自社デザインを海外で著作権登録するとき、そのまま代理人に依頼して申請すればいいのか——実は順番があります。東京都「外国著作権登録費用助成事業」は、申請日以前に公益財団法人東京都中小企業振興公社の知財相談を受けていることが必須要件です。上限10万円という額だけを見ると小さく感じますが、対象になるかどうかの手順を誤ると、その10万円すら受け取れません。
上限500万円の「海外商標対策支援助成事業」と同じ窓口・同じ知財相談の要件で運用されている制度ですが、対象になる中身はまったく別です。
外国著作権登録費用助成事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 外国著作権登録費用助成事業(令和8年度・東京都中小企業振興公社) |
| 対象業種 | 業種指定なし |
| 利用目的 | 優れた商品・サービスの著作物を海外で活用するための外国著作権登録費用(登録手数料、代理人費用、翻訳料等) |
| 対象地域 | 都内中小企業(会社・個人事業者)、中小企業団体、一般社団・財団法人 |
| 従業員数 | 中小企業基本法上の中小企業者(業種ごとに資本金または従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば該当) |
| 補助上限額 | 10万円 |
| 補助率 | 1/2以内 |
| 申請受付 | 随時(最終受付:令和8年10月1日17時まで) |
| 公式サイト | 東京都中小企業振興公社「外国著作権登録費用助成事業」 |

対象になる/ならないの線引き
対象になるのは、優れた商品やサービスの著作物を保有し、海外での活用を検討している中小企業です。対象経費は登録手数料、代理人費用、翻訳料などの実費で、助成率1/2、上限10万円のため、登録にかかる総費用が20万円を超えても助成額は10万円で頭打ちになります。海外著作権登録の費用感を先に見積もっておかないと、想定より自己負担が大きくなる可能性があります。
対象組織は都内の中小企業者(会社・個人事業者)、中小企業団体、一般社団・財団法人です。国内の著作権登録費用や、著作物そのものの制作費は対象に含まれません。あくまで海外での登録手続きにかかる実費が対象です。
申請は「1年度1社1登録」に限られます。複数の著作物を同じ年度に海外登録する予定がある場合でも、助成を受けられるのは1件分だけです。
よく誤解されるポイント
「著作権はそもそも登録しなくても発生する権利では」と考える人もいますが、国によっては著作権の登録制度があり、権利行使や侵害への対抗のために登録が有効な場合があります。この助成金は、そうした海外での登録手続きにかかる実費を支援するもので、著作権そのものの取得を助成するわけではありません。
もう一つの誤解は、海外商標対策支援助成事業(上限500万円)と同じ制度だと思い込んでしまうことです。窓口も知財相談の要件も同じですが、対象になる権利の種類(商標か著作権か)と上限額がまったく異なります。自社が守りたいのが商標なのか著作物なのかで、申請する助成事業が変わります。
よくある質問
国内の著作権登録費用も対象になりますか?
なりません。対象は海外での著作権登録に要する費用(登録手数料、代理人費用、翻訳料等)です。
知財相談を受けずに登録手続きを進めてしまった場合はどうなりますか?
申請日以前に知財相談を受けていることが必須要件のため、相談を経ずに手続きを進めた場合は申請要件を満たさない可能性があります。まず公益財団法人東京都中小企業振興公社の知財相談窓口に確認してください。
1年度に複数の著作物を登録する場合、まとめて申請できますか?
できません。1年度1社1登録に限られます。
