展示会への出展申込を、もう済ませてしまった。それでもこの助成は使えるのか。使える場合があります。出展申込は交付決定より前でも構いませんが、請求書の発行日・出展料の支払日・展示会の開催日の3つは、すべて助成期間内(交付決定日以降)に入っている必要があります。
対象は展示会の出展費と規格・認証の取得費で、助成率は2/3以内、上限は150万円です。個社同士の商談や普段の営業活動、汎用的な認証は対象になりません。
販路開拓・認証取得助成事業の要点まとめ
正式名:とちぎ未来チャレンジファンド活用助成事業(販路開拓・認証取得助成事業)
だれが
- 申請者
- 県内の中小企業者、またはそのグループ
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 展示会出展と認証取得による販路開拓
- 対象地域
- 栃木県内に主たる事務所等があること
- 従業員数
- 業種ごとの資本金・従業員数の基準を満たす中小企業者
いくら
- 補助上限額
- 150万円
- 補助率
- 2/3
いつ・どこへ
- 申請受付
- 令和8年度の2回の公募は終了、次回は未掲載
- 事業の完了
- 交付決定日から最長1年
とちぎ未来チャレンジファンド活用助成事業には、創業支援、スタートアップ支援、技術高度化・製品開発等、生産性向上の4つの別の助成事業もあります。この記事は販路開拓・認証取得助成事業だけを扱います。令和8年度の公募は、第1次(4月20日〜5月29日)と第2次(8月17日〜9月30日)のどちらも終了しました。次の公募の日程は、公式ページに載っていません。
うちの会社は対象になる?
次の3つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 3
中小企業者は、業種ごとに資本金と従業員数の基準が決まっています。製造業などは資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下です。どちらか一方を満たせば該当します。ソフトウェア業・情報処理サービス業、旅館業、一部のゴム製品製造業は別の基準です。
大企業が株式の2分の1以上を持つ会社や、3分の2以上を持つ会社、役員の2分の1以上が大企業の役員・職員を兼ねる会社は「みなし大企業」として除かれます。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 個社同士の商談や営業活動だけ
- ✕ 国や県の共同出展で出展費の助成を受ける
- ✕ ISO9000など汎用の認証を取る
- ✕ 前の年度に助成を受けた
最後の項目は、助成が1社につき2か年度に1回までと決まっているためです。受けた翌年度は申請できないと読めます。数え方に迷うときは、申請の前に戦略産業振興チームへ確かめてください。国や県以外の機関が、国や県から受けた補助金で行う共同出展も同じ扱いです。
いくらもらえる?
いくらもらえるか計算する
補助率 2/3 / 上限 150万円
助成率は経費の2/3以内で、消費税は含みません。上限の150万円に届くのは、対象経費が税抜で225万円以上のときです。
- 展示会に出る:出展料・装飾・出張費で60万円 × 2/3 = 40万円
- 認証を取る:登録料・審査料などで90万円 × 2/3 = 60万円
- 展示会と認証を両方行う:計300万円 × 2/3 = 200万円 → 上限の150万円
助成は事業が終わってからの精算払です。経費はいったん自社で立て替えます。
何に使える?
対象にならないもの
- 消費税と地方消費税
- 交付決定日より前に発注・契約した経費
- 販売する可能性のある見本品・展示品の製作
- 日当、食事代、レンタカー代、ガソリン代、駐車場代
- 経営全般を含めた顧問契約
- 助成期間内に取得できなかった認証の経費
- 翻訳に係る経費(証憑書類は日本語で確認できるものに限る)
対象になるもの
- 出展費(出展料、主催者が出すパッケージ装飾・レンタル備品・電気・水道、役職員の出張費)
- 認証取得費(申請料、事前調整料、審査料、初回登録料)
- 専門調査診断費(販路開拓や市場調査、認証取得の助言・指導の費用)
- 外注費(展示物の加工、パンフレットの印刷製本)
- 委託費(会場設営・装飾などの委任型の業務)
対象になる認証は、自動車産業のIATF16949、航空宇宙産業のJIS Q 9100やNadcap、医療福祉機器産業のJIS Q 13485、食品関連産業のISO22000・HACCP・JFS規格、環境負荷低減のSBTなどです。ISO9000やISO14000のような汎用の認証は対象外です。
出張の宿泊料には上限があります。参考資料では、国内出張は片道50km以上のとき1泊17,000円、海外出張は1泊25,000円(どちらも税抜)が上限です。展示会が無料でも、会場設営や広告宣伝は、交付決定日以降に発注するものなら対象にできます。
申請の流れ
事前申請の制度です。計画を出して採択され、交付決定を受けてから発注します。
- 公募の開始を確かめ、担当に連絡する(事業者→産業振興センター 戦略産業振興チーム。持参も郵送も事前チェックが前提)
- 事業計画書と添付書類を出す(事業者→産業振興センター。募集期間内の必着。事業名には出展する展示会名を入れる)
- 審査を受ける(審査委員会がプレゼンを求めることがある。採否は文書で通知)
- 交付申請書を出して、交付決定を受ける(事業者→産業振興センター。交付決定とは、助成金の額が正式に決まること)
- 交付決定のあとに発注・契約して実施する(事業者。50万円(税抜)以上は2者以上の相見積もり)
- 実績報告を出して、額が確定したら受け取る(事業者→産業振興センター。精算払)
令和8年度の第2次公募では、採否の決定が11月中旬ごろ、交付決定が12月上旬の予定でした。次の公募の日程は、公式ページで確かめてください。
必要な書類
準備できた 0 / 10
定款と登記事項証明書は法人とLLPの書類で、登記事項証明書は直近3か月以内に発行されたものです。個人は住民票か運転免許証の写しを出します。開業届を出している個人は、その写しも付けます。グループは規約と組織図、構成員ごとの書類を出します。
認証を取る場合は、認証規格と審査機関の資料を付けます。出展する場合は展示会の募集要綱を付け、まだ発表されていなければ前年度のものにします。事前に出展を申し込んでいれば、申込書の写しも出します。創業予定か創業から1年以内の場合は、今期の予算書と決算見込も必要です。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注・契約した:出展申込だけは例外です。それ以外の発注や契約は、交付決定日より前だと対象外になります。
- 認証が助成期間内に取れなかった:認証の取得は期間内に終えるのが条件です。取れないと原則として助成されません。
- 証拠書類が足りない:専門家の助言は議事録や報告書、委託は契約書や成果物がないと対象外です。
- 配布物が余った:パンフレットなどの配布物は、受払簿で管理します。事業終了時の残りは対象になりません。
- 虚偽の申請や重複受給があった:採択後でも交付決定の取り消しや返還を求められます。
助成が決まったあとの義務
助成を受けたあとも報告が続きます。実績報告は、事業が終わった日から30日を経過した日と、助成期間の終了日から10日を経過した日のうち、早い方までに出します。助成後5年間は、事業年度が終わるごとに20日以内に事業化の状況も報告します。帳簿と証拠書類は5年間保存してください。
交付決定した事業は、事業者名や事業テーマなどが公表されます。
よくある質問
海外の展示会でも対象になりますか?
国内か海外かの区分は、公式ページにも公募要領にも書かれていません。ただし参考資料に、海外出張の宿泊料(1泊25,000円が上限)や海外の航空賃の見積もりの出し方が定められています。海外の展示会も想定されているとみられます。証憑書類は日本語で確認できるものに限られ、翻訳に係る経費は対象外です。個別の展示会が対象になるかは、産業振興センターの戦略産業振興チーム(028-670-2601)で確かめてください。
ISO9001の取得費用は助成されますか?
対象外です。ISO9000やISO14000のような汎用的な認証は助成されません。対象になるのは、自動車産業のIATF16949、航空宇宙産業のJIS Q 9100、医療福祉機器産業のJIS Q 13485、食品関連産業のISO22000・HACCP・JFS、環境負荷低減のSBTなどです。事業期間内に取得できない場合も、原則対象外です。
出展申込を先にしてしまいました。対象になりますか?
条件を満たせば対象です。交付決定日より前に出展を申し込んだ展示会は、請求書の発行日、出展料の支払日、展示会の開催日がすべて助成期間内なら、出展料も助成されます。開催日が交付決定日より前の展示会は、対象になりません。それ以外の経費は、交付決定日以降に発注・契約したものだけが対象です。
去年も助成を受けました。今年も申請できますか?
申請できません。助成は1社につき2か年度に1回までです。助成を受けた年度の翌年度は、販路開拓・認証取得助成事業に申請できないことになります。技術高度化や生産性向上など、別の助成事業の扱いは、この記事で確認できませんでした。両方を考えているときは、戦略産業振興チームに事前に相談してください。
国や県の共同出展に参加する場合も助成されますか?
国や県が出展費の一部を負担する共同出展は、助成の対象外です。国や県以外の機関が、国や県から受けた補助金で実施する場合も同じです。展示会の主催者が補助を受けているかどうかは、募集要項を見ても分からないことがあります。出展を申し込む前に、主催者へ確認しておくと安心です。
展示会の出展料が無料でも申請できますか?
申請できます。出展料が無料、または助成の対象にならない場合でも、会場設営や広告宣伝などの経費は助成の対象にできます。ただし交付決定日以降に発注・契約するものに限ります。出張費や展示物の外注費なども、同じ条件で計上できます。経費の見積書を、事業計画書と一緒に出します。
大企業の子会社は申請できますか?
みなし大企業にあたる場合は、申請できません。大企業が発行株式の2分の1以上を持つ会社、3分の2以上を持つ会社、役員の2分の1以上が大企業の役員・職員を兼ねている会社が該当します。ただし中小企業投資育成株式会社と、投資事業有限責任組合は、大企業から除かれています。
グループで申請することはできますか?
できます。中小企業者2社以上で組むグループで、運営規約や事務処理体制から、センターの理事長が事業の実施主体として適当と認めたものが対象です。応募のときは、グループの規約、組織図、各構成員の確認書類を出します。グループを組むときは、事前に戦略産業振興チームへ相談してください。
他の補助金と併用できますか?
今回の事業計画で、ほかの補助金や助成金をすでに受けている、またはこれから申請する予定があるときは、応募の前に相談するよう公募要領が求めています。内容によっては助成が認められないことがあります。事業計画書にも、他の補助事業の名称と申請の時期を書く欄があります。国や県の共同出展で出展費の助成を受ける事業が対象外である点も、あわせて確かめてください。
審査で有利になる点はありますか?
加点の対象が4つあります。未来技術(IoT、ビッグデータ、AI、ロボットなど)に関わる計画、海外展開に関わる計画、とちぎSDGs推進企業登録制度の登録事業者、とちぎ産業振興協議会・とちぎ未来技術フォーラム・フードバレーとちぎ推進協議会の会員に関わる計画です。内容に応じて加点されます。
次の公募はいつですか?
公式ページには載っていません。令和8年度は第1次が4月20日〜5月29日、第2次が8月17日〜9月30日でした。次の日程や、条件が変わるかどうかは、センターの助成金情報ページで案内されるまで分かりません。事業計画づくりを先に進めたい場合は、戦略産業振興チームに問い合わせると、今後の見込みを聞けます。
助成金はいつ受け取れますか?
事業の完了後です。精算払で、事業が終わってから実績を確認し、交付すべき額を確定してから支払われます。それまでの出展費や認証の費用は、いったん自社で払います。振込日の目安は、公式ページと公募要領に載っていません。資金繰りの計画に入れるときは、センターへ確認してください。
申請前に相談できますか?
できます。むしろ公募要領は、持参でも郵送でも、事前に担当へ連絡して事前チェックを受けるよう求めています。書類に不備や不足があると、受理されません。窓口は、公益財団法人栃木県産業振興センター 産業振興部 戦略産業振興チームで、電話番号は028-670-2601です。
