助成率は2分の1なのか、4分の1なのか。中小企業ならどちらでもなく、熱電融通の有無を問わず2分の1です。大企業は熱電融通を行うかどうかで分かれます。
大企業が熱電融通を行わない場合は、助成率が4分の1、CGS(コージェネレーションシステム)の上限が2億円に下がります。CGSは、発電と同時に出る熱を温水や冷暖房に使う高効率のエネルギーシステムです。
コージェネレーションシステム導入支援事業の要点まとめ
正式名:コージェネレーションシステム導入支援事業
だれが
- 申請者
- 事業者(民間事業者。国・地方公共団体等は除く)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- CGSの設置(新設・更新)、熱電融通インフラの設置
- 対象地域
- 東京都(都内の建築物)
- 従業員数
- 規定なし(大企業・中小企業とも対象)
いくら
- 補助上限額
- 4億円(CGS。熱電融通インフラは1億円)
- 補助率
- 1/2(大企業は熱電融通なしで1/4)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月16日〜2027年3月31日
- 事業の完了
- 実績報告は令和13年12月26日まで(令和8年度申請分)
自分の会社は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
エネマネはエネルギーマネジメント、DRはデマンドレスポンス(電力の需給に合わせて使い方を調整すること)です。CGSを設置する建築物か供給先の建築物で、これを実行できる体制を作ります。
交付決定の前に発注や契約をした経費は、助成の対象外です。設計や工事の契約は、公社から交付決定の通知を受け取ってから結びます。
大企業は、災害時に帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設も確保します。広さの目安は、床面積約3.3平方メートルあたり2人です。CGSから必要な電力を出せるようにして、場所をインターネットなどで周知します。中小企業者は、この確保に代えて、内閣府のガイドライン「災害発生時における大規模な帰宅困難者等の発生への対策に関するガイドライン」に準じた対応を実施します。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 国・地方公共団体等
- ✕ 都外の建築物への設置
- ✕ 交付決定前に発注・契約した経費
対象事業は3種類です。CGSと熱電融通インフラを都内の建築物に設置してつなぐ事業、熱電融通インフラを設置して都内の既存のCGSにつなぐ事業、CGSを単独で建物内に設置する事業です。熱電融通インフラは、近隣の建物へ熱や電気を送る設備のことです。
設備にも条件があります。
- CGSは更新でも新設でも対象で、中古品は対象外です
- 燃料は天然ガス、水素(専焼・混焼)、バイオマスなどの非化石燃料、LPGなど公社が認めたものです
- 1台あたりの定格発電出力が30kW以上なら、総合運用効率(2.17×有効発電効率+排熱利用率)が87%を超える必要があります。30kW未満は、東京都の低NOx・低CO2小規模燃焼機器認定を受けたものです
- 熱電融通インフラは、熱か電気のどちらかの融通率が3%以上で、融通先は都内の建築物です
- 既存のCGSを更新するときは、発電効率・総合効率・総合運用効率のどれかが既設以上であることです
いくら助成される?
大企業か中小企業かの区分ごとの助成率と上限は次のとおりです。区分の基準は、都の発表と手引きに書かれていません。迷うときは、申請の前にクール・ネット東京へ聞いてください。
| 区分 | 設備 | 熱電融通 | 助成率 | 上限額 |
|---|---|---|---|---|
| 大企業 | CGS | 行う | 1/2 | 4億円 |
| 大企業 | 熱電融通インフラ | 行う | 1/2 | 1億円 |
| 大企業 | CGS | 行わない | 1/4 | 2億円 |
| 中小企業 | CGS | 問わない | 1/2 | 4億円 |
| 中小企業 | 熱電融通インフラ | 問わない | 1/2 | 1億円 |
計算は、助成対象経費(税抜)に助成率をかけた額で、上限を超えれば上限までです。1,000円未満は切り捨てます。
- 中小企業がCGSを入れ、対象経費が6億円:6億円 × 1/2 = 3億円
- 中小企業がCGSを入れ、対象経費が10億円:10億円 × 1/2 = 5億円 → 上限の4億円
- 大企業が熱電融通なしでCGSを入れ、対象経費が6億円:6億円 × 1/4 = 1.5億円
- 大企業が熱電融通なしでCGSを入れ、対象経費が10億円:10億円 × 1/4 = 2.5億円 → 上限の2億円
- 中小企業が熱電融通インフラを整備し、対象経費が1.5億円:1.5億円 × 1/2 = 7,500万円
助成金は工事が終わってから支払われます。工事の間は、借入金などで資金を用意する必要があります。
CGSとインフラの両方を整備する計画で、上限を足した額まで受け取れるかは、手引きの表からは読み取れません。申請の前にクール・ネット東京へ確かめてください。
何が対象経費になる?
先に、対象にならないものです。
- 諸経費はすべて対象外です
- 設計費、設備費、工事費にかかる消費税相当額は対象外です
- 土地の取得や賃借、中古の設備、撤去費・移設費・処分費・安全対策費は対象外です
- 基本設計にかかる費用は対象外です。防音対策などの特殊な工事も対象外です(防音装置がCGSに標準で付いている場合は対象)
- 過剰なもの、予備や将来用のもの、この事業以外で使うものは対象外です
次に、対象になるものです。
- CGS:ガスエンジン・ガスタービン・燃料電池・発電機、排熱利用設備、自立分散電源設備や冷却設備などの付帯設備、詳細設計、工事費(材料費を含む)
- 熱電融通インフラ:電力や熱の供給設備・受入設備、配線、冷温水・蒸気配管、2次熱交換器、詳細設計、工事費(土木工事は除く)
自社の製品やグループ会社から調達する分は、利益を除いた額が対象経費になります。
取り違えやすい点
大企業は一律に4分の1、と思い込むと不利に見積もってしまいます。熱電融通を行う計画なら、大企業でも助成率は2分の1で、CGSの上限は4億円です。
反対に、中小企業は熱電融通をしなくても、助成率も上限も下がりません。区分で分かれるのは大企業だけです。
国の補助を併用する場合も、大企業の助成率(1/2または1/4)は、この事業の対象経費すべてにそのまま適用されます。国の補助の分だけ率が下がる、という扱いではありません。国の補助を併用するときは、申請のときに申し出ます。
申請の流れ
令和8年度分の流れです。
- 手引きと様式を手に入れる(事業者→クール・ネット東京のホームページ。令和8年4月16日に掲載)
- 申請書類をそろえる(事業者。見積書、登記簿謄本、決算報告書、図面など)
- 申請書を出す(事業者→東京都環境公社。持参は事前予約、郵送かメールも可。令和9年3月31日まで)
- 審査を受けて交付決定の通知を受ける(公社→事業者。書類審査のほか、現地調査やヒアリングがあります。工程表には申請の3か月後と見て書きます)
- 交付決定のあとに発注する(事業者。入札か複数の見積で業者を選びます。通知から6か月以内に着手し、工事開始から14日以内に開始届を出します)
- 工事を終えて実績報告を出す(事業者→公社。令和8年度申請分は令和13年12月26日まで)
- 額の確定を受けて請求する(公社→事業者。工事代金を払い終えたあと、確定通知をもとに請求書を出します)
助成を受けたあとにも報告が続きます。工事が完了した年度の翌年度から2年度、発電効率・排熱利用率・熱電融通量の実績を翌年度の5月末までに報告します。助成金で取得した設備は、法定耐用年数のあいだ適切に管理し、単価50万円以上のものを処分するときは事前に承認を受けます。
必要な書類
準備できた 0 / 15
上の表は、手引きの申請書類チェックリストにある24項目のうち、ほとんどの申請に必要なものです。次の書類は、当てはまるときに追加します。
- 同意書(第23号様式・第24号様式):区分所有者がいるとき、または一時滞在施設の設置者が申請者と違うとき
- リース契約書(案)と料金計算書(案):リース事業者・ESCO事業者と共同で申請するとき
- 東京都ビジネス事業者登録証:ESCO事業者が申請するとき
- 契約電力等の根拠資料:新しい建物のとき
- 現況を示す写真:既存設備があるとき
- 国や都市整備局経由の補助金の根拠書類:国の補助を併用するとき
決算報告書と事業税の納税証明書は直近3年分です。登記簿謄本は発行から3か月以内のものです。書類はファイルに綴じ、資料ごとにインデックスを付けて出します。申請書類に不備があると、期間内でも受け付けてもらえません。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注したとき:交付決定の前に発注や契約をした経費は助成されません。あとから分かった場合は、交付決定が取り消されます。
- 要件の体制が作れないとき:エネルギーマネジメントとデマンドレスポンスの体制が助成の要件です。大企業は一時滞在施設の確保も必要です。
- 設備が基準に届かないとき:要件を満たさないCGSを設置した場合や、申請どおりの設備が設置されていない場合は、助成金は支払われません。
- 使う燃料が環境配慮型でないとき:CGSの使用燃料は、公社が認めた環境に配慮したものである必要があります。
- 期限や予算を過ぎたとき:申請期間は令和9年3月31日までです。予算の残りに応じて、これより早く受付が終わることがあります。
令和8年度の変更点
令和8年度は、2点が変わりました。
- 案件ごとの対象期間が一律で約6年に延びました。大規模なCGSや、地区単位で電力を融通する長期の計画を支援するためです
- これまで都市ガス・水素混焼に限っていた燃料要件が緩和され、バイオマスや水素専焼などにも対応します
令和8年度の予算額は約20億円です。同じ日に受け付けた申請の合計が予算を超えたときは、申請額の割合に応じて、交付決定額を減らして調整します。
よくある質問
中小企業は熱電融通をしないと助成率が下がりますか?
下がりません。中小企業は、熱電融通を行うかどうかを問わず、CGSの助成率は2分の1、上限は4億円です。熱電融通で助成率が分かれるのは大企業だけです。ただし、大企業か中小企業かの区分の基準は、都の発表と手引きに書かれていません。自社の区分に迷うときは、申請の前にクール・ネット東京に聞いてください。
大企業が熱電融通を行わないとどうなりますか?
CGSの助成率が4分の1、上限が2億円になります。CGSを単独で建物内に設置する事業が、これに当たります。熱電融通を行うと、助成率は2分の1、CGSの上限は4億円です。同じ設備でも、熱電融通を行う計画かどうかで助成額が大きく変わります。計画の段階で、近隣の建物へ熱や電気を供給できるかを検討する価値があります。
熱電融通インフラだけを整備する場合も申請できますか?
申請できます。対象事業のひとつに、熱電融通インフラを設置して都内の既存のCGSにつなぐ事業があります。この場合の助成率は2分の1で、上限は1億円です。条件として、熱か電気のどちらかの融通率が3%以上で、融通先が都内の建築物であることが求められます。3%に届かないおそれがあるときは、公社に相談するよう手引きに書かれています。
熱電融通とは何ですか?
CGSで出る熱や電気を、自社の建物だけでなく、近隣の建物にも供給することです。そのために必要な配管や配線などの設備を、熱電融通インフラと呼びます。既存の面的融通インフラへの接続や拡充も、熱電融通を「行う」場合に含まれます。熱の融通率は、熱融通量をCGSの総排熱利用量で割った値で、電気の融通率は、電力融通量をCGSの総発電量で割った値です。
既存のCGSを入れ替える工事は対象ですか?
対象です。助成対象のCGSは、更新設置でも新規設置でもかまいません。ただし、更新のときは、発電効率、総合効率(発電効率+排熱利用率)、総合運用効率のどれかが、既設のCGSより上回っている必要があります。燃料は環境に配慮したものに限られ、中古品や、国内での販売実績のない新型機器(実証試験の結果が信頼できる場合を除く)は対象になりません。
都外の建築物にCGSを入れる場合は使えますか?
使えません。対象は、都内の建築物に設置する事業です。熱や電気の融通先も、都内の建築物でなければなりません。本社が東京都にあっても、工場や店舗が県外にあって、そこにCGSを入れる場合は対象になりません。反対に、本社が都外にある会社でも、都内の建築物に設置するなら対象になりえます。基準は事業者の所在地ではなく、設置する場所です。
国や自治体も申請できますか?
できません。助成の対象事業者は民間事業者で、国と地方公共団体は除かれます。公共施設にCGSを入れる場合は、この助成事業の対象外です。ビルの所有者、熱電供給事業者、ESCO事業者、リース事業者のほか、ビル1棟を全棟借りたテナント(ビル所有者の同意書が必要)は、民間事業者として申請できます。公共的な施設を運営する民間事業者の扱いは、窓口に確認してください。
一時滞在施設の確保は必ず必要ですか?
大企業には必要です。CGSを設置する建築物か供給先の建築物に、災害時の一時滞在施設を確保して、インターネットなどで周知します。広さの目安は床面積約3.3平方メートルあたり2人です。中小企業者は、この確保に代えて、内閣府のガイドラインに準じた対応をします。一時滞在施設の設置者や管理者が申請者と違う場合は、その人の同意書を付けます。
交付決定の前に発注してもよいですか?
いけません。交付決定の前に、発注や契約をした経費は助成されません。交付決定の前に工事の発注先が決まっている場合も、助成の対象外です。詳細設計の契約も含まれます。事業の開始は、交付決定の通知を受け取った日以降で、遅くとも通知から6か月以内と決められています。契約書を結ぶ前に、交付決定の通知が届いているかを確かめてください。
令和8年度の申請期間はいつまでですか?
令和8年4月16日から令和9年3月31日までです。予算の残りに応じて、この期間より早く受付が終わる場合があります。助成金の募集は令和7年度から令和10年度までで、申請は年度ごとに行います。令和8年度に申請した事業は、実績報告を令和13年12月26日までに出します。工事の期間が長くなる計画は、完了の期限から逆算して予定を組んでください。
予算はどのくらいですか?
令和8年度の予算額は約20億円です。上限が4億円のCGS案件が、1件で予算の2割を占めることもありえます。同じ日に受け付けた申請の合計が予算を超えたときは、交付決定額が調整されます。手引きは、予算の残りに応じて受付が早く終わることがあると書いています。大きな案件を検討しているなら、早めにクール・ネット東京へ相談してください。
助成金を受けたあとに守ることはありますか?
あります。工事が終わった年度の翌年度から2年度、発電効率・排熱利用率・熱電融通量の実績を、翌年度の5月末までに報告します。エネルギーマネジメントとデマンドレスポンスの情報交換の実績も、同時に報告します。設備は法定耐用年数のあいだ適切に管理し、単価50万円以上の財産を処分するときは、事前に承認を受けます。違反すると、助成金の返還に加えて、年10.95%の加算金がかかります。
申請や問い合わせの窓口はどこですか?
申請の窓口は、公益財団法人東京都環境公社の東京都地球温暖化防止活動推進センター(クール・ネット東京)です。電話は03-5990-5085で、受付は平日の9時から12時と13時から17時です。書類を持参するときは、事前の予約が必要です。助成事業の概要については、東京都産業労働局の事業者エネルギー推進課(電話03-5000-7987)が窓口です。
