育休を取る社員が出たとき、代わりの業務体制を整え、スムーズに職場復帰させられるか。この2つの取組を後押しするのが、両立支援等助成金〈育児休業等支援コース〉です。「育休取得時」と「職場復帰時」の2段階で、それぞれ30万円ずつ、合計最大60万円が支給されます。
対象労働者は1事業主あたり有期雇用労働者1名・無期雇用労働者1名の合計2名まで申請できるため、理論上の最大額は122万円(60万円×2名+情報公表加算2万円)です。
育児休業等支援コースの要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主。中小企業事業主が対象) |
| 制度名 | 両立支援等助成金(育児休業等支援コース) |
| 対象業種 | 業種指定なし |
| 利用目的 | 育休取得者への育休復帰支援プランの実施と、職場復帰後の支援 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし(中小企業事業主が対象) |
| 補助上限額 | 育休取得時30万円+職場復帰時30万円=60万円(対象労働者1事業主あたり有期・無期各1名、計2名まで。情報公表加算2万円あり) |
| 補助率 | 定額 |
| 申請受付 | 通年(予算がなくなり次第終了) |
| 公式サイト | 厚生労働省「両立支援等助成金」 |

「育休取得時」と「職場復帰時」の2段階
このコースは1回の申請で終わりではなく、育休取得時と職場復帰時の2つのタイミングでそれぞれ申請します。
| 段階 | 支給額 | 主な要件 |
|---|---|---|
| 育休取得時 | 30万円 | 育休復帰支援プランの策定・周知、対象労働者との面談、業務引継ぎの実施、連続3か月以上の育休取得等 |
| 職場復帰時 | 30万円 | 復帰前の情報提供、復帰前面談、原職等への復帰、6か月以上の継続雇用と5割以上の就業等 |
「育休取得時」だけ申請して満足するケースがありますが、職場復帰時の要件(6か月以上の継続雇用等)を満たして初めて2段階目の30万円が支給されます。育休開始前から復帰後の体制まで見据えて準備する必要があります。
「育休復帰支援プラン」は育休開始前に作る
育休取得時の要件のひとつに、育休復帰支援プランの策定があります。このプランは、対象労働者の育児休業開始日の前日までに作成しておく必要があります。育休が始まってから慌てて作成しても、この要件を満たせません。
プランには、業務の引継ぎ方法や、復帰時期に関する情報提供の方法などを記載します。育休を取得する本人と事前に面談し、その内容を面談シートに記録しておくことも要件のひとつです。
承認までの重要なタイミングと必要書類
- 育休開始日の前日まで:育休復帰支援プランを策定し、対象労働者と面談を行う
- 育児休業制度・一般事業主行動計画を就業規則・労働協約に定め、労働局に届け出て公表・周知しておく
- 対象労働者が連続3か月以上の育児休業を取得する
- 育休開始から3か月経過日の翌日〜2か月以内:育休取得時の支給申請を行う
- 復帰前に情報提供・面談を行い、原職等に復帰させ、6か月以上継続雇用(5割以上就業)させる
- 育休終了から6か月経過日の翌日〜2か月以内:職場復帰時の支給申請を行う
2つの申請期限はどちらも「経過日の翌日から2か月以内」という短い期間です。育休の開始日・終了日をカレンダーで管理し、申請期限を見落とさないようにする必要があります。
よくある質問
有期雇用労働者でも対象になりますか?
対象になります。対象労働者は1事業主あたり有期雇用労働者1名・無期雇用労働者1名の合計2名まで申請できます。
育休が3か月未満の場合は対象になりますか?
育休取得時の要件として、連続3か月以上の育児休業取得が必要です。3か月未満の育休の場合、このコースの対象にはなりません。
一般事業主行動計画を策定していない場合はどうなりますか?
次世代育成支援対策推進法にもとづく一般事業主行動計画を策定し、労働局に届け出て公表・周知していることが要件のひとつです。未策定の場合は、まず行動計画の策定から着手する必要があります。
