奨学金を返している若手社員に会社が返還の手当を出すと、市は何を補助してくれるのか。栃木市は、会社が支給した額(貸与機関へ代わりに返した場合は送金した額)の1/2を、1社あたり年30万円まで補助します。ただし令和8年度の交付申請は2026年8月31日で締め切られており、受付は終わっています。
外れやすいのは、会社の規程に関する条件です。支援の実施を就業規則や賃金規則等に定めていない会社は、口頭で約束していても対象になりません。令和9年度以降に同じ制度が実施されるかは、公式ページに記載がありませんでした。次の募集を待つ会社は、栃木市の商工振興課に確かめるのが確実です。
栃木市 中小企業者等奨学金返還支援事業費補助金の要点まとめ
正式名:栃木市中小企業者等奨学金返還支援事業費補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 従業員の奨学金返還支援(人材の確保・定着)
- 対象地域
- 栃木県栃木市
- 従業員数
- 規定なし(中小企業者等であること)
いくら
- 補助上限額
- 1社あたり年30万円(従業員1人あたり年10万円)
- 補助率
- 支給した奨学金返還支援額の1/2(1,000円未満切り捨て)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年8月31日まで(受付終了)
- 事業の完了
- 2027年3月31日(実績報告の期限)
うちの会社と従業員は対象になる?
会社と従業員の両方が条件を満たす必要があります。次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 7
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 口頭の約束だけで規程がない
- ✕ 申請年度末に36歳になる従業員
- ✕ 期間の定めのある契約の従業員
- ✕ 他の自治体の同種の補助を受けた人
「中小企業者等」には、中小企業基本法の中小企業者のほか、社会福祉法人・医療法人・学校法人・特定非営利活動法人が入ります。中小企業者は業種ごとに資本金と従業員数の上限があり、どちらか一方が基準以下なら該当します。製造業・建設業・運輸業などは資本金3億円以下か300人以下、卸売業は1億円以下か100人以下、サービス業は5,000万円以下か100人以下、小売業は5,000万円以下か50人以下です。
従業員は、市の案内ページで「期間の定めのない労働契約により雇用される者」と定義されています。契約に期間の定めがある人は、この定義に当たりません。
対象の奨学金は、日本学生支援機構の奨学金と、地方公共団体・大学・民間企業等が貸与する奨学金です。
このほか、会社の役員等が暴力団員や、暴力団と密接な関係にある者でないことも要件です。交付申請書には、市が市税の納付状況を確認することと、栃木県のとちぎ奨学金返還企業応援事業助成金の審査のために申請情報を県へ提供することに同意する文言が入っています。
いくら戻ってくる?
補助額は、会社が従業員に支給した手当等の1/2で、1,000円未満は切り捨てです。上限は、1会計年度につき従業員1人あたり10万円、1社あたり30万円です。人数の制限はありません。
- 3人に年12万円ずつ支援する:12万円 × 1/2 = 6万円 × 3人 = 18万円
- 1人に年24万円支援する:24万円 × 1/2 = 12万円 → 1人の上限で10万円
- 4人に年24万・15万・15万・10万円を支援する:10万円(上限)+ 7.5万円 + 7.5万円 + 5万円 = 30万円
- 6人に年12万円ずつ支援する:6万円 × 6人 = 36万円 → 1社の上限で30万円
1社の上限30万円を超えた分は補助されません。年11万9,000円の支援なら、1/2は5万9,500円で、切り捨て後の補助は5万9,000円です。
何に使える?
補助額の計算に入らないものを先に見ておきます。
対象にならないもの
- 市・国・他の自治体の補助金や給付金の対象になった経費
- 最初に支援した月から60か月を過ぎたあとの支援
- 1人10万円・1社30万円の上限を超える分
対象になるもの
- 従業員に手当として支給した、奨学金返還支援の額
- 奨学金の貸与機関へ、従業員に代わって返した送金額(代理返還)
支援の頻度や金額に決まりはありません。毎月、賞与のときに年2回、年1回のどれでも構いません。手当と代理返還のどちらか、または両方を選べます。
最長5年(60か月)は、自動で続くのか
続きません。補助の期間は、従業員1人につき最初に支援した月から60か月までです。奨学金の返還が先に終わったときは、終わった月までになります。
ただし補助は1年ごとの事業で、続けるには毎年度、交付申請が要ります。申請のたびに年齢を確かめるため、年度末に36歳になる従業員への支援は、その年度から対象外です。年度末に33歳の従業員なら、年度末の年齢が35歳以下に収まる3年度分が目安になります。
60か月あっても、35歳の年度末を過ぎた従業員は、その年度から補助が出ません。
申請の流れ
令和8年度の手順です。
- 市に事前相談する(事業者→栃木市 商工振興課 中小企業支援係。初めて申請する会社は必ず)
- 規程を整える(事業者。就業規則や賃金規則等に、奨学金返還支援の実施を定める)
- 交付申請を出す(事業者→商工振興課。対象の従業員全員分をまとめて。8月31日まで。メールでは出せない)
- 交付決定を受ける(栃木市→事業者。決定通知書が届く)
- 手当を支給する(事業者。退職・追加・額の変更があれば変更申請)
- 実績報告と請求を出す(事業者→商工振興課。最後の手当の支給後、2027年3月31日まで)
交付決定の前に支給した手当が対象になるかは、公式ページに記載がありませんでした。支給の時期に迷う会社は、申請前に商工振興課へ確認するのが確実です。
必要な書類
準備できた 0 / 7
中小企業者の証明は、法人税の確定申告書(別表1)が基本で、足りなければ法人事業概況説明書を添えます。NPO法人は登記簿謄本(履歴事項全部証明書)、学校法人は設立認可証の写しです。社会福祉法人と医療法人は、登記簿謄本か設立認可証の写しのどちらかを出します。住民票の写しは、コピー機で複写したものではなく、住民基本台帳から直接印字した書面です。奨学金の返還額は、返還計画書や返還証明書、スカラネット・パーソナル画面の写し等で示します。事業計画書(様式第2号)には、従業員ごとに住所・生年月日・初回支援年月・年間の返還予定額と支援予定額を書きます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 規程に定めていない:就業規則や賃金規則等に支援の実施がなければ対象外です。口頭の約束は認められません。
- 年度末に36歳になる:申請する年度の末日で年齢を判定します。年度の途中で誕生日を迎えても、この判定は変わりません。
- 他の補助と重なる:従業員が国や他の自治体から同種の補助を受けていると対象外です。重なった経費は、補助額の計算からも除かれます。
- 変更申請を出していない:従業員の退職や追加、手当の額の変更があったら変更申請が要ります。
- 予算の上限に達した:受付期間内でも、予算の上限に達すると受付は終わります。増額の変更ができないこともあります。
よくある質問
令和8年度分の交付申請は終わっていますか?
終わっています。令和8年度の交付申請は2026年8月31日までで、予算の上限に達した場合は期間内でも終わる、と市の案内ページに書かれています。令和9年度以降に同じ制度が実施されるかは、公式ページに記載がありませんでした。次の募集を待つ会社は、商工振興課 中小企業支援係(電話0282-21-2759)に確かめてください。その間に、就業規則や賃金規則への明記を済ませておくと準備が進みます。
補助額はいくらになりますか?
会社が従業員に支給した手当等の額(貸与機関へ代理返還した場合は送金額)の1/2で、1,000円未満は切り捨てです。上限は1会計年度につき従業員1人あたり10万円、1社あたり30万円です。たとえば3人に年12万円ずつ支援すれば、1人6万円で合計18万円になります。人数の制限はありませんが、1社の上限30万円を超えた分は補助されません。
35歳の従業員も申請できますか?
申請する年度の末日(3月31日)に35歳以下であれば対象です。令和8年7月に申請するなら、令和9年3月31日の時点で35歳以下の人が対象になります。年度の途中で誕生日を迎えても、判定は年度末の年齢で行います。年度末までに36歳になる従業員への支援は、その年度は補助の対象外です。年齢は、毎年度の申請のたびに確認されます。
5年間ずっと補助されますか?
自動では続きません。60か月は補助の期間の上限で、補助は1年ごとの事業です。続けるには毎年度、交付申請を出します。申請のたびに年齢を確認するため、年度末に36歳になる従業員は、その年度から対象外になります。たとえば年度末に33歳の従業員なら、年齢の条件を満たすのは3年度分です。奨学金の返還が先に終われば、終わった月までです。
パートや契約社員は対象になりますか?
市の案内ページは、従業員を「期間の定めのない労働契約により雇用される者」と定義しています。期間の定めのある契約の人は、この定義に当たりません。パートかどうかという呼び名ではなく、契約に期間の定めがあるかどうかで分かれると読めます。判断に迷う雇用形態の従業員がいるときは、申請の前に商工振興課へ確かめてください。
就業規則がない小さな会社でも使えますか?
使えます。就業規則の代わりに社内規定を作る例が、市のよくある質問に載っています。「奨学金返還支援制度規程」として、支援の方法、対象者、支給額、支給期間を書きます。常時10人以上の会社が就業規則を変えるときは、労働基準監督署への届け出も要ります。規程の対象者や期間が補助の条件より広くても、条件を超える部分は補助されません。
支援の頻度や期間に決まりはありますか?
決まりはありません。毎月一定額、賞与に合わせて年2回、年1回といった周期が考えられると、市のよくある質問に書かれています。支援の方法も、本人に手当として支給するか、貸与機関へ代わりに返すか、両方にするかを選べます。年齢の条件と、最初に支援した月から60か月までという期間の定めだけは、補助を受けるうえで守る必要があります。
中小企業者の範囲はどこまでですか?
中小企業基本法の中小企業者のほか、社会福祉法人・医療法人・学校法人・特定非営利活動法人が対象です。中小企業者は、資本金か常時使用する従業員数のどちらか一方が基準以下なら該当します。製造業・建設業・運輸業などは資本金3億円以下か300人以下、卸売業は1億円以下か100人以下、サービス業は5,000万円以下か100人以下、小売業は5,000万円以下か50人以下です。
補助対象の従業員が年度の途中で退職したらどうなりますか?
変更申請が必要です。新しく雇った従業員を補助対象に加えるときや、支給する手当の額を変えるときも、同じく変更申請を出します。ただし予算の上限に達している場合は、補助金を増やす変更ができないことがあります。提出するのは、事業計画変更申請書、事業計画書、変更の内容を証する書類の写しです。退職が分かった時点で、早めに商工振興課へ連絡しておくと安心です。
メールで申請できますか?
できません。押印が必要な書類や、原本で出す書類があるためです。提出先は、栃木市 商工振興課 中小企業支援係(本庁舎4階)です。従業員の住民票の写しは、住民基本台帳から直接印字した書面が必要で、コピー機で複写したものは認められません。申請書などの様式は、市の案内ページからダウンロードできます。
他の補助金と併用できますか?
同じ奨学金の返還については併用できません。従業員の条件に、市・国・他の自治体から同種の補助金や給付金を受けていないことが入っています。会社が支給した手当のうち、ほかの補助の対象になった経費は、補助額の計算から除かれます。従業員が他の自治体の制度を使っている場合は、その従業員を栃木市の補助の対象にはできません。
実績報告はいつまでに出しますか?
最後の手当等の支給が終わったら、速やかに実績報告を出します。令和8年度分の期限は2027年3月31日で、市のよくある質問には、必ず3月31日までに出すよう書かれています。給与明細書や賃金台帳、貸与団体への返還額が分かる書類の写しなどを添えます。あわせて、補助金等交付請求書と交付決定通知書の写しも出します。
