国の特開金(特定求職者雇用開発助成金)が終わった後も、東京都が賃金を助成します。 対象は、障害者を雇い続ける都内の中小企業です。助成額は1人あたり月6万円か3万6千円で、最長3年、最大216万円になります。
継続雇用計画書は、特開金の満了後4か月以内に出さないと、助成の対象になりません。
特開金は、ハローワークなどの紹介で障害者を雇った事業主に、国が賃金の一部を出す助成金です。支給要綱は、この制度の目的を中小企業の障害者雇用の拡大と職場定着の促進としています。
東京都中小企業障害者雇用支援助成金の要点まとめ
正式名:東京都中小企業障害者雇用支援助成金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし(規模の上限は業種ごとに異なる)
- 利用目的
- 障害者の継続雇用(賃金の助成)
- 対象地域
- 東京都(都内の事業所で働く人が対象)
- 従業員数
- その他の業種は300人以下(資本金3億円以下でも可)
いくら
- 補助上限額
- 最大216万円(支給対象者1人あたり)
- 補助率
- 定額(月額制)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2023年1月20日〜2029年3月31日(計画書は満了後4か月以内)
うちの会社は対象になる?
次の6つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 特例子会社である
- ✕ A型事業所の利用者を雇っている
- ✕ 週の所定労働時間が20時間未満
特開金は、特定就職困難者コースか、発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コースの支給を指します。障害者は、ハローワークか適正な民間の職業紹介事業者の紹介で、常用労働者として雇い入れた人が対象です。就労継続支援A型事業所の利用者は含みません。
対象の障害者は、身体障害者、知的障害者、精神障害者、発達障害者、難治性疾患の人です。発達障害や難治性疾患の人は、月額3万6千円の区分に入ります。
ほかに、東京都政策連携団体や都が設立した法人、風俗営業などの事業主、暴力団関係者も対象外です。申請時の誓約書で、これらに当たらないことを確かめます。
中小企業の線引きは、業種で変わります。資本金と常時雇用の労働者数は、どちらか一方が基準以下なら足ります。基準を見る日は、障害者を雇い入れた日です。
| 業種 | 資本金 | 労働者数 |
|---|---|---|
| 小売・飲食 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| 卸売 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| その他 | 3億円以下 | 300人以下 |
都のページは、特開金の支給決定通知書の企業規模欄に「中小企業」とある事業主を対象としています。通知書を手元で見直すのが早道です。
特例子会社の扱いは、公式の書き方がそろっていません。都のページと誓約書は、親会社の規模にふれず、特例子会社に係る事業主でないことを条件にしています。一方で要綱と手引きの本文は、中小企業にあたらない事業主が設立した特例子会社を除く、という書き方です。親会社が中小企業の場合にどちらで扱われるかは、書かれていません。該当するなら、申請前に担当課へ電話で確かめてください。
いくらもらえる?
月額は、雇った人の区分で2段階に分かれます。
| 区分 | 月額 |
|---|---|
| 重度の身体障害者・重度の知的障害者・精神障害者 | 6万円 |
| 雇い入れた日に45歳以上の身体障害者・知的障害者 | 6万円 |
| 上記以外の障害者 | 3万6千円 |
| 短時間労働者(週20時間以上30時間未満) | 3万6千円 |
重度や精神障害の人でも、短時間労働者なら3万6千円です。助成の期間は、特開金の対象期間の末日の翌月1日から数えて最長3年です。6か月ごとにまとめて支給されます。
計算は「月額 × 月数」です。
- 重度身体障害のある人を、週40時間で3年間:6万円 × 36か月 = 216万円
- 精神障害のある人を、週25時間で3年間:3万6千円 × 36か月 = 129.6万円
- 週30時間以上働く、45歳以上の知的障害のある人の、1期(6か月)分:6万円 × 6か月 = 36万円
- 賃金が月5万円にとどまった月が1回ある重度の人:6万円 × 35か月 = 210万円
人数が増えれば、その分だけ増えます。重度の人1人と短時間の人1人なら、216万円と129.6万円で合計345.6万円です。
216万円に届くのは、36か月すべてが助成の対象になったときだけです。月の賃金支払総額が助成額に満たない月は、その月が助成の対象から外れます。賃金は控除前の総額で、通勤手当を含み、賞与は含みません。
申請の流れ
期限は2つあります。計画書は特開金の満了後4か月以内、支給申請は期ごとの翌月15日までです。要綱第4条は、対象を、特開金の助成対象期間の末日が令和11年(2029年)3月30日までの人と定めています。
- 特開金の第1期の支給決定通知書を受け取る(事業主、ハローワーク経由。この時点から計画書を出せます)
- 継続雇用計画書を出す(事業主→都の就業推進課。特開金の満了後4か月以内。通知書の写しを付けて、郵送かJグランツで)
- 巡回訪問を受ける(都の相談員→事業所。6か月ごとの助成対象期間の最終月に、相談員が日程の連絡をします)
- 支給申請書を出す(事業主→就業推進課。6か月ごとに、期の最終月の翌月15日まで。必着)
- 支給決定を待つ(都が審査し、支給を決定して口座に振り込みます)
支給申請の対象は第6期までで、3年で6回です。計画書の期限について、要綱は「満了前又は満了後速やかに」と書き、都のページと手引きは満了後4か月以内としています。編集部としては、4か月を最終期限と見て、満了前に出すことを勧めます。
必要な書類
準備できた 0 / 11
継続雇用計画書は計画書の提出時に、ほかは初回の支給申請でそろえる書類です。計画書には特開金の第1期の通知書を、支給申請には最終期の通知書を付けます。印鑑証明書は発行から3か月以内で、郵送の場合に付けます。電子申請では不要です。2回目以降は、手帳や契約書に変更がなければ省けるものがあります。郵送の印鑑証明書は、第3期と第5期にも付けます。離職があった期は、離職理由等報告書も付けます。
障害の確認には、身体障害者は身体障害者手帳、知的障害者は療育手帳、精神障害者は精神障害者保健福祉手帳の写しを使います。重度の知的障害者は、特開金の種別が重度のときに判定書の写しも付けます。精神障害者の手帳は、助成対象期間に有効なものです。更新中なら、収受印のある申請書控えか診断書の写しを付けます。都税の納付義務がない事業主は、課税されない理由が分かる書類(事業開始届や青色申告書の写しなど)を付けます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 継続雇用計画書が遅れた:特開金の満了後4か月を過ぎると、助成の対象になりません。
- 申請が期限に遅れた:支給申請書は、期の最終月の翌月15日が必着です。やむを得ない理由があれば、理由がやんだ後1か月以内に出せます。
- 事業主の都合で離職させた:支給決定が取り消され、返還を求められることがあります。違約加算金も加わります。
- 巡回訪問や検査に応じなかった:確認ができないと、不支給や取消しになることがあります。
- 予算がなくなった:審査の結果や都の予算額によって、減額や不支給になることがあります。予算を超えると、申請期間内でも受付が終わります。
助成を受けたあとも、2年を経過するまで、6か月ごとに計4回の雇用状況の調査があります。関係書類と帳簿は、支給決定のあった日の属する会計年度の終了後5年間、保管します。企業名と支給額が公表されることもあります。
令和8年7月と8月の変更点
令和8年7月1日に、支給要綱が改正されて施行され、申請の手引きは第4版になりました。8月以降の申請では、支給申請と実績報告を1回にまとめます。実績報告は、支給申請書の中に書きます。
7月までの方法とは違うので、古い手引きで書類を作らないでください。様式も最新版を使います。
他の助成金との併用の可否は、要綱にも手引きにも記載がありませんでした。国の別の助成金と重なる場合は、担当課に確かめるのが確実です。
よくある質問
新しく雇った障害者に、すぐ使えますか?
使えません。この助成金は、国の特開金の助成対象期間が終わった後から始まります。まず特開金を受け、その期間が満了した後も同じ人を雇い続ける事業主が対象です。雇い入れた直後は、ハローワークで特開金の手続きを進めてください。第1期の支給決定通知書を受け取った段階から、継続雇用計画書を出せます。
継続雇用計画書は、いつまでに出しますか?
特開金の第1期の支給決定通知書を受け取った後から、特開金の助成対象期間の満了後4か月以内までです。出さないと助成の対象になりません。要綱は「満了前又は満了後速やかに」と書きますが、都のページと手引きは4か月を期限としています。迷うなら4か月を最終期限と考え、満了前に出すのが安全です。通知書の写しを添えて、郵送かJグランツで出します。
月6万円と3万6千円は、どう分かれますか?
6万円になるのは、重度の身体障害者、重度の知的障害者、精神障害者、雇い入れた日に45歳以上の身体障害者か知的障害者です。ただし週の所定労働時間が20時間以上30時間未満の短時間労働者は、重度でも3万6千円になります。上記以外の障害者も3万6千円です。45歳以上かどうかは、雇い入れた日の年齢で決まります。
週20時間未満で働く人は対象ですか?
対象になりません。支給対象者は、1週間の所定労働時間が20時間以上の人に限られます。20時間以上30時間未満は短時間労働者として月額3万6千円です。30時間以上なら、区分に応じて6万円か3万6千円になります。基準は所定労働時間なので、雇用契約書や労働条件通知書の記載で確かめてください。
中小企業かどうかは、どう判断しますか?
業種ごとに、資本金か常時雇用する労働者数のどちらかが基準以下なら中小企業です。小売・飲食は5,000万円か50人、卸売は1億円か100人、サービス業は5,000万円か100人、その他は3億円か300人が上限です。基準を見る日は、障害者を雇い入れた日です。特開金の支給決定通知書の企業規模欄に「中小企業」とあるかも、確かめる手がかりになります。
特例子会社は対象になりますか?
都のページは「特例子会社を除く」とし、誓約書も特例子会社に係る事業主かどうかを条件なしで尋ねています。特例子会社は、障害者の雇用に特別の配慮をした子会社として、厚生労働大臣の認定を受けた会社です。要綱と手引きの本文は、中小企業にあたらない事業主が設立した特例子会社を除く、という書き方です。親会社が中小企業の場合の扱いは明記がないため、申請前に担当課へ確かめてください。
支給申請は、いつ、どこへ出しますか?
助成対象期間を6か月ごとに区切った各期について、最終月の翌月15日までに出します。15日が土日祝日なら次の平日で、必着です。たとえば特開金の満了月が令和8年1月なら、助成の第1期は2月から7月で、申請は8月15日までです。提出先は東京都産業労働局 雇用就業部 就業推進課 障害者雇用促進担当で、郵送かJグランツで出します。
電子申請はできますか?
できます。国のJグランツで受け付けていて、利用にはgBizIDプライムが必要です。発行に2〜3週間かかり、間に合わなくても期限の猶予はありません。間に合わないときは郵送で出します。社会保険労務士などによる代理申請は、システムの都合で電子申請ではできません。電子申請なら印鑑証明書は不要です。
巡回訪問では何をしますか?
都の障害者雇用巡回相談員が事業所を訪ね、30〜60分ほどで雇用状況を確認し、雇用管理の相談に応じます。支給対象者が在席している時間に、実際に働く都内の場所へ来ます。原則として6か月ごとの助成対象期間の最終月に行い、申請月の前月に相談員が担当者へ連絡して日程を決めます。要綱は、事業主が巡回訪問に応じることを求めています。手話通訳が必要なら、都が手配します。
助成の途中で退職したらどうなりますか?
本人の都合や本人の責めによる解雇で雇用しなくなった場合は、その月の前月までが助成の対象期間です。月末日に雇用が終わるなら、その月までです。それまでの分は受け取れます。事業主の都合で離職させたときは、支給決定が取り消され、返還を求められることがあります。休職や退職があったら、書類を作る前に担当課へ連絡してください。
賃金が助成額に満たない月は、どうなりますか?
その月は助成の対象から外れます。月額6万円の区分なら、その月の賃金支払総額が6万円に満たない月は対象外です。3万6千円の区分なら、3万6千円が基準です。賃金は支払日の属する月で数えます。給与の締め日が前月末でも、4月25日に払った分は4月分です。申請額は、その月の分を差し引いて書きます。
都外の事業所で働く場合は、どうなりますか?
支給対象者が1月の全期間を都外の事業所で勤務する月は、助成の対象から外れます。派遣労働者は派遣先、出向者は出向先、在宅勤務者は雇用管理を行う所属事務所を、勤務する事業所として扱います。東京労働局の管内に雇用保険の適用事業所があることも、条件のひとつです。
問い合わせ先はどこですか?
東京都産業労働局 雇用就業部 就業推進課 障害者雇用促進担当で、電話は03-5320-4663です。窓口は都庁第一本庁舎21階北側にあります。書類を持参する場合は、事前の電話予約が必要で、予約がないと対応してもらえません。申請書類は返却されないため、提出前に写しを控えておきます。
