女性や若手を運転手として採用しさえすれば190万円がもらえるのか——もらえません。「バス事業者人材開発支援奨励金」は、正規雇用での採用に加え、大型二種免許取得費用の全額負担と、2か月以上の実務研修が対象の条件です。採用するだけで完結する制度ではありません。
バス事業者人材開発支援奨励金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | バス事業者人材開発支援奨励金(令和8年度) |
| 対象業種 | 運輸業(一般乗合旅客自動車運送事業=乗合バス事業者) |
| 利用目的 | 雇用・人材育成(女性・若者・就職氷河期世代の運転手採用と研修体制の整備) |
| 対象地域 | 都内に本社または主たる事業所を置く乗合バス事業者 |
| 従業員数 | 常時使用する従業員300人以下、または資本金3億円以下の中小企業等 |
| 補助上限額 | 最大190万円(基本額1人30万円×最大5人=150万円、特別加算1つ20万円×最大2つ=40万円) |
| 補助率 | 定額(対象人数・加算項目に応じた積算) |
| 申請受付 | 令和8年5月29日〜令和9年2月28日(予算の範囲を超えた場合は期間内でも受付終了) |
| 公式サイト | バス事業者人材開発支援奨励金事務局「バス事業者人材開発支援奨励金」 |

対象になる/ならないの線引き
対象労働者は「女性」「若者」「就職氷河期世代」の3区分で、区分ごとに年齢の定義が違います。
| 区分 | 年齢の定義 |
|---|---|
| 女性 | 年齢制限なし |
| 若者 | 入社時点で34歳以下 |
| 就職氷河期世代 | 入社時点で35〜54歳 |
令和8年4月1日より前に入社した労働者は対象になりません。また、正規雇用での採用であることが前提のため、契約社員や業務委託での採用は対象外です。
事業者側の要件も見落とせません。常時従業員300人以下または資本金3億円以下の中小企業等で、都内に本社・主たる事業所があり、道路運送法の一般乗合旅客自動車運送事業許可を持ち、過去5年間に重大な法令違反がないことが条件です。
190万円に届く条件
奨励金は基本額と特別加算の積み上げです。
| 区分 | 内容 | 金額 |
|---|---|---|
| 基本額 | 対象労働者1人あたり | 30万円(最大5人=150万円) |
| 特別加算 | 女性向け職場環境制度新設、キャリアアップ制度新設、福利厚生制度新設、就職氷河期世代2人以上採用のいずれか | 1つ20万円(最大2つ=40万円) |
基本額の150万円だけを見て申請すると、特別加算を満たさない限り190万円には届きません。 5人分の採用と、加算項目を2つ満たす体制づくりの両方が必要です。
よく誤解されるポイント
東京都のバス運転手対策には、この奨励金のほかにも複数の制度があります。名称が似た制度と混同すると、対象要件や窓口を取り違える可能性があるため、自社が使える制度が本当にこの奨励金かどうかは、事務局(バス事業者人材開発支援奨励金事務局)に確認するのが確実です。
また、大型二種免許の取得講習費用は「事業者が全額負担していること」が対象労働者の条件に含まれています。労働者本人に一部でも負担させた場合、その労働者は対象から外れる可能性があります(詳細は事務局へお問い合わせください)。
よくある質問
契約社員として採用した場合も対象になりますか?
対象になりません。正規雇用での採用が条件です。
就職氷河期世代を1人だけ採用した場合、特別加算は受けられますか?
「就職氷河期世代2人以上採用」の加算は受けられません。ただし、女性向け職場環境制度・キャリアアップ制度・福利厚生制度のいずれかを新設すれば、その加算は対象になります。
申請方法を教えてください。
電子申請システムjGrantsで行います。GビズIDプライムのアカウント取得が必須で、発行に時間がかかるため早めの準備が必要です。
