調査会社に頼む前に、確かめることが1つあります。候補地が補助の対象になる場所かどうかです。大阪市の帯水層情報マップで基準に届かない場所は、調査費が補助されません。
地盤調査の費用の3/4(上限1,500万円)を大阪市が補助します。帯水層蓄熱システム(ATES)は、地下水を含む地層に熱をためて、建物の冷暖房に使う仕組みです。この制度は、導入を決める前の地盤調査だけを支えます。
帯水層蓄熱システム地盤調査補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度帯水層蓄熱システム地盤調査補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(ATESの導入を計画する者)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- ATES導入検討のための地盤調査費
- 対象地域
- 大阪市域
- 従業員数
- 公式ページに記載なし
いくら
- 補助上限額
- 1,500万円(1,000円未満は切り捨て)
- 補助率
- 対象経費の3/4以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年6月8日〜2026年11月27日
- 事業の完了
- 交付決定日から2027年3月15日まで
うちの計画は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
候補地の基準は、市の「大阪市帯水層情報マップ」で見ます。第2被圧帯水層か第3被圧帯水層のどちらかで、25MJ/年/㎡以上のポテンシャルがある場所です。被圧帯水層とは、水を通しやすい砂礫の層が粘土層に上下を挟まれ、地下水が強い圧力で閉じ込められた地層をいいます。登録業者とは、地質調査業者登録規程にもとづく地質調査業者の登録を受けた会社のことです。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 候補地がマップの基準に届かない
- ✕ 調査ではなく設備の導入に使う
- ✕ 交付決定の前に発注した
申請者は、ATESの導入に決定権を持つ事業者です。公募要領は例として、開発事業のデベロッパーを挙げています。複数の事業者で進めるときは、代表事業者を1者選んで申請し、費用を負担する事業者は共同事業者として申請書に書きます。
いくら戻ってくる?
対象経費の3/4が上限1,500万円までです。補助金は調査が終わってから払われる精算払いなので、調査費はいったん全額を自分で払います。
- 調査費が800万円:800万円 × 3/4 = 600万円
- 調査費が2,000万円:2,000万円 × 3/4 = 1,500万円
- 調査費が2,400万円:2,400万円 × 3/4 = 1,800万円 → 上限の1,500万円
2,000万円を超えた分は補助が増えず、自己負担です。ここでいう調査費は消費税を除いた額で、消費税相当額は対象外です。審査で経費が減らされたり、完了後の検査で交付額が交付決定額より下がったりすることもあります。
何に使える?
対象にならないもの
- ATESの設備そのものの導入費用(別表の費目は地盤調査費だけ)
- 消費税相当額
- 交付決定日より前に発注・契約した調査
- 変更の承認を受ける前に支出した変更分
対象になるもの
- 直接調査費:ボーリング費、サンプリング費、原位置試験費(標準貫入試験・現場透水試験)
- 直接調査費:室内試験費、水質分析、解析費、電子成果品作成費
- 間接調査費:運搬費、準備費、仮設費、安全費、旅費交通費、施工管理費、業務管理費
調査の中身は決まっている
調査は市が決めた深度と試験で行います。深さは、表土から第3被圧帯水層の直下にある粘土層の下面までが基本です。試験は次の「必須調査」を必ず実施します。
| 試験 | 対象 | 数量の目安 |
|---|---|---|
| 標準貫入試験 | 砂礫層・粘土層 | 1mごと |
| 現場透水試験 | 砂礫層 | 第1〜第3被圧帯水層 |
| 圧密試験 | 粘土層 | 粘土層ごとに上・中・下の3か所以上 |
| 土粒子密度・含水比・粒度 | 砂礫層・粘土層 | 1mごと(砂礫層の土粒子密度) |
| 液性限界・塑性限界・湿潤密度 | 粘土層 | 圧密試験の地点 |
| 水質分析(主要イオン) | 帯水層 | 第1〜第3被圧帯水層 |
この表は要約です。粘土層の土粒子密度と粒度は圧密試験の地点で行うなど細かい決まりがあるため、調査計画は公募要領の表と市の熱源井構築ガイドラインで確かめてください。必須調査が抜けた計画は、要件を満たさないと判断されます。
申請の流れは?
- 候補地を確かめる(事業者→大阪市帯水層情報マップ。申請の前に)
- 調査計画と積算根拠をつくる(事業者と地質調査業者。調査会社の登録書類も集める)
- 書類を郵送か持参で出す(事業者→環境施策課。11月27日まで。発送した旨か持参の日時を電話で伝える)
- 交付決定を待つ(市→事業者。申請日の翌日から60日以内に決まる)
- 交付決定のあとに発注して調査する(事業者→調査会社。着手したら着手届を出す)
- 2027年3月15日までに実績報告を出す(事業者→市。調査結果の書類を添える)
- 金額が確定したら請求する(事業者→市。請求から30日以内に交付)
交付決定とは、市が補助金を出すと決める通知のことです。これより前の発注・契約は対象になりません。見積もりを取るところまでは申請の前に進められます。
必要な書類
準備できた 0 / 11
登記事項証明書は、どちらも3か月以内のものです。承諾書は申請者と土地の所有者が違うとき、代表事業者を示す書類は複数の事業者で進めるときだけ要ります。調査計画書には、深度、掘削口径、地層ごとの試験項目と数量を入れます。積算根拠は、国土交通省の積算基準書や全国地質調査業協会連合会の積算資料を参考にします。書類は各1部で、返却されません。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:決定日より前の発注・契約は対象外です。
- 変更の承認を受ける前に支出した:試験項目や方法を変える場合は、先に変更の承認が要ります。承認前の支出は対象外です。
- 予算がなくなった:予算の上限に達した時点で受付が終わります。11月27日より前に閉まることがあります。
- 必須調査が抜けていた:市が決めた深度と試験を実施していない計画は、要件を満たしません。
- 検査で経費が認められなかった:実績報告の検査で、交付額が交付決定額を下回ることがあります。
調査したあとにも続く義務
調査を終えても、市への関わりは続きます。申請の前に知っておくと、あとで困りません。
- 柱状図や土質試験結果、透水試験結果などが大阪市のホームページなどで公開される予定です。住所は区と丁目までの表記ですが、特定されないことの保証はありません。
- 補助事業が完了した会計年度の終了後5年間、毎年度3月末までにATES導入の検討状況を報告します。市と協議して検討を完了した場合は、翌年度以降の報告が要りません。
- 申請書で、調査結果を市に提供することと、公表について土地所有者と調査会社の承諾を得ていることに同意します。
- 帳簿や証拠書類は、補助事業以外の経理と分けて保存します。
調査結果を公開したくない場合は、この制度は向きません。
よくある質問
設備の導入費も補助されますか?
補助されません。補助対象経費の費目は、ボーリングや試験などの地盤調査費だけです。ATESの設備工事やその設計費は入りません。この制度は、導入を決める前の調査を支えるものです。調査の結果を見て導入に進む場合の設備費は、別の支援を探すことになります。公式ページには設備費の補助についての記載がないため、気になる場合は環境施策課に問い合わせてください。
候補地が対象かどうかは、どこで分かりますか?
大阪市帯水層情報マップで見ます。導入予定地が第2被圧帯水層か第3被圧帯水層のどちらかで、25MJ/年/㎡以上のポテンシャルを持つ場所であることが条件です。公募要領は、この条件を満たす場所を「市長が認める場所」と説明しています。調査会社や設計者に頼む前に、地図で候補地を確かめておくと、申請の準備が無駄になりません。
交付決定の前に調査を始めたら、どうなりますか?
その調査は補助の対象になりません。補助対象経費は、交付決定日以降に発注や契約をしたものに限られます。見積もりを取る作業は申請の前に進められますが、調査会社への発注と契約は交付決定の通知を受けてからです。調査会社の都合で先に着手したくなっても、日程は交付決定に合わせて調整してください。
補助金はいつ振り込まれますか?
調査が終わり、実績報告と検査を経て金額が確定したあとです。市は、請求を受けた日から30日以内に交付します。事業の期間中は全額を自分で払うことになるため、調査費の資金繰りを先に考えておきます。実績報告の期限は2027年3月15日です。事業の廃止の承認を受けたときは、その翌日から30日を過ぎた日と3月15日のうち、早い方になります。
どんな調査会社に頼めばよいですか?
地質調査業者の登録を受けた会社で、担当者が地質調査技士の資格を持っていることが条件です。申請では、業者の登録を示す書類と技士の資格を示す書類の写しを出します。登録の書類は、国土交通大臣に出して確認印が押された現況報告書の副本の写しなどが例です。会社を選ぶ段階で、この2点を持っているか確かめてください。
複数の会社で一緒に申請できますか?
できます。代表事業者を1者選び、その事業者が申請します。費用を負担して一緒に事業を行う会社は、共同事業者として申請書に書きます。登記事項証明書と誓約書は、共同事業者を含む各事業者の分が要ります。暴力団関係者などに当たる者は、共同事業者も含めて申請できません。分担の決め方は事前に固めておくと安心です。
土地が自社のものでなくても申請できますか?
申請できます。ただし、申請者と調査場所の土地の所有者が違うときは、補助事業の実施について土地所有者の承諾を得た書類の写しが要ります。候補地の登記事項証明書も3か月以内のものを出します。土地の所有者との調整に時間がかかることがあるので、申請の準備と並行して早めに話を進めてください。
調査の結果は公開されますか?
公開される予定です。実績報告で出した結果のうち、ボーリング柱状図、土質試験結果一覧表、透水試験結果、揚水還水流量や得られる熱量などが、大阪市のホームページなどに載ります。住所は区と丁目までの表記ですが、住所が特定されないことは保証されません。公開を前提に、土地の所有者や関係者にも伝えておくとよいでしょう。
調査のあとも報告が必要ですか?
必要です。補助事業が完了した会計年度の終了後5年間は、毎年度3月末までに、ATES導入の検討状況を報告書(様式第13号)で市に出します。市と協議して導入の検討を完了した場合は、その翌年度から報告は要りません。この間、市が必要と認めるときは協議にも応じる必要があります。
受付はいつまでで、予算が尽きたらどうなりますか?
受付は2026年6月8日から11月27日までです。ただし、予算の上限に達し次第、受付を締め切ります。受付状況は市の案内ページで確かめられます。質問は11月13日の17時までにメールで送ります。応募が多くて受付が短くなると、質問の期限も短くなることがあります。書類の準備には時間がかかるので、早めに動くのが安全です。
書類はどこへどう出しますか?
大阪市環境局 環境施策部 環境施策課 カーボンニュートラル推進担当に、郵送か持参で出します。郵送のときは発送した旨を、持参のときは持参する日時を、事前に電話で伝える決まりです。電話は06-6630-3411で、平日の9時から17時30分までです。12時15分から13時までと、土日祝日は受け付けていません。
消費税は補助の対象ですか?
消費税相当額は補助対象経費に入りません。見積書や積算根拠の金額から消費税を除いて申請します。たとえば税込みの調査費が見積もりで出ている場合は、税抜きの額で補助額を計算してください。上限に届くかどうかも、税抜きの調査費が2,000万円以上かどうかで決まります。
