海外進出の準備をしていたら、現地の第三者にすでに自社ブランドの商標を先取りされていた——輸出や海外展開を考える中小企業で、実際に起きているトラブルです。 相手を訴えて取り消すには弁護士費用がかかり、二の足を踏む会社も少なくありません。
このとき使える支援策が、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)の抜け駆け商標無効・取消係争支援事業です。海外で第三者に無断で商標権を出願・権利化された中小企業者等が、その権利を取り消すために自ら起こす係争活動の費用を2/3、上限500万円まで助成します。 応募締切は2026年10月30日17時(予算がなくなり次第終了)です。
抜け駆け商標無効・取消係争支援事業の要点まとめ
正式名:抜け駆け商標無効・取消係争支援事業(中小企業等海外侵害対策支援事業)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 指定なし(地域団体商標に関する係争は商工会議所・NPO法人等も対象)
- 利用目的
- 海外で無断出願・権利化された商標を取り消すための係争活動費用
- 対象地域
- 全国(対象は海外での商標係争)
- 従業員数
- 中小企業基本法上の中小企業者に相当する規模(詳細はJETROへお問い合わせください)
いくら
- 補助上限額
- 500万円
- 補助率
- 2/3
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年10月30日(金)17時締切(予算がなくなり次第終了)

「抜け駆け」される状況とは
この制度が想定しているのは、海外で第三者が自社よりも先に、無断で自社ブランドの商標を出願・登録してしまうケースです。いわゆる「冒認商標」の問題で、いざ現地で販売しようとした段階で発覚することが多く、放置すると自社ブランドで現地展開できなくなります。
対象になるのは、その相手方の出願または権利を自ら取り消すために起こす係争活動の費用です。異議申立、無効審判請求、取消審判請求にかかる費用に加えて、現地の弁護士・弁理士への代理人費用も含まれます。
対象になる/ならないの分かれ目
- 海外で第三者に勝手に商標を出願・登録された→ 対象になり得ます
- 地域団体商標に関する係争で、申請者が商工会議所やNPO法人等 → こちらも対象になり得ます
- 相手方が日系企業である場合 → 原則として対象外です(他のJETRO知財支援メニューと共通の扱い)
- すでに現地で勝訴が確定しているなど、係争そのものが終わっている → 対象外です
自社の状況がどの区分に当たるか判断が難しい場合は、申請前にジェトロ知的財産課へ相談できます。 事前相談の窓口があること自体、押さえておく価値があります。
いつまでに動くか
応募受付は2026年10月30日(金)17時00分厳守です。ただし「予算がなくなり次第終了」という条件が付いているため、締切ぎりぎりまで待つより、係争の見通しが立った時点で早めに準備を始めたほうが安全です。 申請書は様式第24号をワード形式で作成し、添付書類とあわせてジェトロ知的財産課へメールで送付します。
よくある質問
相手が日系企業の場合は使えませんか?
原則として対象外です。この制度は海外の第三者による無断出願・権利化への対抗を想定しています。
弁護士費用も対象になりますか?
対象になります。異議申立や審判請求の費用に加え、現地の弁護士・弁理士への代理人費用も助成対象です。
申請前に相談できますか?
できます。ジェトロ知的財産課(Tel:03-3582-5198)で事前相談を受け付けています。
