在宅勤務やモバイル勤務を始めるために買うノートPCやタブレット、その設定の費用の1/2〜2/3(上限250万円)を、東京しごと財団が助成します。令和5年度の申請受付は、2024年2月29日で終わりました。
税込単価が10万円以上の機器は、助成の対象外です。高性能なパソコンを1台だけ買う計画は、この助成金に合いません。この記事では、令和5年度の募集要項にもとづいて、対象の条件、助成額の計算、申請の流れと書類を整理します。財団は令和6年度の新規受付を2025年2月28日に終え、令和7年度からは別名の「テレワークトータルサポート助成金」を実施しています。これから申請を考えるなら、令和8年度のテレワークトータルサポート助成金の記事が当てはまります。
テレワーク促進助成金(一般コース)の要点まとめ
正式名:テレワーク促進助成金【一般コース】(令和5年度)
だれが
- 申請者
- 都内の中堅・中小企業等(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 在宅勤務・モバイル勤務のテレワーク環境整備
- 対象地域
- 東京都
- 従業員数
- 常時雇用する労働者2人以上999人以下
いくら
- 補助上限額
- 最大250万円(2〜29人は150万円)
- 補助率
- 1/2〜2/3(30人以上は1/2、2〜29人は2/3)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2023年5月8日〜2024年2月29日
- 事業の完了
- 支給決定日から4か月以内(実績報告は5か月以内)
うちの会社は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 経営者だけがテレワークする
- ✕ 支給決定の前に発注済み
- ✕ 非正規社員拡充コースと併願
常時雇用する労働者とは、期間の定めなく雇われている人と、1年を超えて引き続き雇われている(見込みを含む)人です。登録型の派遣労働者は含みません。2人のうち1人は、申請日の時点で6か月以上続けて雇用していて、雇用保険に入っている必要があります。
会社は法人のほか、開業届を都内の税務署に出している個人事業主も対象です。常時雇用する労働者が10人以上なら、就業規則を労働基準監督署に届け出ている必要があります。経営者は、テレワークをする人に選べません。兼務役員は選べます。
このほか、賃金が最低賃金を上回っていること、過去5年に重大な法令違反がないこと、風俗営業などの事業でないことも要件です。
いくら助成される?
助成対象経費(税抜き)に助成率をかけた額です。1,000円未満は切り捨てます。上限と助成率は、常時雇用する労働者の数で変わります。
| 常時雇用する労働者 | 上限 | 助成率 |
|---|---|---|
| 30人以上999人以下 | 250万円 | 1/2 |
| 2人以上30人未満 | 150万円 | 2/3 |
- 従業員20人の会社が、5人分のノートPC(1台8万円)と設定費10万円:50万円 × 2/3 = 33万3,000円
- 従業員100人の会社が、タブレットとリース料で400万円:400万円 × 1/2 = 200万円
- 従業員100人の会社が、600万円の環境をそろえる:600万円 × 1/2 = 300万円 → 上限の250万円
30人未満は、経費が225万円以上で上限の150万円に届きます。30人以上は、経費が500万円以上で上限の250万円です。
テレワークの実績が6回に満たない人の分は、確定のときに減額されます。この助成金は、機器を買うだけでなく、使った実績が金額に響きます。
何に使える?
対象にならないもの
- 税込単価10万円以上の機器
- 通信費(Wi-Fiの月額、回線、プロバイダー、携帯の通話料)
- 中古品(アウトレットや整備済み品を含む)
- 工事の委託費、システムの開発・改修・構築
- 社内の通信環境や電話交換機などの整備
- 業務の効率化が目的のツール(RPAなど)
- 消費税、振込手数料、送料
- 実施する人の数を超えた分の購入や契約
対象になるもの
- パソコン、タブレット、スマートフォン、周辺機器(税込1,000円以上10万円未満)
- 税込10万円以上の業務ソフトウェアの購入(財務会計ソフト、CADソフトなど)
- 設置や設定の委託、保守の委託、導入時の研修(VPN環境の初期設定など)
- パソコンなどのリース料・レンタル料
- ソフトウェアの利用料(ライセンス使用料)
期間で料金が決まるものは、最長3か月分だけが対象です。1年のライセンスは3か月分に按分し、実績報告までに支払いを終えます。
申請の流れ
- 対象者を決めて計画を立てる(会社。テレワークをする人と買う機器を決め、導入前後のテレワーク環境構築図を作る)
- 見積書を取る(会社→業者。1社あたり税込50万円以上なら、同じ内容の相見積書を1社以上)
- Jグランツで申請する(会社→東京しごと財団。2024年2月29日の23時59分まで。郵送も可)
- 支給決定を待つ(財団→会社。支給決定とは、助成の上限額を示す通知)
- 支給決定日以後に発注し、4か月以内に整える(会社→業者。支給決定日より前の発注・契約・購入は対象外)
- 全員が6回以上テレワークする(会社。4か月の間に、環境を使って実施する)
- 5か月以内に実績報告を出す(会社→財団。支払いを終えてから)
- 確定通知のあとに請求する(会社→財団。請求の受付から支払いまで1か月程度)
Jグランツは、国(デジタル庁)が運営する補助金の電子申請システムです。使うには、国の電子申請に共通のID「gBizIDプライム」が要ります。発行に審査があり、時間がかかります。ID発行が間に合わなくても、申請期日は延びません。そのときは郵送で申請します。
必要な書類
準備できた 0 / 10
申請のときに出す書類は上のとおりです。雇用保険の通知書は2人分を出します。登記簿謄本は、履歴事項全部証明書で、発行から3か月以内のものです。納税証明書は、法人都民税と法人事業税の分です。個人事業主は、開業届、住民票記載事項証明書、個人の都税の納税証明書などが代わりに要ります。
実績報告のときには、テレワークの規程と、「テレワーク東京ルール」実践企業宣言書を加えます。宣言書は、都のこの制度に登録して、「テレワーク推進リーダー設置」の表示があるものです。登録に時間がかかることがあるため、早めに手続きをします。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 支給決定の前に発注した:支給決定日より前の申込、発注、契約、購入は、助成の対象外です。
- テレワークの実績が足りない:実施する人全員に6回以上のテレワークをさせる必要があります。足りない人の分の経費は、確定のときに減額されます。
- 実態のない申請をした:テレワーク環境の整備やテレワーク勤務の実態がなかったと判明すると、支給決定が取り消されます。違約加算金を付けた返還になり、刑事罰の対象になることもあります。
- 実績報告が期限に遅れた:支給決定日から5か月以内に出せないと、助成事業を中止したものとして扱われます。
- キャッシュバックなどで金額を偽った:協賛金などの名目で金員を受け取り、実質の助成額を偽る申請は虚偽の申請です。
併用できない助成金と代理申請
申請は1つの会社につき1回限りです。非正規社員拡充コースと一般コースは、両方に申請できません。どちらか一方を選びます。
財団が実施する前の年度のテレワーク促進助成金、テレワーク導入ハンズオン支援助成金などを受給した会社や、申請中の会社は申請できません。国や都の別の助成金を、同じ事由で受けている場合も併給できません。
見積業者が申請の手続きを代行することは認められていません。電子申請では、社会保険労務士や行政書士による代行もできません。代理人に頼むなら、郵送での申請になります。
よくある質問
令和5年度の受付はいつまででしたか?
2023年5月8日から2024年2月29日まででした。2024年1月22日に、受付期間が延長されています。郵送は締切日の消印まで、Jグランツは締切日の23時59分までが有効でした。予算の範囲を超える申請があった場合は、期間内でも受付を終える決まりでした。令和5年度の回は、すでに申請できません。申請は1つの会社につき1回限りでした。
従業員が1人しかいない会社は申請できますか?
申請できません。都内に勤務する常時雇用の労働者が2人以上必要です。そのうち1人は、申請日の時点で6か月以上続けて雇っていて、雇用保険に入っている必要があります。個人事業主は対象ですが、都内の税務署に開業届を出していることが条件です。経営者本人は労働者に数えません。雇用保険の通知書が1人分しかないときは、もう1人分の労働契約書か労働条件通知書を添えます。
経営者もテレワークをする人に入れられますか?
入れられません。経営者は労働者に含まれないため、テレワークをする人に選べません。ただし兼務役員は選べます。テレワークをする人は、申請日の時点で都内の事業所に所属している常時雇用の労働者から選びます。全員が6回以上のテレワークをする必要があるので、無理のない人数にしぼって選びます。助成対象経費は、テレワークをする人に係る経費に限られます。
税込10万円以上のパソコンは対象になりますか?
対象になりません。機器などの物品購入は、税込単価が1,000円以上10万円未満のものに限ります。10万円以上の機器は、買う前に別の機種を探します。財務会計ソフトやCADソフトのように、税込10万円以上の業務ソフトウェアは、購入費として対象になります。パソコンの価格には、このルールが当てはまります。
Wi-Fiやインターネット回線の費用は補助されますか?
補助されません。携帯電話の通話料、Wi-Fiの月額、インターネット回線やプロバイダーの料金は、通信費として対象外です。ルーターなどの機器の購入、VPN環境の設定の委託、保守の委託は、条件を満たせば対象になります。毎月かかる通信費は、助成金に頼らず会社の予算で見込んでおきます。契約書や請求書で、機器代と通信費を分けておくと、審査で説明しやすくなります。
テレワーク勤務の「6回」はどう数えますか?
半日や時間単位のテレワークも、1回として数えます。1日に何度テレワークをしても、その日は1回です。この回数を、支給決定日から4か月の間に、整備した環境を使って、実施する人全員がこなします。6回に届かない人の分の経費は、助成額の確定のときに減額されます。勤務実績が確認できないと、助成の対象外になります。
「テレワーク東京ルール」の宣言はいつまでに必要ですか?
実績報告を出すときまでです。令和5年度の募集要項では、宣言書を実績報告書類と一緒に出します。宣言書は、「テレワーク推進リーダー設置」の表示があるものです。登録に時間がかかることがあるため、申請のあと、機器を整える間に手続きを進めておきます。申請の時点では、登録は要件ではありません。
支給決定の前に買ったパソコンは対象になりますか?
対象になりません。支給決定日より前に、申込、発注、契約、購入をしたものは、助成の対象外です。見積書を取るのは申請の前でかまいませんが、発注するのは支給決定を受けてからです。支給決定日から4か月以内に、機器の購入と設定、テレワークの実施まで終わらせます。対象になるのは、実績報告までに会社の名義で支払いを終えた経費だけです。
見積書は何社から取ればよいですか?
1社あたりの契約金額が税込50万円以上なら、同じ内容の見積書を少なくとも1社以上、相見積書として出します。原則として、総額が安い見積書を採用して計画を立てます。採用する見積書には「採用」、相見積書には「相見積書」と書きます。ネットショップの価格ページの写しは、見積書として認められません。
社会保険労務士に申請を頼めますか?
Jグランツの電子申請は、社会保険労務士や行政書士による代行ができません。頼むなら、郵送での申請になり、委任状を出します。見積業者が手続きを代行することは、どの方法でも認められていません。受給後に違反がわかると、支給決定が取り消され、違約加算金を付けて返還することになります。
1年契約のソフトウェアも対象になりますか?
対象ですが、助成されるのは最長3か月分です。1年のライセンス契約や、3年1台版のソフトは、申請の期間の分だけに按分した経費で申請します。実績報告までに会社の名義で支払いを終えていない経費は、対象になりません。リースやレンタルの料金も、同じ考え方で期間を見ます。
就業規則やテレワーク規程は必要ですか?
テレワーク規程は、実績報告の時点までに作ります。常時雇用する労働者が10人以上の会社は、就業規則にテレワークのことを定め、労働基準監督署の届出印があるものを出します。10人以上の会社は、申請のときにも、届出印のある就業規則の本則が要ります。10人未満なら、届出の義務はありません。
令和5年度のあとも、同じ助成金はありますか?
テレワーク促進助成金の令和6年度分は、2024年5月8日から2025年2月28日の受付で、新規の申請は終わっています。財団は令和7年度から、東京都のテレワーク相談窓口やコンサルティングを使った会社向けに、「テレワークトータルサポート助成金」を実施しています。令和8年度分の申請期間は2026年5月29日から2027年2月5日までです。申請の前に相談窓口の利用が必要で、窓口の申込期限は2026年11月30日の17時です。決まりが令和5年度と変わっているため、新しい募集要項で確かめます。
問い合わせ先はどこですか?
東京しごと財団 企業支援部 雇用環境整備課 テレワーク支援係です。電話は03-5211-5200で、受付は平日の9時から17時です。12時から13時、土日・祝日、年末年始は除きます。審査の経過や結果についての問い合わせには、応じてもらえません。要件や書類で迷う点は、申請の前に確かめます。
