指示を出したつもりが、伝わっていなかった。外国人従業員がいる現場では、こうしたすれ違いが珍しくありません。原因の多くは、日常会話ではなく業務で使う日本語の理解不足です。
東京都の「中小企業の外国人従業員に対する研修等支援助成金(一般コース)」は、この業務用日本語教育にかかる費用を助成する制度です。対象は日本語能力試験でおおむねN2レベル以下の外国人従業員。研修費用の2分の1、最大25万円まで戻ってきます。
外国人従業員研修助成金(一般コース)の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 中小企業の外国人従業員に対する研修等支援助成金(一般コース) |
| 対象業種 | 業種指定なし |
| 利用目的 | 人材育成・定着(外国人従業員向け日本語教育等) |
| 対象地域 | 東京都内(常勤する事業所が都内に所在すること) |
| 従業員数 | 都内中小企業等(中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者。業種ごとに資本金・従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば該当。製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業・サービス業は5,000万円以下または50〜100人以下) |
| 補助上限額 | 標準プラン25万円(研修50時間以上)/短時間プラン15万円(研修30時間以上) |
| 補助率 | 2分の1 |
| 申請受付 | 令和8年4月9日~令和9年1月14日 |
| 公式サイト | 東京都産業労働局「中小企業の外国人従業員に対する研修等支援助成金」 |

まず、自社の外国人従業員が対象になるか確かめる
対象になるのは、次をすべて満たす外国人従業員です。
- 日本語能力試験でおおむねN2レベル以下(すでに業務に支障のない日本語力がある人は対象外)
- 就労が可能な在留資格を持っている
- 都内の事業所に常勤し、助成事業の実施期間中も継続して直接雇用されている
すでに日本語がビジネスレベルで話せる従業員は対象になりません。 この制度は「今まさに言葉の壁で困っている」層への支援だと考えると、対象の線引きが分かりやすくなります。
研修費用はいくら戻ってくるか計算する
助成率は2分の1。プランによって上限額と必要な研修時間数が異なります。
| プラン | 必要な研修時間 | 上限額 |
|---|---|---|
| 標準プラン | 50時間以上 | 25万円 |
| 短時間プラン | 30時間以上 | 15万円 |
例えば、標準プランで研修費用が総額60万円かかった場合、2分の1は30万円ですが、上限の25万円が優先され、実際に戻るのは25万円です。研修時間を確保できない場合は、短時間プラン(30時間以上・上限15万円)から検討するという手もあります。
対象になる研修の中身
助成対象になる経費は、次のようなものです。
- 日本語教育にかかる報償費(講師謝金等)
- 教材の消耗品費・印刷製本費
- 講師の旅費
- 研修を外部委託する場合の委託料
- 会場の使用料・機材の賃借料
ビジネスマナーや異文化理解の研修も、日本語教育とあわせて実施する場合は対象に含まれます。
申請の順番でつまずきやすい点
交付申請から交付決定までは1か月程度かかります。 交付決定前に始めた研修は、費用が対象外になる可能性が高い制度です。研修のスケジュールを組む前に、まず申請の準備から着手するという順番が安全です。
よくある質問
すでに簡単な日常会話ができる外国人従業員でも対象になりますか?
なります。対象は「おおむねN2レベル以下」なので、日常会話ができても、業務で使う専門的な日本語に課題があれば対象です。判断に迷う場合は事務局へ確認してください。
標準プランと短時間プランはどちらを選ぶべきですか?
研修に確保できる時間で決まります。50時間以上組めるなら標準プラン(上限25万円)、30〜49時間なら短時間プラン(上限15万円)が対象になります。
研修をすでに始めてしまいましたが申請できますか?
原則として、交付決定前に始めた研修は対象外です。これから研修を計画している段階で、早めに申請の準備を始めてください。
