開催地が決まったあとに、誘致の費用を助成してもらえるのか。できません。この助成が対象にするのは、開催地がまだ決まっていない会議の誘致活動だけです。
学会などの国際団体の本部に東京開催を売り込む資料作り、プレゼンテーション、本部役員の東京事前視察。この費用を、東京観光財団が現地参加者数に応じて最大800万円まで、全額助成します。
国際会議誘致資金助成事業の要点まとめ
正式名:国際会議誘致資金助成事業
だれが
- 申請者
- 営利を目的としない日本国内の団体(会議の主催団体)
- 対象業種
- 指定なし(学会・協会などの主催団体)
- 利用目的
- 国際会議の誘致活動(資料作成・プレゼン・視察)
- 対象地域
- 東京都(都内で開く国際会議)
- 従業員数
- 規定なし(団体単位で申請)
いくら
- 補助上限額
- 上限800万円(現地参加者6,000人以上の場合。人数により変動)
- 補助率
- 対象経費の全額(ただし上限額まで)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月1日〜2027年2月26日
- 事業の完了
- 誘致の終了後、速やかに実績報告
- 公式サイト
- 東京観光財団「国際会議誘致資金助成」
うちの会議は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
規模の条件は、現地の総参加者が50人以上で、うち海外からの参加者が20人以上です。総参加者には、参加登録をした現地の人を数えます。海外からの同伴者と出展者は含み、展示会だけの来場者と、併催する国内会議の登録者は含みません。
主催団体には、誘致と開催に必要な組織体制、適法な運営規約、国際会議の誘致計画があることも求められます。暴力団、または役員や従業者に暴力団員がいる団体は対象外です。
開催地が国際団体本部の関与で決まる会議であることも条件です。会議の内容は、東京の国際的な存在感、産業・経済、学術・文化・国際交流のどれかに役立つものに限られます。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 開催地がすでに決まっている
- ✕ 国や自治体が主催(共催を含む)する
- ✕ 政治・宗教の活動が目的の会議
- ✕ 誘致の開始が2027年3月31日より後
誘致の開始は「原則として」2027年3月31日までと定められています。誘致の完了は、2029年3月31日までに予定していることが条件です。
いくら戻ってくる?
助成額は、現地の総参加者数ごとの限度額と、対象経費の合計(全額)の、低いほうです。
| 現地の総参加者数 | 限度額 |
|---|---|
| 6,000人以上 | 800万円 |
| 2,000人以上6,000人未満 | 600万円 |
| 500人以上2,000人未満 | 400万円 |
| 50人以上500人未満 | 200万円 |
経費は消費税を除いて数えます。
- 現地300人の会議で、対象経費が150万円:150万円 × 10/10 = 150万円
- 同じ300人で、対象経費が260万円:260万円 × 10/10 = 260万円 → 限度額の200万円
- 現地1,200人の会議で、対象経費が450万円:450万円 × 10/10 = 450万円 → 限度額の400万円
- 東京と国内他都市が候補で、東京分の経費が200万円に按分された:200万円 × 10/10 = 200万円
最後の例の按分は、公式ページに割合の定めがありません。東京と国内の他都市が候補のときは、対象経費を原則として按分するので、見積もりの全額が出るとは限りません。
何に使える?
対象にならないもの
- 消費税とその他の租税公課
- 誘致事業を実施する人件費
- 国内主催者が国内で活動するときの渡航費・滞在費
- 主催者の責任で不成立になった事業の経費
- 誘致の目的に直接関係しない経費
対象になるもの
- 広報宣伝費(ビデオや配布用の販促物の制作、プレゼンの制作・指導、オンラインプレゼンの実施)
- 印刷製本費(誘致提案書、パンフレットの制作費と送料)
- 会場借上費(理事会・総会に合わせた展示ブースの借上げと装飾、説明会やリハーサルの会場)
- 渡航費・滞在費(国際団体本部の役員が東京を事前視察するとき、国内主催者が理事会・総会でプレゼンするとき)
- その他、財団が特に必要と認める経費
渡航費は、国際団体本部の役員はエコノミークラスが原則で、国内主催者はエコノミークラスの利用に限られます。人件費と、国内での国内主催者の移動は対象外です。
申請の流れ
- 財団に先に相談する(団体→東京観光財団 コンベンション事業部。電話03-5579-2684。公式ページが最初の相談先として案内)
- 申請書類を出す(団体→財団。簡易書留で郵送し、電子データも送る。2027年2月26日まで)
- 審査の結果を待つ(財団→団体。申請書の受領から1か月を目途に、文書で通知)
- 交付決定のあとで活動を進める(団体。先に始める部分があるときは、事前着手の申請が要る)
- 終わったら実績報告を出す(団体→財団。誘致事業実績報告書と決算書。確定のあとに請求)
法人格がある団体は、郵送のかわりにデジタル庁の電子申請システム(Jグランツ)でも出せます。利用には、法人向けの共通ID(gBizIDプライム)が要ります。発行に審査の日数がかかるので、早めに取っておくと安心です。
交付決定の前に誘致活動を始めるときは、一部事前着手の申請と財団の承認が要ります。承認されても、あとの審査で否認されれば、その部分は助成の対象になりません。
必要な書類
準備できた 0 / 6
交付申請書は第1号様式の1から4までで、収支予算と経費の内訳も書きます。競合状態の証明は、国内外の他都市と争っていることを示す書類です。このほか、理事長が必要と認める書類を求められることがあります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 決定の前に活動を始めた:事前着手の承認がないまま始めた部分は、助成の対象になりません。承認があっても、審査で否認される場合があります。
- 助成の要件を欠いた:開催地が決まっていた、規模が足りなかったなど、第3条の要件を満たさなくなると、決定の取消しと返還の対象です。
- 申請に虚偽があった:申請や報告の内容に虚偽があると、決定が取り消されます。返還のときは、受け取った日から年10.95%の違約加算金もかかります。
- 主催者の責任で不成立になった:その部分の経費は、助成の対象から外れます。
開催資金助成と何が違う?
東京観光財団には、名前が似た「国際会議開催資金助成」もあります。どちらも、開催地が未決定で東京と他都市が候補の会議が対象です。違いは、助成するのが「どの段階の費用か」です。
| 比べる点 | 誘致資金助成(この記事) | 開催資金助成 |
|---|---|---|
| 助成の対象 | 開催地が決まる前の誘致活動費 | 開催にかかる会場借上費、機材費、海外参加者の渡航費・宿泊費など |
| 最大の額 | 800万円(現地6,000人以上) | 1.5億円(現地6,000人以上) |
| 申請の受付 | 2027年2月26日まで | 開催地の決定時期に応じた審査(年4回の提出期限) |
誘致の費用は誘致資金助成、開催が見えてからの運営費は開催資金助成、と段階で分かれます。同じ会議で両方を使えるかは、どちらの公式ページにも書かれていません。両方を考えるときは、財団に確かめてください。
開催資金助成の中身は、こちらの記事にまとめています。
よくある質問
誘致が実らず、他の都市に決まったら助成金を返しますか?
要綱の返還の規定(第16条、第17条)に、他都市に決まったことを理由にする項目はありません。返還や決定の取消しの対象は、助成の要件を欠いたときや、虚偽の記載があったときなどです。ただし、他都市に決まった場合の個別の扱いは公式ページに書かれていないため、不安があれば申請の前にコンベンション事業部へ確かめてください。
東京開催が決まったあとの運営費も、この助成でまかなえますか?
まかなえません。この助成が対象にするのは、誘致活動にかかる経費です。開催が決まったあとの会場借上費や機材費などは、別の「国際会議開催資金助成」が対象にします。対象の活動と限度額が違うため、どの段階の費用なのかを分けて考えてください。同じ会議で両方使えるかは、公式ページに記載がありません。
企業やNPOでも申請できますか?
申請できるのは、営利を目的としない日本国内の団体です。さらに、誘致する会議で東京開催が決まった場合も、引き続きその会議を主催する団体に限られます。営利を目的とする企業は対象外です。NPOや学会などが営利を目的としないといえるかは、規約や運営の実態で判断されるため、事前に財団へ相談してください。
国や自治体が共催する会議は対象になりますか?
なりません。国、都道府県、区市町村、東京都の政策連携団体と事業協力団体は、主催する側にも共催する側にも入れません。政治活動、宗教活動、選挙活動を事業目的とする団体が主催する会議も対象外です。会議を誘致する団体の中に、これらが入っていないかを、申請の前に確かめておいてください。
現地の参加者数は、どう数えますか?
参加登録をした現地の参加者を数えます。海外からの同伴者と、海外からの出展者は人数に含めます。展示会だけの来場者と、併催する国内会議の登録者は含めません。この数が、限度額の4つの区分(50人以上、500人以上、2,000人以上、6,000人以上)を決めます。見込み人数は、区分の境目にある場合ほど慎重に見積もってください。
人件費は助成の対象ですか?
対象外です。要綱の対象外経費に、対象事業の実施にかかる人件費が入っています。消費税とその他の租税公課、国内主催者が国内で活動するときの渡航費・滞在費も同じ扱いです。見積もりを作るときは、外部に払う制作費、印刷費、会場費、国際団体本部の役員の渡航・滞在費に分けておくと、対象かどうかを確かめやすくなります。
国内の他の都市と候補を争っている場合、経費はどうなりますか?
東京と国内の他の都市が開催候補地になっている場合は、対象経費を原則として国内の他の都市と按分します。按分の割合は公式ページに書かれていません。たとえば全額が東京分とは限らないので、見積もりの段階で、財団に按分の考え方を聞いておくと、助成額の見込みを立てやすくなります。
申請の期限と、結果が出るまでの期間は?
申請の受付は、2027年2月26日までです。審査結果は、申請書の受領から1か月を目途に、交付の可否にかかわらず文書で通知されます。対象の会議は、原則として2027年3月31日までに誘致を開始するものです。期限の直前は書類の不備を直す時間が取れないので、早めに財団へ相談しておくと安心です。
郵送とJグランツのどちらで申請しますか?
どちらも選べます。郵送は簡易書留で出し、同時に電子データも財団が指定するメールアドレスに送ります。Jグランツは、法人格がある団体だけが使えます。利用にはgBizIDプライムのアカウントが要り、発行に審査の日数がかかります。Jグランツで出すときは、公式ページが案内する専用のURLからアクセスしてください。
助成金は、いつ受け取れますか?
誘致事業が終わってから、実績報告書と決算書を出します。財団が内容を確かめて助成額を確定し、その通知を受けたあとで、請求書を出して支払いを受けます。これが確定払いです。事業の実施に支障が出ると財団が認める場合に限って、概算払いも認められています。概算払いは、確定後に精算します。
助成金の帳簿は、いつまで残しますか?
助成事業に関する収入と支出の帳簿と、証拠書類を、事業年度の終了後5年間、整理して保管する決まりです。財団は必要があると認めるとき、報告を求めたり、帳簿などを検査したりできます。領収書の取っておき忘れは、あとで助成額に響くことがあるため、誘致活動の費用はそのつど記録を残してください。
問い合わせ先はどこですか?
公益財団法人東京観光財団 コンベンション事業部 国際会議担当です。電話は03-5579-2684で、受付は土日祝日を除く午前9時から午後5時45分までです。所在地は新宿区西新宿二丁目3番1号 新宿モノリス15階です。公式ページは、申請を考えるときはまず相談するよう案内しています。
