災害が起きたとき、事業を止めずに済むかどうかは、事前の備えで決まります。ただし発電機や安否確認システム、データバックアップの整備には相応の費用がかかり、優先順位が下がりがちです。東京都の「BCP実践促進助成金」は、この事業継続計画(BCP。災害等が起きても事業を止めない・早く復旧するための計画)の実践にかかる費用を助成する制度です。この記事で扱う令和8年度第1回の公募は、2026年5月19日で受付を終了しています。
実施主体は東京都中小企業振興公社。対象は中小企業者等で、NPO法人・財団法人・社団法人・学校法人・宗教法人・社会福祉法人・医療法人・政治経済団体は対象から除外されます。助成上限額は単独での申請なら500万円、複数社が連携して申請する「連携型」なら1,000万円です。
BCP実践促進助成金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主。NPO法人等は対象外) |
| 制度名 | BCP実践促進助成金(R81BCP) |
| 対象業種 | 指定なし(全業種) |
| 利用目的 | 事業継続計画(BCP)に基づく防災・減災対策 |
| 対象地域 | 東京都内の中小企業者等 |
| 従業員数 | 規定なし(中小企業者等が対象) |
| 補助上限額 | 単独型500万円/連携型1,000万円(いずれも下限10万円) |
| 補助率 | 中小企業者1/2、小規模企業者2/3以内、連携型(中小企業者)1/2以内 |
| 申請受付 | 令和8年度第1回は受付終了(〜2026年5月19日) |
| 公式サイト | https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/setsubijosei/bcp.html |

何から始めるか
この助成金は年3回の募集が予定されています。第1回が5月、第2回が2024年9月9日〜15日ごろ(今夏掲載予定と案内)、第3回が来年1月開始という組み方です。BCPそのものを策定していない事業者は、助成金の応募より先にBCP策定が必要になります。BCP未策定の場合、まず簡易なBCPを作るところから始めることになります。
自分の会社は対象になる?
対象は中小企業者等です。NPO法人・財団法人・社団法人・学校法人・宗教法人・社会福祉法人・医療法人、政治・経済団体は対象外とされているため、これらの法人形態で運営している場合は他の制度を探す必要があります。
助成率は、事業規模によって変わります。中小企業者は1/2、より小規模な「小規模企業者」は2/3以内と、規模が小さいほど助成率が高く設定されています。複数社が連携して取り組む「連携型」の場合は1/2以内で、その代わり上限額が1,000万円まで引き上がります。
いくら戻るか計算する
たとえば小規模企業者が単独で申請し、発電機・データバックアップシステム・安否確認システムの導入に300万円かけた場合、助成率2/3で助成額は200万円という計算です。中小企業者であれば助成率1/2なので150万円になります。
連携型の場合は考え方が変わります。同業種の複数社が連携して1,000万円規模のBCP投資を行えば、助成率1/2以内で最大500万円の助成が受けられる計算になり、単独型の上限500万円を投資段階で超えるケースに向いています。
対象経費は幅広く、備蓄品、発電機、安否確認システム、感染症対策物品、土のう、転倒防止装置、データバックアップシステム、基幹システムのクラウド化、耐震診断などが含まれます。
つまずきやすい順番の話
BCP関連の助成金は「策定→実践→助成金申請」という順番を勘違いしやすい制度です。すでにBCPを策定していることが前提であり、助成金はその計画を実践するための費用に充てるものです。BCPをこれから作る場合は、まずBCP策定を進め、並行して助成金の公募スケジュールを確認するとよいでしょう。
次回公募に向けて準備しておきたいこと
- 自社のBCP(事業継続計画)の策定・見直し
- 導入予定の防災・減災設備の見積り取得
- 連携型を検討する場合は、連携先候補との事前調整
- 東京都中小企業振興公社の第2回・第3回募集案内のチェック
よくある質問
今から申請できますか?
令和8年度第1回の公募は2026年5月19日で締め切られています。第2回は2024年9月9日〜15日ごろの案内があり、第3回は来年1月開始予定です。次の回に向けて準備を進めてください。
NPO法人でも申請できますか?
できません。NPO法人・財団法人・社団法人・学校法人・宗教法人・社会福祉法人・医療法人、政治・経済団体は対象から除外されています。
連携型と単独型はどちらが有利ですか?
上限額は連携型のほうが大きい(1,000万円)ですが、助成率は単独の小規模企業者(2/3以内)のほうが高くなる場合があります。自社の投資規模と体制に合わせて選ぶ必要があります。
