原油価格や物流費の高騰で、仕入れ資金が急に足りなくなった。東京都の中小企業制度融資「経営安定融資(経営一般)」は、こうした中東情勢の影響を受ける事業者向けに、信用保証料の補助を令和8年6月25日から拡充しました。売上が減っていなくても2分の1、一定の数値要件を満たせば最大4分の3まで補助されます。
中小企業制度融資「経営安定融資(経営一般)」中東情勢対応の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 東京都中小企業制度融資「経営安定融資(経営一般)」中東情勢の影響を受ける中小企業の資金繰り支援 |
| 対象業種 | 業種不問(都内中小企業) |
| 利用目的 | 資金繰りを改善したい(運転資金・設備資金) |
| 対象地域 | 東京都内 |
| 従業員数 | 中小企業基本法上の中小企業者に該当すること(業種ごとに資本金または従業員数の上限が決まっており、製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下。どちらか一方を満たせば該当します) |
| 補助上限額 | 融資限度額2億8,000万円(組合は4億8,000万円)に対する信用保証料の補助。補助率は下表のとおり |
| 補助率 | 基本(数値要件なし):全事業者2分の1補助。数値要件を満たす場合:小規模事業者4分の3補助、中小企業3分の2補助 |
| 申請受付 | 令和8年5月29日〜令和9年3月31日(保証料補助の拡充分は6月25日から適用) |
| 公式サイト | 東京都「中東情勢の影響を受ける中小企業向け融資 信用保証料補助を拡充」 |

5月29日の告知と、6月24日の拡充で何が変わったか
この支援策は2段階で拡充されています。最初の告知(5月29日)では保証料補助は一律2分の1でしたが、6月24日の発表で、売上減少などの数値要件を満たす事業者向けに、さらに手厚い補助率が追加されました。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 5月29日告知 | 経営安定融資(経営一般)の対象に中東情勢の影響を追加。保証料補助は全事業者一律2分の1 |
| 6月24日拡充・6月25日適用開始 | 数値要件を満たす事業者は、保証料補助が小規模事業者4分の3・中小企業3分の2に引き上げ |
つまり、売上がまだ大きく落ちていない段階でも2分の1の補助は受けられ、実際に数値要件が悪化していれば、あとから4分の3まで補助率が上がる仕組みです。すでに5月29日以降に申し込んでいる事業者も、数値要件を満たせば拡充後の補助率が適用されるかどうか、金融機関または信用保証協会に確認しておくと安心です。
対象になる数値要件
保証料補助が2分の1から4分の3・3分の2に引き上がるのは、次のいずれかを満たす場合です。
| 数値要件 | 内容 |
|---|---|
| 売上減少 | 最近3か月の売上実績または見込みが、前年同期比で5%以上減少 |
| 営業利益率の悪化 | 営業利益率が前年同期比で20%以上低下 |
| 仕入価格の上昇 | 原油等の仕入価格が20%以上上昇し、価格転嫁できていない |
数値要件を満たさなくても、「最近3か月の売上実績又は売上見込が前年同期比で減少している」という基本要件だけで、2分の1の保証料補助を受けられます。いきなり4分の3を狙うのではなく、まず基本要件で申し込み、数値の悪化を証明できる段階で補助率アップを確認するという進め方が現実的です。
融資条件と申込先
融資限度額は2億8,000万円(組合は4億8,000万円)、利率は2.15〜2.85%以内、融資期間は10年以内(据置2年以内)です。用途は運転資金・設備資金のどちらにも使えます。申込は、取扱金融機関の窓口を通じて行います。信用保証協会の保証を利用する制度融資のため、保証審査に一定の日数がかかる点は資金繰りのスケジュールに織り込んでおく必要があります。
よくある質問
すでに5月29日〜6月24日の間に一律2分の1で申し込んでいます。あとから4分の3に変更できますか?
公式ページには遡及適用の可否が明記されていません。数値要件を満たしている場合は、取扱金融機関または東京都・信用保証協会に確認することをおすすめします。
「中東情勢対応クイックつなぎ」という名前も見ましたが、同じ制度ですか?
別のメニューです。クイックつなぎは融資限度額1,000万円・保証料補助が全事業者一律4分の3で、都の融資制度をすでに1年以上利用している企業向けの短期対応メニューです。本記事の「経営安定融資(経営一般)」とは対象要件も上限額も異なります。
数値要件のうち、どれか1つを満たせば補助率は上がりますか?
公式ページの記載では、売上減少・営業利益率悪化・仕入価格上昇のいずれかに該当すれば数値要件を満たすものとして案内されています。詳しい判定は取扱金融機関または信用保証協会にご確認ください。
