EVトラックやEVバスは、買う前に申請しておく必要があるのか。この補助金は逆で、車両の登録と代金の支払いを終えてから申請する事後申請制です。ただし、買う車両は選べません。環境省の補助の対象として公表された車両でなければ、東京都の助成は受けられません。
申請の窓口は、東京都ではなく東京都環境公社(クール・ネット東京)です。助成額は、環境省補助の基準額をもとに決まる計算式で出します。購入価格の何割という補助率ではありません。
EVバス・EVトラック購入補助金の要点まとめ
正式名:EVバス・EVトラック導入促進事業(購入補助金)
だれが
- 申請者
- 法人・団体・リース事業者・都内の区市町村
- 対象業種
- 業種の指定なし(国・東京都・個人は除く)
- 利用目的
- EVバス・EVトラックの購入、リース、改造
- 対象地域
- 東京都(車検証の使用の本拠が都内の車両)
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 4,400万円
- 補助率
- 率の定めなし(国補助の基準額から計算)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月30日〜2027年3月31日
- 事業の完了
- 完了日から60日以内に申請(購入後の事後申請)
どの車両が助成の対象?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
車両の区分は、バスが乗車定員11人以上、トラックが車両総重量2.5t超です。初度登録日は、2026年2月1日から2027年3月31日までが対象です。2026年2月1日から3月31日に登録した車両は、環境省の前年度補正予算の補助を基準にし、上限は4,200万円になります。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 中古車
- ✕ 個人、国、東京都が申請する
- ✕ 都の他の補助と同じ車両で重複
- ✕ 販売業者が関係先から調達した車両
- ✕ 自社製品や役員を務める会社の製品
調達の除外は、申請者が車両販売業者のときの決まりです。一般の事業者が販売会社から買う場合は、これに当たりません。
国補助との関係は、対象外ではなく併用が原則という扱いです。公式の手引きは「国補助を申請できる場合、原則として国補助を併用してください」としており、併用しないときは第3号様式の「国補助等未申請理由申告書」を出します。併用できない事情があるかどうかは、クール・ネット東京で先に確かめたほうが確実です。車両代金の支払いは、申請者本人が行う必要があります。
個人事業主が「個人」に含まれて対象外になるかは、公式の資料に書かれていません。個人事業主として申請を考えている場合は、クール・ネット東京(電話 03-5990-5068)に先に聞いてください。
いくら助成される?
助成額は、次の順で計算します。
- 環境省補助の基準額 × 3/2(PHEVトラックは × 2)に、後付けの給電機能の費用を足す。ただし4,400万円まで
- 国補助と併用するなら、「国補助値引額 × 係数」を引く
- 国補助の額を引く
- 千円未満を切り捨てる
- 認証を持つ事業者は、車両1台につき50万円を足す
国補助と併用すると、国の補助の額が先に引かれます。国の補助が大きい車両ほど、都の助成額は小さくなります。基準額と係数は環境省補助の公募要領に載っており、この記事では金額を示せません。見積もりの段階で、自社の車両の基準額を環境省補助側で確かめてください。
車両価格の値引きがあるときも、計算に反映されます。値引きのうち「国補助値引額 × 係数」の分が差し引かれます。
上乗せの加算は次のとおりです。
- 認証を持つ事業者が車両5台を導入:50万円 × 5台 = 250万円
- V2B(ビルに電力を送れる充放電設備)1口と車両1台:10万円 × 1口 = 10万円
- 公共用の普通充電設備1口と車両1台:5万円 × 1口 = 5万円
- 公共用の急速・超急速充電設備1口と車両1台:10万円 × 1口 = 10万円
50万円の加算が受けられる認証は、グリーン経営認証、ISO14001、東京都貨物輸送評価制度(三ツ星、5年連続評価、10年連続評価、6年以上の連続評価)のいずれかです。認証に書かれた住所と、車検証の使用の本拠が一致していないと加算されません。
充電設備の加算は、車両1台あたり10万円が上限です。1口につき加算できる車両は1台だけです。
ディーゼル車をEVに改造する場合は別の計算で、改造費から国補助の確定額と、改造前の車両本体価格の10/25を引きます。上限は200万円です。
何が助成の対象になる?
対象外のものから確認します。
- 消費税・地方消費税
- オプションなどの諸費用
- 中古の車両
- 申請者に関係する会社から調達した分(利益を除いた額で計算)
対象になるのは次の経費です。
- 車両本体の購入費(リースを含む)
- 後付けで給電機能をつける費用
- 改造費(環境省補助で対象と決定された経費)
オプションが外れるので、見積書は車両本体価格とオプションを分けて出してもらう必要があります。
申請の流れは?
事後申請なので、車両が手元に来てから動きます。
- 環境省補助の公表車両を選ぶ(事業者→販売会社。国補助の公式ページで事前登録車両を確かめる)
- 車両を購入して登録し、代金を払う(事業者。国補助を使う場合は、額確定通知を受け取る)
- 交付申請を出す(事業者→クール・ネット東京。オンラインか郵送で、助成事業の完了日から60日以内)
- 審査を待つ(クール・ネット東京。通常2か月ほどで、交付決定兼額確定通知書が届く)
- 助成金が入金される(クール・ネット東京→事業者の口座)
助成事業の完了日は、車両の初度登録日(または初度検査日)、代金の支払日、国補助の額確定日、リースなら契約日のうち、いちばん遅い日です。2026年度の申請の最終期限は、2027年3月31日の17時必着です。
充電設備の加算を受けたい場合は、車両より先に充電設備の助成に申請しておき、車両の申請で事業名と申請日を書きます。申告がないと、あとから加算を足せません。加算分は、充電設備の額確定通知書と車両の交付決定通知書がそろったあと、30日以内に別のフォームで申請します。
必要な書類
準備できた 0 / 11
車両情報のExcelはオンライン申請のときだけ要ります。国補助の値引額がわかる書類は、国補助と併用するときに出し、申請フォームの「その他公社が認める書類」欄に添付します。誓約書は、オンライン申請では利用規約への同意で代わります。
登記事項証明書は、申請日の時点で発行から3か月以内のものです。地方公共団体は要りません。旅客自動車運送事業者として申請するときは、一般乗合または一般貸切の許可書の写しも出します。認証の加算を受けるなら、認証の書類も必要です。リース事業者が申請する場合や改造費の場合は、書類が変わります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 環境省補助の公表車両ではない:助成の入口の条件です。登録後に気づいても、車両は選び直せません。
- 中古車、または対象外の調達:中古車と、車両販売業者が関係先から調達した車両は対象外です。
- 書類の不備を直さなかった:クール・ネット東京から是正を求められて30日以内に直らないと、不交付になることがあります。
- 完了日から60日を過ぎた:事後申請なので、期限は完了日から数えます。
- 予算に届いた:2027年3月31日の前でも、申請額が予算額に達すると受付が終わります。予算を超えた日に複数の申請があれば、抽選で受理が決まります。
- 処分制限期間に売却・廃棄・都外へ移した:法定耐用年数のあいだは、事前の承認なしに処分できません。承認なしの処分では、助成金の全額の返納を求められることがあります。
- 虚偽の申請:交付決定が取り消され、全額に年率10.95%の加算金を加えて返すことになります。
よくある質問
個人事業主でも申請できますか?
実施要綱は、助成対象者から「国、東京都及び個人」を除くと定めています。個人事業主がこの「個人」に含まれるかは、公式の資料に書かれていません。事業用の車両でも、屋号で事業を営む個人は対象外になる可能性があります。申請を考えている場合は、クール・ネット東京(電話 03-5990-5068)に先に確かめてください。
車を買う前に申請する必要はありますか?
必要ありません。この補助金は事後申請制で、車両の購入、登録、代金の支払いが終わってから申請します。ただし、環境省補助の公表車両を選ぶ必要があります。公表されていない車両を買ってしまうと、あとから対象にはできません。購入の契約をする前に、車種が国補助の公表車両かどうかを販売会社に確かめてください。
申請はいつまでにすればよいですか?
助成事業の完了日から60日を過ぎる日までです。完了日は、車両の初度登録日、代金の支払日、国補助の額確定日などのうち、いちばん遅い日です。2026年度分の受付は2027年3月31日17時の必着が最終で、申請額が予算額に達した時点で締め切られ、同じ日に申請が重なれば抽選になります。60日の期限と年度末の両方を見て、早めの申請が必要です。
国の補助を使わずに申請できますか?
国補助を申請できる場合は、原則として併用する決まりです。併用しないときは「国補助等未申請理由申告書」を出します。ただし、環境省補助の公表車両であることは、併用しなくても必要です。国補助を使わない事情があっても、都の助成が通るかは個別の判断になります。申請前にクール・ネット東京に確かめてください。
バスとトラックで条件は違いますか?
違います。バスは乗車定員が11人以上、トラックは車両総重量が2.5t超であることが条件です。計算式も異なり、PHEVトラックだけは環境省補助の基準額に2を掛けます。ほかのバスとトラックは3/2を掛けます。たとえば中型の送迎バスや小型トラックは、定員や重量が条件を下回るかもしれないので、車検証の数値で確かめてください。
PHEVも対象ですか?
対象です。助成の対象車両は、EVバス、PHEVバス、EVトラック、PHEVトラックの4種類です。PHEVは、外から充電できる、エンジンとモーターを併用する車両のことです。バスは乗車定員11人以上、トラックは車両総重量2.5t超という条件は、EVと同じです。PHEVトラックだけは、助成額の計算で基準額に2を掛けます。
リースで導入した場合は誰が申請しますか?
リース事業者が申請します。助成金の振込先もリース事業者です。リース事業者は、借りる側に助成の利益が回るように、リース料から助成金相当分を引く必要があります。リース期間は、処分制限期間以上にします。申請書類には、リース契約書と貸与料金の算定根拠明細書、借りる側の誓約書や登記事項証明書も加わります。
グリーン経営認証などを持っていると、いくら増えますか?
車両1台につき50万円が加算されます。対象は、グリーン経営認証、ISO14001、東京都貨物輸送評価制度(三ツ星、5年連続評価、10年連続評価、6年以上の連続評価)のいずれかを取得している事業者です。認証書に書かれた住所と、車検証の使用の本拠の位置が一致している必要があります。交付申請の時点で、認証が有効期限内であることも必要です。
充電設備の加算はどうやって受けますか?
車両より先に、クール・ネット東京の充電設備の助成事業に交付申請します。そのうえで、車両の交付申請のときに、その事業名と申請日を書きます。申告がないと、あとから加算の申請はできません。加算額は、V2Bの充放電設備が10万円、公共用の普通充電設備が5万円、急速・超急速充電設備が10万円で、車両1台あたり10万円までです。
ディーゼル車をEVに改造する費用も助成されますか?
されます。2026年度から始まった枠で、改造後も自社で使うバスやトラックが対象です。助成額は、環境省補助で認められた改造費から、国補助の確定額と、改造前の車両本体価格の10/25を引いた額で、上限は200万円です。改造前後で車検証の所有者が同じであることと、改造前の車両本体価格がわかる書類が必要です。リースや割賦の車両は対象外です。
申請を代行業者に頼めますか?
頼めます。ただし、誓約書は申請者本人の署名または押印が必要で、オンライン申請でも同じです。代行は、行政書士法などの法令を守って行う必要があります。報酬を得て官公署に出す書類を作る仕事は、行政書士でない人が行うことが法律で禁じられています。代行の不正があったときは、申請者と同じ扱いで処分されます。
助成を受けた車を売るとどうなりますか?
処分制限期間のあいだは、事前の承認がないと売却、譲渡、廃棄、貸し付け、担保に入れることができません。期間は初度登録から法定耐用年数です。承認を得て処分した場合は、助成額に「1 − 経過月数 ÷ 処分制限期間」を掛けた額を返すことになります。都外への移転も、都内の要件を満たさなくなるため処分に当たります。
問い合わせ先はどこですか?
申請方法や書類は、クール・ネット東京(東京都環境公社)の03-5990-5068です。受付は平日の9時から17時(12時から13時を除く)です。制度の内容そのものは、東京都産業労働局事業者エネルギー推進課(電話 03-5000-7986)が窓口です。助成額の計算式や必要書類は更新されることがあるため、クール・ネット東京のページで最新の手引きを確かめてください。
