企業が脱炭素へ移行するための資金を、社債やローンで調達しようとすると、外部評価の取得や体制整備に別途コストがかかります。東京都のSDGsファイナンス支援事業補助金(トランジションボンド/トランジションローン)は、この移行資金の調達にかかる付随費用を補助する制度です。令和7年度分の募集はすでに終了しています。
対象は、経済産業省のクライメート・イノベーション・ファイナンス推進事業の交付決定を受けた企業のうち、都内に事務所・事業所を持つ発行事業者でした。補助率は原則10分の1(上限100万円)、個人投資家向け発行の場合は10分の7(上限600万円)とされていました。
SDGsファイナンス支援事業補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(都内に事務所・事業所を有する発行事業者) |
| 制度名 | 令和7年度SDGsファイナンス支援事業補助金(トランジションボンド/トランジションローン) |
| 対象業種 | 業種指定なし(トランジションボンド・トランジションローンを発行する企業) |
| 利用目的 | 脱炭素移行に資する資金調達(トランジションボンド・ローン等)の発行に係る経費の補助 |
| 対象地域 | 東京都内に事務所・事業所を有する事業者 |
| 従業員数 | 規定なし(公式ページに明記なし) |
| 補助上限額 | 100万円(個人投資家向け発行の場合は600万円) |
| 補助率 | 対象経費の10分の1(個人投資家向け発行の場合は10分の7) |
| 申請受付 | 終了(2026年3月20日まで) |
| 公式サイト | 東京都産業労働局「SDGsファイナンス促進支援事業補助金」 |

この補助金が対象にしているのは「発行コスト」であって「事業資金」ではない
タイトルだけを見ると、事業資金そのものが補助されるように見えるかもしれません。ですが実際に対象になるのは、トランジションボンド・トランジションローンを発行する際にかかる付随費用(外部評価取得費用等)です。調達した資金の使いみちを補助するものではありません。
これは、東京都が単独で脱炭素移行を後押ししているのではなく、国(経済産業省)のクライメート・イノベーション・ファイナンス推進事業と組み合わせて使う設計になっているためです。国の制度が交付決定していることが、都の補助金を申請する前提条件でした。
個人投資家向けだと補助率が跳ね上がる理由
補助率は原則10分の1ですが、個人投資家向けに発行する場合は10分の7まで引き上げられます。機関投資家向けより個人向けのほうが、発行事業者の事務負担・説明コストが大きくなるため、都はそこに手厚く補助を割り当てていると読み取れます。
| 発行の相手先 | 補助率 | 補助上限額 |
|---|---|---|
| 機関投資家向け | 10分の1 | 100万円 |
| 個人投資家向け | 10分の7 | 600万円 |
自社の資金調達を個人投資家向けの小口債にするか、機関投資家向けにするかで、使える補助額が大きく変わる点は資金調達計画を立てる際の判断材料になります。
今から申請できるか。次回公募の見通し
令和7年度分の募集は2026年3月20日までに終了しました。公式に明記されているのはここまでです。 グリーンボンド・グリーンローン向けの類似補助金(別枠)は継続実施されている実績があり、東京都はSDGsファイナンス支援の枠組み自体を毎年度更新しながら続けている傾向が見られます。次年度の資金調達を検討している企業は、東京都産業労働局のグリーンファイナンスのページを定点で確認しておくのが確実です。
よくある質問
今から申請できますか?
できません。令和7年度分の募集は2026年3月20日までに終了しています。次年度の実施予定は東京都産業労働局の公式ページで確認してください。
都外に本社がある企業でも対象になりますか?
対象は「都内に事務所または事業所を有する発行事業者」です。本社が都外にあっても、都内に事業所があれば対象になり得ますが、詳細な要件は公募要領での確認が必要です。
グリーンボンドを発行する場合も同じ補助金の対象ですか?
このページで扱っているのはトランジションボンド・トランジションローンの枠です。グリーンボンド・グリーンローンには別枠(上限200万円)の補助金が用意されており、対象要件が異なります。
