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再就職手当の条件は?ハローワークでの手続きと早期就職手当との違いをわかりやすく

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再就職手当は、失業手当(基本手当)の支給日数を残した状態で早期に再就職したときに支給される手当です。ただし「早く再就職すればもらえる」という単純な話ではなく、8つの条件をすべて満たして初めて支給対象になります。 1つでも満たさない条件があると、どれだけ早く再就職しても支給されません。この記事では、ハローワークと厚生労働省の公式資料にもとづいて、再就職手当の条件とは何かを8つに分けて1つずつ確認します。申請の期限と必要書類、自営業で開業した場合、再就職先をすぐ退職した場合の扱いまで書いています。

そもそも再就職手当とは何を目的にした制度か

失業手当(基本手当)は、離職後の生活を支えるための給付です。しかし、支給期間いっぱいまで求職活動を引き延ばしてしまうと、かえって早期の再就職を妨げることにもなりかねません。再就職手当は、基本手当の支給日数を残した状態で早期に再就職した人に追加給付を行うことで、早期の再就職を後押しする目的で設けられている制度です。この目的があるからこそ、単に「早く再就職した」だけでなく、その再就職が安定した継続的なものであることを確認するための8つの条件が設けられています。

再就職手当の条件とは(8つの条件の一覧表)

No.条件つまずきやすい点
①基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること残り日数が少ないタイミングでの再就職は対象外になる
②1年を超えて勤務することが確実であると認められること1年以下の雇用で更新に目標達成の条件が付く場合や、登録型派遣で当初の派遣期間が1年以下の場合は対象外
③待期(7日)の満了後に就職したこと待期期間中に働き始めると対象外
④離職理由による給付制限を受けた場合、待期満了後1か月間はハローワーク等または許可・届出のある職業紹介事業者の紹介による就職であること求人サイトを見て自分で応募した場合や、紹介を受けずに直接応募した場合は対象外
⑤離職前の事業主やその関連事業主への再就職ではないこと同じ派遣会社の別の派遣先も対象外。資本・資金・人事・取引先の面で密接な会社も対象外になりうる
⑥就職日前3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支度手当を受けていないこと前回の再就職手当の対象になった就職から3年以内の再就職は対象外
⑦受給資格決定(求職申し込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものではないこと内定日が求職申し込みより前なら対象外。内定先に不満で就職活動をしたが結局同じ会社に就職した場合も対象外
⑧原則として雇用保険の被保険者資格要件を満たす条件での雇用であること週の所定労働時間20時間未満などの働き方は対象外になりうる
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条件①: 支給残日数が所定給付日数の3分の1以上

再就職手当は、失業手当をどれだけ早く切り上げて再就職したかに応じて支給率が変わります。支給残日数が所定給付日数の3分の2以上残っていれば支給率70%、3分の1以上残っていれば支給率60%です。3分の1未満まで日数を消化してしまうと、そもそも支給対象になりません。数えるのは、就職日の前日までの失業の認定を受けたあとに残っている日数です。延長給付の日数は、この支給残日数に含まれません。

所定給付日数支給率60%となる残日数支給率70%となる残日数
90日30日以上60日以上
120日40日以上80日以上
150日50日以上100日以上
180日60日以上120日以上
210日70日以上140日以上
240日80日以上160日以上
270日90日以上180日以上
300日100日以上200日以上
330日110日以上220日以上
360日120日以上240日以上
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支給額は「基本手当日額×支給残日数×60%(または70%)」で計算されます(1円未満切り捨て)。ここで使う基本手当日額には上限があり、離職時の年齢が60歳未満なら6,745円、60歳以上65歳未満なら5,454円が上限です。ハローワークインターネットサービスの「就職促進給付」のページに記載された額です。基本手当日額の上限は毎年8月1日以降に変更されることがあるため、就職する時期の額を確認してください。実際の賃金から計算した基本手当日額がこの上限を超えていても、再就職手当の計算ではこの上限額で計算される点に注意してください。

条件②: 1年を超えて勤務することが確実であること

「1年を超えて勤務することが確実」とは、契約書の期間だけでなく、実際に1年を超えて続く見込みがあるかを見る条件です。ハローワークのパンフレットは、次の2つを条件に当たらない例として挙げています。

  • 生命保険会社の外務員や損害保険会社の代理店研修生のように、1年以下の雇用期間を定め、契約更新に一定の目標達成が条件付けられている場合
  • 派遣就業で雇用期間が定められ、契約の更新が見込まれない場合

厚生労働省の職員向けの「業務取扱要領」には、登録型派遣で雇われた場合、当初の派遣就業の期間(雇用保険の被保険者としての期間)が1年以下なら、この条件に当たらないと書かれています。契約期間が1年以下の有期雇用は、更新の見込みまで含めて見られます。 同じ要領は、半年や数か月の契約でも、1年を超えて更新されることが確実と認められればこの条件を満たす、としています。契約を更新するときに2週間ほどの空白を置く職場でも、更新が常態になっていれば、空白は問われません。国や地方公共団体に1年以下の契約期間で雇われる場合(会計年度任用職員など)も、同じ見方で判断されます。

試用期間があるときに、その期間を含めて1年を超えるかどうかの扱いは、ハローワークの公式資料に記載がありませんでした。試用期間つきの内定が出ている場合は、就職を決める前に窓口で雇用契約書を見せて確かめてください。

条件③④: 待期満了後の就職・給付制限があるときは最初の1か月だけ紹介ルートに縛りがある

離職票を提出して求職の申し込みをした日(受給資格決定日)から、失業状態にあった日が通算7日経過するまでは「待期」期間です。検索では待機期間と書く人も多いのですが、ハローワークの資料は「待期期間」と書いています。この待期期間が終わる前に働き始めると、再就職手当の対象にはなりません。

自己都合退職などで給付制限を受けている場合は、待期満了後の1か月間、ハローワークまたは許可・届出のある民間職業紹介事業者の紹介で就職したことが条件になります。求人サイトを見て自分で応募した場合は、この1か月以内の就職なら対象外です。ハローワークの求人に応募するときも、窓口で紹介を受けてから応募するのが確実です。給付制限の期間は、退職日が令和7年4月1日以降なら原則1か月、3月31日以前なら原則2か月です(厚生労働省Q&A)。給付制限期間の詳しい仕組みは、別記事「失業保険は自己都合だといつから?振込開始の日付を計算」で解説しています。

縛りがかかるのは、待期満了から1か月です。この1か月を過ぎれば、知人の紹介や新聞広告への応募など、ハローワークを介さない就職でも対象になります。 給付制限がない会社都合退職なら、待期の経過後は就職の経路を問いません。教育訓練を受けて給付制限が解除された場合も、待期満了後1か月は紹介による就職が必要です(ハローワークのパンフレット)。

条件⑤: 離職前の事業主・関連事業主への再就職ではないこと

退職した会社に出戻りする場合は対象外です。派遣で働いていた場合は、派遣先が違っても派遣元の会社が同じであれば「同じ事業主」とみなされ対象外になります。

「関連事業主」にあたるのは、資本・資金・人事・取引の面で、離職前の事業主と密接な関わりがある会社です。パンフレットに数字はありませんが、厚生労働省の「業務取扱要領」には、次のように具体的な基準があります。

  • どちらかの会社の発行済株式または出資の総額の50%を超えて、相手の会社が持っている
  • 再就職先の従業員のおおむね30%以上が、離職前の事業主から派遣や出向で来ている
  • どちらかの会社から相手の会社へ、年間の生産額や売上高のおおむね50%以上の発注が常時ある

要領には、再就職先が関連事業主であることが雇われた理由になっていない特別な事情があれば、関連事業主として扱わない例外も書かれています。前職の取引先や子会社に就職が決まりそうなときは、先にハローワークで確認してください。

条件⑥⑦: 過去の受給歴・内定のタイミング

今回の就職日から3年さかのぼった間に、再就職手当または常用就職支度手当を受けた就職がある場合は、再度の受給はできません。3年は今回の就職日から数えます。 自営の開業で受けた再就職手当も、この3年に含まれます(ハローワークのパンフレット)。

また、求職の申し込みをする前からすでに採用が内定していた会社に就職する場合も対象外です。見られるのは内定日と求職申し込みの前後関係です。内定先の条件に納得できず就職活動をしたあと、結局その内定先に就職した場合も、内定した会社は変わらないので対象外になります。求職の申し込み後に新たに応募して内定を得た別の会社であれば問題ありません。

厚生労働省のQ&Aには、離職後に基本手当の受給手続きをする前に再就職先が決まった場合、受給手続きをしていないため再就職手当を含む各手当は受給できない、とも書かれています。退職したら、再就職先が決まる前に先に求職の申し込みを済ませてください。

条件⑧: 雇用保険の被保険者資格を満たす働き方であること

再就職先での働き方が、原則として週の所定労働時間20時間以上・31日以上の雇用が見込まれるなど、雇用保険に加入できる条件を満たしている必要があります(厚生労働省Q&A)。勤務時間が週20時間に届かない短時間のパート・アルバイトは、この条件を満たしません。

再就職先が雇用保険未加入の会社だと、「雇用保険の被保険者になっていること」という要件を満たせません。内定の時点で、入社日から雇用保険に加入するかを会社に確認しておくと安心です。

自営業・個人事業主として開業した場合も対象になりうる

再就職手当は「就職」だけでなく「事業を開始した場合」も対象になります。ハローワークの公式パンフレットには、自営を開始した場合も待期期間満了後1か月の期間が過ぎたあとから対象になる、と書かれています。給付制限があるときは、この1か月のあいだに開業しても対象になりません。

事業の開始では、条件②にあたる部分を「その事業で自立できると認められること」で見ます。厚生労働省の業務取扱要領によると、次のいずれかに当たれば自立できるものとして扱われます。

  • 雇用保険の被保険者になる人を雇い入れて、雇用保険の適用事業の事業主になった(おおむね1年以下の期間を限った事業を除く)
  • 登記事項証明書や開業届の写しなどで事業の開始・内容・事業所の実在が確認でき、1年を超えて安定的に続けられる客観的な条件がある(資格や技能を生かした開業、一定の設備投資や賃借料をかけた開業、請負契約などで1年を超える継続性が認められる場合など)

ハローワークの就職促進給付のページには「事業主となって、雇用保険の被保険者を雇用する場合など」という書き方もあります。従業員を雇わない個人事業の場合に、どの要件で判断されるかは、開業前にハローワークへ事前に相談して確かめてください。

業務委託の仕事で独立する場合は、雇われての就職ではなく、事業の開始として見られます。要領には、他の事業主との請負契約などの内容から、1年を超える継続性が認められることが条件の1つとして挙がっています。個々の業務委託契約がこれに当たるかは、契約を結ぶ前にハローワークで確認してください。

8つの条件をすべて満たしているかのセルフチェック

自分が対象になるかどうかを判断するには、次の順番で確認していくのが分かりやすい方法です。

  1. 雇用保険受給資格者証を見る: 「基本手当日額」と「所定給付日数」を確認する。残日数は認定日の記録で数える
  2. 就職日の前日までの認定を受けたあとの残日数が、所定給付日数の3分の1以上あるか計算する(条件①)
  3. 雇用契約の内容を確認する: 契約期間、更新の条件、派遣なら派遣先が決まっているか(条件②)
  4. 求職の申し込みをした日から7日(待期)を過ぎているか(条件③)
  5. 給付制限を受けている場合、就職の経路(ハローワーク・許可のある紹介事業者経由か)を確認する(条件④)
  6. 再就職先が離職前の会社やその関連会社ではないか確認する(条件⑤)
  7. 過去3年以内に再就職手当・常用就職支度手当を受けていないか確認する(条件⑥)
  8. 内定のタイミングが求職申し込み前だったかどうかを振り返る(条件⑦)
  9. 再就職先での労働時間・雇用見込み期間が雇用保険の加入条件を満たすか確認する(条件⑧)

一つでも「いいえ」があれば、その時点で支給対象外になる可能性が高いため、就職を決める前にハローワークの窓口で確認しておくと安心です。

具体的な支給額のシミュレーション

条件を満たした場合の支給額のイメージをつかむため、2つのケースで試算します。

ケース1: 所定給付日数150日、支給残日数110日(3分の2以上)で再就職

  • 支給率は70%が適用される
  • 基本手当日額を6,000円と仮定すると、支給額は6,000円×110日×70%=462,000円

ケース2: 所定給付日数240日、支給残日数85日(3分の1以上、3分の2未満)で再就職

  • 支給率は60%が適用される
  • 基本手当日額を6,500円と仮定すると、支給額は6,500円×85日×60%=331,500円

どちらの日額も、60歳未満の上限6,745円以下に収まる仮の数字です。支給残日数が多いタイミングで再就職するほど、支給率・支給額の両方が有利になります。 一方で、条件に合う再就職先を焦って選ぶと、労働条件のミスマッチにつながることもあるため、支給額だけを基準に転職時期を決めるのは避けた方がよいでしょう。

給付制限が1か月になっても、条件④の縛りは変わらない

自己都合退職の給付制限は、退職日が令和7年4月1日以降なら原則1か月です(3月31日以前は原則2か月)。ただし、退職日から5年さかのぼって2回以上、正当な理由のない自己都合退職で受給資格の決定を受けている場合は3か月になります。

条件④の縛りは、給付制限の長さではなく「待期満了後1か月」で決まっています。厚生労働省の業務取扱要領は、給付制限の長短を問わないと書いています。給付制限が2か月でも3か月でも、紹介ルートの縛りがかかるのは待期満了後の最初の1か月だけです。 給付制限が1か月の人は、縛りの期間と給付制限の期間がほぼ重なります。給付制限期間そのものの詳しい仕組みは、別記事「失業保険は自己都合だといつから?振込開始の日付を計算」で解説しています。

65歳以上で退職した場合は対象が変わる

再就職手当は、64歳以下の基本手当を受給している人を対象にした制度です。65歳以上で離職した場合は基本手当ではなく「高年齢求職者給付金」という一時金が支給されるため、再就職手当の対象にはなりません。 65歳以上の給付の仕組みは、別記事「高年齢求職者給付金とは?65歳以降は一時金でもらえる」で解説しています。

転職エージェント・人材紹介サービスを使った場合の扱い

民間の転職エージェントや人材紹介サービスを利用して再就職する場合も、そのサービスが「許可・届出のある職業紹介事業者」であれば、条件④(給付制限中の紹介ルート)を満たします。利用するサービスが許可・届出を行っているかは、事前に確認しておくと安心です。なお、条件④は給付制限を受けている場合の待期満了後1か月間だけに適用される条件であり、給付制限を受けない会社都合退職の場合や、待期満了から1か月が過ぎたあとの就職では、この縛りはありません。就職先が決まった段階で、雇用契約書の写しなどを持参してハローワークに相談すれば、条件を満たしているかを確認できます。

申請の期限と必要書類

支給申請書の提出期限は、就職した日の翌日から1か月以内です。事業を始めた場合は、事業を開始した日の翌日から1か月以内です。提出は本人のほか、代理の人や郵送でもできます(ハローワークの「再就職手当のご案内」)。就職の申告のときには、再就職先に採用証明書を書いてもらって持参します。採用証明書は後日の郵送でも出せます(厚生労働省Q&A)。

必要書類の全体の一覧は、公式のパンフレットには載っていません。パンフレットは、手続きの方法をハローワークで配られる「受給資格者のしおり」で確認するよう案内しています。厚生労働省の業務取扱要領には、支給申請書に添える書類として次の例が書かれています。

  • 雇用保険受給資格者証(やむを得ない理由があるときと電子申請のときは省略できる)
  • 離職前の事業主と関連事業主でないことを確かめる、事業主の証明書(必要に応じて)
  • 期間の定めのある雇用なら、雇用契約書・雇入通知書・採用証明書など(必要に応じて)
  • 事業を始めた場合は、開業届の写しなど、事業の開始と内容が分かる書類

代理人が提出するときは委任状が要ります。実際に何を持っていくかは人によって変わるので、就職が決まった段階でハローワークに聞いておくのが確実です。

申請後の支給までの期間について、厚生労働省のQ&Aは「一定程度お時間を要します」とだけ書いています。業務取扱要領には、支給の決定は申請を受理した日からおおむね1か月以内に行い、支給は決定の翌日から7日以内とあります。就職日から1か月が過ぎていない場合は、1か月が過ぎたあとの決定になります。審査の状況は、申請したハローワークに来所して、本人確認書類を見せて聞く形になります。電話では答えてもらえません。

すぐ退職した場合はどうなるか

再就職手当を受け取ったあと、再就職先をすぐ退職した場合に返金が必要かは、気になるところです。上位の解説の多くは返金は不要としています。公式のパンフレットには、支給後に万一離職して失業状態になったときは、再就職手当の分を除く残日数分の基本手当を受給できる可能性がある、と書かれています。返還の定めは、パンフレットでは確認できませんでした。

厚生労働省のQ&Aにも、再就職手当を受給したあとでも、基本手当の支給残日数があって受給期間の満了日前に再び失業状態になれば、基本手当を受給できるとあります。再就職先で雇用保険に加入していたなら離職票か雇用保険資格喪失確認通知書、未加入だったなら離職状況証明書を持って、退職日の翌日以降すぐにハローワークへ行きます。

再就職手当を受けた分は、基本手当を受けたものとして数えられます。たとえば支給残日数が150日で70%の再就職手当を受けると、105日分を受けたことになり、再び失業したときに受けられるのは残りの45日分が上限です(業務取扱要領の考え方による計算例)。

気をつけたいのは、支給の審査を受ける時点で再就職先を辞めている場合です。業務取扱要領は、審査の時点でその事業所を離職していないことを、支給の条件の1つにしています。離職の理由は問われません。申請してから支給が決まるまでの間に退職を考えているときは、先にハローワークへ相談してください。

就業促進定着手当は、再就職手当の対象になった事業所を6か月未満で退職すると対象になりません。再就職手当そのものの扱いと就業促進定着手当の扱いは、分けて考えてください。

再就職手当をもらった後、給料が下がっていたら

再就職手当の条件をすべて満たして再就職できても、再就職先の給料が前職より下がっていた場合には、その差額の一部を補う「就業促進定着手当」という別の給付があります。 こちらは再就職手当を受け取っていることが前提の追加給付で、支給要件・計算方法は別記事「就業促進定着手当とは?計算方法と上限額」で解説しています。

派遣・契約社員・パートで再就職する場合の注意点

正社員以外の雇用形態で再就職する場合、条件②(1年を超えて勤務することが確実であること)の判定がとくに重要になります。契約社員として就職する場合、契約期間が1年以下のときは、更新の見込みも含めて判断されます。更新に一定の目標達成が条件付けられている場合は、②に当たりません。登録型派遣では、当初の派遣就業の期間が1年以下だと②に当たらないとされています。

パートタイムで再就職する場合は、条件⑧(雇用保険の被保険者資格要件)も重要です。週の所定労働時間が20時間未満の場合は、そもそも雇用保険に加入できないため、再就職手当の対象にもなりません。再就職先を選ぶ際は、労働時間や契約期間の見込みを事前に確認しておくことをおすすめします。

給付制限中に再就職先が決まった場合の実務的な流れ

自己都合退職などで給付制限がかかっている場合、条件④により、待期満了後1か月間はハローワークまたは許可・届出のある職業紹介事業者の紹介による就職であることが必要です。実務上は、次のような流れで進めることになります。

  1. ハローワークで求職の申し込みを行う(受給資格決定日)
  2. 待期期間(7日間)が経過する
  3. 待期満了後の1か月は、ハローワークの窓口で職業相談・職業紹介を受けながら求人に応募する
  4. ハローワークまたは許可・届出のある民間紹介事業者からの紹介で内定を得て、入社日を決める
  5. 待期満了から1か月が過ぎたあとは、紹介ルートの縛りがなくなるため、知人の紹介や自己応募での就職でも対象になる

求人サイトを見て自分で直接応募した場合は、紹介による就職になりません。 待期満了後の1か月以内に応募するときは、ハローワークの窓口で紹介を受けてから応募してください。

よくある質問

再就職手当をわかりやすく言うと、どんな手当ですか?

失業手当(基本手当)をもらえる日数が残っている段階で、早めに安定した仕事に就いた人へ出る「お祝い金」のような手当です。もらえる額は、基本手当日額に残っている日数をかけ、70%(残りが所定給付日数の3分の2以上)または60%(3分の1以上)を乗じて計算します。ただし8つの条件をすべて満たす必要があり、1つでも外れると支給されません。手続きはハローワークで行います。

支給残日数が3分の1をわずかに下回っていました。あきらめるしかありませんか?

条件①を満たさない場合、再就職手当自体は支給されません。ただし、この場合でも受け取れる可能性がある他の給付(常用就職支度手当など、就職困難者向けの制度)が別途あるため、ハローワークの窓口で個別に確認することをおすすめします。

派遣社員として就職する場合、条件②の「1年を超えて勤務することが確実」はどう判断されますか?

厚生労働省の業務取扱要領は、登録型派遣で雇われた場合、当初の派遣就業の期間(雇用保険の被保険者としての期間)が1年以下なら、この条件に当たらないとしています。パンフレットも、派遣就業で雇用期間が定められ、更新が見込まれない場合は条件に当たらないと書いています。派遣会社との雇用契約の内容と、最初の派遣就業の期間を、就職を決める前に確認してください。

離職前の会社の子会社に再就職する場合、条件⑤の「関連事業主」に該当しますか?

出資の割合、従業員の派遣・出向の割合、発注の割合で判断されます。厚生労働省の業務取扱要領は、株式や出資の50%超を相手の会社が持っている場合、従業員のおおむね30%以上が離職前の事業主から派遣・出向で来ている場合、年間の生産額や売上高のおおむね50%以上の発注が常時ある場合を関連事業主としています。子会社に就職する場合は、出資の割合を確かめたうえで、申請前にハローワークで確認してください。

自己都合退職の給付制限中に、内定していた会社への就職が決まりました。条件④に違反しますか?

条件④は「離職理由による給付制限を受けた場合、待期満了後1か月間はハローワーク等または許可・届出のある職業紹介事業者の紹介による就職であること」という要件です。内定を得た経緯がこの条件を満たしているか(ハローワークや許可のある紹介事業者を通じた応募だったか)によって判断されます。求人サイトで見つけて直接応募した場合は、この1か月の間は対象外になる可能性が高いため、応募のルートを事前に確認しておくことをおすすめします。

8つの条件をすべて満たしているか自分では判断がつきません。誰に相談すればよいですか?

再就職手当の条件は複雑で、とくに条件②(1年を超えて勤務することが確実であること)や条件⑤(関連事業主に該当しないか)は、雇用契約の内容や会社同士の関係性によって個別に判断が分かれます。就職先が決まった段階で、早めにハローワークの窓口に雇用契約書などの資料を持参して相談することをおすすめします。事前に確認しておくことで、後になって「対象外だった」と分かる事態を避けられます。

再就職手当の申請はいつまでにすればよいですか?

支給申請書は、就職した日の翌日から1か月以内に提出します。本人のほか、代理の人や郵送でも出せます。再就職先が決まったら、先に就職の申告をして採用証明書を渡し、その後の手続きの案内をハローワークで受けてください。添付書類の例は申請の期限と必要書類の章に書いています。実際に必要な書類は窓口で確認するのが確実です。

再就職手当を受け取った後、条件を満たしていなかったことが後から発覚した場合はどうなりますか?

この場合の扱いは、ハローワークのパンフレット・就職促進給付のページ・厚生労働省Q&Aのどれにも書かれていませんでした。同じQ&Aは、基本手当を申告せずに受給した場合は不正受給として、不正に受給した額の3倍の額の納付を命じられる場合があると書いています(Q36)。条件に不安があるときは、申請前にハローワークへ相談してください。

再就職手当をもらってすぐ退職したら、返金が必要ですか?

公式のパンフレットに、支給後の離職で返還が必要になるという定めは確認できませんでした。上位の解説の多くも返金は不要としています。再就職手当の分を除く残日数分の基本手当が、受給期間の満了日前なら再び受給できる可能性があります。ただし就業促進定着手当は、その事業所を6か月未満で退職すると対象外です。また、支給の審査を受ける時点で退職していると、再就職手当が支給されないと業務取扱要領に書かれています。具体的な扱いはハローワークで確認してください。

自営業で開業した場合も、再就職手当はもらえますか?

事業を開始した場合も対象になります。待期期間満了後1か月の期間が過ぎたあとの開業から対象になる、とハローワークのパンフレットに書かれています。事業の場合は、その事業で自立できると認められることが条件になります。雇用保険の被保険者を雇い入れた場合や、開業届の写しなどで事業の実在が確認でき、1年を超えて続けられる客観的な条件がある場合が、厚生労働省の業務取扱要領に挙げられています。提出書類は開業の形によって変わるため、開業前にハローワークへ相談してください。

週の勤務時間が20時間未満でも対象になりますか?

原則として対象になりません。条件⑧は、雇用保険の被保険者になっていることです。雇用保険に加入できる条件は、週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用が見込まれることです。パートやアルバイトで再就職するときは、勤務時間と雇用期間が加入の条件を満たすかを、就職を決める前に会社に確認してください。

再就職手当の申請に必要な書類は何ですか?

支給申請書に、雇用保険受給資格者証などを添えて出します。再就職先に書いてもらう採用証明書は、就職の申告のときに持参します。ただし必要書類の完全な一覧は公式のパンフレットに載っていません。厚生労働省の業務取扱要領には、事業主の証明書、雇用契約書、開業届の写しなど、場合に応じて求められる書類の例があります。就職が決まったらハローワークの窓口で、自分の場合に何が要るかを聞いてください。提出期限は就職した日の翌日から1か月以内です。

内定日は、いつの時点だと対象外になりますか?

求職の申し込み(受給資格決定)より前に内定が出ていた会社に就職する場合は、対象外です。求職の申し込み後に新しく応募して内定を得た別の会社なら問題ありません。退職後、受給手続きを済ませる前に再就職先が決まった場合も、受給手続きをしていないため再就職手当は受け取れません。

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対象になるか、いくら出るか、いつまでに何を用意するか。 申請の可否で迷ったら、補助金を扱う専門家に確認するのが確実です。相談は無料です。

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免責事項: 本記事の内容は2026年11月1日時点でハローワークと厚生労働省の公式資料をもとに確認できた情報にもとづきます。基本手当日額の上限額や給付制限の期間は制度改正・年度改定により変更される場合があるため、実際の申請にあたっては必ず最寄りのハローワークで最新の内容をご確認ください。本記事は制度の解説を目的とするものであり、社会保険労務士による申請書類の作成代行を示唆するものではありません。

出典(一次情報)

この記事を書いた人
まっさん。|元経営者
補助金で会社を立て直した元経営者

補助金で会社を立て直した元経営者。資金繰りに悩んだ末に補助金を活用して事業を再建した経験から、中小企業・個人事業主が“本当に使える補助金”とその活かし方を発信しています。掲載内容は公募要領などの一次情報をもとに整理しています。

本記事は情報提供を目的としており、補助金の採択・交付を保証するものではありません。 補助上限額・補助率・締切等の内容は変更される場合があります。申請にあたっては、必ず 公式サイト・最新の公募要領をご確認ください。