食材費や光熱費が上がっても、利用者に払ってもらう額はすぐには変えられません。その値上がり分を、東京都が支援金で補います。単価がいちばん高い入所・居住系の施設で、定員1人につき1か月5,669円です。
ただし、順番を間違えると申請の入口に立てません。令和8年1月〜6月分の事前申請は2026年7月24日で終わっており、本申請に進めるのは、事前申請をして審査完了の連絡を受けた法人だけです。まず自分の法人がどこにいるかを確かめるところから始めます。
障害者施設等物価高騰緊急対策事業の要点まとめ
正式名:令和8年度障害者施設等物価高騰緊急対策事業
だれが
- 申請者
- 事業者(法人。1法人1申請)
- 対象業種
- 障害福祉サービス事業(4区分)
- 利用目的
- 食材費・光熱費・燃料費の値上がり分の補てん
- 対象地域
- 東京都内(一部の都外施設を含む)
- 従業員数
- 規定なし(定員で金額が決まる)
いくら
- 補助上限額
- 定員1人1月5,669円(区分1)
- 補助率
- 全額支給(基準額か実支出額の少ない方まで)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 事前申請は終了。本申請はJグランツ掲載で11月30日まで
申請は二段階。自分の法人はどこにいる?
この事業の申請は2回に分かれます。
- 事前申請(2026年7月1日〜7月24日)。電子フォームで金額と口座などを入力し、書類をアップロードする
- 本申請。事務局の審査が終わると、本申請用の書類がメールで届く。それを郵送かjGrants(国の補助金の電子申請システム)で出す
都の書式ライブラリーの本申請案内には「事務局より審査完了連絡後、本申請が可能となります」とあります。Jグランツには、2026年8月6日から11月30日までの受付が掲載されています。ここで使えるのは、事前申請を済ませた法人です。
7月24日までに事前申請をしていない場合の扱いは、都の公式ページにも交付要綱にも書かれていません。窓口は東京都障害者施設等物価高騰緊急対策事業事務局(03-6380-8563、平日9時〜18時)です。
補助の対象期間は令和8年1月1日から6月30日までです。令和8年7月から令和9年3月までを対象とする事業については、中央区の案内に「別途ご案内予定」とあります。続報は都の公式ページで確かめます。
うちの施設は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
指定は、障害者総合支援法または児童福祉法に基づくものです。基準該当サービスと共生型サービスは対象外です。都外の施設でも、交付要綱が定める都外独占施設・都外協定施設は対象になります。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 国・自治体が設置した施設
- ✕ 指定管理者が管理する施設
- ✕ 公設民営の施設
- ✕ 空床利用型の短期入所
- ✕ 地域活動支援センター・福祉ホーム
指定管理者は、自治体が施設の管理を任せた民間法人のことです。公設民営は、自治体が建てた施設を民間が運営する形をいいます。民間法人が運営していても、設置の形がこれらに当たれば対象外になるので、自施設の設置区分を先に確かめます。
対象サービスは、次の4区分に分かれます。
| 区分 | 対象サービス |
|---|---|
| 区分1 | 障害者支援施設・福祉型・医療型障害児入所施設・共同生活援助(グループホーム)・短期入所 |
| 区分2 | 生活介護・宿泊型自立訓練・自立訓練・就労移行支援・就労継続支援A型・B型・就労選択支援・児童発達支援・放課後等デイサービス |
| 区分3 | 居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援・居宅介護・重度訪問介護・同行援護・行動援護・重度障害者等包括支援 |
| 区分4 | 就労定着支援・自立生活援助・計画相談支援・地域相談支援・障害児相談支援 |
区分と定員でいくら戻る?
区分1と区分2は、定員に単価を掛けた額と実際に払った費用を比べて少ない方が交付されます。定員は運営規程に書いた定員で、実際の利用者数とは別です。補助対象期間の各月1日時点の数字で月ごとに計算し、足し上げます。
| 区分 | 月ごとの基準額 | 比べる実支出額 |
|---|---|---|
| 区分1 | 定員 × 5,669円 | 食材費・光熱費 |
| 区分2(食事提供あり) | 定員 × 1,607円 | 燃料費・光熱費・食材費 |
| 区分2(食事提供なし) | 定員 × 987円 | 燃料費・光熱費 |
| 区分3 | 29,500円(期間全体で定額) | 燃料費・光熱費 |
| 区分4 | 11,800円(期間全体で定額) | 燃料費・光熱費 |
都の案内の例と同じ前提(実支出額が基準額を上回る場合)で計算すると、次のようになります。
- グループホームで定員が1〜2月は12人、3〜6月は14人:5,669円 × (12人 × 2か月 + 14人 × 4か月) = 453,520円
- 食事を出す生活介護で定員20人:1,607円 × 20人 × 6か月 = 192,840円
- 食事を出さない就労移行支援で定員10人:987円 × 10人 × 6か月 = 59,220円
- 居宅介護の事業所で令和8年1月以前に指定を受けている:29,500円(定額)
食材費の分が基準額に入るのは、食事を出している区分2の事業所だけです。おやつの提供も食事提供に含まれます。
区分3と区分4は、期間の途中で指定を受けた場合の額が別に決まっています。たとえば区分3で令和8年2月に指定を受けたなら24,590円、6月なら4,920円です。
何に使える?対象外の支払いから確かめる
対象にならないもの
- 利用者に価格転嫁できた分の費用
- 食事を出していない区分2の事業所の食材費
- 他の補助金がすでに充てられた同じ支払い
対象になるもの
- 区分1の食材費・光熱費
- 区分2の燃料費・光熱費、食事提供ありなら食材費
- 区分3・4の燃料費・光熱費
実支出額は、原則として支払った月の金額で数えます。納品された月ではありません。納品書や領収書の提出は求められませんが、事業完了後少なくとも5年は保管します。審査や調査のために出すよう頼まれることがあります。
申請から入金までの流れ
- 事前申請をする(法人→事務局。電子フォームで入力し、書類をアップロード。2026年7月24日まで)
- 審査完了の連絡を待つ(事務局→法人。修正の依頼が来ることがある)
- 本申請の書類を出す(法人→事務局。連絡後2営業日以内に、郵送かjGrantsで)
- 交付決定兼額の確定通知を受ける(都→法人。メールで届く。保存しておく)
- 支援金が振り込まれる(都→法人。通知文では令和8年10月ごろの予定)
本申請の案内には、通知は10月中旬ごろの予定と書かれています。書類の審査状況で前後するとの注記もあります。
必要な書類
準備できた 0 / 6
食事提供が分かる書類が要るのは区分2で食材費を申請する場合です。食事提供体制加算の届出が分かる資料か食事の提供を明記した重要事項説明書を使います。委任状は、口座名義が法人名と違うときだけ出します。この場合、jGrantsは選べず郵送になります。印鑑証明書は郵送申請のときに要り、令和8年6月10日以降に取った分が対象です。
jGrantsで出すなら、gBizIDプライム(国の電子申請に共通のID)が要ります。取得には印鑑証明が要り、書類審査は原則2週間以内とされています。
受け取れなくなるのはどんなとき?
- 設置の形が対象外:国・自治体の設置、指定管理者の管理、公設民営のどれかに当たると、民間法人の運営でも対象外です。
- 事前申請をしていない:本申請の書類は、事前申請の審査が終わった法人に届きます。
- 同じ支払いに他の補助が出ている:重なる部分は差し引かれます。全額が賄われていれば、都の申請はできません。
- 実支出額が基準額に届かない:基準額より少なく払っていれば、受け取れるのは実支出額までです。
- 書類の不備を直さない:事務局が補正を求めても対応がなければ、申請は取り下げられたものとみなされます。
- 偽りの申請で受け取った:決定が取り消され、返還と年10.95%の違約加算金を求められることがあります。
他の自治体の補助とは重ねられる?
同じ支払い内容に都と他の自治体が二重に出すことはできません。対象経費が違う補助なら、どちらも受けられます。一部だけ重なるときは、対象経費から他の補助金を引いた額と、都の基本額を比べ、低い方が交付されます。
都の案内の例では、光熱費10,000円に他の自治体から3,000円の補助が出ていて都の基本額が5,000円なら、差引額は10,000円 − 3,000円 = 7,000円です。7,000円と5,000円の低い方の5,000円を申請できます。他の自治体の補助が7,000円なら、差引額は3,000円で、申請できるのは3,000円です。
介護保険サービスへの都の物価高騰支援と同じ支払いを、二重に申請することもできません。医療型障害児入所施設は、医療機関向けの物価高騰対策と重複して受けられず、どちらかを選びます。
よくある質問
7月24日の事前申請に間に合わなかった場合は申請できますか?
公式ページには「事前申請の受付は終了しました」とあり、期限後の扱いを示す記載は見つかりませんでした。本申請は、事前申請の審査完了後に事務局から届く書類で行う流れです。事情がある場合は、事務局(03-6380-8563、平日9時〜18時)に電話で相談してください。令和8年7月以降を対象とする事業は、別途案内される予定とされています。
本申請はいつまでですか?
Jグランツには、2026年8月6日から11月30日までの受付が掲載されています。都の公式ページに本申請の締切日は書かれていません。本申請の書類は事前申請の審査完了後にメールで届き、連絡後2営業日以内の提出が求められます。書類が届いたら、連絡の日付と提出期限を事務局のメールで確かめてください。
定員は実際の利用者数で数えますか?
運営規程などに定めた定員で数えます。実際に通っている人の数とは別で、各月1日時点の定員で計算します。法人が東京都福祉保健財団に届け出ている情報と一致するかを都が確認します。定員を変えた場合は、その財団への届出が必要です。申請前に、運営規程の定員と届出が合っているかを見ておくと安心です。
グループホームに複数のユニットがあるときはどう書きますか?
定員5人と5人のユニットなら、その月の定員欄にユニットの合計の10人と書きます。月の途中で定員が変わっても、各月1日時点の定員で月ごとに計算します。たとえば1〜2月が12人、3〜6月が14人なら、12人 × 2か月と14人 × 4か月を足した80人月に5,669円を掛けます。
放課後等デイサービスと児童発達支援を一体で運営しています。定員はどうなりますか?
報酬の算定で定員を合計10人としている場合は、それぞれ10人ずつにはしません。合計が10人になるように申請します。ひとつの建物で複数のサービスを出している場合は、サービスの種別ごとに計算した額の合計を申請できます。同じサービスの事業所を複数運営しているときも、事業所ごとに計算して足します。
食材費を申請するとき、何を出せば食事提供を示せますか?
区分2の事業所が食材費を申請するときは、次のどちらかを事前申請でアップロードします。食事提供体制加算か食事提供加算の届出が分かる資料、または、食事を出していることを明記した重要事項説明書です。おやつだけを出している場合も、おやつの提供を明記した重要事項説明書を出せば、食事提供に含まれます。
領収書や納品書は提出が必要ですか?
提出は求められていません。ただし事業完了後に少なくとも5年間は保管します。審査や調査のためにあとから出すよう頼まれることがあります。補助金調書や帳簿も5年の保存が条件で、事業の収入と支出が分かる帳簿と証拠書類をそろえておきます。実支出額は支払った月で数えるため、支払日の分かる記録を残します。
障害者支援施設の中の生活介護は、定員をそのまま申請できますか?
入所者が使う分は除きます。たとえば障害者支援施設の定員が50人で生活介護の定員が60人、入所者50人が全員生活介護を使うなら、障害者支援施設50人分と、生活介護10人分を申請できます。生活介護の定員が40人、機能訓練が10人で、入所者がその枠を使い切る場合は、障害者支援施設50人分だけです。
年度の途中で休止や廃止をした事業所はどうなりますか?
月の末日で廃止または休止した場合は、その月までが対象です。休止している期間は対象外になります。月の途中で休止や廃止をした施設は、事前申請の前に事務局へ個別に相談する扱いです。休止や廃止の日付と数えられる月を、事務局に確認してください。
口座名義が法人名と違う場合はどうなりますか?
委任状の提出が必要です。この場合、jGrantsは選べず、書類は郵送で出します。委任状は都の書式ライブラリーにあります。事前申請の入力では口座名義人を半角カタカナで30文字までに収めます。ゆうちょ銀行なら通帳記号と通帳番号を入力します。口座情報が分かるページの通帳の写しも必要です。
国・自治体が設置した施設でも、運営を民間に任せていれば対象ですか?
対象外です。国・自治体が設置した施設と指定管理者が管理する施設と公設民営の施設は、いずれも対象になりません。元は都が設置し、のちに民間の社会福祉法人が設置主体になった施設で、都の建物維持管理補助金を受けている場合は、要綱上の補助上限額を超えた部分を光熱費の実費相当額として申請する扱いです。
支援金に税金はかかりますか?
都の案内にも交付要綱にも、税の扱いは書かれていませんでした。法人の経理上の処理や課税の有無は、顧問の税理士か税務署に確認してください。受け取った支援金は、収入と支出を明らかにした帳簿や補助金調書とあわせて、事業完了後5年間の保管が条件になっています。決算の前に、いつの収益に入れるかも含めて相談しておくと安心です。
問い合わせ先はどこですか?
東京都障害者施設等物価高騰緊急対策事業事務局です。電話は03-6380-8563、受付は平日の9時から18時で、土日・祝日・年末年始は休みです。問い合わせフォームとメールもあります。事務局は都の委託を受けた株式会社コスモピアが運営しています。申請書の提出先と問い合わせ先が別のURLなので、間違えないようにします。
