この助成金の目的は、都内企業のDX人材を育てることです。だから対象は、自社のDXに必要な研修に絞られています。研修の開始日の1か月前までに申請しないと、その研修は対象になりません。
受付は2027年2月28日までです。ただし研修ごとの期限が先に来るので、実際は研修の日程から逆算して動きます。
DXリスキリング助成金の要点まとめ
正式名:令和8年度DXリスキリング助成金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし(資本金か従業員数に上限あり)
- 利用目的
- 従業員のDX研修・DX関連の資格取得研修の費用
- 対象地域
- 東京都内
- 従業員数
- 小売・飲食50人以下、サービス・卸売100人以下、その他300人以下
いくら
- 補助上限額
- 1社100万円(1人1研修あたり75,000円)
- 補助率
- 対象経費の3/4(上限75,000円/人/研修)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年3月1日〜2027年2月28日(研修開始の1か月前まで)
- 事業の完了
- 研修は2027年3月31日までに開始し、2027年8月31日までに終了
うちの会社は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
主たる事業所には支店・営業所を含みます。個人事業主は、都内の税務署に開業届を出していることが条件です。みなし大企業は大企業の子会社などで、都税は法人事業税・法人都民税(個人は個人事業税・個人都民税)を指します。労働関係法令は、最低賃金の支払い・36協定・ハラスメント防止の措置などです。
資本金と従業員数の上限は次のとおりです。どちらか一方を満たせば足ります。資本金のない法人は、従業員数で判断します。
| 業種 | 資本金 | 常時使用する従業員数 |
|---|---|---|
| 小売業・飲食業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
自社がどの業種に当たるかは、募集要項の業種分類表(日本標準産業分類との対応表)で確かめます。たとえば洗濯・理容・美容業や娯楽業はサービス業、建設業・製造業・運輸業はその他の業種に入ります。
みなし大企業とは、大企業が株式の2分の1以上を持つ、役員の2分の1以上を大企業が兼務するなど、実質的に大企業に支配されている会社です。
常時使用する従業員とは、労働基準法第20条の解雇予告が必要な人を指します。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 代表者や個人事業主本人が受ける研修
- ✕ 内定者への入社前の研修(雇用関係がない)
- ✕ 東京都政策連携団体・都が設立した法人
- ✕ 風俗営業など、募集要項が定める業態
同じ代表者の別の法人は、同じ企業とみなされます。別法人に重大な法令違反があると、助成の対象になりません。
いくら助成される?
助成額は、研修にかかった費用(税抜)の4分の3です。ただし1人1研修で75,000円が上限で、1社あたりの合計は100万円までです。
- 受講料8万円の公開研修を1人が受ける:8万円 × 3/4 = 6万円
- 受講料12万円の研修を1人が受ける:12万円 × 3/4 = 9万円 → 上限の7.5万円
- 見積合計80万円のオーダーメイド研修を10人が受ける:1人8万円 × 3/4 = 6万円 × 10人 = 60万円
上限の7.5万円に届くのは、1人1研修の費用が10万円以上のときです。10万円の4分の3がちょうど7.5万円になります。
7.5万円の満額を14人分もらうと105万円になり、100万円を超えます。この場合、交付決定の上限は100万円です。上限に達するまでは、何度でも申請できます。
何に使える?
対象にならない研修
- 通信(添削方式)の研修、サブスクリプション(定額制)の研修
- 国や地方公共団体が主催する研修
- 自社の親会社・子会社、役員の関係会社、顧問契約先が提供する研修
- 業務連絡会、成果発表会、マニュアル作成など、通常の業務に付随するもの
- 経営理念の浸透や意識改革など、知識・技能の習得が目的でないもの
- 資格試験だけ(講習なしで受けられるもの)
- 交付決定の前に実施される研修
対象になる研修
- 公開研修(レディメイド):教育機関が決めた既存の研修で、受講案内と受講料がホームページで公開されているもの。集合研修、同時双方向のオンライン、eラーニングのいずれか
- オーダーメイド研修:自社の従業員向けに計画し、教育機関に委託する集合研修
- 3時間以上10時間未満の研修(eラーニングは標準学習時間が同じ範囲)。目的は自社のDX推進、または専門的な資格の取得
対象になる経費
- 受講料、教科書・教材代、研修に付随する登録料・管理料
- ヒアリング料と会場費(オーダーメイド研修のみ)
対象にならない経費
- パソコンやオンライン機器の購入費、通信料
- 食事代・交通費・宿泊費
- 消費税、振込手数料、送料
「DX」に当たるかどうかの線引きは、公式ページに具体例がありません。研修ごとに事務局へ確認します。
申請の流れ
- gBizIDプライムを取る(事業者。Jグランツで申請するときに必要。発行に時間がかかるので先に)
- 研修を決め、受講案内や見積書を集める(事業者→教育機関。研修日程が決まってから申請する)
- 交付申請をする(事業者→東京しごと財団。研修開始予定日の1か月前の23時59分まで)
- 交付決定を待つ(財団→事業者。審査が順調でも申請から約3週間)
- 研修を受け、終了後2か月以内に実績報告をする(事業者→財団。研修最終日から数える)
- 額の確定通知を受け、請求する(事業者→財団。通知後1か月以内。請求から約1か月で振込)
gBizIDプライムは、国の電子申請に使う法人用のIDです。電子申請(Jグランツ)が推奨で、紙の申請も郵送で受け付けています。
交付決定とは、財団が助成を認める通知のことです。この通知より前に始めた研修は対象外です。
必要な書類
交付申請のときです。
準備できた 0 / 10
教育機関の概要は、ホームページの写しなどで出します。履歴事項全部証明書と印鑑証明書は法人が出すもので、発行から6か月以内のものを各年度の最初の申請のときだけ出します。納税証明書は法人事業税・法人都民税のもので、申請日時点で直近の事業年度の分です。2税目が1枚でも構いません。
個人事業主は、印鑑登録証明書、都内の税務署に出した開業届の写し、個人事業税の納税証明書(都税事務所)と、居住地分・事業所地分の個人住民税の納税証明書(区市町村役所)が要ります。会社案内と組織図は、各年度の最初の申請だけ出します。
実績報告のときは、受講証明書か研修実施報告書、支払いの控え、領収書を出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に研修が始まった:交付決定前に実施された研修は対象外です。開始日までに決定が出ないと、不交付になることもあります。
- 研修時間が範囲外:3時間未満や10時間以上の研修は対象になりません。受講は総研修時間の8割以上が必要です。
- 従業員以外が受講した:代表者や個人事業主本人は対象外です。役員は、雇用保険に入っている場合だけ従業員として扱われます。常時勤務する事業所が都内にない従業員も対象外です。
- 労働時間外・賃金なしで実施した:研修は業務命令として労働時間内に行い、所定の賃金を払う必要があります。週休日や所定労働時間を超えて行うときは、実績報告で「労働時間に関する確認書」を出します。
- 会社の口座から払っていない:従業員個人が支払った分は対象外です。会社の口座から振込で払います。
- 他の公的助成と重なった:同じ研修で国や地方公共団体から助成を受けると対象外です。
- 実績報告が遅れた:研修最終日から2か月以内に出さないと、交付決定が取り消されることがあります。
併用と上限の考え方
DXリスキリング助成金の上限100万円は、事業内・事業外スキルアップ助成金の合算上限とは別枠です。DXリスキリングで100万円を受け取っても、ほかの助成金に申請できます。ただし、同じ研修を複数の助成金に出すことはできません。
過去の申請で同じ研修を受けた人は、受講者の要件から外れます。
よくある質問
どんな研修がDX研修として認められますか?
募集要項では、自社のDX推進に必要な知識・技能を身につける研修、または専門的な資格を取るための研修とされています。ただし具体的な講座名の例は、公式ページにありません。社内の業務連絡会やマニュアル作りは対象外です。判断がつかない研修は、交付申請の前に事務局(03-5211-0391)へ内容を伝えて確認してください。
研修が始まってから申請しても間に合いますか?
間に合いません。申請は研修開始予定日の1か月前までで、すでに始まった研修は対象外です。たとえば10月18日に始める研修なら、9月18日が期限です。開始日が3月31日なら2月28日までです。審査は順調でも約3週間かかるので、日程が決まったらすぐ出すのが安全です。
代表者や個人事業主本人が受ける研修は対象ですか?
対象外です。助成の対象は、申請企業に雇用される従業員です。個人事業主に雇われている従業員は対象になります。役員は、雇用保険に加入している場合だけ従業員として扱われます。代表取締役の家族は、雇用契約書などで雇用関係が確認できれば対象です。本人が受けたい研修がある場合は、対象の従業員が受ける研修を別に組むか、助成を使わずに受講するかを決めます。
研修の時間数にはどんな決まりがありますか?
1研修あたりの総研修時間数が、3時間以上10時間未満であることが条件です。eラーニングは標準学習時間数で見ます。昼休憩など賃金が出ない休憩は含めませんが、小休憩は除かなくて構いません。複数日に分ける集合研修は、1回あたり30分以上にします。受講は総研修時間の8割以上が必要です。
公開研修とオーダーメイド研修は何が違いますか?
公開研修は、教育機関が計画した既存の研修で、受講案内と受講料がホームページで公開されているものです。オーダーメイド研修は、自社の従業員向けに計画して教育機関に委託するもので、集合研修に限られます。公開研修は公開された受講案内、オーダーメイドは教育機関の見積書で、1人1研修の費用を確かめます。
助成額は税込みの費用で計算しますか?
税抜です。消費税は助成対象外で、助成額は税抜の対象経費の4分の3で計算します。受講料のほか、教科書・教材代と、研修に付随する登録料・管理料も対象です。パソコンなどの機器代、通信料、食事代、交通費、宿泊費、振込手数料は対象外です。受講者1人1研修で金額が出せる経費に限られます。
上限100万円はどう数えますか?
1社あたり、交付決定できる金額が100万円までです。上限に達するまでは、複数回に分けて申請できます。複数の研修をまとめて申請することもできますが、助成金が出るのは全研修が終わったあとです。1人1研修の上限は7.5万円なので、満額なら14人分で105万円となり、100万円で止まります。
事業内・事業外スキルアップ助成金と併用できますか?
併用できます。DXリスキリング助成金の100万円は、ほかの助成金とは別枠で数えます。事業内スキルアップ助成金と事業外スキルアップ助成金は、上限が合算です。ただし、同じ研修について複数の助成金を重ねて受けることはできません。別々の研修なら、それぞれ申請できます。
研修の費用はいつ、どう払えばよいですか?
会社の口座から、金融機関の振込で教育機関へ払います。従業員が立て替えた分は対象外です。実績報告では、口座の振込控えか通帳の写しと、研修名・日程・受講者名が書かれた領収書を出します。教育機関から返金や値引きを受けると、その分は助成の対象から外れます。
研修の日程を変えるときはどうしますか?
やむを得ない事情があれば、変更承認申請書を出して変えられます。研修日時の変更は、計画日か変更予定日の早い方の、研修開始時間までに申告します。変更後の日付は、交付申請から1か月以上あとで、交付決定以降である必要があります。受講者の追加はできません。まず事務局に電話で伝えてください。
実績報告はいつまでに、何を出しますか?
研修の最終日から2か月以内に出します。公開研修は、8割以上の受講が分かる受講証明書が要ります。オーダーメイドは、出席簿、研修風景の写真、研修実施報告書です。どちらも支払いの控えと領収書を添えます。期限に間に合わず事前の相談もないと、交付決定が取り消されることがあります。
問い合わせ先はどこですか?
東京しごと財団 企業支援部 企業支援課の「スキルアップ助成金」事務局です。電話は03-5211-0391で、平日の9時から17時まで(12時から13時を除く)です。電話では「DXリスキリング助成金」と伝えてから内容を話します。来所や訪問での説明も、希望すれば受けられます。
