この補助金の財源は、国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金です。目的は、運輸業界の人材不足に対応することです。新潟県は、その手段として物流の省人化と効率化を後押ししています。
トラックやフォークリフトの本体は対象外です。対象になるのは、予約受付システムや荷役の補助装置など、作業を減らす投資です。この記事は、2つあるメニューのうち「業務効率化」を扱います。
運輸人材確保・業務効率化推進事業費補助金(業務効率化)の要点まとめ
正式名:新潟県運輸人材確保・業務効率化推進事業費補助金(業務効率化メニュー)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人)。個人事業主・個人は対象外
- 対象業種
- トラック事業者、荷主事業者
- 利用目的
- 荷待ち時間の短縮、荷役の負担軽減、物流コストの適正化、共同配送など
- 対象地域
- 新潟県
- 従業員数
- 公式ページに記載なし
いくら
- 補助上限額
- 300万円(実装的な取組・実証的な取組とも)
- 補助率
- 1/2以内(千円未満切り捨て)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月7日〜2026年12月28日(随時募集)
- 事業の完了
- 交付決定日から2027年2月26日まで
うちの会社は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
トラック事業者は、一般貨物、特定貨物、貨物軽自動車のいずれかの運送事業を行う者です。霊きゅう事業だけの事業者は含まれません。荷主事業者は、トラック事業者と取引のある者です。荷物を運んでもらう側の会社が当たります。
ホワイト物流推進運動は、国土交通省が進める物流効率化の運動です。「自主行動宣言」は、その運動への賛同表明です。県のQ&Aでは、賛同企業リストに載っていれば「行っている」扱いになります。載っていなくても、参加登録を済ませていれば「見込みがある」扱いで、登録時の様式を出します。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 個人事業主・個人
- ✕ バス・タクシー事業者だけ
- ✕ 県内に本社も営業所もない
バス事業者、タクシー事業者、運転代行事業者は、もう一方の「人材確保」メニューの対象です。このメニューの対象者はトラック事業者と荷主事業者です。
実装的な取組と実証的な取組は何が違う?
申請は、2つの取組のどちらかで行います。
| 区分 | 誰が | 何をする |
|---|---|---|
| 実装的な取組 | 1社(トラック事業者か荷主事業者) | 自社にシステムや機器を入れる |
| 実証的な取組 | 2社以上のグループ | 共同配送など、複数社で効率化を試す |
実装的な取組の対象は、次の5つのどれかに当たる県内の事業です。
- 物流コストの適正化
- 荷待ち時間の短縮や輸送の効率化
- 荷役作業の負担軽減
- 業務効率化の計画を作るための専門家への相談
- その他、知事が必要と認める取組
実証的な取組は、複数の事業者が連携する取組です。グループの構成員は、法人格が別で、資本関係のない者でなければなりません。親会社と子会社のような関係では、グループを組めません。
県外の企業もグループに加えられます。ただし申請するのは県内企業です。補助金は、グループ全体の経費をまとめて、その県内企業に支払われます。
いくら戻ってくる?
かかった費用の半分以内です。千円未満は切り捨てられます。上限の300万円に届くのは、対象経費が600万円以上のときです。
- 荷主が入荷の予約受付システムを入れる:240万円 × 1/2 = 120万円
- トラック事業者が車両にテールゲートリフターを付ける:120万円 × 1/2 = 60万円
- 配車計画システムと自動点呼機器をそろえる:700万円 × 1/2 = 350万円 → 上限の300万円
上限は、実装的な取組も実証的な取組も300万円です。1事業者あたりか1事業あたりかは、公式に記載がありません。複数の事業を出したい場合は、申請の前に県へ聞いてください。
対象経費は、国や地方公共団体の補助金、委託費を除いた額です。消費税と地方消費税も除きます。課税事業者は、交付申請のときに消費税の仕入控除税額(仕入れで控除できる消費税)を減らして申請します。申請の時点で額が分からないときは、確定のときに減額されます。
何に使える?
対象にならないもの
- トラック車両の購入費
- フォークリフトの購入費
- 実装的な取組でのリース
- システムの使用料など、運用管理費(ランニングコスト)
- 老朽化設備の更新や、同じ機能の設備への置き換え
対象になるもの
- システムの導入経費(出荷情報のデータ化など)
- 省人化・省力化につながる機器や資材の導入費
- 計画づくりのための専門家への謝金
県のQ&Aには、細かい線引きがあります。車両に付けるテールゲートリフターは対象です。フォークリフトは、作業を減らすためのツメの買い替えなら対象になります。勤怠や運行記録の集計ソフトは対象で、そのために必要なパソコンの買い替えも、必要不可欠と認められれば対象です。
古い機器を処分して新しく買う場合も、管理の手間が減る、自動運転が可能になるなど、効率や省人化が進めば対象です。単なる入れ替えは、対象になりません。県のチラシには、予約受付システム、配車計画システム、ロボット点呼、労務管理システム、搬送ロボットが例に挙がっています。
実証的な取組では、使える経費の幅が違います。計画策定費、試験運行費、機器のリース・レンタル費が対象です。共同配送で新たに増える輸送費や、実証のための倉庫の使用料も入ります。
判断が分かれる機器は、申請の前に県の担当班へ見積書を見せて確かめてください。
申請の流れ
- 県に事前相談する(事業者→交通政策課 地域交通班。募集要領が求める手順)
- 申請書類をメールで出す(事業者→県。原則データで、12月28日まで)
- 交付決定を待つ(県→事業者。目安は申請から2〜3週間)
- 事業を行い、支払いまで終える(事業者。2027年2月26日まで)
- 実績報告を出す(事業者→県。2027年2月26日までに)
- 確定通知のあとに請求する(事業者→県。支払いは確定通知のあと)
実績報告の期限は、資料で書き方が違います。案内ページとQ&Aは2027年2月26日まで、募集要領の流れ図は「2月末まで」です。交付要綱は、事業の完了から20日を過ぎた日か、3月31日の早い方までとしています。迷ったときは、早い日付に合わせてください。提出するのは、実績報告書(第7号様式)、支出明細書、領収書や振込証明書の写しです。契約書や取組の写真は、必要に応じて求められます。
交付要綱には、9月30日までの遂行状況を10月20日までに報告する決まり(補助事業遂行状況報告書)もあります。申請の時期によって対象になるかは、公式に記載がありません。事前相談のときに確かめてください。
県は、採択状況や予算の執行状況によっては、告知なく募集を終了することがあります。12月28日の前でも終わる可能性があるので、早めに動くのが安全です。
必要な書類
準備できた 0 / 12
事業計画書には、実施地域、現状と課題、事業の内容、月別の工程表を書きます。申請者の概要には、年間取扱貨物量、トラックの保有台数、従業員数などを書く欄があります。交付申請書には、ホワイト物流の宣言項目を記載します。共同事業の概要は、実証的な取組の場合か、共同事業者がいる場合だけ出します。履歴事項全部証明書は、発行から3か月以内のものです。書類は原則データで出します。様式は、県のホームページから最新のものを使ってください。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 対象外の物を買った:車両やフォークリフトの本体、運用管理費、単なる入れ替えは対象外です。
- 注文が4月1日より前だった:Q&Aでは、注文書の日付が2026年4月1日以降のものが対象期間です。
- 期限に間に合わなかった:支払いか納品の遅い方が、2027年2月26日までに終わる必要があります。
- 予算がなくなった:県は、予算の執行状況によって、告知なく募集を終えることがあります。
- 消費税の控除額が確定した:事業完了後、消費税の仕入控除税額が確定したら県に報告します。控除額は返還を命じられます。
昨年度との違いと併用
県のQ&Aには「令和7年度制度との違いはありますか」という問いがあります。答えは「特段ございません」です。昨年度の採択事例が参考になります。
他の補助金とは併用できます。ただし、国や地方公共団体の補助金、委託費を除いた額が、対象経費になります。同じ経費で二重に受け取ることはできません。
県は、物流効率化の取組を広く周知するため、補助事業の内容を公表することがあります。公表の範囲は、補助事業者の正当な利益を損なわない範囲です。
よくある質問
交付決定の前に発注した分も対象になりますか?
対象になる場合があります。交付要綱は、知事が交付決定前に実施済みの事業も補助対象にできると書き、募集要領は交付決定前に実施されている事業も補助対象とするとしています。Q&Aでは、注文書の日付が2026年4月1日以降のものが対象期間です。「必ず対象になる」とは書かれていないため、すでに発注した場合は、事前相談のときに注文書の日付と内容を県に見せて確かめてください。
トラックを買い替える費用は対象になりますか?
トラック車両の購入費は対象外です。Q&Aに明記されています。一方、輸送や荷役を効率化するために、車両へテールゲートリフターなどの装置を付ける費用は対象です。冷凍フラットパネルバンセミトレーラーの導入が昨年度の採択事例にありますが、これはモーダルシフトの取組として挙げられたものです。車両を含む計画は、申請の前に県の担当班へ相談してください。
個人事業主のトラック運送業者は申請できますか?
申請できません。交付要綱の別表に、個人事業主と個人を除くと書かれています。このメニューの対象は法人です。個人事業主が共同配送のグループに加わることについても、公式に記載はありません。個人で運送業を営んでいて参加を考えている場合は、県の担当班に電話で確かめてください。
ホワイト物流の自主行動宣言は、いつまでに必要ですか?
申請の時点で、宣言を行っているか、行う見込みがあることが条件です。Q&Aでは、賛同企業リストに載っていれば「行っている」扱いです。リストにまだなくても、参加登録を済ませていれば「見込みがある」扱いになり、登録時の様式を出します。申請書類にも、自主行動宣言の写しが入っています。まだ登録していない場合は、申請の前に登録を済ませてください。
実証的な取組のグループには、親会社と子会社で組めますか?
組めません。グループの構成員は、法人格が別で、資本関係のない者でなければなりません。親会社と子会社、同じ親会社を持つ会社どうしのような資本関係があると、要件を満たさない可能性が高くなります。人数は2社以上です。県外の企業もグループに加えられますが、申請するのは県内企業で、補助金の支払いもその企業に一括で行われます。
システムの月額利用料は補助されますか?
補助されません。Q&Aは、システム使用料などの運用管理費(ランニングコスト)は対象外としています。導入のための初期費用は対象です。勤怠システムの場合は、ソフト代、インストール費用、工賃料が、作業の効率化や従業員の負担軽減につながるなら対象になります。見積書では、初期費用と月額の利用料を分けて書いてもらうと、申請の整理がしやすくなります。
リース契約で機器を入れた場合はどうなりますか?
実装的な取組では、リースは対象になりません。Q&Aに明記されています。実証的な取組では、機器・資材のリース・レンタル経費が対象です。自社に機器を入れる計画ならリースではなく購入、グループで試す計画ならリースやレンタル、という整理になります。どちらで申請するか迷う場合は、取組の区分から先に決めると進めやすくなります。
補助金はいつ受け取れますか?
事業が終わったあとです。県の流れは、実績報告を出し、県が補助金額の確定通知を出し、そのあとに事業者が請求して支払われる順番です。支払いは精算払いが原則です。具体的な振込時期は、公式に記載がありません。工事や機器の代金は、いったん全額を自社で払う前提で、資金繰りを計画してください。
どこに申請しますか?
新潟県の交通政策局 交通政策課 地域交通班に、メールで提出します。募集要領は、申請書類を原則データで出すよう求めています。申請の前には、同じ班に事前相談をすることが求められています。電話は025-280-5109で、メールアドレスはngt170060@pref.niigata.lg.jpです。
昨年度の採択事例は見られますか?
見られます。県の案内ページに、令和6年度と令和7年度の採択事業の一覧(一部抜粋)があります。令和7年度には、テールゲートリフター、配車計画システム、自動点呼機器、デジタルタコグラフ、入荷受付・予約システム、パレット交換機などがあります。制度は昨年度から特段変わっていないので、計画を考えるときの参考になります。
申請してから、交付決定までどのくらいかかりますか?
募集要領の流れでは、交付決定まで2〜3週間程度です。県が申請内容を確認し、適切であれば決定します。事前相談を先に済ませておくと、書類の不備が減ります。12月28日が申請の最終日ですが、2027年2月26日までに事業を終える必要があるため、締切の直前に出すと実施できる期間が短くなります。
