なぜ東京都は喫煙室の工事費まで助成するのでしょうか。理由は、東京都独自の「受動喫煙防止条例」が、国の健康増進法よりも規制対象を広く取っているからです。従業員を雇う飲食店は、原則として店内を禁煙にするか、法律の基準を満たした喫煙室を設ける義務があります。設備投資の負担が重い中小の飲食店・宿泊施設が条例に対応できるよう、工事費の一部を助成するのがこの制度です。
助成の中身は2種類あります。喫煙専用室などを新しく設置する場合は上限400万円、逆に分煙設備を撤去して全面禁煙にする場合は上限150万円です。助成率は原則2/3ですが、客席面積100㎡以下の中小飲食店は9/10まで引き上がります。小さな店ほど手厚い設計です。
経営力強化に向けた創意工夫チャレンジ促進事業(受動喫煙防止対策支援コース)の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 経営力強化に向けた創意工夫チャレンジ促進事業<飲食事業者向け経営基盤強化支援(受動喫煙防止対策支援コース)> |
| 対象業種 | 宿泊業、飲食サービス業 |
| 利用目的 | 設備投資 |
| 対象地域 | 東京都 |
| 従業員数 | 中小企業基本法に規定する中小企業者(大企業の実質的な経営参加がない者) |
| 補助上限額 | 喫煙専用室等の設置:400万円/分煙設備の撤去等:150万円 |
| 補助率 | 2/3以内(客席面積100㎡以下の中小飲食店は9/10以内) |
| 申請受付 | 2026年6月1日〜2026年9月11日16時45分 |
| 公式サイト | 東京都中小企業振興公社「受動喫煙防止対策支援コース」 |

2つのコース 設置と撤去、どちらが自店に合うか
対象は大きく2つに分かれます。
- 喫煙専用室・指定たばこ専用喫煙室の設置:上限400万円、助成率2/3(小規模飲食店は9/10)
- 分煙設備の撤去等:上限150万円、助成率2/3
「喫煙室を作って喫煙客を残す」か「思い切って全面禁煙にする」かは経営判断ですが、全面禁煙に切り替える場合のほうが、撤去費用だけで済むぶん少ない負担で条例対応が完了するケースもあります。どちらの助成率が高くなるかは店の規模と現状の設備によって変わるため、両方の見積りを取ってから決めるのが安全です。
助成金は後払い 資金繰りへの影響を先に押さえる
この助成金は工事完了後の後払いです。 交付決定を受けてから工事を行い、年度末までに公社へ実績報告と請求書を提出して、初めて振り込まれます。工事費は自己資金や借入でいったん立て替える必要があるので、資金繰り計画にこの点を組み込んでおくことが重要です。
代理申請(税理士や工事業者に手続きを依頼する場合)は同意書の提出が必須です。忘れると受付されないため、代理人へ依頼する事業者は早めに準備してください。
申請の入口はJグランツ GビズIDの準備を忘れずに
申請はデジタル庁の電子申請システム「jGrants」経由です。GビズIDプライムアカウントの取得には2〜3週間かかります。締切の9月11日から逆算すると、まだ取得していない事業者は今すぐ手続きを始める必要があります。
よくある質問
客席面積が100㎡を超える飲食店は助成率が下がりますか?
はい。100㎡を超える中小飲食店、および宿泊施設は助成率2/3が適用されます。9/10の優遇は客席100㎡以下の中小飲食店に限られます。
喫煙室を作らず、換気設備の改善だけでも対象になりますか?
公式ページには喫煙専用室・指定たばこ専用喫煙室の設置、または分煙設備の撤去等が対象と明記されています。個別の設備が対象に含まれるかは、東京都中小企業振興公社への事前確認をおすすめします。
助成金はいつ振り込まれますか?
交付決定後に工事を実施し、実績報告と請求書を年度末までに提出したあとの後払いです。工事費は先に自己負担する必要があります。
