奨学金の返済負担を理由に、若手人材の採用や定着に苦戦していないでしょうか。沖縄県の「奨学金代理返還支援事業」は、企業が従業員の奨学金を代わりに返す取り組みそのものを後押しする制度です。
対象は県内に本社がある中小企業。従業員1人あたり、通常企業は年9万円、県の認証を受けた企業は年13.5万円を上限に、企業が負担した返還額の一部が補助されます。
沖縄県奨学金代理返還支援事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 令和8年度沖縄県奨学金代理返還支援事業 |
| 対象業種 | 業種指定なし(沖縄県内に本社のある中小企業) |
| 利用目的 | 従業員(35歳未満の正社員)への奨学金返還支援制度の運用にかかる企業負担分の補助 |
| 対象地域 | 沖縄県内に本社がある中小企業 |
| 従業員数 | 中小企業に該当すること(具体的な資本金・人数基準は公式ページに記載なし) |
| 補助上限額 | 従業員1人あたり年9万円(通常企業)/年13.5万円(認証企業) |
| 補助率 | 従業員の年間返還額の1/2の1/2(通常企業)または3/4(認証企業)と、上記上限額のいずれか低い額 |
| 申請受付 | 令和8年4月〜令和9年2月26日。予算上限に達し次第終了 |
| 公式サイト | 沖縄県「令和8年度沖縄県奨学金代理返還支援事業」 |

そもそも「代理返還」とは何をする制度か
代理返還とは、従業員が独立行政法人日本学生支援機構などから借りた奨学金を、企業が本人に代わって直接返済する仕組みです。企業が従業員に返還相当額を給与として支給するのではなく、企業が返還先に直接お金を払う点が特徴です。
この事業は、企業が代理返還制度を導入・実施する際にかかる負担の一部を、沖縄県が補助するものです。対象になる従業員は、県内の事業所に正社員として勤務する35歳未満の人に限られます。契約社員やパート、35歳以上の従業員は対象外です。
「認証企業」だと支援額が1.5倍になる
補助額は、企業が「認証企業」かどうかで変わります。
- 通常企業: 従業員の年間返還額の1/2の1/2を、年9万円を上限に補助
- 認証企業: 従業員の年間返還額の1/2の3/4を、年13.5万円を上限に補助
「認証企業」とは、次の5つのいずれかの認証を取得している企業を指します。
- 沖縄県所得向上応援企業認証制度
- 沖縄県人材育成企業認証制度
- 沖縄県ワーク・ライフ・バランス企業認証制度
- 経営改革計画認証制度
- おきなわSDGs認証制度
すでにこれらの認証を持っている企業は、通常企業より1.5倍の上限額で申請できます。認証を持っていない場合でも、通常企業として申請すること自体は可能です。
補助額のシミュレーション
異なる従業員構成で試算します。
- 通常企業・従業員が年24万円(月2万円)を代理返還: 1/2の1/2は6万円。上限9万円以内なので、そのまま6万円が補助されます
- 通常企業・従業員が年40万円を代理返還: 1/2の1/2は10万円ですが、上限9万円で頭打ちになります
- 認証企業・従業員が年40万円を代理返還: 1/2の3/4は15万円ですが、上限13.5万円で頭打ちになります
- 認証企業・従業員が年30万円を代理返還: 1/2の3/4は11.25万円。上限13.5万円以内なので、そのまま11.25万円が補助されます
同じ返還額でも、認証企業のほうが受け取れる補助額が大きくなる設計です。認証取得を検討していない企業も、この制度をきっかけに調べてみる価値があります。
申請要件と「正式受理」の隠れたタイミング
申請にあたっては、次の書類が必要です。
- 奨学金返還支援制度を有することを示す根拠書類(就業規則など)
- 沖縄県税に滞納がないことを証明する納税証明書
- 対象従業員の雇用契約書、生年月日・住所確認書類
- 対象従業員の年間返還額・返還計画の書類
申請はメール(syougakukin@pref.okinawa.lg.jp)での提出です。提出しただけでは受理は完了せず、県が書類に不備がないことを確認した時点で初めて正式な受理になります。書類に不備があると、その分だけ受理日が後ろにずれるため、余裕を持って早めに提出してください。
受付期間は令和9年2月26日までと長めですが、予算の上限に達し次第、その時点で受付を終了します。
よくある質問
認証を持っていない企業は申請できませんか?
申請できます。認証を持っていない企業は「通常企業」として、年9万円を上限に補助を受けられます。認証を取得すると上限額が年13.5万円に上がります。
対象になる従業員に条件はありますか?
あります。県内の事業所に正社員として勤務する、35歳未満の従業員が対象です。契約社員やパート、35歳以上の従業員に対する返還支援は、この事業の対象になりません。
いつまでに申請すれば確実に受けられますか?
受付期間は令和9年2月26日までですが、予算の上限に達し次第終了します。書類の不備確認を経て初めて受理される仕組みのため、期限ぎりぎりではなく早めの申請をおすすめします。
