商店街の通りを冬のあいだ毎晩ライトアップしたい。照明機材と工事の見積を取ると、数千万円の話になります。東京都と東京観光財団のライトアップ等総合支援助成金は、その経費の3分の2以内を助成する制度で、上限は区分Aが3,000万円、区分Bが600万円です。
使う側がいちばん気をつけたいのは、契約も支払いも「助成対象期間」の中に収めることです。令和8年度第2回なら対象期間は2026年11月1日から。先に発注した機材は助成されません。第2回の申請は2026年8月28日で締め切られ、令和8年度の最後の第3回も10月30日で終わっています。上限の3,000万円は区分Aの額で、区分Bは600万円です。
ライトアップ等総合支援助成金の要点まとめ
正式名:ライトアップ等総合支援助成金(令和8年度第2回)
だれが
- 申請者
- 法人・団体(区市町村・観光協会・商工会等・商店街等)
- 対象業種
- 業種の指定なし(法人・団体が対象)
- 利用目的
- ライトアップ・イルミネーションの新規実施
- 対象地域
- 東京都内
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 3,000万円
- 補助率
- 助成対象経費の3分の2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年7月27日〜2026年8月28日17時必着
- 事業の完了
- 2027年6月30日まで(区分A-②は2028年4月30日まで)
自分の団体は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
「新たな取組」とは、過去5年間ライトアップ等をしたことのない場所か、過去の事業とは違う内容で行うものです。民間事業者は営利目的の法人に限られます。一般社団法人・NPO法人なども「その他の法人」として申請できますが、宗教法人・社会福祉法人・学校法人は含まれません。照明デザイナーは、照明の設計や器具選定のデザイン業務の実績がある人を指し、工事だけの業者は当たりません。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 個人事業主として申請する
- ✕ プロジェクションマッピング
- ✕ 国や都、区市町村の補助金を財源に入れる
- ✕ 手持ち提灯などの持ち運べる物
ドローンショーや動画の投影も対象外です。個人事業主は、募集要領の対象者に入っていません。他の補助金の扱いには例外があり、区市町村から団体に出る運営費のうち、使い道を指定されていないものは財源に入れても構いません。
いくら戻ってくる?
助成額は、助成対象経費に3分の2をかけた額です(千円未満は切り捨て)。実施の期間と形で、上限が分かれます。
| 区分 | 実施の形 | 上限額 |
|---|---|---|
| 区分A-① | 3か月を超えて毎日実施 | 3,000万円 |
| 区分A-② | 終期を定めず常設し、毎日実施 | 3,000万円 |
| 区分B | 1週間以上3か月以内で毎日実施 | 600万円 |
区分A-②は、照明機材を設置する建造物等の所有者だけが申請できます。1週間に満たない点灯は、どの区分にも当たりません。
- 商店街が通りを2か月ライトアップ(区分B):対象経費450万円 × 2/3 = 300万円
- 募集要領の例と同じ規模:対象経費600万円 × 2/3 = 400万円
- 観光施設が3か月超の点灯を始める(区分A):対象経費5,400万円 × 2/3 = 3,600万円 → 上限の3,000万円
- 区分Bで対象経費が1,200万円:1,200万円 × 2/3 = 800万円 → 上限の600万円
上限に届くのは、区分Aなら対象経費が4,500万円以上、区分Bなら900万円以上のときです。入場料や協賛金などの収入が自己負担分を上回ると、その超えた分が助成額から引かれます。
何に使える?
対象にならないものを先に挙げます。
- 助成事業者の人件費
- 既設の照明機材の交換・改修・増設
- ライトアップに付随するイベントの経費
- 消費税と地方消費税
- 動産の保険、イベント中止保険
- 中古品の購入、汎用性があって別用途に使えるもの
対象になるのは、主に照明機材にかかる次の経費です。
- 設計費
- 機材・設備・備品の購入費(リース・レンタルを含み、中古品は除く)
- ライトアップのデザイン費(現地調査の費用を含む)
- 工事費・設営費・会場運営費(電気工事、取付工事、会場使用料)
- 事業周知の経費(助成対象経費全体の1割以内。ホームページの更新など経常的なものは除く)
- 来場者賠償責任保険など、事業に必要な諸経費
外部に支払う経費で、見積書と支払の証明が出せるものに限られます。1件100万円以上(税込)の発注は、原則3社以上から見積を取り、最も安い業者を選びます。
申請の流れ
- 事前エントリーを送る(申請予定の団体→東京観光財団。第2回は8月21日正午までにメールで区分・事業者名・担当者・連絡先・実施時期・実施場所を送る)
- 申請書類を出す(団体→東京観光財団 地域振興部事業課。簡易書留とメールの両方で、8月28日17時必着。出したら電話でも連絡する)
- 審査を受ける(東京観光財団。書類審査のあと、プレゼンテーション審査がある)
- 交付決定を受ける(第2回は10月末の予定。減額や条件が付くことがある)
- 助成対象期間の中で契約・実施・支払いまで終える(団体。第2回は2026年11月1日から2027年6月30日まで)
- 実績報告を出す(団体→財団。事業が終わってから30日以内)
- 額の確定通知を受け、請求書を出す(財団→団体。振込は請求書を出したあと)
事前エントリーは、募集要領で「申請を予定している方にお願いする」ものと書かれています。申請の前提条件とまでは書かれていません。
必要な書類
準備できた 0 / 10
団体に関する書類は、申請者が区市町村なら不要です。工事関係書類(工事工程表、建物の登記事項証明書、建築確認申請書、建築検査済証など)は、区分A-②のときだけ要ります。様式はすべて財団の案内ページに並んでいます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 助成対象期間の前に契約した:期間前に結んだ契約の経費は、助成金が支払われません。
- 支払いが期間内に終わらなかった:契約から支払いまでが期間内に収まっていない経費は対象外です。
- 承認を受けずに内容を変えた:申請内容の変更は原則できません。承認前に契約や支払いをすると対象外になります。
- 見積の取り方が価格競争になっていない:発注先を先に決めて他社の見積を高くするなどの行為が分かると、交付決定の取消しと返還になります。
- 取得した財産を勝手に処分した:取得価格が50万円以上のものを耐用年数のうちに処分するときは、事前の承認が要ります。
併用と2年目以降の話
他の補助金との併用は、原則できません。国庫補助金のほか、本事業以外の都や区市町村、第三セクター等からの補助金を一部でも財源にした事業は対象外です。
区分A-①と区分Bで採択された事業は、同じ事業を2年目・3年目に続けるときの継続助成が予告されています。2年目は助成率2分の1で上限が区分A-①2,250万円・区分B450万円、3年目は助成率3分の1で上限が区分A-①1,500万円・区分B300万円です。ただし再度の申請と審査が必要で、詳細は令和9年度にお知らせすると書かれています。区分A-②は対象外です。
よくある質問
個人事業主でも申請できますか?
募集要領の対象者に、個人事業主は入っていません。対象は区市町村、観光協会、商工会等、エリアマネジメント、民間事業者、商店街等、その他の法人で、民間事業者は営利目的の法人格を持つ企業に限られます。個人で店を営んでいる場合は、商店街振興組合などの団体を通じた取組にできないか、東京観光財団の担当窓口に相談してみる手があります。
区分Aと区分Bはどう選びますか?
点灯する期間と形で決まります。3か月を超えて毎日点灯するか、終期を定めず常設して毎日点灯するなら区分A、1週間以上3か月以内で毎日点灯するなら区分Bです。上限は区分Aが3,000万円、区分Bが600万円です。計画の日数が境目にかかる場合は、点灯の日数を数えなおしてから区分を決めると、申請後に区分が合わない事態を防げます。
プロジェクションマッピングは対象ですか?
対象外です。プロジェクションマッピング、ドローンショー、動画の投影、持ち運びのできる手持ち提灯・サイリウムライトは対象に含まれません。対象になる例は、ライトアップ、イルミネーション、ゴボ投影やレーザーを使った空間演出です。映像を使った演出をしたい場合は、別の制度が用意されているか、財団の案内ページで確かめておくと迷いません。
点灯に合わせたイベントの費用も出ますか?
出ません。ライトアップに付随して行うイベントの経費は、助成対象外です。事業周知の経費は対象ですが、助成対象経費全体の1割以内に限られ、ホームページの更新のような経常的な経費も除かれます。点灯に合わせた催しを開く場合は、機材や工事にかかる経費とイベントにかかる経費を、見積の段階から分けておくと申請書類を作りやすくなります。
毎年やっている点灯に使えますか?
対象は「新たな取組」です。過去5年間ライトアップ等をしたことのない場所か、過去に行った事業とは違う内容で実施するものが当たります。毎年同じ場所で同じ内容を続けているだけだと、対象から外れます。既設の照明機材の交換・改修・増設も対象外なので、場所を変えるか、内容を広げて別の事業として組み立てられるかを先に確かめます。
照明デザイナーは必ず必要ですか?
必要です。デザイン計画の策定や光源配置、照明器具の選定で、照明デザイナーを必ず活用する決まりです。ここでいう照明デザイナーは、デザイン計画の策定やコンサルティング、デザインのアウトプット作成などの専門知識と業務実績がある人で、工事の施工だけを行う業者は含まれません。申請書類にも、デザイナーの詳細と、デザインのイメージ図を付けます。
他の補助金と一緒に使えますか?
原則使えません。国庫補助金のほか、本事業以外の都や区市町村、第三セクターなどからの補助金を一部でも財源にする事業は、助成の対象外です。ただし、区市町村から団体に出る運営費のように、特定の事業への使い道が決められていないものは除かれます。財源の組み立てに不安があるときは、申請の前に財団へ相談しておくと安心です。
入場料を取ると助成額は減りますか?
減る場合があります。入場料や協賛金、寄付金などの収入が出て、その額が自己負担分を上回ると、上回った分が交付額から差し引かれます。たとえば助成対象経費が600万円で自己負担が260万円のとき、収入が360万円なら100万円が引かれ、交付確定額は300万円です。収入は帳簿で管理して、実績報告のときに出します。
契約はいつから結べますか?
助成対象期間に入ってからです。第2回なら2026年11月1日以降で、期間より前に結んだ契約の経費は助成金が支払われません。申請を出したあとでも、交付決定を待たずに業者へ発注すると、その経費が対象から外れるおそれがあります。見積を取る作業は事前に進められるので、契約書の日付だけは期間内に収まるように調整します。
審査はどのように進みますか?
一次審査(書類審査)で申請要件を確かめ、二次審査に進む事業を選びます。二次審査はプレゼンテーション審査で、事業計画を説明して質疑を受けます。見られるのは、目的、デザイン性、実現可能性、集客と継続性、経費の適正性などです。審査内容は公表されず、異議の申し立ても受け付けられないため、企画書を丁寧に作り込みます。
申請は同じ年度に何回でも出せますか?
出せません。同じ年度に出せる申請は、1事業者につき1件です。令和8年度は第1回(4月23日〜5月29日)、第2回(7月27日〜8月28日)、第3回(9月16日〜10月30日)の三回が募集要領に載っていますが、どの回に出すかは1回だけ選ぶことになります。計画が固まる時期に合わせて、回を決める考え方があります。
問い合わせ先はどこですか?
申請方法に関することは、東京観光財団 地域振興部事業課のライトアップ等総合支援助成金担当(電話 03-5579-2682、メール lightup@tcvb.or.jp)です。事業全般に関することは、東京都産業労働局観光部振興課(電話 03-5000-7320)が受け付けています。区分の選び方や、対象になるかの境目で迷うときは、申請の前に問い合わせておくと書類の出し直しを防げます。
