創業者向けのインキュベーション施設で、入居者向けの相談会や専門家の招へいを開きたい運営者に、費用の2/3(上限1,000万円)を助成する制度です。令和8年度は2回に分けて受け付け、第1回は令和8年7月31日に終わりました。第2回の申請期間は、令和8年12月14日から令和9年1月7日(17時)までです。
申請できるのは施設の運営管理者です。入居している創業者本人は、この助成金を申請できません。申請の前にハンズオン支援を受けて実施計画書を完成させる必要があり、これに約2か月以上かかります。
インキュベーション施設支援機能強化事業助成金の要点まとめ
正式名:インキュベーション施設支援機能強化事業助成金(東京都)
だれが
- 申請者
- インキュベーション施設の運営事業者・団体
- 対象業種
- 施設運営者(INCU Tokyo登録済みの団体)
- 利用目的
- 入居者支援の強化(謝金・広告費・イベント委託など)
- 対象地域
- 東京都
- 従業員数
- 中小企業者は業種ごとに上限あり(団体等は規定なし)
いくら
- 補助上限額
- 上限1,000万円
- 補助率
- 2/3 以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年7月31日まで(第1回は終了)/第2回 12月14日〜1月7日
- 事業の完了
- 交付決定日から最長1年(第2回は令和10年2月29日まで)
自分は対象になる?
次の条件にすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
INCU Tokyoは、東京都が運営するインキュベーションのコミュニティです。ハンズオン支援は、施設運営者が入居者向けの新しい支援策を考えて実施計画書を作るまでの、伴走型の支援です。INCU Tokyoへの申請から登録までは、おおよそ1か月かかります。
施設運営管理者は、INCU Tokyoに登録していて、施設を自ら運営管理する人です。運営を受託している事業者は含まれません。
応募できる団体は、募集要項で次の12種類です。中小企業者、区市町村(都内)、一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人、公益財団法人、大学、地方銀行、信用金庫、信用組合、特定非営利活動法人、労働者協同組合です。
中小企業者は、業種ごとに資本金と従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば該当します。製造業・建設業・運輸業などは資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、サービス業は5千万円以下または100人以下、小売業は5千万円以下または50人以下です。ソフトウェア業や旅館業などには別の基準があります。
大企業が実質的に経営に参画している団体は対象外です。大企業が単独で株式の1/2以上を持つ会社、複数の大企業が合わせて2/3以上を持つ会社、役員の1/2以上を大企業の役員や職員が兼ねる会社が当たります。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 施設に入居している創業者本人
- ✕ ハンズオン支援を受けていない
- ✕ 施設を受託で運営している
- ✕ 同じ実施計画書で申請済み
実施計画書1件につき、助成金を申請できるのは1回だけです。第2回で申請しなかった計画書は、令和9年度第1回に使えます。ただし、令和9年度の申請時期は募集要項で予定とされていて、変わることがあります。
いくらもらえる?
助成額は、対象経費の2/3以内です。経費の種類ごとに2/3をかけ、千円未満を切り捨てて合計します。上限の1,000万円に届くのは、対象経費が1,500万円のときです。
- 経営相談会の謝金30万円と告知の広告費20万円:50万円 × 2/3 = 約33.3万円
- 起業家向けイベントの運営委託費600万円:600万円 × 2/3 = 400万円
- 謝金・広告費・委託費の合計が1,800万円:1,800万円 × 2/3 = 1,200万円 → 上限の1,000万円
第2回の交付決定日は令和9年3月1日です。助成の対象期間は、そこから1年が経過する日までの間で、実施計画書に定めた日までです。この期間に契約から支払いまで終えた経費だけが対象になります。
何に使える?
対象にならないもの
- 実施計画書に載っていない施策の費用
- 家賃、光熱水費、施設の清掃・警備などの維持管理費
- 机・椅子などの一般什器、中古品の購入費
- 飲食・茶菓の費用
- 施設の代表者や従業員への報酬・人件費
- 参加者から料金を取る支援策の費用
対象になるのは、入居者向けに施設がこれまで実施していない新しい支援策です。同じ内容のセミナーを、参加人数だけ増やして開く場合は対象になりません。
対象になるもの
- 事業費の報酬(謝金):相談会の相談員やセミナー講師への報酬
- 事業費の広告費:チラシ、バナー、動画、広告掲載、ホームページの修正
- 事業費の備品購入費:1点あたり税込1万円以上50万円未満の備品
- 事業費の備品賃借料:備品のレンタル、システム(ツール)の利用料
- 委託費のイベント運営等委託費:セミナーやイベントの運営の外部委託
報酬(謝金)は、1人につき時間あたり17,420円(税抜)が助成額の限度です。2/3をかけて逆算すると、支払う額は時間あたり26,130円(税抜)まで対象になります。1契約100万円以上の委託費には、2社以上の見積書が要ります。
申請の流れ
- INCU Tokyoに登録する(施設運営者→東京都。登録まで約1か月)
- ハンズオン支援に申し込む(施設運営者→運営事務局。申請期間は令和8年4月20日から令和9年1月25日まで。件数が上限に達し次第終了)
- 実施計画書を作る(施設運営者とハンズオン支援員。約2か月以上)
- GビズIDプライムを取る(施設運営者。国の電子申請に共通で使うID。発行に2週間程度)
- Jグランツから助成金を申請する(施設運営者→東京都中小企業振興公社。第2回は令和9年1月7日17時まで)
- 書類審査と総合審査を受ける(公社。面接はなく、結果は令和9年2月末にJグランツで通知)
- 交付決定のあと事業を行い、実績報告を出す(施設運営者。事業は令和9年3月1日から。実績報告は事業の終了から1か月以内)
- 検査のあと、助成金を受け取る(公社→施設運営者。金額の確定後に請求書を出し、約1か月後に振り込み)
第2回に間に合わせるには、ハンズオン支援の申込を早めにします。登録に約1か月、申請結果の連絡に14営業日以内、実施計画書の完成に約2か月以上かかるためです。
必要な書類
準備できた 0 / 10
履歴事項全部証明書は、発行から3か月以内のものを出します。区市町村が申請するときは、会社等の概要、反社排除の誓約事項と入居者確認書類、登記、決算、納税の書類は要りません。
該当する場合だけ出す書類もあります。実施計画書から内容が変わったときの変更理由書(様式2)、イベント運営等の委託があるときの委託費の内訳、実施計画書に添付資料があるときのその資料、Jグランツの代理申請をするときの同意書です。様式の一式は、TOKYO創業ステーションの申請ページからダウンロードできます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- INCU Tokyoの登録が外れた:助成の対象期間中も、登録を続けていることが条件です。
- ハンズオン支援を受けていない:支援を受けて実施計画書を作ることが、申請の前提です。
- 対象経費の区分に当たらない:謝金、広告費、備品購入費、備品賃借料、イベント運営等の委託費以外は、対象になりません。
- 交付決定の前に契約や支払いをした:助成対象期間の前に契約や支払いが済んだ経費は、対象になりません。
- 新しい支援策ではなかった:これまでと同じセミナーを、人数だけ増やして開く場合は対象になりません。
よくある質問
入居している創業者本人は申請できますか?
申請できません。この助成金は、インキュベーション施設を運営する管理者向けです。入居者の創業者が自分の事業に使える助成は、別の創業支援の制度にあります。たとえば東京都中小企業振興公社のTOKYO創業ステーションには、創業助成事業のページもあります。入居先の運営者に、ハンズオン支援を受ける予定があるかを聞いてみるのも手です。
INCU Tokyoとは何ですか?
東京都が運営するインキュベーション・コミュニティの通称です。ハンズオン支援や専門家派遣の申請にも、この助成金の申請にも、INCU Tokyoへの登録が前提になります。登録の申請から完了まで、おおよそ1か月かかります。ハンズオン支援の締切に間に合うよう、余裕をもって先に登録しておきます。助成の対象期間中も、登録を続ける必要があります。
ハンズオン支援とは何ですか?
ハンズオン支援員が、施設運営者の課題や状況に応じて、入居者向けの新しい支援策の提案や既存策の改善の助言をする伴走支援です。実施計画書の作成も手伝います。無料で、1事業者につき年度内に最大12回まで受けられます。この支援を受けて実施計画書を作ることが、助成金を申請する条件です。申請期間は令和8年4月20日から令和9年1月25日までで、フォームから申請書を送ります。
どんな費用が対象ですか?
事業費と委託費です。事業費は、報酬(謝金)、広告費、備品購入費、備品賃借料の4つです。委託費は、イベント運営等の委託費です。たとえば入居者向けの経営相談会なら、専門家への謝金と告知の広告費が当たります。実施計画書に載っていても、助成金の申請書に書かなかった経費は対象になりません。施設を運営するための費用ではなく、入居者を支援する取り組みの費用が中心です。迷う費用は、事前に創業支援課へ問い合わせます。
家賃や光熱費は対象になりますか?
対象になりません。募集要項は、光熱水費や、施設の清掃・警備などの維持管理費を対象外としています。対象は、謝金、広告費、備品購入費、備品賃借料、イベント運営等の委託費の5つです。机や椅子などの一般什器、中古品の購入費、飲食の費用も対象外です。確実に知りたい費用は、東京都中小企業振興公社の創業支援課に電話で確認します。
助成額はどう計算しますか?
経費の種類ごとに、対象経費に助成率の2/3をかけます。千円未満は切り捨てで、合計の上限は1,000万円です。たとえば謝金30万円と広告費20万円で50万円かかった場合は、約33.3万円が助成されます。上限の1,000万円に届くのは、対象経費が1,500万円のときです。それを超えた分は助成されず、施設運営者の負担になります。見積の段階で、自己負担がいくらになるかを計算しておきます。
どの団体なら応募できますか?
INCU Tokyoに登録済みで、募集要項の12種類のいずれかに当たる団体です。中小企業者、都内の区市町村、一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人、公益財団法人、大学、地方銀行、信用金庫、信用組合、特定非営利活動法人、労働者協同組合です。中小企業者は業種ごとの資本金と従業員数の基準があり、大企業が実質的に経営に参画している団体は除かれます。自分の団体が当たるかは、募集要項で確かめます。
申請はどこで、どうやって出しますか?
国のJグランツによる電子申請です。申請にはGビズIDのアカウント(GビズIDプライム)が必要なので、事前に取得しておきます。紙での提出は受け付けられません。送信後は、内容を加筆したり修正したりできないため、書類の不備や不足がないか確かめてから送ります。ハンズオン支援の申請はこれとは別で、申請様式に記入して、Googleフォームから送ります。フォームが使いにくい場合は、運営事務局のメールアドレス宛に申請書を送る方法も案内されています。
申請の受付はいつですか?
令和8年度は2回あります。第1回は令和8年7月15日から7月31日まででした。第2回は令和8年12月14日から令和9年1月7日の17時までです。申請者用Q&Aでは、Jグランツへの制度の公開を令和8年12月7日に予定しています。令和9年度の第1回も、募集要項では予定として触れられていますが、時期は変わることがあります。受付の最新の状況は、TOKYO創業ステーションの公式ページとJグランツの募集ページで確かめます。
助成の対象期間はどのくらいですか?
交付決定日から最長1年です。第2回は令和9年3月1日から始まり、令和10年2月29日までの間で、実施計画書に定めた日が事業の完了日になります。その期間内に事業を行い、経費を使い終えて、実績報告を出します。期間を延ばしたいときは、事前に変更承認申請書を出し、交付決定日から1年の範囲で認められます。1年で終わる計画かどうかを、実施計画書の段階で見積もっておきます。
審査では何を見られますか?
書類審査と総合審査会の2段階で、面接はありません。書類審査では、資格要件と対象経費に合っているかを形式として見たうえで、実施計画の妥当性と実現性、助成金の活用方法の有効性、スケジュールの妥当性、申請経費の妥当性、助成金交付の適格性を見ます。採択率はあらかじめ決められていません。結果は、令和9年2月末にJグランツで通知されます。
助成金はいつ振り込まれますか?
後払いで、事業が終わってから振り込まれます。事業の終了から1か月以内に実績報告を出し、公社が施設を訪ねて現品や書類の原本を確かめます。そのあと助成金の額が確定し、請求書を出してから約1か月後に振り込まれます。それまでの経費は自分で立て替えます。交付決定の額は上限で、検査の結果、減ることがあります。
他の補助金と併用できますか?
同じ経費に、他の補助金や助成金を重ねて受けることはできません。他の制度と同時に申請することはでき、両方で採択されたときは、どちらか一方を選んで、もう一方を辞退します。辞退届は、交付決定通知書が届いてから14日以内に出します。対象の経費が重ならなければ、併用を考えられます。他の制度の要件も合わせて確かめます。
問い合わせ先はどこですか?
助成事業については、東京都中小企業振興公社の事業戦略部 創業支援課 インキュベーション施設担当です。電話は03-5220-1142、メールはincukyoka@tokyo-kosha.or.jpで、受付は平日の10時から17時です。ハンズオン支援と専門家派遣については、運営事務局(電話03-6213-1761、メールinfo-incu@tohmatsu.co.jp)が窓口です。
