水力発電は、太陽光や風力に比べて「調べる」段階のハードルが高い発電方式です。適地かどうか、どれだけの出力が見込めるか、河川の使用許可は取れるか――事業化の前にやるべき調査・設計だけで数百万円から2,000万円規模の費用がかかることがあります。この初期調査を後押しするのが、一般財団法人新エネルギー財団の「水力発電の事業性評価に必要な調査及び設計等を行う事業」です。
紹介する令和3年度3次締切分は、2021年4月30日から9月28日まで受け付けており、すでに終了しています。上限は2,000万円でした。
水力発電の事業性評価に必要な調査及び設計等を行う事業(令和3年度3次締切分)の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・地方公共団体) |
| 制度名 | 水力発電の事業性評価に必要な調査及び設計等を行う事業(令和3年度3次締切分) |
| 対象業種 | 全業種(自ら水力発電事業を実施予定の事業者) |
| 利用目的 | 水力発電所の新設・リプレイスに向けた事業性評価調査・設計 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし |
| 補助上限額 | 2,000万円 |
| 補助率 | 民間事業者は1/2、地方公共団体は10/10定額(詳細は公募要領で要確認) |
| 申請受付 | 2021年4月30日〜9月28日(受付終了) |
| 公式サイト | https://suiryokuhojo.nef.or.jp |

どんな調査が対象になるのか
この事業が対象とするのは、水力発電所を新設またはリプレイス(既存設備の更新)する際に必要な、事業性を見極めるための調査・設計です。具体的には、河川の流量調査、出力算定、基本設計といった、実際に発電所を建てる前に必ず必要になる工程が含まれます。
一般的にこの種の事業では、発電出力20kW以上30,000kW未満の水力発電所を見込む案件が対象とされます。数十kWの小水力から、数万kW級の中規模水力まで幅広くカバーする設計です。
対象になるのは「自ら発電事業を行う予定の事業者」
対象は、調査を請け負う事業者ではなく、自ら水力発電事業を実施する予定の民間事業者・地方公共団体です。コンサルティング会社や設計事務所が単独で申請することはできず、あくまで発電事業の主体が申請者になります。
初期調査の段階で2,000万円規模の補助が出るかどうかは、事業化の是非を左右する分かれ目になります。水力発電は調査に数百万円単位の費用がかかるため、この補助がないと、そもそも事業性を見極める段階に進めない事業者も少なくありません。
いくら戻るのか
上限は2,000万円です。仮に基本設計を含む調査に1,500万円かかった場合、補助率1/2が適用されれば750万円が補助される計算になります。上限2,000万円に届くのは、調査費用が4,000万円規模の大掛かりな案件のときです。
後継事業の状況
新エネルギー財団はこの種の水力関連補助事業を継続的に実施しており、令和8年度分として「水力発電導入促進支援事業費補助金(事業性評価支援事業)」の新規事業分の公募が2026年4月に案内されています。制度の名称や実施年度は変わっていますが、水力発電の事業性評価を支援する枠組み自体は続いています。
これから水力発電事業を検討している事業者は、令和3年度の内容をそのまま参考にするのではなく、最新年度の公募要領を新エネルギー財団の公式サイトで確認することが必須です。締切や補助率は年度ごとに見直されます。
よくある質問
令和3年度3次締切分に今から申請できますか?
できません。受付は2021年9月28日で終了しています。後継の制度として「水力発電導入促進支援事業費補助金(事業性評価支援事業)」が継続的に実施されており、令和8年度分の新規事業公募が案内されています。
コンサルティング会社が単独で申請できますか?
できません。自ら水力発電事業を実施する予定の民間事業者・地方公共団体が申請者になります。
太陽光や風力の事業性評価にも使えますか?
この制度は水力発電に特化しています。他の再エネ電源の事業性評価は別の補助制度を確認する必要があります。
