東京産の原材料を使った新商品を開発したいけれど、試作にかかる費用がネックになる。そんな都内の食品事業者を後押しするのが「地域特産品開発支援事業費補助金」です。令和7年度分の受付は2025年3月31日で終了していますが、令和8年度も例年どおりの時期に実施されました。
運営は東京都産業労働局。補助上限150万円(事業費上限300万円)、補助率1/2以内で、東京産の原材料の使用・独自技術・東京の伝統的製造技術のいずれかを活用した加工食品の開発を支援する制度です。平成29年度から継続実施されている息の長い補助金です。
地域特産品開発支援事業費補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主。都内に主たる事業所を有する中小企業、一般社団法人・一般財団法人、NPO法人、中小企業団体、農業協同組合・漁業協同組合等) |
| 制度名 | 地域特産品開発支援事業費補助金(地域特産品開発支援事業(開発補助)) |
| 対象業種 | 食品製造業(加工食品の開発) |
| 利用目的 | 東京産原材料・独自技術・伝統的製造技術を活用した特産品(食品)の開発(創業・第二創業、販路開拓・展示会) |
| 対象地域 | 東京都内 |
| 従業員数 | 中小企業基本法上の中小企業者に準拠 |
| 補助上限額 | 150万円(対象事業費の上限は300万円) |
| 補助率 | 補助対象経費の1/2以内(千円未満切り捨て) |
| 申請受付 | 令和7年度分は終了(申請受付:2025年2月3日~3月31日)。令和8年度も例年どおり2〜4月頃に実施 |
| 公式サイト | 東京都産業労働局「地域特産品開発支援事業(開発補助)」 |

「東京らしさ」が問われる制度
この補助金の対象になるには、開発する加工食品が次のいずれかの条件を満たす必要があります。
- 東京産の原材料を使用していること
- 独自の技術を活用していること
- 東京の伝統的な製造技術、または東京都立産業技術研究センター食品技術センターの技術を活用していること
単なる新商品開発では対象にならず、「東京ならでは」という要素をどこかに持たせる必要があります。 東京産野菜を使った加工品、江戸時代から続く製法を応用した菓子、都の研究機関の技術支援を受けた発酵食品など、東京という土地・技術に紐づいた開発ストーリーが求められる制度です。
対象経費は9項目
補助対象経費は次の9項目に整理されています。
- 賃金
- 報償費
- 消耗品費
- 印刷製本費
- 通信運搬費
- 広告料
- 委託料
- 使用料及び賃借料
- 旅費
試作品づくりに必要な原材料費(消耗品費)だけでなく、専門家への謝礼(報償費)や、外部への分析・検査の委託費(委託料)も対象に含まれる幅広い設計です。開発の初期段階から量産に向けた検証まで、一連の開発プロセスに必要な経費をカバーできる制度になっています。
事前相談が必須という手順
この補助金は、申請書類を出す前に「事前相談」を受け、申請予約をすることが必須になっています。令和8年度の例では、事前相談・申請予約の期間(2月16日~3月23日)と、実際の申請書類提出期間(4月1日~4月8日)が分かれていました。
いきなり申請書類を提出することはできません。 事前相談の段階で、開発しようとしている特産品が対象要件を満たすかどうかを確認してもらえるため、「東京らしさ」の要素が薄いと判断された場合は、この段階で軌道修正するチャンスにもなります。
対象になる事業者の幅広さ
申請できるのは中小企業だけではありません。次のような団体も対象に含まれます。
- 都内に主たる事業所を有する中小企業(法人・個人事業者)
- 一般社団法人・一般財団法人
- 特定非営利活動法人(NPO法人)
- 中小企業団体、中小企業グループ
- 農業協同組合・漁業協同組合等
農協・漁協が申請できる点は、地域の一次産品を使った特産品開発を後押しする制度趣旨がよく表れています。生産者団体自身が加工品開発に乗り出すケースも想定されているということです。
次に似た制度が出たときの備え方
令和7年度分は終了していますが、この制度は毎年継続して実施されている息の長い補助金です。次回の公募に備えて準備しておけることを整理します。
- 開発する特産品の「東京らしさ」の根拠を整理しておく。 東京産原材料の仕入れ先、活用する伝統技術や独自技術の内容を、事前相談で説明できるようにしておく
- 事前相談の期間を見逃さない。 例年2月中旬〜3月下旬に事前相談期間が設定される傾向があり、これを逃すと申請予約ができません
- 試作・検証の具体的な計画を立てておく。 対象経費(消耗品費・委託料・報償費等)に何がいくらかかるか、事前に見積もっておくとスムーズです
- 東京都立産業技術研究センター食品技術センターへの相談も検討する。 その技術活用が対象要件の一つになっているため、早めに連携しておくと開発と申請の両面で有利です
よくある質問
令和7年度分にはもう申請できませんか?
できません。申請受付は2025年3月31日で終了しています。 令和8年度も例年どおりの時期(2〜4月頃)に実施されており、次年度以降も同様のスケジュールで公募される見込みです。
個人事業主でも申請できますか?
できます。「都内に主たる事業所を有する中小企業(会社・個人事業者)」が対象に含まれています。
東京産の原材料を使っていない場合は対象外ですか?
一律に対象外にはなりません。東京産原材料の使用・独自技術の活用・東京の伝統的製造技術の活用のいずれか1つを満たせば対象になります。原材料が東京産でなくても、独自技術や伝統的製法を使っていれば申請できる可能性があります。
