タクシーやバスを電気自動車などに替える費用と、車庫の充電設備の工事費を、国が補助します。受付は2027年1月29日までで、いまも申請できます。
車両は、購入契約の前でも申請できます。ただし新規登録は、交付決定の後にしてください。決定の前に登録すると、決定が無効になります。
商用車等の電動化促進事業(タクシー・バス)の要点まとめ
正式名:令和7年度(補正予算)商用車等の電動化促進事業(タクシー・バス)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人)、リース会社、地方公共団体
- 対象業種
- 旅客自動車運送事業(タクシー・バス)、自家用有償旅客運送
- 利用目的
- 電動車の導入、充電設備等の設置
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 車両は1台ごとの基準額。高圧受電設備は最大900万円
- 補助率
- 車両は基準額が上限。充電設備は機器1/3〜1/1、工事1/1
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月24日〜2027年1月29日
- 事業の完了
- 2027年3月10日までに設置・完了報告
自社は対象になる?
次の4つに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 決定前に新規登録した車両
- ✕ 同じ車両に国の他の補助金
- ✕ 風俗営業関連の事業者
申請者は、車検証の所有者の欄に載る人です。リースならリース会社が申請します。個人でも、自治体でも、自家用バスを持つ事業者でも申請できます。ディーラーが所有者のままでは申請できないため、先に所有権を移します。
乗車定員10人以下は「タクシー等車両」、11人以上は「バス車両」です。補助額の計算で分かれるのは、乗車定員8人以下のタクシー等車両と、9人以上の車両(9〜10人のタクシー等車両とバス)です。
導入計画書には、2030年度に電動車などを何割にするかを書きます。国の目安は、タクシーが8%、バスが5%です。
2022年度のCO2排出量が20万トン以上の事業者は、交付申請の日までに表明書も出します。排出削減の目標を公表するか、GXリーグに参加します。
いくらもらえる?
車両は、一覧表に載る「基準額」が上限です。基準額は、もらえる額そのものではありません。値引きがあれば減ります。自治体の補助金を受けた場合も、減る可能性があります。
乗車定員8人以下のタクシーで、電気自動車の値引きがある場合は、値引き額の1/4を基準額から引きます。プラグインハイブリッド車は1/5、燃料電池車・水素内燃機関車は1/3です。車両本体価格が電気自動車・プラグインハイブリッド車で600万円以上(燃料電池車などは1,000万円以上)の場合は、補助対象経費がその金額以上なら、値引き額は0円として扱います。
- トヨタ bZ4X Z(FWD)で値引きなし:基準額155万円 → 155万円
- 同じ車で値引きが40万円:155万円 − 40万円 × 1/4 = 145万円
- トヨタ MIRAI G(燃料電池車)で値引きが30万円:254.6万円 − 30万円 × 1/3 = 244.6万円
一覧表の車両本体価格は税抜です。基準額は、車両ごとに一覧表で確かめます。
乗車定員9人以上のタクシー等車両とバスは、引く額が違います。電気自動車とプラグインハイブリッド車は値引き額の2/3、燃料電池車・水素内燃機関車は1/2です。
バスの基準額は、メーカー別の一覧にあります。2026年10月時点で、電気バスは約481万円(BYD J6 郊外型)から3,162万円(日野 ブルーリボンZEV)まで、燃料電池バスは4,750万円(トヨタ SORA)と4,865万円(いすゞ エルガFCV)です。
- いすゞ エルガEV(型式 ZAC-LV828L1)で、値引きが150万円とした場合:2,835万円 − 150万円 × 2/3 = 2,735万円
150万円は計算のための仮の値引き額です。実際の値引き額は、メーカーか販売店に確かめます。
充電設備は、機器代と工事費を分けて計算します。急速充電の50kW以上(機器1/2、工事1/1)で、1口の場合の例です。
- 機器600万円 × 1/2 = 300万円(上限400万円の内) → 300万円
- 工事250万円 × 1/1 = 250万円(上限280万円の内) → 250万円
- 合計 550万円
- 機器900万円 × 1/2 = 450万円 → 上限の400万円
- 工事300万円 → 上限の280万円
- 合計 680万円
機器の補助額には、型式ごとの上限もあります。実際の額は、補助対象充電設備の型式一覧表で確かめます。
高圧受電設備(キュービクル)は、設備総出力で上限が決まります。350kW以上で900万円、250kW以上で750万円です。150kW以上は600万円、90kW以上は450万円、50kW以上は300万円です。
何に使える?
対象にならないもの
- 事前登録のない型式の車両(一覧にない型式は、JATAに連絡します)
- 短期間の実証運行など、継続して走らない車両
- 中古車(対象は、新車として新規登録する車両)
- 車両の台数を超える口数の充電設備
- 課金装置を使う運用
- 本事業に関係のない工事費や手数料
対象になるもの
- 電気自動車・プラグインハイブリッド車・燃料電池車・水素内燃機関車の購入費
- 上の4種類への改造費(改造費の2/3。材料費と労務費に限る)
- 急速・普通充電器、V2H、外部給電器、高圧受電設備、バッテリー交換式の設備
- 充電設備の工事費
充電設備を置く場所は、自社の敷地が原則です。借地なら、6年以上の契約か許諾が要ります。国や自治体の土地は、この条件がありません。
申請の流れ
購入前に申請する「通常申請」の流れです。
- 電子申請システムに申請者登録をする(事業者→JATA。交付申請の前)
- 交付申請をする(事業者→JATA。車両は契約・発注の後でも可、充電設備は発注・着工の前)
- 交付決定を待つ(JATA→事業者。書類がそろってから標準で30日)
- 決定の後に車両を新規登録し、充電設備を契約・着工する(車両の登録は2027年3月3日まで)
- 完了実績報告を出す(事業者→JATA。車両の新規登録日から30日以内。遅くとも2027年3月10日まで)
- 確定通知を受けて、精算払請求を出す(事業者→JATA。入金は請求の後)
すでに車両を買った場合は「実績申請」です。2026年1月13日から2027年1月29日までに新規登録した車両が対象です。実績申請は、車両だけです。充電設備は使えません。
必要な書類
準備できた 0 / 15
法人は現在事項全部証明書、個人は住民票か免許証の写しを出します。どちらも発行から3か月以内で、初回の申請だけです。
表明書は、2022年度のCO2排出量が20万トン以上の事業者だけです。借地に充電設備を置くなら、借地の契約書も要ります。
充電設備の工事費は、同じ条件で2社以上の見積もりを取ります。機器の見積もりは1社でかまいません。リースの場合は、リース契約書と、補助金がリース料に反映されたことが分かる明細書も出します。
請求書・領収書・自動車検査証の写しは、完了実績報告で出します。通帳の写しは精算払請求で出す書類です。許可証は、自家用有償旅客運送の事業者だけが出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 決定の前に車両を新規登録した:交付決定が無効になります。登録の日は、必ず決定の後にします。
- 決定の前に充電設備を発注・着工した:申請の時点で契約・発注・着工のどれかをしていると、対象外です。
- 期日までに終わらなかった:充電設備の設置と完了実績報告は、2027年3月10日までです。遅れると対象外です。車両は、新規登録日から30日以内の報告も求められます。
- 処分制限の期間内に手放した:車両は法定耐用年数、充電設備は6年です。売却や廃車は、事前にJATAの承認を受けます。原則として、補助金の一部を返します。
- 同じ車両に国の他の補助金を受けた:重複は認められません。
公募要領の改訂・予算・併用
公募要領は、2026年7月3日に改訂されています。申請前に最新版を開きます。
予算額は105億円です。残額が2割ほどになると、申し込み順の審査をやめます。その日から30日以内の申請を、まとめて審査します。予算を超えた場合は、初めて申請する事業者や、脱炭素先行地域の事業所が優先されます。
バス車両のうち、自治体や公営企業が使うもの、燃料電池バス、水素内燃機関バスなど、契約から納車まで長くかかる車両は、国庫債務負担行為という枠で申請できます(タクシー等車両は対象外です)。2027年4月1日から12月17日までに新規登録すれば対象で、一体で整備する充電設備も含みます。補助金の支払いは2027年度です。事前にJATAへ相談します。
デジタルタコグラフやASV装置に国の補助を受けた車両でも、車両本体に補助がなければ申請できます。
消費税の仕入控除ができる事業者は、その税額に補助率を掛けた分が、交付額から引かれます。申告で税額が確定したあとに、JATAへ報告して、引かれていなかった分は返します。
事業が終わったあとも、義務が残ります。完了した年度とその後1年間、年度が終わってから30日以内にCO2削減の事業報告書を出します。導入した車両と充電設備には、補助事業のステッカーを貼ります。補助事業で得た削減効果は、カーボンクレジットとして登録できません。
よくある質問
トラックだけを持つ運送会社は申請できますか?
申請できません。この公募の対象は、旅客自動車運送事業と自家用有償旅客運送に使う車両です。乗車定員10人以下のタクシー等車両と、11人以上のバス車両が対象です。トラックは、公募要領の対象車両に入っていません。トラック向けの制度があるかどうかは、この文書では確かめていません。
個人タクシーでも申請できますか?
申請できます。法人でなくても、タクシー等車両かバスを使って事業をしている個人なら対象です。事業を証明する書類として、住民票の写しか自動車運転免許証の写しを出します。どちらも発行から3か月以内のものです。パスポートの写しは認められません。初回の申請だけの書類で、内容が変わったときは出し直します。
すでに買った車両でも対象になりますか?
2026年1月13日から2027年1月29日までに、新車として新規登録した車両なら対象です。「実績申請」という方法で、交付申請と完了実績報告を一緒に出します。申請の時点で、新規登録が済んでいる必要があります。充電設備には実績申請がありません。充電設備は、必ず交付決定の後に契約し、着工します。
充電設備だけを申請できますか?
車両が先に申請されていれば、別の申請にできます。充電設備だけの申請では、本事業で申請済みの車両の受付番号を入力します。営業所ごとに「車両の台数 ≧ 充電設備の口数」を満たす必要があります。複数年度の申請で、最終的に満たさなかった場合は、差の分を返します。車両と同時に申請するときは、受付番号の入力は要りません。
一覧表の基準額は、そのままもらえますか?
そのままもらえるとは限りません。基準額は補助額の上限です。値引きがあれば、値引き額に応じて減ります。自治体などの補助金や助成金がある場合も、減る可能性があります。実際の購入額から寄付金その他の収入を引いた額と、基準額を比べて、少ない方が交付額です。1,000円未満は切り捨てになります。
値引き額は、どう入力しますか?
値引き後の購入額を「補助対象経費」の欄に入力します。値引き額の欄には、事前登録された車両本体価格から、補助対象経費を引いた額を入れます。値引きがなければ0円です。値引き額は、メーカーか販売店に確かめて記入します。登録された車両本体価格は非公表のため、入力前にJATAへ問い合わせるのが確実です。
リースの車両でも使えますか?
使えます。申請者は、車検証の所有者であるリース会社です。補助金は、毎月のリース料に反映させます。一括で貸渡し先へ支払うことは認められません。リース料金の算定根拠が分かる明細書を出します。表明書の報告者は、貸渡し先の事業者です。リース期間は、処分制限期間より長くします。
交付決定の前に発注してもかまいませんか?
車両は、申請の時点で契約・発注していても大丈夫です。ただし、新規登録は交付決定の後にします。決定前に登録すると、決定が無効です。電気自動車への改造は、契約と発注も交付決定の後です。充電設備は、申請の時点で契約・発注・着工のどれかをしていると、対象外になります。
申請から入金まで、どれくらいかかりますか?
購入済みの車両の実績申請は、不備が解消されてから約30日で審査が終わります。入金までは約40日が目安です。購入前の通常申請は、交付決定までが約30日です。その後に車両を登録し、完了実績報告と精算払請求を出します。予算残額が2割ほどになったあとは、審査が長くなることもあります。
補助金で買った車両を売ったり、事故で廃車にしたりするとどうなりますか?
処分制限の期間内は、JATAの承認なしに売却や廃車ができません。車両は法定耐用年数、充電設備は設置から6年です。事故で廃車にする場合も、過失の大小に関係なく承認の手続きが要ります。手続きのあと、補助金を返す必要があります。リース先が事業をやめる場合も、先にJATAへ相談します。
他の補助金と一緒に使えますか?
国の他の補助金は、同じ車両に重ねて受けられません。デジタルタコグラフやASV装置への補助は、車両本体に補助がなければ併用できます。自治体の補助金は重複とは扱われませんが、受けた額は「寄付金その他の収入」として入力します。その分、交付額が減る可能性があります。完了実績報告のときに入力します。
水素内燃機関車も対象ですか?
対象です。電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車に加えて、水素内燃機関車も公募要領に載っています。ただし、車両は事前登録された型式に限ります。購入予定の型式が補助対象車両の一覧にあるかを、先に確かめます。一覧にない型式は、JATAに連絡します。
問い合わせ先はどこですか?
日本自動車輸送技術協会 事業部 補助金執行グループです。電話は03-6836-1203、メールはkanhojo@ataj.or.jpです。受付は平日の午前9時から午後5時までで、正午から午後1時は除きます。年末年始(12月29日〜1月4日)は休みです。複数年度の申請や国庫債務負担行為の申請は、事前に相談します。
