日本語教室を開いている、外国人相談窓口を運営している——そんな民間団体の活動費用を、東京都が最大500万円まで助成する制度があります。令和7年度分は2025年5月16日、令和8年度分も2026年5月15日でどちらも受付を終了しています。
運営は東京都生活文化局。補助対象事業費の1/2以内、上限は1事業につき500万円で、日本語教室・外国人相談・多文化共生イベント・外国人の就業支援など、幅広い活動を対象にしていました。企業向けの補助金ではなく、公益法人・NPO法人・その他の非営利団体を対象にした助成金です。
東京都在住外国人支援事業助成の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人。公益法人・特定非営利活動法人・その他の非営利団体に限る) |
| 制度名 | 東京都在住外国人支援事業助成 |
| 対象業種 | 指定なし(非営利団体による在住外国人支援事業) |
| 利用目的 | 日本語教室・生活相談・多文化共生イベント・外国人の活躍促進・地域の共助事業(まちづくり・地域振興) |
| 対象地域 | 東京都内(事務所または活動拠点が都内にあること) |
| 従業員数 | 規定なし(団体としての活動実績が2年以上必要) |
| 補助上限額 | 500万円(助成対象事業費の1/2以内) |
| 補助率 | 1/2以内 |
| 申請受付 | 終了しました(令和7年度:2025年4月1日~5月16日、令和8年度:2026年4月1日~5月15日) |
| 公式サイト | 東京都生活文化局「東京都在住外国人支援事業助成」 |

対象になる5種類の事業
助成対象事業は次の5つのカテゴリに分かれていました。複数のカテゴリにまたがる事業でも、該当するものすべてに丸を付けて申請できる仕組みです。
| 事業の種類 | 内容の例 |
|---|---|
| コミュニケーション支援事業 | 日本語教室、通訳ボランティアの育成・派遣、多言語翻訳 |
| 生活支援事業 | 医療・防災・住居等の情報提供、相談事業、同行支援 |
| 多文化共生の意識啓発事業 | フォーラム・シンポジウム、継続的な交流イベント |
| 在住外国人の活躍促進事業 | 外国にルーツを持つ子どもの学習サポート、留学生の就業・起業支援 |
| 地域の多文化共生の共助・協働・共創事業 | 近隣住民とのマッチング交流、地域防災活動を通じた交流 |
「多文化共生の意識啓発事業」だけは例外的に、対象者を外国人に限定していません。 日本人向けの異文化理解イベントも、このカテゴリであれば対象になります。
対象団体は「非営利団体」に限られる
この助成金は株式会社などの営利法人では申請できません。 単独で申請できるのは、次の要件をすべて満たす団体です。
- 公益法人、特定非営利活動法人(NPO法人)、またはその他の非営利団体であること
- 国・地方公共団体から基本財産への出資や運営費補助を受けていないこと
- 東京都内に事務所または活動拠点を有すること
- 団体の活動開始後2年以上(申請日時点)が経過していること
- 政治活動・宗教活動を行っていないこと
株式会社の単独申請は対象要件を満たさず、申請できません。 ただし非営利団体との連携事業(複数団体の共同実施や実行委員会形式)であれば、要件の組み方次第で参加できる場合があります。
助成対象になる経費の考え方
助成対象費目は、補助員費・謝礼・広報関係費・資材教材費・通信運送費・会場費・その他経費の7区分です。それぞれに細かい上限があります。
- 補助員費の上限は日額12,400円(交通費込み)。1日4時間以下の勤務は日額6,200円が上限
- 謝礼(講師謝礼等)はB基準38,000円が原則。高度な専門性が必要な場合のみA基準54,800円を適用可能
- 団体から給与を受け取っている役職員への補助員費・謝礼は支給不可
団体の運営費(事務所賃料・経常的な広報費等)は対象外 という点も見落としやすいところです。あくまで「申請した個別事業」に直接必要な経費だけが対象になります。
審査はヒアリング(プレゼンテーション)込み
書類を出して終わりではありません。審査は申請書類とヒアリングの両方で行われ、ヒアリングでは申請者自身が事業のポイントをプレゼンテーションする流れでした。審査基準は次の4項目です。
- 事業目的(東京都多文化共生推進指針との合致、ニーズ把握)
- 事業効果(多文化共生社会づくりへの貢献、波及効果)
- 創造性(民間団体らしい機動力・柔軟性を活かした先駆的な取組か)
- 実現性(実施体制・スケジュール・人材財源の確保)
特に重視される視点として「既存の制度では対応しにくい事業」「他団体への波及効果が期待できる事業」の2点が明記されていました。行政ではできない、民間ならではの機動力を打ち出せるかどうかが、審査のポイントになりそうです。
次に似た制度が出たときの備え方
令和7年度・令和8年度とも受付は終わっていますが、この助成金は年度ごとに継続して実施されている制度です。次年度(令和9年度)の募集に備えて準備できることを整理します。
- 団体の活動実績を2年以上積んでおく。 新設団体は申請要件を満たしません
- 令和6年度の活動計算書(収支決算書)・令和7年度の活動予算書を整備しておく。 申請時に必須の添付書類です
- 申請時点での助成対象事業費が総額50万円以上になる規模の事業計画を立てておく。 これも要件の一つでした
- 東京都の他の助成金と同時に申請しない。 同一年度に都の他の助成を受けている、または申請中の事業は対象外という制限があります
- ヒアリングでのプレゼンテーションを想定し、事業の必要性・独自性を簡潔に説明できるようにしておく
よくある質問
株式会社でも申請できますか?
単独では申請できません。対象団体は公益法人・特定非営利活動法人・その他の非営利団体に限られます。 非営利団体との連携事業として参加する形であれば、条件次第で関わることが可能です。
対象者を日本人に限定したイベントは助成対象になりますか?
「多文化共生の意識啓発事業」に限り対象になります。このカテゴリだけは外国人に限らず、東京都内に居住・通勤・通学する人を主な対象とする事業も助成対象と明記されていました。
助成対象事業費に下限はありますか?
あります。申請時点での助成対象事業費が総額50万円以上であることが要件でした。 これを下回る小規模な事業は対象外です。
