男性社員が育休を取りたいと言い出したとき、「うちは前例がないから」と及び腰になっていませんか。出生時両立支援コース(通称・子育てパパ支援助成金)は、男性の育休取得を後押しする環境整備を行い、実際に育休を取得させた中小企業に最大60万円を支給する制度です。
両立支援等助成金(出生時両立支援コース)の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主。中小企業事業主が対象) |
| 制度名 | 両立支援等助成金(出生時両立支援コース) |
| 対象業種 | 業種指定なし |
| 利用目的 | 男性労働者が育児休業を取得しやすい雇用環境整備・業務体制整備を行い、実際に育休を取得させた場合の助成 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし(中小企業事業主が対象) |
| 補助上限額 | 育休取得(1人目)で最大30万円、育休取得率の上昇等で60万円(プラチナくるみん認定なら75万円) |
| 補助率 | 定額 |
| 申請受付 | 通年(予算がなくなり次第終了) |
| 公式サイト | 厚生労働省「両立支援等助成金」 |

いくらもらえる?育休取得と取得率上昇で異なる金額
このコースは「男性労働者の育児休業取得」(第1種)と「育児休業取得率の上昇等」(第2種)に分かれます。
| 種別 | 要件 | 支給額 |
|---|---|---|
| 男性の育休取得(1人目) | 出生後8週間以内に連続5日以上の育休。雇用環境整備の措置2つ以上実施 | 20万円(措置4つ以上なら30万円) |
| 男性の育休取得(2人目) | 出生後8週間以内に連続10日以上の育休 | 10万円 |
| 男性の育休取得(3人目) | 出生後8週間以内に連続14日以上の育休 | 10万円 |
| 育休取得率の上昇等 | 前事業年度と比較して育休取得率が30ポイント以上上昇し、50%以上達成等 | 60万円(プラチナくるみん認定で+15万円) |
| 育児休業等に関する情報公表加算 | 男女別の育休取得率等を「両立支援のひろば」で公表 | +2万円 |
「育休取得率の上昇等」(第2種)は1事業主につき1回限りの支給で、第2種を申請した後は同一年度内に第1種と両方申請することはできません。どちらのパターンで申請するかを、自社の育休取得実績を見ながら選ぶ必要があります。
承認までの重要なタイミングと必要書類
出生時両立支援コースは、育休が始まる前の準備が支給要件そのものになっています。
- 育休開始日の前日まで:雇用環境整備の措置(研修実施・相談体制整備・事例の収集提供・制度の周知・業務体制整備のいずれか)を複数実施しておく
- 育児休業取得者の業務を代替する労働者の業務見直しに関する規定を策定する
- 男性労働者が、子の出生後8週間以内に開始する一定日数以上の育児休業を取得する
- 育児休業の終了日の翌日から起算して2か月以内(第1種)、または要件を満たす事業年度の翌事業年度の開始日から起算して6か月以内(第2種)に支給申請を行う
雇用環境整備の措置は「育児休業の開始日の前日まで」に実施しておく必要があり、育休開始後に慌てて研修を実施しても対象になりません。男性社員から育休の相談を受けた時点で、環境整備の実施状況を確認しておくことが実務上のポイントです。
対象になる取組・ならない取組
- 対象になる例:育休に関する研修を実施し、相談体制を整備したうえで、男性社員に出生後8週間以内に連続5日以上の育休を取得させた
- 対象になる例:男性の育休取得率を前年度から30ポイント以上引き上げ、50%以上を達成した
- 対象にならない例:育休開始後に雇用環境整備の措置に着手した(開始日の前日までの実施が必要)
よくある質問
Q. 中小企業でなくても申請できますか?
出生時両立支援コースは中小企業事業主を対象としています。自社が中小企業に該当するかどうかは、業種ごとに資本金または常時雇用労働者数のいずれかの基準で判定されます。
Q. 育休が5日未満でも申請できますか?
1人目の育休取得には「連続した5日以上(うち4日以上が所定労働日)」の取得が要件です。5日未満の場合は対象になりません。
Q. 一般事業主行動計画を策定していない会社でも申請できますか?
次世代育成支援対策推進法にもとづく一般事業主行動計画を策定し、労働局に届け出て公表・周知していることが要件のひとつです(プラチナくるみん認定を受けた事業主を除く)。未策定の場合は、先に行動計画の策定から着手する必要があります。
