SBIR制度に応募しても、資金はもらえません。この制度は、国が指定した研究開発の補助金を受けた中小企業に、特許料の半額減免や公庫の特別融資を用意する仕組みです。優遇を使えるのは、SBIR補助金の交付を受けたあとです。資金がほしい場合は、各省庁が公募する個別の事業に応募します。
SBIR制度の要点まとめ
正式名:SBIR制度(指定補助金等・特定新技術補助金等の交付を受けた方への支援)
だれが
- 申請者
- 事業者(SBIR補助金の交付を受けた中小企業者、事業を営んでいない個人)
- 対象業種
- 指定なし
- 利用目的
- 研究開発成果を事業化するときの優遇措置
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 中小企業者(業種ごとに基準あり)または個人
いくら
- 補助上限額
- 定めなし(金銭の交付はなく、優遇措置を使う制度)
- 補助率
- なし(特許料などは1/2に減免)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 随時(SBIR補助金の交付を受けたあとに利用)
- 公式サイト
- 中小企業庁「SBIR制度」
自分は対象になる?
次の3つにすべて当てはまれば、優遇措置を使える見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 3
次のどれかに当たると、まだ使えません。
- ✕ 応募しただけで、交付は受けていない
- ✕ SBIRの対象でない補助金を受けた
- ✕ 大企業の子会社などで中小企業でない
「SBIR補助金」は、国が指定した「指定補助金等」と、研究開発型スタートアップなども対象にする「特定新技術補助金等」の総称です。どちらも、各省庁の研究開発の補助金や委託費が対象です。どちらに当たるかは、SBIR特設サイトの一覧で調べます。
中小企業者は、業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっています。大企業が株式の一定割合を持つ会社は、中小企業でも対象外になります(みなし大企業)。
どんな優遇を受けられる?
SBIR補助金の種類で、使える優遇が変わります。特許料の減免、信用保険の特例、投資育成の特例は、指定補助金等だけです。
| 優遇措置 | 指定補助金等 | 特定新技術補助金等 |
|---|---|---|
| 特許料等の減免(審査請求料と特許料が1/2) | 使える | 使えない |
| 信用保険の特例(保証枠の拡大) | 使える | 使えない |
| 投資育成の特例(資本金3億円超も対象) | 使える | 使えない |
| 日本政策金融公庫の特別利率の融資 | 使える | 使える |
| 入札参加の特例 | 使える | 使える |
特許料の減免は、第1年から第10年分の特許料と審査請求料が対象です。対象になる発明は、指定補助金等の事業の成果で、事業の終了から2年以内に出願したものです。仮に特許料が年10万円なら、10万円 × 1/2 = 5万円になります(金額は計算のための例です)。
投資育成の特例は、資本の額が3億円を超える株式会社でも、投資を受けられる仕組みです。信用保険の特例は、債務保証枠が広がり、担保や第三者保証人が不要な枠も使えます。
入札参加の特例は、技術力を示せれば、入札参加資格の等級や過去の納入実績を問われない仕組みです。
資金がほしいときの探し方
SBIR特設サイトの公募一覧に、各省庁の公募が並びます。国の事業を通した応募の入口は、ここです。
- 公募一覧で、自社の研究テーマに近い公募を探す
- 公募要領を開き、応募要件と公募期間を確かめる
- 要件を満たしていれば、その省庁の窓口に応募する
応募要件は、研究開発のテーマやフェーズごとに異なります。研究者の場合は、所属する研究機関を通して応募します。
スタートアップの要件は、設立から15年以内の研究開発型の中小企業者で、日本で登記されていることです。先端技術分野では、15年を超える企業が認められる場合もあります。
申請の流れ
- 公募を探す(事業者→SBIR特設サイトの公募一覧。公募期間の前に)
- 公募要領で要件を確かめる(事業者→各省庁の公募ページ。応募の前に)
- 応募して、交付を受ける(事業者→各省庁。公募期間内に)
- 研究開発の成果を使う事業を始める(事業者。交付の後)
- 使いたい措置の窓口に相談する(事業者→特許庁・日本政策金融公庫など)
必要な書類
準備できた 0 / 4
応募書類は公募ごとに異なります。採択通知書などの写しは、JREC-INの求人掲載で必要になる例です。措置ごとの必要書類は、窓口で確かめます。
使えなくなるのはどんなとき?
- 交付を受ける前に使おうとした:優遇は、SBIR補助金の交付を受けた中小企業者が対象です。応募しただけでは使えません。
- 事業の終了から2年を過ぎて出願した発明で、特許料の減免を使おうとした:減免は、指定補助金等の事業の成果で、終了から2年以内に出願した発明が対象です。
- 特定新技術補助金等で、指定限定の措置を使おうとした:特許料の減免、信用保険、投資育成の特例は指定補助金等だけです。
- 研究開発の成果と関係のない事業で使おうとした:融資は、SBIR補助金の研究開発成果を使った事業が対象です。
よくある質問
SBIR制度に申請すればお金がもらえますか?
もらえません。SBIR制度は資金を交付する窓口ではなく、SBIR補助金の交付を受けた中小企業が使える優遇措置の枠組みです。資金が必要なときは、SBIR特設サイトの公募一覧にある個別の事業に応募します。採択されて交付を受ければ、その後に特許料の減免や特別融資などを使えるようになります。
SBIR補助金とは何ですか?
国が研究開発のために交付する補助金のうち、SBIR制度の対象になるものの総称です。国が研究開発課題を決めて交付する「指定補助金等」と、研究開発型スタートアップなどを交付対象に含む「特定新技術補助金等」の2種類があります。年度ごとの一覧が、SBIR特設サイトにPDFで公開されています。
応募しただけで優遇を使えますか?
使えません。対象は、SBIR補助金の交付を受けた中小企業者と、事業を営んでいない個人です。以前にSBIR補助金を受けたことがない場合は、まず交付を受ける必要があります。公募の要件と審査は事業ごとに異なるので、公募要領で自社が当てはまるかを先に確かめてください。
指定補助金等と特定新技術補助金等で、何が違いますか?
使える優遇の数が違います。特許料等の減免、信用保険の特例、投資育成の特例は、指定補助金等だけが対象です。日本政策金融公庫の特別利率の融資と、入札参加の特例は、どちらでも使えます。自分の補助金がどちらに当たるかは、SBIR特設サイトの年度別の一覧で確認できます。
特許料はどのくらい安くなりますか?
審査請求料と特許料(第1年から第10年分)が、1/2に軽減されます。たとえば特許料が年10万円なら、5万円になる計算です。ただし対象は、指定補助金等の事業の成果で、事業の終了から2年以内に出願した発明です。手続きは特許庁の案内に従います。減免の細かい条件は、特許庁の公式ページで確かめてください。
日本政策金融公庫の融資はどう変わりますか?
SBIR補助金の研究開発成果を使った事業に、特別利率の融資を受けられます。設備資金と運転資金の両方が貸付の対象です。指定補助金等と特定新技術補助金等のどちらの交付を受けた場合でも使えます。利率や限度額は融資の制度ごとに決まるので、公庫の窓口で確かめてください。
個人事業主でも使えますか?
使える場合があります。対象には、中小企業者のほか、事業を営んでいない個人も含まれています。特許料の減免も、個人事業主が指定補助金等の交付を受けていれば対象になります。ただし応募の段階では、公募ごとに申請者の要件が決まっているので、公募要領で個人が応募できるかを確認してください。
入札参加の特例とは何ですか?
通常は、入札に参加するのに資格の等級や過去の納入実績が必要です。SBIR補助金の交付を受けた中小企業者は、参加したい入札の分野での技術力を示せれば、等級や実績を問われずに参加できます。国や関係機関の入札が対象です。詳しい運用は、経済産業省の案内で確かめられます。
研究者個人でも応募できますか?
応募できる公募があります。ただし、国内の研究機関に所属し、その機関で研究する体制が必要です。応募は所属機関を通して行います。研究代表者が技術シーズの発明者であることや、起業か中小企業への技術移転を目指すことも条件になります。要件は公募ごとに違うので、公募要領で確かめてください。
設立して何年たっていても応募できますか?
スタートアップの要件では、設立から15年以内が目安です。ただし先端技術分野では、採択委員会の判断で15年を超える企業が認められる場合もあります。日本で登記されていることと、意思決定と研究開発の拠点が日本にあることも必要です。応募要件は公募ごとに異なるため、公募要領で確認してください。
問い合わせ先はどこですか?
SBIR制度全般は、内閣府の科学技術・イノベーション推進事務局(電話 03-6257-1333)です。経済産業省・中小企業庁の特定新技術補助金等は、中小企業庁の経営支援部イノベーションチーム(電話 03-3501-1816)です。個別の公募は、公募要領に書かれた各省庁の窓口に聞きます。
