SBIR制度に応募すれば、そのままお金がもらえるのか。もらえません。 「SBIR制度」は、それ単体で資金を交付する補助金ではなく、国が「SBIR指定補助金等」に指定した別の補助金に採択された中小企業が、追加で使える優遇措置の枠組みです。
つまり順番が逆です。先に何らかのSBIR指定補助金(ものづくり系・研究開発系の国の補助金の一部)に採択され、その成果を使って事業活動を行う段階になって、初めてSBIR制度の優遇措置が使えるようになります。
SBIR制度の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(SBIR指定補助金等・特定新技術補助金等の交付を受けた中小企業者・個人) |
| 制度名 | SBIR制度(中小企業技術革新制度) |
| 対象業種 | 指定なし(SBIR指定補助金の採択者であること) |
| 利用目的 | 研究開発成果を利用した事業活動における優遇措置の活用 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 中小企業基本法上の中小企業者、または事業を営んでいない個人(詳しくは本文で説明) |
| 補助上限額 | 定めなし(金銭を直接交付する制度ではなく、特許料減免・特別融資等の優遇措置) |
| 補助率 | 該当なし |
| 申請受付 | 随時(SBIR指定補助金等の採択後に優遇措置を利用) |
| 公式サイト | 中小企業庁「SBIR制度」 |

なお、中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者とは、業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっており、製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下です。どちらか一方を満たせば該当します。
SBIR制度で受けられる優遇措置
| 優遇措置 | 内容 |
|---|---|
| 特許料等の減免 | 審査請求手数料を2分の1に軽減、特許料(1年目〜10年目)を2分の1に軽減 |
| 日本政策金融公庫の特別貸付 | 研究開発成果を利用した事業に、特別利率での融資(運転資金等) |
| 入札参加資格の特例 | 技術力を証明できれば、入札参加資格のランクや過去の納入実績によらず参加可能 |
| 信用保険の別枠 | 中小企業信用保険制度の特例で債務保証枠が拡大 |
| 投資育成の特例 | 中小企業投資育成株式会社法の特例で投資対象の特別枠を利用可能 |
対象になる/ならないの線引き
| 対象になる | 対象にならない |
|---|---|
| 国が「SBIR指定補助金等」「特定新技術補助金等」に指定した補助金の交付を受けた中小企業 | SBIR指定を受けていない一般の補助金の採択者 |
| その研究開発成果を利用して事業活動を行う段階の企業 | まだ補助金に応募・採択されていない企業 |
この線引きがある理由は、SBIR制度そのものが「研究開発の入口」ではなく「採択後の出口」を支える仕組みだからです。 「SBIRという名前の補助金に応募したい」と探している場合、実際に応募すべきは指定を受けている個別の補助金(中小企業イノベーション創出推進事業に係る補助金など)になります。
よく誤解されるポイント
「SBIR」という名前の補助金には直接応募できない
SBIRはあくまで制度・仕組みの名前であり、単独の公募窓口があるわけではありません。「SBIR」で検索して見つかる情報の多くは、SBIR指定を受けた個別の補助金(内閣府・各省の中小企業イノベーション創出推進事業等)についての案内です。自分が使いたいのはSBIRの優遇措置そのものなのか、SBIR指定を受けている個別の補助金なのかを、まず整理する必要があります。
よくある質問
Q. SBIR制度に申請すればお金がもらえますか?
もらえません。 SBIR制度自体は資金を交付する仕組みではなく、指定補助金等に採択された企業が使える優遇措置です。資金が必要な場合は、SBIR指定を受けている個別の補助金に応募します。
Q. どの補助金がSBIR指定を受けているか、どう調べればいいですか?
SBIR制度特設サイトで、年度ごとの「特定新技術補助金・指定補助金一覧」が公表されています。応募を検討している補助金がSBIR指定を受けているかは、その一覧か、補助金の公募要領で確認できます。
Q. 個人事業主でも優遇措置を使えますか?
使える場合があります。SBIR指定補助金等・特定新技術補助金等の交付を受けた「事業を営んでいない個人」も対象に含まれています。
