車椅子の宿泊客から予約の問い合わせが来たとき、館内の段差やエレベーターの有無で答えに詰まった経験はないでしょうか。東京都の「宿泊施設バリアフリー化支援補助金」は、旅館・ホテル・簡易宿所が高齢者や障害者を含むすべての客が円滑に過ごせる環境を整えるための費用を補助する制度です。
対象は東京都内で旅館業法の許可を受けて旅館・ホテル営業または簡易宿所営業を行っている施設。施設整備・客室整備・備品購入・実施設計・コンサルティングまで幅広く対象になります。補助率・上限額は建物の延床面積や整備内容によって変わる仕組みで、一律の金額ではありません。受付は令和8年4月1日から令和9年3月31日までです。
宿泊施設バリアフリー化支援補助金の要点まとめ
正式名:宿泊施設バリアフリー化支援補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 宿泊業(旅館業法の許可を受けた旅館・ホテル営業、簡易宿所営業)
- 利用目的
- 設備投資(バリアフリー化のための施設整備・客室整備・備品購入・実施設計・コンサルティング)
- 対象地域
- 東京都内
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 建物の延床面積・整備内容により変動(公式ページに記載なし。東京観光財団へお問い合わせください)
- 補助率
- 整備内容・室数により変動(複数種類の整備や6室以上のバリアフリー化等で補助率が上がる仕組み)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 令和8年4月1日〜令和9年3月31日(郵送は当日消印有効、電子申請は3月31日17時締切)

補助率が固定ではない、という点が最初のポイント
多くの補助金は「補助率2分の1、上限〇〇万円」のように一律で決まっていますが、この制度は違います。建物の延床面積、整備する種類の数、バリアフリー化する客室数(6室以上かどうか)によって補助率が変わる仕組みです。
つまり、同じ工事内容でも、施設の規模や整備の組み合わせ方次第で補助される割合が変わります。 見積を取る前に、東京観光財団に相談して自施設の条件でどの補助率が適用されるかを確認しておくと、計画が立てやすくなります。
何が対象経費になるか
対象経費は工事だけではありません。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 対象になる | バリアフリー化のための施設整備・客室整備工事 |
| 対象になる | バリアフリー関連の備品購入、実施設計費、コンサルティング費用 |
| 判断基準 | 東京都福祉のまちづくり条例・国の建築設計標準に準拠した内容かどうか |
例えば、エントランスのスロープ設置と客室の手すり設置に加えて、専門家によるバリアフリー診断(コンサルティング)を依頼した場合、その診断費用も対象経費に含められます。工事だけで検討している施設は、設計・コンサルティングの費用も合わせて見積もっておくと、対象経費の総額を取りこぼしません。
申請方法は2通り、締切の扱いが違う
申請は郵送とJGrants(電子申請)のどちらでも可能です。ただし締切の扱いが異なります。
- 郵送: 当日消印有効で令和9年3月31日まで
- JGrants(電子申請): 令和9年3月31日17時締切
さらに、申請額が予算に達した時点で受付が終了するという制約もあります。1年近い受付期間がありますが、「まだ余裕がある」と後回しにせず、整備計画が固まった段階で早めに申請することをおすすめします。
よくある質問
簡易宿所でも対象になりますか?
対象になります。旅館業法の許可を受けた「旅館・ホテル営業」に加え、「簡易宿所営業」も対象です。
補助率はどこで確認できますか?
公式ページに具体的な数値の記載はなく、建物の延床面積や整備内容で個別に決まります。東京観光財団へ直接お問い合わせください。
客室の一部だけの改修でも申請できますか?
可能です。ただし6室以上のバリアフリー化など、整備の規模によって補助率が変わる仕組みがあるため、計画段階で東京観光財団に確認することをおすすめします。
