見守りセンサーを入れたのに、夜勤の訪室は減らない。記録ソフトを入れたのに、転記の手間はそのまま。機器は買えても、使いこなせなければ現場は楽になりません。
沖縄県の介護テクノロジー定着支援事業補助金は、機器の購入費に加えて、入れたあとの業務改善の費用も補助します。補助率は4/5で、単体導入は上限500万円、パッケージ型は600万円(定着促進費用を合わせて615万円)です。令和8年度の事前協議の受付は2026年8月7日で終わり、交付申請に進めるのは内示を受けた事業所だけです。補助を受けるには、導入の前に「かいテク沖縄」への事前相談と基礎セミナーの受講が要ります。次の募集に向けて、条件を先に読んでおく使い方ができます。
沖縄県 介護テクノロジー定着支援事業補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度 沖縄県介護テクノロジー定着支援事業補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(介護事業所・施設の運営者)
- 対象業種
- 介護保険サービスの事業所、養護老人ホーム、軽費老人ホーム
- 利用目的
- 介護ロボット・ICT機器の導入と、導入後の業務改善
- 対象地域
- 沖縄県内
- 従業員数
- 規定なし(介護ソフトの基準額は職員数で変わる)
いくら
- 補助上限額
- 最大615万円(単体導入は500万円、パッケージ型は600万円)
- 補助率
- 4/5(80%)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年7月1日〜2026年8月7日(事前協議の受付)
- 事業の完了
- 完了から30日以内、遅くとも2027年1月31日に実績報告
うちの事業所は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 他の補助金で助成されている機器
- ✕ 機能が上がらない単なる機器の更新
- ✕ 福祉用具貸与のために貸与用を買う
- ✕ 交付決定の前に契約・購入した
補足をいくつか。
対象の事業所は、介護保険法のサービスを提供するすべての事業所(訪問介護や居宅介護支援を含む)と、養護老人ホーム、軽費老人ホームです。法人本部が県外でも、事業所が県内なら対象になります。特別養護老人ホームや有料老人ホームも、特定施設入居者生活介護など介護保険の指定を受けていれば対象です。
かいテク沖縄は、県が設置した「介護業務・テクノロジー伴走支援センターおきなわ」の通称です。基礎セミナーは令和8年6月25日に開かれ、当日に出られなかった場合はアーカイブ動画を見ることが条件でした。SECURITY ACTIONは、IPA(情報処理推進機構)が行う、情報セキュリティ対策の自己宣言制度で、一つ星か二つ星の宣言が要件です。
事業所の種類によって、さらに次の要件があります。
- 施設系サービス(短期入所、特定施設、小規模多機能、グループホーム、特養、老健、介護医療院など):利用者の安全と職員の負担軽減を検討する委員会を置くこと
- 居宅系サービス(訪問介護、通所介護、居宅介護支援など):ケアプランデータ連携システムを、令和8年度中に使い始めること
いくら補助される?
補助額は、対象経費の4/5と、区分ごとの基準額を比べて、少ない方です。千円未満は切り捨てです。単体導入の上限は500万円で、615万円になるのは、パッケージ型で介護ソフトの定着促進費用も使うときだけです。
区分ごとの基準額は次のとおりです。
| 区分 | 基準額 |
|---|---|
| 移乗支援機器、入浴支援機器、インカム | 1台あたり100万円 |
| 上記以外の機器(見守り機器など) | 1台あたり30万円 |
| 介護ソフト(職員1〜10名) | 100万円(定着促進費用を含め115万円) |
| 介護ソフト(職員11〜20名) | 150万円(同165万円) |
| 介護ソフト(職員21〜30名) | 200万円(同215万円) |
| 介護ソフト(職員31名以上) | 250万円(同265万円) |
見守り機器は、利用定員の5割まで導入できます。インカムは申請時点の職員数まで、移乗支援・入浴支援は1事業所あたり2台までです。
機器の価格は製品ごとに違うため、基準額に届く経費の目安で示します。
- 移乗支援機器1台:125万円 × 4/5 = 100万円 → 基準額
- 見守り機器など1台:37.5万円 × 4/5 = 30万円 → 基準額
- 介護ソフト(職員10名以下):125万円 × 4/5 = 100万円 → 基準額
- パッケージ型:750万円 × 4/5 = 600万円 → 上限
- 単体導入の合計:625万円 × 4/5 = 500万円 → 上限
経費がこの金額に届かなければ、経費の4/5がそのまま補助額です。
介護ソフトの基準額には補足があります。職員数で金額が変わらない契約の介護ソフトは、一律250万円(定着促進費用を含め265万円)が基準額です。居宅サービスと居宅介護支援の事業所が、令和8年度中にケアプランデータ連携システムで5事業所以上とデータをやり取りすると、基準額に5万円が加わります。給与・勤怠管理のバックオフィスソフトも介護ソフトと同じ表で、定着促進費用は付きません。AI議事録ツールのように特定の事務に絞ったソフトは、1台30万円の区分です。
業務改善の支援は別に計算し、経費の4/5で、1事業所あたり上限48万円です。事前協議書の補助金所要額調書でも、業務改善支援は単体導入やパッケージ型の小計とは別の欄です。ただし、500万円や600万円の上限と合算できるかは、実施要綱に書かれていません。
何に使える?
対象にならないもの
- すでに持っている機器の廃棄費用
- 機器を置くための建物の改修費
- 消費税、振込手数料、保証料
- インターネット回線の使用料などの通信費
- 機器の送料
- タブレットの充電器やケースなどの付属品(本体と一体のものを除く)
- 機器の導入を伴わない、既存ソフトのアップデート
- 交付決定の前に契約や購入をしたもの
対象になるもの
- 見守り機器、インカム、移乗支援・入浴支援機器など、TAIS(福祉用具情報システム)で「介護テクノロジー」に選ばれた機器
- TAISに載っていなくても、同じ水準の機能がある機器
- 介護ソフトと、給与・勤怠管理などのバックオフィスソフト、AI議事録ツール
- 機器に付帯するWi-Fi工事、モデム、PC・タブレット端末(主な機器と一緒に入れるとき)
- 介護ソフトの定着促進費用(端末、LAN工事、ベンダーの導入前後のサポート)
- 生産性向上の専門家による業務改善の支援費用
- レンタルやリースの費用
付帯する費用は、見守り機器や介護ソフトなど主な機器と一緒に入れるときだけ対象です。すでに見守り機器がある事業所が、タブレットとWi-Fiだけを足すのは対象になりません。バックオフィスソフトやAI議事録ツールには、端末や通信環境の費用を足せません。
介護ソフトは、記録・情報共有・請求を転記なしで行えることが条件です。居宅系は「ケアプランデータ連携標準仕様」のCSV出力と取込、施設系はLIFEのCSV連携仕様に沿った出力が要ります。メーカーのカタログで確認できます。
申請の流れ
令和8年度の予定です。次の募集のときも、同じ順番になると考えると整理しやすくなります。
- 基礎セミナーを受ける(事業者→かいテク沖縄。6月25日開催、動画視聴も可。事前協議の前に)
- 事前相談を申し込む(事業者→かいテク沖縄。Webフォームから。課題と導入したい機器のイメージを持って)
- 事前協議書を入力する(事業者→県のポータルサイト。7月1日〜8月7日。カタログと見積書のPDFを添付)
- 内示を受ける(県→事業者。8月末〜9月上旬の予定)
- 交付申請して、交付決定を受ける(事業者→県。9月下旬の予定。契約や購入はこのあと)
- 導入して、実績報告を出す(事業者→県。事業の完了から30日後か2027年1月31日の早い方まで。導入と支払いはその前に)
- 額の確定を受けて請求する(事業者→県。請求後に交付される)
令和8年度から、申請はポータルサイトのオンラインフォームに直接入力する形になりました。Excelの事前協議書の作成と添付は要りません。メールや紙での受付はありません。
必要な書類
準備できた 0 / 5
補足です。見積書は、補助対象の部分が分かるように作ります。税抜か税込かが分かる書き方にし、「一式」ではなく製品名、数量、単価の内訳を入れます。対象の金額にマーカーを引くか、余白に「今回の申請対象」と書くと、審査が早く進みます。見積書は、できる限り複数の業者から取ります。単一の代理店でしか扱えない機器は1社で構いません。同じ法人から複数の事業所が申請するときだけ、優先順位表を出します。業務改善計画書は、交付申請のときに出します。
補助されなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約や購入をした:原則として対象外です。内示のあとに交付決定前着手承認申請書を出して県の承認を得た場合だけ例外になります。
- 期限までに終わらなかった:機器の導入と支払いを終えて、事業の完了から30日を過ぎた日か2027年1月31日の早い方までに実績報告を出します。
- 3年以内に手放した:購入した財産を3年を経ずに処分したり、レンタルやリースを3年を経ずに解約したりすると、補助金の全部か一部の返還を求められることがあります。
- 要件を満たさなかった:施設系の委員会の設置や、居宅系のケアプランデータ連携システムの利用開始を満たさないと、交付決定が取り消されることがあります。
交付決定額より実績が安くなっても、その差額で台数を増やしたり別の機器を買い足したりはできません。
今年度の変更点・併用
令和8年度は、令和7年度から次のとおり広がりました。
| 内容 | 令和7年度 | 令和8年度 |
|---|---|---|
| 基本の補助率 | 3/4(75%) | 4/5(80%) |
| パッケージ型の上限 | 400万円 | 600万円(615万円) |
| 見守り機器の台数 | 利用定員の2割まで | 利用定員の5割まで |
| 移乗・入浴支援機器 | 1事業所1台 | 1事業所2台 |
| 介護ソフトの定着促進支援 | なし | 新設 |
併用では、IT導入補助金など他の補助金で助成されているものは、この補助金の対象外です。一つの事業所は、単体導入とパッケージ型の両方の計画を出せません。どちらか一方です。
補助を受けた翌年度から3年間は、業務改善計画に対する効果を県に報告します。収支が良くなったときは、職員の賃金に適切に還元し、その旨を職員に周知することも条件です。
よくある質問
訪問介護の事業所でも申請できますか?
申請できます。介護保険法に基づくサービスを提供するすべての事業所が対象で、訪問介護や居宅介護支援の事業所も含まれます。居宅系の事業所は、ケアプランデータ連携システムを令和8年度中に使い始める必要があります。ただし、申請時点でデータのやり取りの実績がなくても構いません。実績報告までに連携を始めます。
令和8年度の募集は終わっていますか?
事前協議の受付は、2026年7月1日から8月7日まででした。交付申請に進めるのは内示を受けた事業所だけと、公式ページに書かれています。令和9年度以降にこの補助金が実施されるかは、公式ページに記載がありません。実施されるときの条件を知っておきたい場合は、県の高齢者介護課の公式ページを定期的に確かめてください。
事前協議を省略して、直接申請できますか?
できません。交付申請の前に、事前協議書を提出する決まりです。県が審査して予算の範囲で内示を出し、内示を受けた事業所だけが交付申請に進みます。事前協議の前には、かいテク沖縄への事前相談と、基礎セミナーの受講(動画視聴も可)を済ませておくことが、原則とされています。
相談窓口はどこですか?
導入する機器の選び方は、かいテク沖縄が相談を受けています。電話は098-869-0855(平日9時から17時)で、相談フォームもあります。ポータルサイトの操作は沖縄県介護支援パッケージ補助金事務局(050-5574-5073)、補助金の制度や要綱は県の高齢者介護課(098-866-2214)です。相談では、解決したい課題と導入したい機器のイメージがあると進みます。
単体導入とパッケージ型は、同時に申請できますか?
できません。一つの事業所で出せるのは、どちらか一方の計画だけです。導入する機器の組み合わせで判断します。介護ソフトと、見守りやインカムなどの連動する機器を合わせて入れるなら、パッケージ型です。介護ソフトを単体で入れるなら単体導入になります。パッケージ型は上限が600万円と大きい分、機器同士の連動の説明が要ります。
615万円は、どんな導入でも受け取れますか?
受け取れません。615万円は、パッケージ型の導入で、さらに介護ソフトの定着促進費用も使うときの上限です。単体導入の上限は1事業所あたり500万円です。パッケージ型でも定着促進費用を使わなければ上限は600万円で、区分ごとの基準額で頭打ちになることもあります。自分の導入が、どの上限に当たるかを先に確かめます。
同じ法人で、複数の事業所をまとめて申請できますか?
申請できます。法人分の導入計画書などをまとめて出し、複数の事業所を申請するときは優先順位表も出します。予算を上回る申請があった場合に、採択する事業所を決める参考にされます。同じ敷地に特養と通所介護が併設されている場合は、指定ごとに1事業所と数えるので、2事業所分の申請になります。
すでに使っている機器の更新は対象になりますか?
単なる機器の更新は対象になりません。ただし、既存の機器より機能が上がり、業務の効率化に大きな効果が出る場合は対象とみなされます。新しい機器でどの業務がどう変わるのかを、導入計画書に書けるようにしておきます。過去にこの種の補助を受けた事業所でも、再度申請すること自体はできます。
リースやレンタルでも補助されますか?
レンタルの費用も、リースの費用も対象です。補助される金額は、その年度に支払った金額で決まります。使用権が複数年のソフトでも、当年度に全額を支払えば全額が対象、毎年払いなら1年分が対象になります。リースやサブスクで複数年分をまとめて初年度に払った場合は、その全体が対象です。
交付決定の前に買ってしまった機器は、補助されますか?
原則として補助されません。契約、購入、リース、レンタルのどれも、交付決定の前だと対象外です。例外は、内示のあとに交付決定前着手承認申請書を出し、県の承認を得た場合です。承認が出る前に発注すると対象になりません。発注の日付は、交付決定の通知より後になるように、販売店とも調整します。
見積書は、何社から取ればいいですか?
できる限り複数の業者から取り、いちばん経済的な業者を選ぶように求められています。単一の代理店でしか扱えない機器など、複数の業者から取るのが難しい場合は、1社だけで構いません。その場合も、適正な価格で契約するように努めます。ネット通販で買う場合は、見積書の代わりに、申請時点の価格が分かるページの画面を添付できます。
タブレットやWi-Fiだけを新しく入れる場合は対象ですか?
対象になりません。タブレットやWi-Fi環境の整備は、見守り機器や介護ソフトなど、主な機器と一緒に入れるときだけ対象です。過去に見守り機器を入れた事業所が、今回タブレットとWi-Fiだけを足す場合は認められません。介護ソフトの定着促進費用も、介護ソフトを今回入れない場合は使えません。
