機械やクラウドサービスを入れる費用の2/3(上限300万円)が助成されます。ただし令和8年度の公募は、第1次・第2次とも終了しました。次の公募の案内は公式ページにありません。募集が出る前に、何が対象で何が対象外かを押さえておきましょう。古い機械やソフトを入れ替えるだけで、生産性が上がると認められない事業は対象外になります。
生産性向上助成事業の要点まとめ
正式名:とちぎ未来チャレンジファンド活用助成事業(生産性向上助成事業)
だれが
- 申請者
- 事業者(県内に主たる事務所等がある中小企業者、またはそのグループ)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 機械装置・クラウドサービスなどによる生産性向上
- 対象地域
- 栃木県内に主たる事務所等があること
- 従業員数
- 業種別の基準あり(製造業等は300人以下、小売業は50人以下など)
いくら
- 補助上限額
- 300万円以内
- 補助率
- 2/3以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 第2次は2026年8月17日〜9月30日で終了(第1次は4月20日〜5月29日)
- 事業の完了
- 交付決定日から最長1年
うちの会社は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 機械やソフトの入替・更新だけの事業
- ✕ 実質的に労働を伴わない資産運用的な事業
- ✕ 県外の事務所等で行う事業
資産運用的な事業の例として、公式ページは、無人駐車場(コインパーキング等)の運営で機械装置を買うだけの事業を挙げています。
「入替・更新だけ」が外れるのは、この助成が会社の稼ぐ力を高める投資のためのものだからです。同じ機械でも、処理が速くなる、人手が減るといった効果を事業計画で示せれば、更新だけの事業とは言えなくなります。
中小企業者とは、県内に本社か事業所がある会社と個人事業主のうち、資本金か従業員数のどちらか一方が基準以内の事業者です。公募要領では、製造業・建設業・運輸業などは資本金3億円以下か従業員300人以下、卸売業は1億円以下か100人以下、サービス業は5,000万円以下か100人以下、小売業は5,000万円以下か50人以下とされています。ソフトウェア業や旅館業などは別の基準です。大企業に株式の2分の1以上を持たれているなど、みなし大企業に当たる会社は除かれます。
訴訟や法令順守上の問題を抱えている人、反社会的勢力と関係のある人、風俗営業等の事業は応募できません。
公式ページには「公募開始日時点で本助成事業により生産性の向上を目指す事業を行っていない案件」も対象外と書かれています。この文の意味は、ページだけでは読み切れません。公募が出たときに、公募要領か戦略産業振興チームで確かめるのが確実です。
いくら助成される?
助成率は2/3以内、上限は300万円以内です。上限の300万円に届くのは、対象経費が450万円以上のときです。
- クラウドの生産管理システムの利用料とセットアップで90万円:90万円 × 2/3 = 60万円
- 機械装置の購入と据え付けで300万円:300万円 × 2/3 = 200万円
- 機械装置とシステムの導入で600万円:600万円 × 2/3 = 400万円 → 上限の300万円
「以内」なので、審査の結果で計算どおりの額にならないことがあります。
何に使える?
対象外のものが多いので、先に外れるものを見ます。
対象にならないもの
- 消費税と地方消費税
- 中古品
- 汎用性があり、目的外にも使えるもの(助成事業のみに使うことが明らかなものは除く)
- 機械装置の設置場所の整備工事、基礎工事、電気工事
- 機械装置・ソフトウェアの改良・修繕
- パソコン・タブレット・スマートフォンの本体
- 自社の他事業と共有するクラウドサービス
- 工場建屋・簡易建物、太陽光などの発電設備、各種保険料
- 文書ソフト、グループウェア、WEB会議システム、セキュリティソフトなどの汎用ソフト
- ホームページ、ECサイト、電子広告の経費
- ルータ使用料、プロバイダ契約料、通信料
- 学会への出席や、他事業所の視察のための旅費
- 交付決定日以前に発注・契約したもの
対象になるもの
- 物品費:機械装置・工具器具の購入、借用、据え付け、購入時の運搬料(県内の事務所等に置くもの)
- システム関連経費:ソフトウェア、利用ライセンス、専用システムの購入・借用、クラウドサービスの利用料
- システムの導入時のセットアップ、操作説明、導入後の保守・運用サポート(助成期間内の分)
- 技術導入費:専門家や専門機関から技術指導を受ける謝金・旅費・委託料(専門家が事業所を訪問する旅費に限る)
ライセンス数やユーザー数で契約するときは、県内の事務所等で使う分だけが対象です。専門家個人と契約する謝金は、士業や大学の博士・教授などで1日5万円が上限の目安とされ、助言内容が分かる議事録がないと対象外になります。
交付決定日より前に発注や契約をしたものは対象外です。発注や契約は、公募が出て交付決定を受けたあとにします。
申請の流れ
公式の個別ページに、手順の全体は載っていません。令和8年度の第2次公募要領の記載をまとめます。次回の公募では変わることがあります。
- 応募分野の窓口に電話で連絡する(事業者→戦略産業振興チーム。持参も郵送も、担当者の事前チェックを受けてから)
- 事業計画書と添付書類を出す(事業者→戦略産業振興チーム。持参か郵送。応募期間の午後5時必着)
- 審査を受ける(産業振興センター。外部有識者の審査委員会。第2次の採否は11月中旬の見込み)
- 採択されたら、助成金交付申請書を出す(事業者→センター。第2次の交付決定は12月上旬の予定)
- 交付決定のあとに事業を始める(事業者。助成期間は決定日から最長1年)
- 実績報告書を出す(事業者→センター。事業完了から30日後か、助成期間の終了から10日後の早い方まで)
- 額が確定したあとに助成金を受け取る(センター→事業者。事業完了の確認後の精算払い)
提出書類に不備や不足があると、受理されません。応募を考えるなら、公募要領を見て早めに相談するよう、第2次の公募ページに書かれています。取得価格が50万円(税抜)以上のものは、原則として2者以上から同じ条件の見積りを取ります。
必要な書類
準備できた 0 / 9
定款または契約書の写しと登記事項証明書は法人とLLPが出し、登記事項証明書は直近3か月以内に発行されたものです。個人は住民票か運転免許証の写しを出し、開業届を出している人は、その写しも添えます。創業予定か創業後1年以内の人は、決算報告書の代わりに今期の予算書と決算見込を出します。機械やシステムの仕様資料は、カタログなどで仕様が分かるものです。
事業計画書はA4の片面で出します。様式2は10.5ポイントの文字で最大10枚です。提出した書類は返却されません。記入要領と記載例は公募ページにあります。次回の様式は、その公募ページで確かめてください。
審査で見られるのはどこ?
採択基準は3つです。事業計画書には、使う設備、現状と課題、取組による生産量や労働時間などの数値の変化を書きます。あわせて、事業実施後3年程度の売上高・営業利益・人件費・付加価値額などの見込みを表にして、算定の根拠も書きます。
- 中長期的に企業の競争力強化につながる、高い生産性を実現するものか
- 計画的で、実現性が高いか
- 実施する会社の、助成事業の実施体制と管理体制が十分か
次のいずれかに関わる事業計画は、審査で加点されます。
- 未来技術(IoT、ビッグデータ、AI、ロボット等)
- 海外展開
- とちぎSDGs推進企業登録制度の登録事業者
- とちぎ産業振興協議会、とちぎ未来技術フォーラム、フードバレーとちぎ推進協議会の会員
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定より前に発注・契約した:決定日以前の発注や契約は、対象外です。
- 入替・更新だけの事業だった:生産性の向上が認められなければ、助成の対象になりません。
- 県外で実施する事業だった:助成の対象になる事業は、県内の事務所等で行うものです。
- 汎用品を買った:パソコンのように目的外にも使えるものは、購入も借用も対象外です。
- 助成期間の外で払った経費:クラウド利用料や保守費は、助成期間内の分だけが対象です。
- クラウドを他の事業と共有した:専ら本事業のために使うものだけが対象です。
同じファンドの別の助成事業との違いは?
とちぎ未来チャレンジファンド活用助成事業には、生産性向上のほかに、創業支援、スタートアップ支援、技術高度化・製品開発等、販路開拓・認証取得の助成事業があります。この記事は生産性向上助成事業だけを扱います。
技術高度化・製品開発等は新しい技術や製品を作る経費、販路開拓・認証取得は展示会の出展や認証の取得の経費です。機械装置やクラウドを入れて今の事業の生産性を上げる計画は、この記事の助成事業に当たります。第2次公募ページの上限は、技術高度化・製品開発等が500万円、販路開拓・認証取得が150万円です。
よくある質問
令和8年度の公募は終わっていますか?
終わっています。産業振興センターのページでは、令和8年度の第1次(2026年4月20日〜5月29日)と第2次(2026年8月17日〜9月30日)の両方が「募集終了」と表示されています。次の公募の日程は、公式ページに載っていません。募集が始まったかどうかは、センターの助成金情報のページか、戦略産業振興チーム(電話 028-670-2601)で確かめてください。
上限額と助成率はいくらですか?
上限は300万円以内、助成率は2/3以内です。対象経費が450万円なら、2/3の300万円が助成されます。対象経費が300万円なら200万円です。「以内」とあるため、審査の結果で、この計算どおりの額にならない場合があります。消費税と地方消費税は助成の対象外なので、見積は税抜きの金額で考えます。
古い機械を新しい機械に入れ替えるだけでも対象ですか?
「単なる機械装置やソフトウェア等の入替や更新で生産性の向上が認められない事業」は対象外です。入れ替えた結果、処理能力が上がる、人手が減る、といった生産性の向上が計画で示せるかが分かれ目です。更新に当たるかの判断は、事業の中身によって変わるため、公式ページに基準は書かれていません。公募のときに戦略産業振興チームへ相談してください。
パソコンやプリンターは対象になりますか?
原則として対象になりません。汎用性があり、目的外にも使えるものは、購入も借用も対象外だからです。公式ページは「助成事業のみに使うことが明らかなものは除く」としています。ただし参考資料は、クラウドの利用に付帯する場合でも、パソコン・タブレット端末・スマートフォンの本体費用は対象外と明記しています。文書ソフトやグループウェア、セキュリティソフトなどの汎用的なソフトも対象外です。迷う端末は、応募前に戦略産業振興チームへ確かめてください。
クラウドサービスの利用料は助成されますか?
されます。クラウドサーバー上のサービスを使うサブスクリプション費用や、サーバー領域の借用費用は対象です。導入時のセットアップ、操作説明、導入後の保守・運用サポートの費用も対象です。ただし、すべて助成期間内の経費に限ります。ホームページ、ECサイト、電子広告の経費と、ルータ・プロバイダ・通信料は対象外です。
中古の機械は対象になりますか?
中古品は対象外です。購入でも借用でも変わりません。新品を買う場合も、機械装置は県内の事務所等に設置するものに限ります。設置場所の整備工事、基礎工事、電気工事も対象にならないため、見積を取るときは機械本体の費用と、これらの工事費を分けておくと、対象の範囲が判断しやすくなります。
発注はいつからできますか?
交付決定日以前に発注や契約をしたものは、助成の対象外です。発注や契約は、交付決定のあとにします。助成の期間は、交付決定日から最長1年です。クラウドの利用料や保守費は助成期間内の分だけが対象なので、交付決定後の契約開始日と、利用期間をあらかじめ合わせておくと安心です。
コンサルタントや専門家への費用は対象ですか?
専門家や専門機関から技術指導を受けるための経費は、技術導入費として対象です。対象になるのは、専門知識を持つ専門家への謝金と旅費、専門機関への委託料です。旅費は原則として、事業所を訪問する経費だけが対象で、学会への出席や他事業所の視察のための旅費は対象外です。
審査で加点されるのはどんな事業計画ですか?
IoT・ビッグデータ・AI・ロボットなどの未来技術、海外展開、とちぎSDGs推進企業登録制度の登録事業者に関わる計画が、内容に応じて加点されます。とちぎ産業振興協議会、とちぎ未来技術フォーラム、フードバレーとちぎ推進協議会の会員に関わる計画も同じです。加点は審査の一部で、採択を約束するものではありません。
申請の問い合わせ先はどこですか?
公益財団法人栃木県産業振興センターの産業振興部 戦略産業振興チームです。電話は028-670-2601、ファックスは028-670-2611です。メールアドレスは公式ページの表記どおり、[@]を外して送ります。対象になるか迷う経費や、更新に当たるかの判断は、応募前に相談してください。
同じ会社が他の助成事業と一緒に応募できますか?
公募要領に、今回応募する事業計画で複数の補助金等を受けている、または受ける予定のときは、応募前に相談するよう書かれています。内容によっては助成が認められないことがあります。事業計画書にも、他の補助事業への申請や交付決定の有無と時期を書く欄があります。別の補助金を考えているときは、戦略産業振興チームに早めに伝えてください。
