博物館や庭園を会議やパーティーの会場に売り込むには、まず使い勝手を見せる場が要ります。この助成は、そのお披露目イベントの費用を、1,500万円まで全額出します。
イベントはショーケースイベントと呼ばれ、施設の魅力や使い方を、会議の主催者などに見てもらうために開きます。会議の主催者かミーティングプランナーを、必ず招待客に含めることが条件です。
ここでいうMICEとは、企業の会議、報奨・研修旅行、国際会議、展示会やイベントの総称です。ユニークベニューは、博物館・美術館・科学館・植物園・水族館・庭園などで、立ったまま50名以上が飲食できる施設を指します。
ユニークベニュートライアル開催支援の要点まとめ
正式名:ユニークベニュートライアル開催支援事業
だれが
- 申請者
- お披露目イベントを自費で開く施設、MICE拠点、拠点の事務局
- 対象業種
- 指定なし(TOKYO Unique Venues掲載または掲載予定の施設など)
- 利用目的
- ショーケースイベントの開催経費
- 対象地域
- 東京都内
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 1,500万円(経費の全額。料飲費・企画費は申請総額の20%まで)
- 補助率
- 10/10
いつ・どこへ
- 申請受付
- 第1回:2026年4月30日、第2回:6月30日、第3回:2026年10月30日
- 事業の完了
- 令和9年2月26日まで(支払い・実績報告を含む)
自分の施設は対象になる?
次の5つにすべて当てはまることが必要です。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 国立・都立施設、神社仏閣(原則)
- ✕ 令和7年度以降に同助成を使った施設
- ✕ 物販や興行など収益目的のイベント
- ✕ 労働組合活動や福利厚生が目的
- ✕ 同じ内容で他の助成を受ける予定
「都の施設サイト」は、東京都が運営するTOKYO Unique Venuesです。MICE拠点とは、東京都が「東京ビジネスイベンツ先進エリア」か「多摩ビジネスイベンツ重点支援エリア」に指定した団体等です。拠点が主催するときは、拠点内の施設で開きます。
神社仏閣などの「原則」除外は、例外があるかどうか公式ページに書かれていません。該当する場合は、先に財団へ聞きます。
招待客に、スタッフなどの主催関係者は数えません。地域住民や企業を呼んでもよいですが、主催者かプランナーは必ず含めます。
次の施設も対象外です。
- 東京観光財団が主催するショーケースイベントを、すでに開いた施設
- 財団の「ユニークベニュー会場設営支援」を、すでに使った施設
- 東京都の政策連携団体、政治・宗教・選挙活動が目的の団体
- 過去5年以内に重大な法令違反があった施設
- 都税の納付対象で、未納がある申請者
東京都の暴力団排除条例に当たる団体や、風俗営業などの事業者も申請できません。
また、イベントでは広報物に「特別協力 公益財団法人東京観光財団」と表示します。写真や動画の提供など、財団の広報への協力も求められます。
いくら出る?
助成額は、対象経費の合計に10/10を掛けた額です。上限は1,500万円で、1,000円未満は切り捨てになります。
- 対象経費の合計1,000万円 × 10/10 = 1,000万円
- 対象経費の合計1,800万円 × 10/10 = 1,800万円 → 上限の1,500万円
料飲費と企画・機材操作・配膳費は、申請総額の20%までしか対象になりません。 申請総額が1,000万円なら、料飲費の対象は200万円までです。
要綱の別表は、料飲費と企画・機材操作・配膳費のそれぞれに「申請総額の20%以内」と書いています。募集要項は「(5)及び(8)については、申請総額の20%を超える部分は助成対象外」という書き方です。2つを合わせて20%なのか、別々に20%なのかは明記がありません。費用配分を組む前に財団へ確認してください。
料飲費の食数は、参加予定人数分が上限です。精算は実際の参加人数分が原則で、当日のキャンセルを見て、実参加人数の10%増まで認められます。
交付決定通知の金額は、助成予定額の上限です。支払いが確定した額ではありません。実績報告のあとに確定額が通知されます。
消費税は、間接経費として対象外に挙がっています。見積書を税込みと税抜きのどちらで出すかは、書かれていません。事前相談で確かめます。助成金の課税上の扱いも書かれていません。
何に使える?
対象外の経費を先に確認します。
- 施設の会場借上費や備品リース料(施設や拠点が請求者・受領者になるもの)
- 人件費(企画・機材操作・配膳に係る経費は除く)
- 申請書に書いていない経費
- 交付決定前に着手した経費
- 助成対象期間外の経費
- 施設の外に置く機材や備品の経費
- 見積書、契約書、納品書、請求書、領収書などが不備の経費
- 申請書の作成代行費、証明書の取得費、消費税、収入印紙代、運送費、交通費、通信費(招待状の発送費は除く)、家賃、光熱水費、振込手数料
- 資料収集、調査、会議費、消耗品、商品券などの金券
- 通常業務の支払いと混ざって区別できない経費
- 他の取引との相殺で支払った経費
- 親会社、子会社、役員を兼ねる会社、代表者の三親等以内の親族が経営する会社との取引
- 開催目的に照らして過剰な経費、市場価格より著しく高い経費
対象になるのは、ショーケースイベントを開くのに必要な次の経費です。
- 装飾費:テーブルクロス、暗幕などのレンタル
- 機材費:音響・照明・映像機材のレンタル費と搬出入費
- 看板・誘導板経費:会場内の看板、誘導板、受付サイン
- 設備費:電源車・発電機の設置、電気・給排水工事、食材の保冷・保温、キッチンカー
- 料飲費:ケータリングなど(申請総額の20%まで)
- イベント演出費:アトラクションの出演料と交通費
- PR用動画撮影費:施設のユニークベニュー利用をPRする動画の制作費。日本語を含む多言語対応が必要で、字幕やテロップでもよい
- 企画・機材操作・配膳に係る経費:業務委託の企画費、運営スタッフ、司会・通訳、オペレーター、配膳(申請総額の20%まで)
- その他:屋外開催に伴う備品のレンタル(雨天対策など)
「特に必要と認められる経費」は、財団の判断です。
申請から支払いまでの流れ
- 財団に事前相談する(申請者→東京観光財団コンベンション事業部。書類を出す前に)
- 申請書類を出す(申請者→財団。郵送は簡易書留で、電子データも送る。回ごとの提出期限まで)
- 審査会の結果を待つ(財団→申請者。交付か不交付かが文書で届く)
- 交付決定日以降に契約・発注する(申請者→取引先。決定前の着手は対象外)
- ショーケースイベントを開く(申請者。当日、財団・東京都の職員が開催と機材を確認に来る)
- 実績報告を出す(申請者→財団。事業完了後、すみやかに)
- 確定額の通知を受けて請求する(申請者→財団。請求書を受け取って約1か月で振込)
開催時期の枠は回ごとに違い、第1回は令和8年6月1日から、第2回は8月3日から、第3回は12月1日からです。いずれも令和9年2月26日までに、支払いと実績報告を終えます。
第3回の提出期限は2026年10月30日です。募集には枠があり、枠がなくなれば途中で中止されることがあります。公式ページには「交付申請可能枠に残りがある場合に、随時審査いたします」とあります。11月1日から12月25日までの提出を希望するときは、財団に相談します。
どうしても交付決定前に着手が必要なときは、事前着手の届出(第2号様式)を出して承認を得ます。承認なしの着手は、助成対象外です。
実績報告には、参加者アンケートとその分析をまとめた報告書も付けます。施設が申請者なら、受け入れ環境の強化に向けた設備の刷新・改善の視点も入れます。
必要な書類
準備できた 0 / 8
納税証明書は、法人都民税と法人事業税のもので、都内に事業所を設けて事業を行う事業者だけが出します。MICE拠点やその事務局が申請するときは、第1号様式の2の施設運用計画書も出します。財団が必要と認める書類を、追加で求められることもあります。
申請は、法人格があれば電子申請(jGrants)もできます。利用にはgBizIDプライムの取得が必要で、発行に日数がかかります。jGrantsは、デジタル庁の補助金電子申請システムです。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約した:決定前に着手した経費は、すべて対象外です。
- 見積書にない経費を使った:経費見積書に書いた内容以外は助成されません。見積書の明細額が、それぞれの上限です。
- 帳票がそろっていない:請求書の明細が経費実績書と突き合わせられないと、助成できないことがあります。
- 開催しなかった・開催日を過ぎた:申請者の責任で開催しなかった経費は対象外です。開催時期の変更は原則1回で、同じ年度内に限られます。
- 要件を欠いていた・虚偽があった:交付決定が取り消され、受け取った助成金の返還を命じられます。受領日からの違約加算金は年10.95%です。
併用・事業のあとにやること
同じ内容で、国、都道府県、区市町村、東京都の政策連携団体などから助成を受けた実績や予定がある場合は、申請できません。
経理の書類は、事業が終わった年度の終了後5年間保存します。財団は、完了後も事務所に立ち入って調べることがあります。
よくある質問
施設ではなく、イベント会社も申請できますか?
申請できるのは、ショーケースイベントを自らの費用負担で開く施設、MICE拠点、MICE拠点の事務局です。イベント会社が単独で申請する形は、募集要項に書かれていません。施設から企画や運営を受託する場合の費用は、企画・機材操作・配膳に係る経費として、申請総額の20%の枠の中で対象になります。
TOKYO Unique Venuesに掲載されていなくても申請できますか?
掲載予定の施設なら申請できます。要綱は「掲載または掲載予定の施設であること」を条件にしています。掲載のための手続きは、公式ページや募集要項には書かれていません。掲載の予定をどう示すかは、事前相談で財団に確かめてください。書類の準備と並行して、早めに聞いておくと安心です。
神社仏閣や都立施設は、本当に対象外ですか?
国立施設、都立施設、神社仏閣は、原則として対象外です。「原則」とあるので、例外の扱いがある可能性はありますが、どんな場合かは公式ページに書かれていません。該当する施設は、書類を作り込む前に財団のコンベンション事業部へ問い合わせます。電話は03-5579-2684で、平日の9時から17時45分まで受け付けています。
招待客は何人必要ですか?
50名以上が現地に参加する必要があります。数えるのは招待客で、スタッフなどの主催関係者は含みません。その中に、会議の主催者かミーティングプランナーを必ず入れます。地域住民や企業を呼ぶこともできます。イベントは原則として飲食を伴い、物販や興行など収益を目的にしてはいけません。
料飲費は、いくらまで対象ですか?
料飲費は、申請総額の20%を超える部分が対象外です。申請総額が1,000万円なら、料飲費の対象は200万円までになります。食数は参加予定人数分が上限で、精算は実参加人数分が原則です。当日のキャンセルを考えて、実参加人数の10%増まで認められます。企画・運営費の枠との合算かどうかは、財団に確かめます。
施設の会場借上料は助成されますか?
されません。施設やMICE拠点が請求者や受領者になる、会場借上費と会場備品のリース料は、対象外経費です。自分の施設で開くイベントでは、会場そのものの費用は出ません。助成されるのは、装飾、機材、看板、料飲、演出など、イベントを開くために外から調達する経費です。
過去にこの助成を使った施設は、もう一度申請できますか?
同じ施設で、令和7年度以降に本助成によるショーケースイベントを開いた実績があると、対象になりません。東京観光財団が主催したショーケースイベントや、「ユニークベニュー会場設営支援」を使った実績がある施設も同じです。別の施設なら申請できます。事前相談のときに、過去の実績の有無を伝えておくと確実です。
提出の方法は、郵送だけですか?
郵送(簡易書留)のほか、法人格があれば電子申請システムjGrantsでも出せます。郵送のときは、電子データも財団が指定するメールアドレスに送ります。jGrantsには、gBizIDプライムのアカウントが必要です。審査に日数がかかるので、使うつもりなら早めに取得を始めてください。
期限の10月30日を過ぎたら、もう申請できませんか?
第3回の提出期限は2026年10月30日です。ただし公式ページは、交付申請できる枠に残りがある場合は随時審査するとしています。11月1日から12月25日までの提出を希望するなら、財団に相談するよう書かれています。助成可能枠がなくなれば、募集は中止されます。早めに事前相談をしてください。
イベントの日程や内容を変えたくなったら?
開催日の変更は、取消・変更申請書(第5号様式)を出して承認を受けます。開催時期の変更は原則1回で、変更後の開催日は、もとの開催日と同じ年度内に設定します。その日までに開催できなければ、交付決定が取り消されます。天災などで中止や変更になるときは、すみやかに財団へ報告します。
助成金はいつ振り込まれますか?
後払いです。イベントのあとに実績報告を出し、財団が確定額を通知してから、請求書兼振込依頼書を出します。振込は、請求書の受領から1か月程度です。概算払いは、受け取らないと事業の実施が困難な場合に限り、財団が認めたときだけです。立て替える資金は、自分で用意しておきます。
他の補助金や助成金と併用できますか?
同じ内容で、国、都道府県、区市町村、東京都の政策連携団体などから助成を受けた実績や予定があると、申請できません。別の内容の事業なら、並行して受けられる可能性があります。迷うときは、どの経費が重なるかを整理して財団に見せます。他の助成と重複している経費は、対象外と判断されます。
問い合わせ先はどこですか?
公益財団法人東京観光財団 コンベンション事業部の、ユニークベニュートライアル開催支援担当です。電話は03-5579-2684、受付は土日祝日を除く9時から17時45分までです。所在地は新宿区西新宿二丁目3番1号、新宿モノリス15階です。申請を考えたら、書類を出す前にまず相談するよう案内されています。
