請します。本社が奈良県外で、県内に支店や営業所がある場合は、県内の事業所に勤める従業員の分が対象になります。
工事現場の事務所は事業所になりますか?
2〜3か月程度の一時的な事業のために置く現場事務所や仮小屋は、対象になりません。事業所と認められるには、事業に継続性が必要です。県のQ&Aでは、雇用保険の届出事業所などを原則として想定しています。該当しなくても、専任の管理者がいるなど、実態を見て判断する場合があります。判断がつかないときは、申請の前に担当課へ聞いてください。
出勤簿やタイムカードがないときはどうしますか?
育休中の従業員に出勤簿などを作っていない場合は、給付金の申請でハローワークに出した、事業所による証明書の写しで代わりになります。証明書には、補助の対象期間に従業員が出勤していないことが書かれている必要があります。手元に控えが残っているかどうかを、申請の準備の最初に確かめておくと、書類の出し直しを避けられます。
2回目以降の申請は書類を省けますか?
同じ子についての2回目以降は、内容に変更がなければ、県内勤務が分かる書類と、上乗せ支給の定めの2点は添付を省けます。その場合は、申請書の該当欄に「変更がないため添付なし」と書きます。給付金の支給決定通知書、賃金台帳、出勤簿などは、毎回添付が必要です。省ける書類と省けない書類を分けて、申請のたびに確かめてください。
上乗せした賃金に税金はかかりますか?
かかります。名称にかかわらず、事業者が払う賃金等は課税の対象です。従業員に払うときは源泉徴収をして、年末に年末調整をします。雇用保険料は上乗せ分から控除し、労働保険料の算定の基礎にもなります。社会保険料は、育休中は免除されると県のQ&Aにあります。税や保険料の扱いは従業員の手取りに響くので、払う前に社労士や税理士にも確かめておくと安心です。
令和9年度以降も続きますか?
県のページには、令和8年度をもって廃止する予定とあります。令和9年度以降の募集や、後継の制度についての記載は、確認できた範囲ではありません。12月28日より後に払う上乗せ分が申請できるかどうかも、公式に明記がありません。上乗せ支給を続ける予定の事業者は、払う時期を決める前に、担当課へ確かめてください。
上乗せ支給の定めのひな形はありますか?
あります。県のページに、育休中の経済的支援に関する規定のひな形として、労使協定と給与規程が載っています。県内の事業所の従業員であることの証明書のひな形もあります。上乗せ支給の定めが無いと対象になれないので、自社の規定をつくるときの下書きに使えます。ひな形の支給額は賃金日額に支給日数を掛けた額の17%で、率は変えられます。ただし17%より低くすると、補助もその限度までです。金額や期間は自社の内容に合わせて書き直します。
問い合わせ先はどこですか?
奈良県産業部の人材・雇用政策課です。県のQ&Aには、働き方改革推進係の電話番号として0742-27-8828が載っています。対象になるかどうか、書類の書き方、廃止の前に申請できる範囲で迷うときは、上乗せ賃金を払う前に聞いておくと、出し直しを避けられます。受付は予算額に達すると終わるため、聞くのは早めがよいでしょう。
