問診票や院内の案内表示を多言語にする費用の半分を、東京都が補助します。上限は65万円です。公式ページの「基準額130万円」は補助額ではなく、補助率をかける前の対象経費の上限です。
申請の前に、この補助金を受けたことがある医療機関と、JMIPの認証を取ったことがある医療機関は対象外だと知っておいてください。JMIPとは、日本医療教育財団が行う外国人患者受入れ医療機関の認証制度です。外国人患者の受入れ実績がなくても、条件を満たせば申請できます。
外国人患者受入れ体制整備支援事業補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度外国人患者受入れ体制整備支援事業補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(都内の病院・診療所の開設者)
- 対象業種
- 医療(歯科診療所は除く)
- 利用目的
- 多言語対応ツール・案内表示・システム・語学研修
- 対象地域
- 東京都内
- 従業員数
- 規定なし(医療機関ごとに申請)
いくら
- 補助上限額
- 65万円
- 補助率
- 1/2
いつ・どこへ
- 申請受付
- 追加募集の提出期限は2026年11月10日(火)
- 事業の完了
- 令和9年3月31日まで
うちの医療機関は対象になる?
次の3つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 3
2つ目の「どれか」は、次の3つです。1つに当てはまれば足ります。
- 「外国人患者を受け入れる拠点的な医療機関」に選定されている
- 「拠点的な医療機関」への応募を検討している
- 医療機能情報報告で外国語を1言語以上「受入可能」と回答し、直近3か月に外国語で対応した延べ外国人患者数が病院で180人以上、診療所で45人以上いる
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ この補助金の交付を受けたことがある
- ✕ JMIPの認証を取ったことがある
- ✕ 歯科診療所である
- ✕ 開設者が国・自治体・独立行政法人など
- ✕ 東京都保健医療公社が設置した医療機関
令和元年度以前にこの補助金を受けた医療機関が、語学研修や通信講座の費用を初めて申請する場合だけは例外です。
いくらもらえる?
いくらもらえるか計算する
補助率 1/2 / 上限 65万円
補助額は、対象経費と基準額130万円の小さいほうに、補助率1/2をかけた額です。1,000円未満は切り捨てます。対象経費が130万円以上でも、補助額は65万円で止まります。
- 院内資料の翻訳に150万円かかる:130万円(基準額で頭打ち)× 1/2 = 65万円
- 案内表示の作成に100万円かかる:100万円 × 1/2 = 50万円
- 翻訳機能つきのタブレットを40万円で導入する:40万円 × 1/2 = 20万円
最初の2例は、東京都の手引に載っている計算例です。3つ目は、同じ式を当てはめた例です。
何に使える?
対象にならないもの
- 用途が申請事業に限られない事務機器・事務用品
- スマートフォン(タブレット端末は対象)
- 維持経費
- 院内職員が翻訳や原稿作成をするときの人件費・事務経費
- 交付決定の通知より前に払った経費
- 必要な仕様や数量を超えると判断された物品
対象になるもの
- 多言語対応ツールの作成・導入(会話集、指差しツール、翻訳機や通訳機能つきのタブレット端末)
- 院内文書の多言語化(問診票、検査の説明資料、スタッフの名札)
- 案内表示の多言語化
- ホームページの多言語化
- 多言語対応や受入れ状況の把握のためのシステムの導入・改修(診療予約システムなど)
- 職員の語学力向上(医療通訳養成研修、通信講座)
対象経費はすべて、委託先や購入先の見積書の写しが要ります。申請する物品と事業の関連が見えない場合は、認められないことがあります。
申請の流れ
- 事務手続の手引と交付要綱を読む(医療機関→東京都の案内ページ。申請の前に)
- 経費ごとに見積書を取る(医療機関→委託先・購入先。申請する経費はすべて必要)
- jGrantsで交付申請を出す(医療機関→東京都 医療政策課。11月10日まで)
- 交付決定を待つ(東京都→医療機関。令和8年12月ごろの予定。決定の前に発注・支払いをしない)
- 整備を進めて、令和9年3月31日までに終える(医療機関)
- 実績報告を出す(医療機関→東京都。提出期限は別途通知)
- 額の確定のあと、支払いを受ける(東京都→医療機関。令和9年5月下旬までに完了の予定)
jGrantsで申請しにくいときは、東京都に連絡すると相談できます。
必要な書類
準備できた 0 / 4
jGrantsで申請する場合、交付申請書と印鑑証明書は出さなくて済みます。紙で出す場合は、取得から3か月以内の印鑑証明書も要ります。見積書は、金額の内訳が分かるものにしてください。事業計画書には、受入れ体制の現状、課題と目標、実施する取組、直近3か月の外国人患者数などを書きます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に払った:通知の前に支出した経費は対象外です。支出は交付決定日以降に始めます。
- 対象の条件を外れていた:過去にこの補助金を受けた医療機関やJMIP認証を取ったことがある医療機関は、申請しても対象になりません。
- 対象外の経費を入れた:事務機器や事務用品、院内職員の人件費は認められません。
- ポイントを受け取った:家電量販店のポイントが付くと、その分は収入として引かれます。ポイントで払った分も、対象経費から引かれます。
- 審査で採択されなかった:外国人患者の受入れ実績などを見る審査があり、申請しても採択されないことがあります。
よくある質問
追加募集はいつまで申請できますか?
東京都の案内ページによると、追加募集の提出期限は2026年11月10日(火)です。申請はjGrantsで行い、必要な様式はjGrants上に掲載されています。見積書や事業計画書をそろえるのに時間がかかるので、早めに見積もりを依頼しておくと安心です。受付の状況は変わることがあるため、最新の内容は東京都の案内ページで確かめてください。
診療所でも申請できますか?
申請できます。対象は都内の病院と診療所で、歯科診療所は除かれます。実績で判断される場合の基準は、病院が直近3か月に外国語で対応した延べ外国人患者数180人以上、診療所が45人以上です。診療所は基準が低く設定されています。歯科診療所は、実績があっても対象になりません。
外国人患者の受入れ実績がなくても申請できますか?
申請できる場合があります。「拠点的な医療機関」に選定されている、または応募を検討している医療機関は、実績の人数を問われません。実績の基準(病院180人・診療所45人)は、選定や応募検討とは別の道です。どれか1つに当てはまれば足りますが、最終的には知事が適当と認めた医療機関が対象になります。
上限は130万円ですか、65万円ですか?
補助額の上限は65万円です。公式ページの「基準額130万円」は、補助率をかける前の対象経費の上限を指します。東京都の手引には、対象経費150万円のとき選定額が130万円になり、補助額は65万円になるという計算例があります。130万円を受け取れるわけではないので、資金計画は65万円で組んでください。
JMIPの認証を取っています。申請できますか?
申請できません。JMIPの認証を取得したことがある医療機関は対象外で、現在は認証が切れていても変わりません。公式ページと交付要綱が「取得したことがある」と書いているためです。JMIPは日本医療教育財団が実施する外国人患者受入れ医療機関認証制度です。認証の履歴が分からない場合は、申請の前に東京都の担当課へ確かめてください。
過去にこの補助金を受けた医療機関は申請できますか?
原則として申請できません。この補助金の交付を受けたことがある医療機関は対象外です。例外は、令和元年度以前に交付を受けた医療機関が、職員の語学力向上のための研修や通信講座の費用を初めて申請する場合だけです。過去の交付先は、東京都の案内ページに年度ごとの一覧があるので、自院の名前を探して確かめられます。
スマートフォンやパソコンは対象になりますか?
スマートフォンは対象外です。翻訳機や通訳機能を備えたタブレット端末は、多言語対応ツールとして対象になります。用途が申請事業に限られない一般的な事務機器は対象外のため、パソコンを買うときは、多言語対応の専用の用途だと事業計画書で示せるかが分かれ目です。迷うときは見積書を取る前に東京都へ聞くと、出し直しを防げます。
院内スタッフが翻訳した場合の人件費は出ますか?
出ません。院内職員が翻訳作業や原稿作成を直接行うときの人件費や事務経費は、対象外です。対象になるのは、翻訳や作成を外部の事業者に頼んだ費用です。委託する場合は、委託先の見積書の写しを申請に添えます。院内で作った資料を印刷する費用なども、事業との関連が明確かどうかで判断されます。
いつから発注や支払いをしていいですか?
交付決定の通知が届いたあとです。交付決定通知前に支出した経費は対象外になります。交付決定は令和8年12月ごろの予定とされており、整備は令和9年3月31日までに終えなければなりません。決定から完了までの期間が短いので、委託先や購入先の予定を、見積もりの段階で確かめておくと安心です。
補助金はいつ振り込まれますか?
補助事業が終わって実績報告を出し、東京都が補助額を確定したあとに支払われます。先に医療機関が費用を立て替える形です。手引では、額の確定通知のあと、令和9年5月下旬までに支払いを完了する予定とされています。実績報告では、納品書や領収書の写しに加え、写真や画面の写しなどの成果物も出します。
補助を受けたあとに守ることはありますか?
あります。交付年度から3年間は、外国人患者の受入れ状況の調査(状況報告書)を出して、東京都に協力する必要があります。補助を行った事業者名は、東京都のホームページなどで公表される予定です。買った物品は、耐用年数が過ぎるまで、承認なしに目的外の使用や譲渡をしてはいけません。拠点的な医療機関に選定されていない場合は、応募を積極的に検討することも求められます。
問い合わせ先はどこですか?
東京都保健医療局 医療政策部 医療政策課 医療改革推進担当です。電話は03-5320-4448、メールはS1150401@section.metro.tokyo.jpです。メールの件名は「外国人患者受入れ体制整備支援事業補助金について」とし、本文に担当者名と連絡先を書きます。対象になるか迷う経費があるときは、見積書を取る前に問い合わせると安全です。
