建設・IT・ものづくり分野の技術者採用は、給与を上げても他社に競り負けます。東京都「中小企業人材確保のための奨学金返還支援事業」は、企業が奨学金返還を肩代わりする形で採用者の負担を軽くする仕組みです。企業側も費用の半分を東京都が負担してくれます。
この制度は、企業が「登録企業」として先に東京都に登録し、そこに応募してきた学生を採用する流れです。まず企業側の登録から動く必要があります。
中小企業人材確保のための奨学金返還支援事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 中小企業人材確保のための奨学金返還支援事業(企業登録) |
| 対象業種 | 建設・IT・ものづくり分野(厚生労働省編職業分類「02研究・技術の職業」に該当する職種での採用) |
| 利用目的 | 人材育成・雇用の確保(技術者採用時の奨学金返還負担軽減) |
| 対象地域 | 都内に本社・主たる事業所がある中小企業、または都内事業所で対象者を勤務させる中小企業 |
| 従業員数 | 中小企業基本法上の中小企業者(業種ごとに資本金・従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば該当します。例: 製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下) |
| 補助上限額 | 企業が登録時に選択した負担額を、東京しごと財団と企業が1/2ずつ負担(具体額は公式ページに記載なし。事業専用窓口へお問い合わせください) |
| 補助率 | 企業負担額と同額を東京しごと財団が負担(実質1/2相当) |
| 申請受付 | 令和8年2月5日〜令和8年12月17日17時(企業登録) |
| 公式サイト | 東京しごと財団「中小企業人材確保のための奨学金返還支援事業 登録企業募集」 |

まず「企業登録」をしないと使えない
この制度は、学生が個別に申し込む前に、企業側が先に登録企業として登録を済ませておく必要があります。登録していない企業に応募が来ても、この助成の対象にはなりません。
登録できるのは、次のすべてを満たす中小企業です。
- 本社または主たる事業所が都内にある(または都内事業所で対象者を勤務させる)
- 建設・IT・ものづくり分野で事業を営んでいる
- 大学生等を技術者(研究・技術の職業)として採用する意思がある
- 採用者が1年継続在籍した場合、最大3年間の負担を確約できる
登録後、その企業の求人が学生向けの専用サイトに掲載され、そこから応募が来る仕組みです。
採用と負担の流れ
助成が実際に発生するタイミングは、採用してすぐではありません。
- 企業が登録企業として登録(令和8年2月5日〜12月17日)
- 対象学生が企業に応募・入社
- 1年間継続して在籍したことを確認後、本人の申請を経て助成が始まる
- 企業が登録時に選んだ負担額を出えん金として支出し、東京都(東京しごと財団)が同額を負担
- 最大3年間、この折半が続く
1年未満で退職した場合は対象外になるため、採用直後から助成が出るわけではない点に注意が必要です。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 対象になる | 建設・IT・ものづくり分野の技術者採用で、1年継続在籍した場合 |
| 対象にならない | 1年未満で退職した場合 |
| 対象にならない | 対象分野外(営業職・事務職のみの採用など)の場合 |
1年度あたりの採用枠にも上限がある
1社が1年度に登録できる採用予定人数は、上限3名です。技術者を大量採用する計画がある企業でも、この助成の対象人数には枠があることを踏まえて採用計画を立てる必要があります。
申請方法は郵送のほか、Jグランツによる電子申請も選べます。電子申請にはGビズIDプライムの取得(発行に2〜3週間程度かかります)が必要なので、登録を急ぐ場合は早めに準備しておくと安心です。
よくある質問
学生が奨学金を借りていれば、業種を問わず対象になりますか?
なりません。対象は建設・IT・ものづくり分野で、厚生労働省編職業分類の「研究・技術の職業」に該当する採用に限られます。営業や事務での採用は対象外です。
企業の負担額は自由に決められますか?
登録時にあらかじめ用意された選択肢から負担額を選びます。金額の詳細は公式ページに記載がないため(東京しごと財団の窓口へお問い合わせください)、選択後の変更は原則できません。
中途採用でも対象になりますか?
対象は「大学生等」の新規採用が中心です。詳細な採用区分は、東京しごと財団の募集要領で確認するか、窓口へお問い合わせください。
