給油所の地下タンクの漏れ検査や、土壌の調査・除去にかかる費用の3分の1を、全国石油協会が補助する事業です。1件で最大100万円(土壌の除去工事)まで出ます。公式ページには「申請受付終了」と表示されていて、新しい申請はできません。
この事業は次の5つに分かれていて、金額も使い道も別です。災害に備える設備の補助は住民拠点SS整備事業、燃料以外の収益づくりの設備投資は油外収益確保等取組支援事業が受け持ちます。この記事は検査・調査・除去だけを扱います。
環境対応型石油製品販売業支援事業の要点まとめ
正式名:令和8年度予算 環境対応型石油製品販売業支援事業(5事業)
だれが
- 申請者
- 事業者(経済産業大臣の登録を受けた揮発油販売業者)
- 対象業種
- 揮発油販売業(ガソリンスタンド)
- 利用目的
- 地下タンク等の検査、土壌の調査・除去
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 小売業は50人以下(資本金5,000万円以下でも可)
いくら
- 補助上限額
- 事業ごとに最大10万円〜100万円(経費上限の1/3)
- 補助率
- 補助対象経費の1/3
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年5月25日〜2026年12月28日(公式ページは受付終了と表示)
- 事業の完了
- 実績報告の最終期限は2027年2月10日
うちのスタンドは対象になる?
次の3つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 3
登録とは、品質確保法にもとづき経済産業大臣から受ける揮発油販売業者の登録です。中小企業者は、小売業なら資本金5,000万円以下または従業員50人以下、卸売業なら資本金1億円以下または従業員100人以下です。どちらか一方を満たせば足ります。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 資本金5億円以上の法人の100%子会社
- ✕ 過去3年の課税所得が年平均15億円超
- ✕ 年度内に休業・廃業した
1つ目は「みなし大企業」と呼ばれる区分で、直接でも間接でも100%の株式を持たれていれば該当します。3つ目は、事業年度内に営業を続けられなくなると申請資格を失い、受け取った補助金も返すことになる、という手引書の定めです。
いくら戻ってくる?
補助金は、補助対象の費用に上限を決め、その3分の1を支払う形です。事業ごとの上限は次のとおりです。
| 事業 | 経費の上限 | 補助金の最大額 |
|---|---|---|
| 土壌汚染検知検査 | 30万円 | 10万円 |
| 地下埋設タンク・配管二次検査 | 100万円 | 333,333円 |
| 漏えい検査管採取物調査 | 50万円 | 166,666円 |
| ボーリング調査 | 200万円 | 666,666円 |
| 油含有土壌等除去 | 300万円 | 100万円 |
円未満は切り捨てです。人件費、諸経費、本社経費は対象外のため、見積書にはこれらを入れて出さないよう、検査事業者に頼む必要があります。
- 土壌汚染検知検査の見積が24万円:24万円 × 1/3 = 8万円
- ボーリング調査の見積が150万円:150万円 × 1/3 = 50万円
- 土壌の除去工事の見積が360万円:上限300万円 × 1/3 = 100万円(上限に当たる例)
賃上げを1.5%以上行うことを示す書類を出すと、予算を超える申請があったときに優先して交付が決まります。書類は任意の提出です。
5つの事業は何に使える?
使えるのは、検査・調査・除去の費用だけです。給油所の設備を新しくする費用は入りません。
対象にならないもの
- 人件費、諸経費、本社経費、交通費
- 交付決定の前に実施した検査
- 送金手数料(支払額から差し引くと値引き扱いになり、補助金が減ります)
対象になるもの
- 土壌汚染検知検査:地下タンクと配管の漏れ検査の費用。ガス加圧検査に伴う消防への納付金と、石油製品の抜き取り・保管・再注油費も入ります
- 二次検査:一括検査で異常が出たあと、タンクと配管を切り分けて原因の場所を探す検査の費用
- 漏えい検査管採取物調査:検査管から水やガスを採り、ベンゼン・鉛・油分を調べる費用(試料採取費・分析費・計量証明書の作成費)
- ボーリング調査:敷地を10メートル四方に区切って土壌と地下水を採り、分析する費用(消防への納付金、作業費、採取費、分析費など)
- 油含有土壌等除去:ベンゼン・鉛は基準以下で、油分だけがある土壌を掘って処分する費用(土間のはつり、掘削、運搬・処分、埋め戻し、土間の復旧)
地下タンクの入れ替え工事の最中に土壌の油が見つかり、ボーリングで範囲を確かめてから除去する、という順で使う例が手引書に載っています。調査と除去を続けて使う場合は、調査の結果が除去の申請の前提になります。
申請の流れ
- 手引書と様式をそろえる(事業者→全国石油協会の公式ページ。事業ごとに手引書が別)
- 見積書を2社以上から取る(事業者→検査事業者。土壌汚染検知検査では必須)
- 交付申請書を出す(事業者→石油組合か全国石油協会。12月最終営業日の必着。油含有土壌等除去だけは10月最終営業日)
- 交付決定通知を待つ(全国石油協会→事業者。通知の前に検査を始めない)
- 検査・調査を実施して支払う(検査事業者→事業者)
- 完了から30日以内に実績報告書を出す(事業者→石油組合か全国石油協会。最終期限は2月10日)
- 補助金額確定通知のあとに支払請求書を出す(事業者→全国石油協会。全部の手続きが終わって2〜3か月で入金)
申請はJグランツ(国の補助金申請システム)でも受け付けていました。使うにはGビズID(国の電子申請共通のID)が要ります。
必要な書類
土壌汚染検知検査の手引書にある書類です。ほかの4事業は、事業に合わせて書類が変わります。
準備できた 0 / 11
資格認定証は、全国危険物安全協会の地下タンク等定期点検認定事業者であることを示すものです。登記簿謄本は申請日から3か月以内のものを使います。従業員数で中小企業者を証明する場合は、源泉所得税の領収証書の写しになります。法人税の申告書は、みなし大企業でないことの証明で、別表1が直近3年分、別表2が直近分です。液相部の検査をするときは、全国危険物安全協会の性能評価書の写しも要ります。
ほかの4事業は、検査・調査事業者の資格の写しが変わります。採取物調査とボーリング調査は、土壌汚染対策法の指定調査機関の指定通知書と計量証明事業の登録証が要ります。油含有土壌等除去は、指定通知書に加えて、ボーリング等の調査報告書と、土地・建物の登記簿謄本などが要ります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に検査をした:交付決定は、全国石油協会が出す通知です。この日より前に実施した検査は、補助の対象になりません。
- 申請内容と実際の検査が違う:変更したのに計画変更の承認を受けずに検査すると、補助金は出ません。
- 予算がなくなった:申請額が予算残額を超えた日に受付が終わります。その日に届いた申請は抽選で決まります。
- 除去工事が年度をまたいだ:油含有土壌等除去は、年度を越えて実施できません。
- 値引きや手数料の差し引き:検査代金の値引きや送金手数料の差し引きがあると、確定する補助金の額が減ります。
よくある質問
この事業は今も申請できますか?
公式ページには「申請受付終了」と表示されていて、各事業の交付申請書にも「申請受付は終了しました」と出ています。申請期間の欄は2026年5月25日から12月28日のままで、受付が終わった日と理由は書かれていません。手引書には、予算残額を超えた日に受付を終えると定められています。油含有土壌等除去だけは、手引書の締切が10月最終営業日(2026年は10月30日)でした。次の募集があるかは公式ページに載っていないため、所属の石油組合か全国石油協会(03-5251-0467)に聞いてください。
5つの事業を同時に申請できますか?
手引書では、同時の申請を禁じる定めは確認できませんでした。土壌汚染検知検査と二次検査には、続けて使う人向けの簡単な申請があります。土壌汚染検知検査の交付決定を受けていて、その検査日を含む10日以内に事前申込をし、同じ検査事業者が二次検査をする、といった条件を全部満たす場合です。組み合わせて使う予定なら、先に石油協会へ確かめてください。
申請先は石油組合ですか、全国石油協会ですか?
どちらに出しても構いません。石油組合は、都道府県ごとにある販売業者の組合です。組合員は所属の石油組合を経由して提出し、書類は最終的に全国石油協会に届きます。締切の判定は全国石油協会への必着なので、組合を通す場合は余裕をみて早めに出してください。窓口の一覧は手引書の最終ページに載っています。迷ったときは、所属の組合か全国石油協会の環境経営支援部に聞けます。
複数のスタンドを持っていても使えますか?
運営する給油所が品質確保法の登録上70か所以下なら、申請できます。申請は給油所ごとに出し、土壌汚染検知検査は1給油所につき年1回までです。ただし漏れの疑いがあるタンクは、この回数の制限を受けません。71か所以上を運営している会社は、中小企業者に当たっても申請の資格がありません。
一括検査で異常が出たときは、どの事業を使いますか?
二次検査補助事業です。タンクと配管をまとめて検査して異常が出たあと、点検マンホールでタンクと配管の継ぎ手を外し、個別に調べて異常の場所を特定する費用が対象です。マンホールがなく継ぎ手を外せない場合は、土間をはがして切り離す工事をしたうえで検査します。補助は経費100万円を上限に、その3分の1の最大333,333円です。
見積書は何社から取りますか?
5事業とも2社以上です。補助事業は安く良い成果を得ることが求められるため、事業者を競わせたことを見積書で示します。頼める事業者は、検知検査と二次検査が全国危険物安全協会の認定事業者、ほかの3事業は土壌汚染対策法の指定調査機関で、どれも甲種または乙種第4類の危険物取扱者免状を持つ人がいる会社です。採取物調査とボーリング調査は計量証明事業の登録(分析の委託先でも可)も要ります。見積書には、人件費や諸経費ではなく、補助対象の費用を書いてもらいます。
賃上げの書類は出さないと不利ですか?
任意の提出なので、出さなくても申請はできます。ただし前年度比または前年比で1.5%以上の賃上げを行う事業者が出す書類で、予算を超える申請があったときは、この書類を出した申請者から先に交付が決まります。予算に余裕があるうちは差が出ません。予算がなくなりそうな時期に申請するなら、出しておく意味があります。
補助金はいつ入金されますか?
検査や調査が終わり、実績報告書を出して、補助金額確定通知書が届き、支払請求書を出し終えてから、おおむね2〜3か月以内です。確定の額は、実績報告の内容で決まります。申請したときの額と違う検査をした場合や、代金の値引きがあった場合は、交付決定通知書の額より減ります。確定通知が届いたら金額を確かめてください。
実績報告はいつまでに出しますか?
作業が終わって検査事業者へ支払い、領収書を受け取った日から30日以内です。最終の提出日は2027年2月10日で、全国石油協会への必着です。支払いは原則として銀行振込で、振込控えを付けます。手数料を引いて振り込むと値引き扱いになり、補助金が減ります。現金で払った場合は、領収書番号と社印などのある領収書が要ります。
書類は何年保管しますか?
申請書と実績報告書などは5年間の保管義務があります。この間、国から提出を求められることがあります。見積書、振込控え、検査結果報告書、写真は実績報告に付ける書類なので、控えを一式でまとめて残しておくと、提出を求められたときに慌てません。事業を終えて補助金が入金されたあとも、保管の期間は続くため、廃棄の日付を決めて管理しておくと安心です。
問い合わせ先はどこですか?
スタンドがある都道府県の石油組合か、全国石油協会 環境経営支援部(電話 03-5251-0467)です。対象になるか、どの事業に当たるか、書類の書き方で迷ったときは、検査を頼む前に聞いておくと出し直しを防げます。各県の組合の住所と電話番号は、手引書の最終ページにまとまっています。
