トラックを発注してから申請する。この補助金は、その順番です。新車を登録して代金を払い終えたあとに、請求書と領収書を付けて出します。
対象は資本金3億円以下または従業員300人以下の貨物運送事業者と、そこへ車を貸すリース会社です。1台あたりの基準額は、車の大きさと廃車の有無で10万円から75万円。燃費基準を105%達成した車には5万円が加わり、最大80万円になります。予算の残りが2割程度になると先着順の審査が止まり、予算を超えれば抽選になるため、買ったあとで外れることもあります。
低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業の要点まとめ
正式名:低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業
だれが
- 申請者
- 事業者(中小の貨物運送事業者、またはそこへ貸すリース会社)
- 対象業種
- 運輸業(一般貨物・特定貨物・第二種貨物利用運送事業)
- 利用目的
- 低炭素型ディーゼルトラックの新車導入
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 資本金3億円以下または従業員300人以下
いくら
- 補助上限額
- 1台あたり80万円
- 補助率
- 定額
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年6月8日〜2027年1月29日
- 事業の完了
- 新車の登録と廃車は2027年1月29日まで
発注の前に、会社と車が対象か確かめる
次の5つに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 白ナンバー(自家用)のトラック
- ✕ 中古車と新古車
- ✕ ハイブリッド・CNG・LPG車
- ✕ 車両総重量3.5t以下の車
資本金と従業員数は、どちらか一方を満たせば中小企業として扱われます。リース会社が申請する場合も、車を貸す先の運送事業者が中小企業であることが条件です。
燃費基準は、車検証の備考欄に「令和7年度燃費基準達成車」か「令和7年度燃費基準105%達成車」と書かれているかで見ます。「95%達成車」は対象外です。型式ごとの一覧が公募要領の別表にあるので、発注の前に販売会社に型式を伝えて確かめておくと安心です。
所有者がディーラーのままでは申請できません。所有権留保(代金を払い終えるまで名義がディーラーに残る契約)は、申請日までに解除して運送事業者名義に移しておきます。
1台いくら戻る?
補助額は、実際にかかった承認経費と、国が決めた基準額のうち低いほうです。基準額は、同じ大きさで燃費が標準的な車との価格差の1/3(廃車ありは1/2)をもとに決められています。車が高くても額は増えず、相見積もりも求められません。
| 車の区分(車両総重量) | 廃車あり | 廃車なし |
|---|---|---|
| 大型(12t超) | 75万円 | 50万円 |
| 中型(7.5t超〜12t以下) | 42万円 | 28万円 |
| 小型(3.5t超〜7.5t以下) | 15万円 | 10万円 |
燃費基準を105%達成した車には、どの区分でも5万円が加算されます。
- 古い大型車を廃車にして、105%達成の大型に入れ替える:75万円 + 5万円 = 80万円(上限に当たる例)
- 廃車なしで中型を1台増やす(105%達成ではない):28万円(5万円の加算は付かない例)
- 廃車なしで小型を入れる(105%達成):10万円 + 5万円 = 15万円
- 廃車ありの中型を3台入れ替える(105%達成ではない):42万円 × 3台 = 126万円
1事業者の申請は4台までです。大型を廃車ありで4台入れ替え、すべて105%達成なら、80万円 × 4台 = 320万円が理論上の上限になります。
廃車ありにできるのは、平成27年度(2016年3月31日)以前に初度登録された事業用トラックです。新車登録から11年以上たった車と言い換えられます。廃車する車は、導入する車と同じ区分か、それより大きい区分でなければなりません。
買ってから出す、申請の流れ
- 対象の型式を確かめて発注する(事業者→販売会社。燃費基準の記載が車検証に付く型式かを先に聞く)
- 新車を登録する(2026年4月1日から2027年1月29日までに新規登録。受付開始の6月8日より前に登録した車も、4月1日以降なら対象)
- 廃車がある場合は永久抹消する(事業者→引取業者。同じ期間内。新車の登録より前でも後でもよい)
- 代金を払い終える(所有者がディーラーなら移転登録で自社名義に。申請日までに完済が必要)
- 書類をそろえて申請する(事業者→環境優良車普及機構。郵便・Jグランツ・メール・持参。1台につき1申請書。2027年1月29日まで)
- 審査を受け、通知と振込を待つ(機構→事業者。交付決定と額の確定が一度に通知される。目安は受付から30日ほどで、予算の残りが2割程度になった後は長くなることがある)
申請書は、補助金の交付申請書と、事業が終わったことの実績報告書を兼ねた様式です。交付決定を待ってから発注する補助金とは順番が逆になります。
Jグランツ(国の補助金電子申請システム)で出す場合は、GビズIDが先に要ります。発行に2〜3週間かかるため、車の納期と並べて早めに取っておく手があります。郵便は当日消印が有効で、宅配便は使えません。
予算は約28億円です。残りが2割程度になった日からは、申込順の審査をやめます。その日から1月29日までの申請をまとめて審査し、予算を超えたときは、初めて申請する事業者や申請台数の少ない事業者を優先して抽選します。予算の消化状況は機構のページに出ています。
必要な書類
準備できた 0 / 10
廃車がある場合は、次の書類が加わります。
| 書類 | どこで手に入るか |
|---|---|
| 登録事項等証明書 | 運輸支局 |
| 使用済自動車の処理状況画面 | リサイクルシステム |
リースの場合は、賃貸借契約書の写しとリース料金の算定根拠明細書も要ります。補助金がリース料金に反映されていることを示す書類です。抵当権が付いている車、初めて登録する振込口座、共同で申請する場合は、それぞれ別の書類が加わります。
事業報告書と事業概況報告書は、運輸支局の受付日が分かるものを出します。開業したばかりで未提出なら、運輸支局の許可証の写しと会社の登記事項(現在記録)の写しで代わりにできます。請求書と領収書には車台番号か登録番号、販売店の印、発行日が必要です。領収書には現金や振込などの金種も書かれている必要があります。ネット振込の控えを使うときは、金融機関の出納印がないと領収書の代わりになりません。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 支払いが終わっていない:割賦や手形で買った場合、申請日までに完済して証明書類を付けることが条件です。完済前の申請は対象外になります。
- 所有者がディーラーやリース会社のまま:買い取りで運送事業者が所有者になっていないと申請できません。リース会社名義で登録された車は、完済しても中古扱いです。
- 廃車の履歴に業者が入っている:廃車を頼んだ業者がいったん自社名義にして、別の日に一時抹消すると、廃車前の1年間の自社使用が認められません。
- 途中で売る・名義を変える:補助を受けた車は、最大積載量2トン超で4年、2トン以下で3年の保有義務があります。売却や合併で所有者が変わると、原則として返還です。
- 報告を出さない:事業報告書で燃費データを出す義務があります。果たされないと改善の指導を受け、重い場合は交付決定が取り消されます。
- 書類に虚偽がある:不正が認められると交付決定が取り消され、支払い済みの補助金に年10.95%の加算金が付いて返還になります。
ほかの補助金と併用できる?
国の別の補助金との重複受給はできません。一方、衝突被害軽減ブレーキ(ASV)の導入補助とは併用できます。この補助の基準額は燃費性能に関わる装置の価格差だけで積算されていて、補助の対象物が重ならないためです。
自治体の補助は、財源が国庫補助でなければ併用できます。トラック協会の利子補給や助成も併用できます。条件は制度ごとに違うため、それぞれの窓口に確かめます。
よくある質問
交付決定を待ってから車を買う制度ですか?
違います。購入が先で、申請は後です。令和8年度は、2026年4月1日から2027年1月29日までに新規登録した車が対象で、受付開始の6月8日より前に登録した車も含まれます。代金を払い終え、請求書と領収書の写しを付けて申請します。ただし審査の結果は申請後に決まります。予算の残りと抽選の仕組みを知ったうえで、発注の時期を決めておくと整理しやすくなります。
廃車をしなくても補助は出ますか?
出ます。廃車なしの基準額は、大型50万円、中型28万円、小型10万円です。古い車を廃車にすると、大型75万円、中型42万円、小型15万円に上がります。廃車ありにできるのは、平成27年度以前に初度登録され、廃車するまでの過去1年間、自社で使っていた事業用トラックです。ハイブリッド車、CNG車、LPG車を廃車にする入れ替えは対象外です。
何台まで申請できますか?
1事業者につき4台までです。申請書は1台に1通で、複数台ならそれぞれ別に作ります。リース会社が申請する場合は、貸す先の事業者ごとに、1台ずつ申請書を分けます。台数が多い会社は、4台の枠をどの車に使うかを先に決めておくと、基準額の高い廃車ありの入れ替えから優先して組み立てられます。
リースで入れた車は誰が申請しますか?
車検証の所有者であるリース会社が申請します。使用者の運送事業者では出せません。貸す先は中小企業でなければならず、補助金はリース料金に反映させます。補助金の一括払いは認められません。契約期間は、最大積載量2トン以下で3年以上、2トン超で4年以上が必要です。抽選に外れた場合に備え、補助金適用後の契約を結び直す覚書を、貸す先と交わしておく方法があります。
中小企業かどうかは何で確認されますか?
貨物自動車運送事業の事業報告書の表紙と事業概況報告書で、資本金と従業員数を見ます。運輸支局の受付日が分かる写しを出します。直近の事業実績報告書(第4号様式)でも代わりにできます。開業したばかりでまだ報告書がない場合は、運輸支局の許可証の写しと、会社の登記事項(現在記録)の写しを出します。資本金と従業員数のどちらかが基準以下なら、中小企業として扱われます。
電気トラックやハイブリッドトラックは対象ですか?
対象外です。この補助は低炭素型ディーゼルトラックだけが対象で、電気自動車、ハイブリッド車、燃料電池車、LPGトラックは含まれません。ディーゼル車でも、燃費基準を達成していないものは対象になりません。車検証の備考欄に基準達成の記載があるか、型式が公募要領の別表にあるかを、発注の前に販売会社へ聞いておくと確実です。
分割払いで買った車でも申請できますか?
申請日までに完済し、完済を示す書類を付ければ認められます。割賦で所有権がディーラーに残っている場合は、移転登録で運送事業者の名義にしたうえで、新規登録時と移転後の車検証の写しを両方付けます。リース会社の名義で登録された車は、あとで完済して自社所有になっても中古車の扱いで、申請できません。支払いの形は、発注の前に決めておきます。
廃車する車の走行距離に決まりはありますか?
あります。廃車日の6か月前の時点で車検が有効で、その有効期間内に一定の距離を走っている必要があります。目安は、1ナンバーと4ナンバーが3,000km以上、8ナンバーが5,000km以上です。満たさない場合は、車の使用状況を確認するため、機構に相談します。登録事項等証明書は申請日以前の約1か月以内に取ったものを付けます。現在記録と保存記録のセットです。
廃車と新車の登録は、どちらが先でもよいですか?
どちらが先でも構いません。どちらも2026年4月1日から2027年1月29日までの間に済ませる必要があります。申請日は、廃車日と新車の登録日のうち遅いほうの日以降になります。ディーラーの所有権留保を外すために移転登録をした場合は、その日と廃車日のうち遅いほうが、申請書の事業完了日です。日付を逆算できるよう、整備や納車の予定表に書いておきます。
相見積もりは必要ですか?
求められません。補助額は、実際に払った金額との競争ではなく、あらかじめ決められた基準額と実費のうち低いほうで決まるためです。実費が基準額を上回るのが普通なので、補助額は車の区分と廃車の有無、燃費基準の達成度でほぼ決まります。値引き交渉の自由度は、補助金の有無に関係なく残ります。見積書は、請求書とあわせて保管しておきます。
補助を受けたあとにやることはありますか?
あります。新車の登録月から年度末までは四半期ごと、翌年度は半期ごとに、月別の走行距離、燃料消費量、燃費のデータを機構に出します。年度が終わってから30日以内に事業報告書も出します。車体には補助事業であることを示すステッカーを貼ります。国の効果検証から調査の要請があれば、稼働状況などの情報を提供します。J-クレジットへの登録はできません。
予算が足りなくなったらどうなりますか?
予算の残りが2割程度になった日からは、申込順の審査をやめ、その日から2027年1月29日までの申請をまとめて審査します。予算を超えたときは、初めて申請する事業者や申請台数の少ない事業者を優先して抽選します。当選しても1台あたりの補助額は変わりません。申請の受付状況は機構のページで公表されているので、発注の前に見ておく手があります。
