社内で研修を企画したいけれど、講師謝金や教材費がかさむ。そんな都内企業の人材育成投資を後押しするのが「スキルアップ支援事業」です。この記事が扱う令和6年度分は2025年2月28日で受付を終了していますが、令和7年度も同様の枠組みで継続実施されています。
運営は東京しごと財団。この事業は「事業内スキルアップ助成金」と「事業外スキルアップ助成金」の2つで構成され、両方合わせて1申請企業あたり上限150万円という設計です。自社で企画した研修(事業内)か、外部の研修機関を利用する研修(事業外)かで、申請する助成金が変わります。
スキルアップ支援事業(事業内スキルアップ助成金)の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主。都内に事業所がある企業等) |
| 制度名 | 事業内スキルアップ助成金(スキルアップ支援事業) |
| 対象業種 | 業種指定なし |
| 利用目的 | 従業員向けに自社で企画・実施する研修にかかる経費の助成(人材育成・研修) |
| 対象地域 | 東京都内(常時勤務する事業所の所在地が都内であること) |
| 従業員数 | 規定なし(代表者・個人事業主本人は対象外) |
| 補助上限額 | 150万円(事業外スキルアップ助成金と合算した1申請企業あたりの上限) |
| 補助率 | 対象受講者数×研修時間数×760円で算出(補助率という形ではなく単価計算) |
| 申請受付 | 令和6年度分は終了(2024年2月29日~2025年2月28日)。令和7年度も継続実施(研修開始予定日の1か月前までに申請) |
| 公式サイト | 東京しごと財団「スキルアップ支援事業」 |

「補助率」ではなく「時間単価」で計算する仕組み
この助成金は、多くの補助金のような「経費×補助率」という計算方法ではありません。「対象受講者数×研修時間数×760円」という単価計算で助成額が決まります。
例えば、10人の従業員が8時間の研修を受講した場合、単純計算で「10人×8時間×760円=60,800円」が助成額の目安になります(実際の対象経費や上限との比較が必要です)。研修にかけた費用の何割かが戻る、という発想ではなく、受講者数と時間に応じて助成額が積み上がっていく仕組みである点は、他の補助金と根本的に発想が異なります。
対象になる研修参加者の条件
助成対象になる受講者には、次の条件がありました。
- 申請企業の従業員であること(代表者・個人事業主本人は対象外)
- 常時勤務する事業所の所在地が都内であること
- 研修時間数の8割以上を受講していること
8割未満の出席では、その受講者分は助成対象から外れます。 研修計画を立てる際は、出席率の管理も視野に入れておく必要があります。
対象になる経費
補助対象経費は次のような項目です。
- 指導員・講師謝金
- 会場借上費
- 教科書・教材費
- その他研修に直接必要な経費
自社で企画した研修プログラムの実施に直接かかる費用が対象で、研修の企画・準備自体は自社で行うことが前提の助成金です。
「事業内」と「事業外」の合算上限に注意
この助成金の名前は「事業内スキルアップ助成金」ですが、上限150万円は「事業外スキルアップ助成金」と合算した金額です。 つまり、自社企画の研修(事業内)で100万円分の助成を受けていた場合、外部研修機関を利用する研修(事業外)で申請できるのは残り50万円分までということになります。
両方の助成金を別々に150万円ずつ受け取れるわけではない点は、見落としやすいポイントです。年間の研修計画を立てる際は、事業内・事業外を合わせた総額で管理する必要があります。
申請は「研修開始予定日の1か月前まで」
申請期限は、募集期間の締切とは別に、「研修開始予定日の1か月前まで」という個別のルールがありました。研修を実施する日程が決まったら、逆算して1か月前には申請を済ませておく必要があり、研修直前に「思いついたから申請しよう」というスケジュールでは間に合いません。
次に似た制度が出たときの備え方
令和6年度分は終了していますが、この制度は令和7年度も継続実施されています。次回の公募に備えて準備しておけることを整理します。
- 年間の研修計画を立て、事業内・事業外の助成金を合算で150万円以内に収まるよう予算配分を検討しておく
- 研修開始予定日から逆算して、1か月前までに申請できるスケジュールを組んでおく
- 受講者の出席率を8割以上確保できる研修設計にしておく
- 講師謝金・会場費の見積もりを早めに取得しておく
よくある質問
令和6年度分にはもう申請できませんか?
できません。受付は2025年2月28日で終了しています。 令和7年度も継続実施されており、申請は研修開始予定日の1か月前までに行う必要があります。
代表者自身が研修を受けても助成対象になりますか?
なりません。対象者は申請企業の従業員に限られ、代表者・個人事業主本人は除外されています。
事業内と事業外、両方で150万円ずつ受け取れますか?
受け取れません。事業内スキルアップ助成金と事業外スキルアップ助成金は合算で1申請企業あたり上限150万円です。
